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GAKUストラテジー戦記 GAKU Presents
2007年第11戦@ケアンズ

久しぶりの一人旅
 午前10時のカジノオープンまで時間があるので、ケアンズの街をぶらついてみる。季節の変わり目なのか、空には雲が多く止むことなく強い風が吹いている。それでも雲の間から時折顔をのぞかせる日差しは強く、やはりケアンズのものだと感じさせる。
 エスプラネードのラグーンでは、夫婦は木陰に寝そべり、子供たちは夢中になって水遊びを楽しんでいる。ケアンズらしいのんびりした絵だ。忙しい日常生活で溜まっていたストレスが、眺めているだけで静かに溶けていく感じがする。
 今回は飛行機の中に2食分の弁当を持ち込んでいたので、カフェでOZブレックファーストを摂るほどお腹も空いていない。満腹でテーブルに座ると思考能力が落ちるのか、今まであまり良い経験をしたことがないので、ここは食べずにやり過ごすことにする(笑)。

 昨年は9戦中1敗しかしていない相性の良いリーフカジノだったが、その1敗が精神的大敗だった。ひとりで街を漂い、ふと気がつくとベンチに腰をかけていた。以来、そのとき見た風景を忘れないようにしている。
 そのベンチの真正面に見える大きな一本の木は、今もその姿を変えていない。でも、まったく同じ木のはずなのに、そのときのメンタルの状態によって全然雰囲気が違って見えるから不思議だ。ケアンズに滞在する度に毎回見ているその木だが、プレイ開始前に見るのは今回が初めて。空の澄んだ青、黒さえも打ち消してしまいそうな雲の白、日差しを浴びて輝く緑。そのコントラストはもう何度も見慣れているはずなのに、なんだか今日はとても美しい。こんな日は、きっと良いことあるだろうと勝手に思い込んでみる(笑)。

 カジノのオープンと同時にキャッシャーでデポジットし、予めリクエストしておいたミニマムA$25のBJテーブルに向かうと、見慣れたディーラーとインスペクターが笑顔で迎えてくれた。
「待っていてくれてありがとう」
「もう15分遅刻よ」
 こんなやりとりだけで、気分良くプレイに入れる気がするのがこのカジノの良いところだ。

 第1セッションは開始早々のベットアップモードA$600をしとめる。ディールされたディーラーのアップカードと自分のハンドとの優劣は、お世辞にも有利とは言えないものだったが、ディーラーのバストでこれを仕留めたのは嬉しい。やはり最初が肝心だ。
 しばらくしてディーラーが交代になるが、リーフカジノでは珍しい日本人女性ディーラーだ(Yさん以来初めてかも?)。ディーリング中は日本語での会話は許されていないらしく、お互い英語で会話する。何か変な感じだ(笑)。ディーラーになってまだ2週間という彼女は、カードの合計数を数えるのもまだ不慣れなよう。是非、これから名ディーラーを目指していただきたい。
 彼女に交代してから初めて入ったベットアップモードは、A$1,000がダブルダウンとなる。その言動からプレイヤーの私よりも、ディーラーの彼女の方が緊張しているのがよく伝わってくる。ディーラーは機械的にディールするのが当たり前だから、こんなことは滅多にない経験だ。
メンタル・コントロールのために普段は「勝つこと」を期待しないようにしているが、このときは3枚目がどんなカードであろうとも勝てる気がした。その予想通り、ここはディーラーのバスト。そして連続ベットアップモードへ移行だ。次のA$600も難なく仕留め、ここで第1セッションを切る。+A$2,925、上出来である。

 休憩を入れた後の第2セッションでは、最初に入ったベットアップモードA$1,000がいきなりダブルダウンとなる。結果、合計数は21となり、ここも奇麗に仕留める。このとき、これを後ろで観ていた客が大声を出したので、まだ客の少ない午前中にも関わらず私のテーブルは大勢のギャラリーに取り囲まれてしまう。
 間もなくして入った次のベットアップモードA$600は、アップカード2に対しての77。当然スプリットする。1ハンド目はハード19でステイ。2ハンド目の2枚目のカードには4がディールされて、ダブルダウンとなる。この3枚目は9で合計数20。ディーラーのハンドへ、一斉にギャラリーの熱い視線が集まる。見られるのは嫌いではないが、こんなときに格好つけようとすると、ものの見事に失敗するものである(笑)。
 注目のホールカードは9。合計数11だ。そして次にはピクチャー・カード。。。それと同時に、ギャラリーが声にならない声を漏らす。あの、、、負けたのは私なんですけど(笑)。

 GAKUストでは、こんなことなど日常茶飯事である。いちいち気にしてなどいられない。さて、次だ。最初のA$1,000ダブルダウンを取っているから、このセッションのマイナスはまださほど大きくない。十分に戦える状況である。
 次にやってきたベットアップモードは2連続で奪取し、+A$600としたところでこの第2セッションを切る。順調?うん、良い手応えだ。こういうセッションを最終的にプラスで終えることは、トータルに大きく影響するのだと思う。
 ここまでのトータルは、+A$3,525。思い描いていた初日午前中の目標+A$3,000を上回った。さて、どうするか。ここまでのプレイ時間はまだ30分である。今日は土曜日だから、リーフカジノの一般フロアはお昼くらいまでには客が増えてくるだろう。幸いまだ私以外にプレイヤーは入って来ない。熟考の末、もう1セッション押すことに決める。

 第3セッションは、ベットアップモード1勝1敗のまま2シュー目に入る。ボックス数はあまり増えないものの、このあたりからプレイヤーの出入りが多くなってくる。今のところ、このセッションは-A$400程度だが、もうそろそろ潮時だろうか。勝ち逃げでも負け逃げでも、ここはしっかり席を立つ瞬間を見極めなければならない。私の隣りに座ったOZがプレイに加わるのだと思ったが、ただ見ているだけだったのでプレイ続行。するとこのシューの1ハンド目に、いきなりベットアップモードの条件が入る。よし、勝っても負けても、午前中のプレイはこれで終了だ。次のベットはA$600。ディーラーアップカード7に対して、TTの合計数20がディールされる。ホールカードは素直に10。負け逃げになりそうだったこの第3セッションも、きっちりプラスで凌ぐことができたので、予定以上の成績で初日午前中のプレイを終了とした。あとは深夜からのCLUB Priveでのプレイに集中する。

ここまでの戦績
成績:+A$3,775
プレイ時間:50分
ターンオーバー:A$13,750
シュー勝敗数:5シュー(4勝1敗)
セッション勝敗数:3セッション(3勝0敗)
ベットアップモード勝敗数:8勝2敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)


拍子抜けの結末
 初日午前中のプレイを終え、一旦部屋に戻る。なにしろ50分間しかプレイしていないから、いつもと違って全く疲れていない(笑)。
 窓から見えるケアンズの空はかなり曇りがちになり、もうまったく陽が差さなくなっている。とりあえず散歩がてら、ケアンズ・セントラルまで行ってみることにする。季節が逆のオーストラリアだから、カジュアルな夏物はこちらで買うことになる。そう言えばここしばらくキツい展開が多かったから、ケアンズでの買い物は久しぶりだ。週末で混み合っているケアンズ・セントラルを一通りながめて外に出ると、雨が降っていた。散歩などせずにカジノへ行けということだろうか(苦笑)?珍しいことはするものではない。

 今のところすべて事前のシミュレーション通りうまくいってるので、ここでそれを変える必要などない。後は夜のCLUB Priveでのプレイに全精力を傾けることにして、体力温存のためにここは潔く昼寝だ。寝られるなら深夜まで寝ようと思ったが、CLUB Priveオープンの時間前にパッチリと目が覚めてしまう。習慣というのは恐ろしい(笑)。幸い目覚めが良いので、シャワーを浴びてCLUB Priveを視察に行くことにする。週末なので一般フロアは大盛況。一階はほとんど全てのテーブルがオープンしているが、二重にひとが取り囲み、どこにも座る席がない。自分のペースが保てないこの状況では、さすがにプレイする気にはならない。

 CLUB Priveに入ると、ちょうど今ミニマムA$25のBJテーブルがオープンするところだった。今のところプレイヤーは他に誰もいない。よし、これなら午前中と同じことができそうだ。途中でプレイヤーが増え過ぎるようなら、一旦止めて深夜にまた戻れば良い。

 まずはいつものように集中力を高める。現在までの+A$3,775程度の成績は、一瞬にしてマイナス領域に突き落とされる。GAKUストでは、流れが悪ければ1時間でここから-A$8,000になりうる。本当にあっという間である。問題はそのときにそれを当たり前のこととして受容できるかどうかだ。できなければ、いとも簡単にメンタル・コントロールは崩壊する。その覚悟がついたときに、初めてプレイをスタートさせることができるのだ。

 さて、いこうか。

 第4セッション開始。その数ハンド後にやってきたベットアップモードを、まずは順調にA$600で仕留める。セッション最初のベットアップモードを取るか取らないかは大きな違いだ。たとえそこからマイナス・セッションになったとしても、マイナスの額がまるで違ってくるからだ。GAKUストで一番痛い瞬間は、セッション最初のベットアップモードから連敗することである。これを2回繰り返せば、ものの10分で-A$7,000くらい失うことも珍しくない。
 私にしては本当に珍しいことだが、これをきっかけにあっという間にベットアップモードを4連勝してしまう。少々拍子抜けだったが、開始20分で2セッション連勝。目標にしていた+A$6,000を早々にクリアしたところで、ちょうど良くと言って良いのかローカル・プレイヤーでテーブルが埋まる。今回はどうやらこのタイミングに恵まれている。その恩恵を大切にするためにも、ここで今滞在の全プレイ終了を決めた。

 今までの最短プレイ時間記録を大幅に更新する、1時間10分。もちろんターンオーバーも過去最小である。森巣博先生の教え通り、今回はカジノから嫌われる客になって帰ることにした(笑)。


最終戦績
成績:+A$6,125
プレイ時間:1時間10分
ターンオーバー:A$19,250
シュー勝敗数:8シュー(7勝1敗)
セッション勝敗数:5セッション(5勝0敗)
ベットアップモード勝敗数:12勝2敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)

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