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■周囲からの猜疑心
2006年第4戦は今年前半戦のヤマと位置づけていたラスベガス。そしてカジノは今まで無敗を記録している相性の良いMIRAGEです。
しかし。。。
今までこんなにもキツくカードカウンターと疑われて、常に気分の悪い状態でプレイし続けたのは初めてです。これはまたある意味で今後のために良い経験だったのかもしれませんが、GAKUストラテジーの深刻な問題点であることも今回はっきりと認識しました。
僕のプレイ中は、サードベースに座る僕を真正面から監視できるファーストベース方向にインスペクターが立って、ずっと監視を続けていました。それはもう強烈な猜疑心を放つ視線でした。
シャッフルの時に少しテーブルを離れると、インスペクターは必ずディーラーに何か確認しにやってきます。会話の全ては聞き取れないものの、時折聞き取れる単語からは僕のことしか話していないのが分かりました。
それから、どうもカードのトラッキングも疑われていたようで、インスペクターの指示でシューのカットもやり直しさせられたこともありました。ごく普通にシューの真ん中にカットカードを入れたのにも関わらずです。そしてそれを指示する言葉の表現が、一般の客に対してのそれとは明らかに違います。とにかくキツい。
最初はにこやかに迎えてくれたディーラーでさえ、僕のプレイを見ているうちにその視線がどんどん冷たくなっていきます。途中からは話しかけても返事すらしてもらえず、チップをあげても無言のままです。更にひどいときは席を立つときに「Good night.」と言われる始末(まだ相当早い時間帯なのに)。これには「もう来るな。」という意味が込められているのは容易に察知できました。
またあるとき、ミニマム$25のテーブルをしばらく立って見ていると、僕の存在に気がついたディーラーが、ディーラーチェンジの時に「またアイツ来てるよ。ずっとテーブル見てるからマズイかも。」(←これは僕の推測にしか過ぎませんが)ということをインスペクターに告げたようで、一瞬ふたりで僕を睨みつけたかと思うと(それはもうすごい目つきでした。)、インスペクターは小走りでそのテーブルに駆け寄り、ミニマムを突然$100に変更したのです。通常MIRAGEでは、テーブルのミニマムを上げる場合、現在そのテーブルでプレイ中のプレイヤーにその旨を告げてから行ないます。しかも、通常はミニマム$25から$50に変更するものなのです。
あるインスペクターには「君は何か奇妙なことをやってるようだが、そのシステムは何なんだ?」と直接聞かれたこともありました。その眼が猜疑心に溢れていたので、「僕のやり方はカードカウンターに見られるかもしれないけど、違いますよ。それは見ていればあなたも分かるでしょう。」と話しましたが、彼は「フ〜ン。。。」という疑念に満ちた返事を返すだけでした。
さらに決定的だったのは、マーカーを切る際ピットボスに「偽名は書くなよ。本名でサインしろよ。いいか、偽名は無しだぞ。」と言われたのです。彼の言葉には「依頼」の表現はなく「命令」です。そしてひとつの「please」もついてないので、ジョークではなく、たぶんこういうキツい表現と受け取って良いのでしょう。
一番最後のセッションを担当してくれた男性ディーラーとはよく話したので、「僕のやり方はカードカウンターのように見えるかな?」と聞いてみると、彼は「誰が見てもそう思うよ。」と答えました。
やはりそうか。。。
GAKUストラテジーがカードカウンティングをしない非科学的なベッティングシステムであることは、リゾカジ.comをご覧のみなさんがご周知の通りです。そのベッティング・システム自体は、はっきり言ってバカバカしいものであることは間違いないのです。そのバカバカしいシステムを信じ切って、自分のメンタルコントロールのために役立てているだけです。
ミニマム$25のBJテーブルで、何の根拠も無いところに突然$1,000のベットをしていくので、カジノのスタッフを含めて、周囲からは「変なヤツだ。何かあるな。」と思われるのは仕方がないことだと思っています。
でも、やっぱり楽しくプレイしたい。これでは何のためにラスベガスまで来たのか分かりません。
今回の体験で、今後ラスベガスに行きたいという僕のモチベーションは完全に消失してしまいました。。。
■大誤算
今回は滞在前半の2日間が週末だったために、S17STANDのBJテーブルの全てがミニマム$50以上になっていました。これは大誤算です。
空いているテーブルをミニマム25にしてくれるようにリクエストしても、「週末だから」の一点張りでまったく受け付けてくれません。今回のために数多くのシミュレーションを繰り返し、新しいベットスプレッドで臨む準備を整えてきたのに、肝心のミニマム$25のテーブルが無いなんて。。。
このような想定外の状況に対して「まったくプレイしない」ことを貫ければ僕も大したものですが、精神力の弱い僕は今まで試したことも無い、その場しのぎの設定で臨んでしまったのです。これは僕にとって、GAKUストラテジーとは似て非なるもの。単にベットスプレッド設定をいつもの倍にすることは簡単ですが、バンクロールがそれに耐えられません。
GAKUストラテジーとは極端に言えばベットアップするタイミングが重要なのではなく、バンクロールに対するベットスプレッドのバランスが重要だと思っています。そのバランスが設定通りであれば、プレイ中にチップ量が上下する感覚がすでに身に付いていますから、チップ量がプラスに触れたところで躊躇なく「勝ち逃げ」できるのです。これがいつもの勝ちパターン。
こういうことが大切なのにも関わらず、今までの経験も無く、事前のシミュレーションも無い設定で臨んでしまいました。そしてなにより、今までの経験に基づく肝心の「自信」がありません。
・打たれ越しモード(無し)$50
・基本モード$50 - $100 - $150
・ベットアップモード$600 - $1,000
自信が無いだけでなく、バンクロールに対してのミニマムベットが大きすぎることも明らかです。いつものようにミニマム$25で打たれ越すことができず、何発もボディブローをくらい続けた上に、KOパンチをお見舞いされるようなゲーム展開が続き、全くなす術がありません。
それでもプラスに振れたところで「勝ち逃げ」することだけに意識を集中し、途中何度も踏みとどまってはいました。しかし、ついに悪い流れに連続してつかまってしまい力尽きました。
前半2日でマイナス$24,800。ここまでなんと30時間を超えるプレイ時間。。。内容は激闘ではなくつらい消耗戦でした。
すでに自力でのメンタルコントロールの回復ができません。なにしろいつもと違ってGAKUストラテジーを貫いた結果ではないですから、後悔だらけで完全に打ちのめされた気分です。部屋に戻ってもいつものようにポジティブに考えることができないのです。肝心のGAKUストラテジーが使えないのですから、何をやるべきか思いつくはずもありません。
GAKUストラテジーという拠り所を失った僕はなんとも脆い。脆すぎる。。。
そして悔しい。。。
バンクロールを大きく減らした今となっては、今更ミニマム$50設定のGAKUストラテジーなどできません。もはや何も思いつきません。万策は尽き、ホテルのベッドに仰向けに倒れ、薄暗く寂しい天井をただ見つめることしかできませんでした。
■有り難い仲間の存在
ラスベガス滞在3日目。
どれくらい眠っていたのでしょうか。目を覚ますと、そこにはあの薄暗く寂しい天井がありました。どうやら昨日までのことは現実だったようです。打ちのめされた悲痛な記憶がまた蘇ってきました。
カーテンの隙間から光が漏れているところをみると、どうやらまだ昼のようです。あと2日間の滞在中にどうするか、何の策も思いつかずに寝てしまったので、テレビに流れるCNNニュースをただ眺めていました。
「そうだ。起きたらmuufanさんに電話を入れる約束だった。」
muufanさんに昨晩までの経過を話すと、僕の気持ちを見抜いたように食事しに外へ出ましょうと誘ってくれました。メンタルコントロールを失った今の僕にはそんなことは思いもつきません。とにかく、ただmuufanさんの言葉に従いました。
muufanさんがWynn Las Vegasにまだ行ったことがないというので、散歩がてらWynnに向かって歩きました。考えてみれば、ラスベガスに着いてから全然カジノの外に出ていませんでした。ただWynnまで行って帰って来ただけでしたが、疲労で凝り固まっている身体には、ちょうど良い運動になったようです。少し全身の血行が良くなった感じがして、初めて食欲が湧いて来ました。結局MIRAGEのバフェで遅めのランチをとることになったのですが、muufanさんとはカジノのこと、仕事のこと、遊びのことなど、かなり長い時間お話しして、良い気分転換をさせていただきました。muufanさんの優しさは本当に有り難かったです。僕はこうしていつも仲間のリゾカジメンバーに助けられているのです。何物にも代えられない僕の大切な財産です。
ラスベガス滞在はあと1日半ほど。今からマイナス$24,800を全部取り戻してやろうなんて気はさらさらありません。とにかく、今回のラスベガスに向けて事前にシミュレーションをくり返して来たGAKU Strategyで臨みたい。それだけです。それさえ実践できれば、ここから先の勝ち負けの結果はもう問題ではありません。
残りバンクロールはちょうど$10,000。序盤で連敗を喰らうと一撃でバンクロールの大半を失ってしまう危険性が高いですが、ミニマム$50の本来の設定で臨もうと考えていました。本来この設定ではバイインが$20,000必要です。手元にある$10,000のバイインでは背水の陣というしかありません。
・打たれ越しモード$50
・基本モード$100 - $150 - $250
・ベットアップモード$1,200 - $2,000
ところが、
ブラックジャックテーブルを見渡してみると、昨日までミニマム$50だらけだったテーブルがほとんどミニマム$25になっているではありませんか!バンクロールが増えたわけではありませんが、これを見て俄然やる気が出て来ました。これでやっと今回のラスベガスで試したかったミニマム$25の設定で臨めます。最近の苦戦の原因は、主に「基本モード」のベット設定に問題があったのではないかと考えていましたので、以下のような設定に変更してプレイすることに決めていたのです。
・打たれ越しモード$25
・基本モード$50 - $100 - $150
・ベットアップモード$600 - $1,200
従来の設定は「基本モード」が「$100 - $150 - $250」でしたので、一見ほとんど影響無さそうに思えるのですが、現在開発中のTaka4さんのGAKUストラテジー・シミュレータでシミュレーションを繰り返すと、そこには大きな差が現れることが分かったのです。従来の設定よりも「勝てる」ということではなく、「勝ち逃げ」のタイミングを掴みやすいというメリットがあります。これでプラスマイナス$1,000から$2,000程度の範囲で、セッションを区切っていく繰り返しを目指します。
でも、バンクロールがあと$10,000という状況は依然変わりません。悪い流れを連続して喰らったら、もうそこでアウトという状況です。とにかく心して臨まなければ。。。
■復活のGAKUストラテジー
とにかくここからがGAKUストラテジーのスタート。最初のセッションはどんなに小さくても勝ち逃げを決めることに集中です。幸い出足よくプラスを重ねるゲ−ム展開に恵まれ、プラス$2,600ほどまでいったときにベットアップモードに入りこれを連敗。よし、まず一度ここは止め時です。$1,000のプラスを掴んで、重要な第1セッションを終了です。
ここで一番大事なことは「さっきのベットアップで勝っていればプラス$3,000だったのになぁ。」などとタラレバを考えないことだと思っています。考えそうになったらなんとしても振り切らなければなりません。こういう考えは、次回からのセッションに悪影響しやすいものです。本当の戦う相手とは、ハウスではなくこのようなメンタルコントロールを乱す原因、つまり自分自身だとつくづく思うのです。これをコントロールできなければ、僕は理論上のハウスエッジを上回るほど負け続けることになるでしょう。
第1セッションをプラスで乗り切った僕はつづく第2セッションもプラス$850と勝ち逃げを決めることに成功しました。ところが試練はここでやって来ました。第3セッションではベットアップモードが連続で入り、それを連続で外してしまったのです。その最後は$1,000が3ハンドにスプリットというものでした。このセッションマイナス$4,150。今まで積み重ねたプラスを全部吐き出した上に、本日のトータル成績がマイナスにまで引き込まれる痛い敗戦。。。悔しい。でも、とにかくここで逃げるようにして一旦テーブルを離れる。これは今回のラスベガスに向けたシミュレーションで決めておいた自分へのルールです。
折角掴みかけた良い波を、このようにたった1回のセッションで逃してしまうと、精神的ショックは相当大きいものです。「ああ、あの$1,000の3ハンドスプリットのときディーラーがバストしてくれたら。。。」そんな無意味なタラレバがどんどん浮かんできて、メンタルコントロールを難しくするものです。
しかし、今まで何度もどん底から這い上がって来た経験が「今手元にある金だけが現実なんだ!(森巣語録より)」と必死に思い込もうとさせてくれます。
自分を迷わす、このようなタラレバに打ち勝つこと。。。このメンタルコントロールこそがGAKUストラテジーの目指すものです。
ちなみにこのときのメンタル回復には1時間以上を費やしました。
そしてこの後セッション4連勝を果たした事実は、このときGAKUストラテジーが十分に機能し、メンタルコントロールが上手くいった結果と言えるでしょう。とくに最後のセッションは、今までの我慢のうっぷんを晴らすかのようにベットアップが決まりまくり、1セッションでプラス$6,100を叩き出す大一番でした。
これでミニマム$25のGAKUストラテジーが機能してからの成績はプラス$8,550。ついにいつもの手応えが戻りました。
そして最終日。ディーラー、インスペクター、ピットボスたちの更なる冷たい応対という逆境をはねのけながら、僕はこの日のセッションを8勝1敗で終了しました。この日の成績はプラス$13,450。GAKUストラテジーが機能してからの1日半の成績は、セッション14勝2敗でプラス$22,000。時間切れのためトータルではマイナス$2,800だったものの、事前のシミュレーション通りの結果を実践でも出すことができ、今後につながる非常に満足いく結果でした。
そして気がつけば、過去最長のプレイ時間と最大のターンオーバーを記録しておりました(笑)。
■戦績詳細
成績:-US$2,800
プレイ時間:42時間00分
ターンオーバー:US$877,800
シュー勝敗数:159シュー(81勝77敗1分)
ベットアップ・ストラテジー勝敗数:280勝128敗
(※ベットアップ・ストラテジーの「敗数」は1敗につき2連敗を意味するので、勝:敗=2:1が勝敗数のイーヴンということになります。)
※プラスマイナス$10,000のグラフには全く収まらないデータでしたので、今回はグラフは無しといたします。
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