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■森巣博先生還暦祝賀公式オフ会
2008年3月22・23日、「リゾカジ.comエグゼクティヴ・アドヴァイザー」である森巣博先生の還暦を記念して、ケアンズのリーフカジノで公式オフ会が行なわれた。
オフ会参加者であるリゾカジストのみなさんは、みな例外無く森巣小説の影響を受けている。今回の幹事役を務めさせていただいた私自身もまた、当然その中のひとりだ。カジノで敗北しては反省とともに森巣小説を読み返し、そこに書かれている言葉の意味をひとつひとつ身に染みこませてきた。私の持っている「ジゴクラク」はボロボロで、ほぼ全編に渡って折り目だらけになっている。いつか森巣先生にサインをいただこうかと思ってはいるのだが、いつも忙しくてなかなかその機会に恵まれていない(笑)。
オフ会直前までは一部で洪水状態になるほどの雨が続いていたケアンズだったそうだが、まるで森巣先生の還暦を一緒に祝うかのような素晴らしい天候に恵まれた。リーフカジノホテルのロビーで空港からリモで到着された森巣先生を出迎え、まずは握手を交わす。いよいよオフ会の始まりである。
■カジノの無いケアンズ
2008年3月21日はグッドフライデーのためリーフカジノは終日休業。私にとっては34回目の訪問となるケアンズだが、カジノの無いケアンズはこれが初めての経験だ。気の向くまま昼過ぎまで部屋でごろごろし、ランチはsevenさんケニーさんらとともにエスプラネード沿いにあるイタリアン・レストランVilla romanaに行ってみた。とても気さくな店主が陽気にサーヴしてくれるケアンズらしいレストランである。sevenさんがここの料理は最高だと褒めると、「料理は任せてもらって良いかい?」と得意げな表情。こういうときはお任せで間違いない。タスマニアン・サーモンのカルパッチョから始まり、生牡蠣も加えてシーフード三昧。そう言えば今晩の夕食会もシーフードだが、まあそんなことはどうでも良い(笑)。森巣先生がお勧めされていたキングジョージという魚を初めていただいたが、日本のキスに似た淡白な風味でとても美味しいものだった。オーストラリアでは1kg当たりA$50くらいする高級魚なのだそうだ。
Villa romana
午後はマッサージも受けて、明日のオフ会開幕に向けて万全の態勢を整えた。 リーフカジノのプールはまだ工事中だったが、ジャグジーはまだ使えないもののプールの仮オープンはしていたので日光浴をしてみることに。偶然いらっしゃった森巣先生、BBSTARさんとプールサイドで談笑した。カジノの無い一日がこんなに心穏やかに過ごせるなんて、今まで想像もしていなかった(笑)。
■森巣博先生を囲んでの夕食会
カジノの無いグッドフライデーのメイン・イベントは、今回の主賓森巣博先生を囲んでのシーフード・ディナーだった。この日は休業したり営業していてもアルコールを出さないレストランが多いようで、予約していた Barnacle Bill’sもすっかり満席だった。生牡蠣、キルパトリック、バグ、マッドクラブ、ロブスター、キングジョージなどなど、オーストラリアならではの新鮮なシーフードが次々とテーブルに運び込まれてきた。リゾカジスト軍団はカジノでは平気で食事を抜くくせに、カジノ抜きだと随分と食欲旺盛である(笑)。あっという間に料理は完食。ごちそうさま。
ここではシーフードがメインだったが、森巣先生にお勧めしていただいた赤ワインのPenforlds KOONUNGA HILLも素晴らしかった。
Barnacle Bill’s Seafood Inn
「極楽カシノ/森巣博著(光文社)」の主人公ジミーさんも、オーストラリアの素晴らしいシーフードの数々に終始ニコヤカ笑顔だった。先発隊のBJさん、のんぶさん、ユウキさん、ARINAさん、BBSTARさん、雨田晴男さんらも全体的に調子が良いこともあってニコヤカ笑顔。滅多にないことだが、たまにはこういうカジノの無い海外オフ会も良いものだと思った。

■ミニマムA$50への対応
カジノが休業だったグッドフライデーから一夜明けたオフ会初日。いよいよ朝10時からリーフカジノがオープンする。はやる気持ちを抑えきれないのか、オープン前のリーフカジノの入り口にはまるでパチンコ店の新装開店へ並ぶかのようにリゾカジストが集まって来た(笑)。オフ会のために朝10時から臨時オープンしたCLUB Priveは、すぐに大勢のリゾカジストで埋め尽くされた。
今回CLUB Priveに用意されたBJテーブルはミニマムA$50だった。今まではミニマムA$25だったのだが、マネージメントの決定で特別手配のゲーミング・テーブルについては、今後すべてミニマムA$50以上とすると取り決められたのだという。リーフカジノでのこのミニマム変更の噂は一昨年からあったのだが、一部の方からは私がリーフカジノであまりに勝ちすぎるので、リーフカジノによるGAKUスト封じの策なのではないかと指摘されたこともあった。実際には経営効率の観点からマネージメントが判断したことなのだろうが、これをやられると今までの経験では確かにかなりキツい。できれば避けて通りたい。
ミニマムA$50へはベットスプレッドを通常のA$25設定を2倍にすることで対応して来た。しかし、2007年3月のメルボルン公式オフ会での大敗を含め、過去の大敗の記録はすべてこの2倍設定によるものだ。バンクロールを2倍にする負担もさることながら、メンタル・コントロールにかかる負担は想像以上に大きく、ハウスとの勝負以前に自滅してしまう危険性が高いのだ。
●通常設定
打たれ越しモード:A$25
基本モード:A$50ーA$100ーA$150
ベットアップモード:A$600ーA$1,000
●2倍設定
打たれ越しモード:A$50
基本モード:A$100ーA$200ーA$300
ベットアップモード:A$1,200ーA$2,000
GAKUストラテジーの将来を考えると、ミニマムA$50への対応はいつか必ず乗り越えなければならない壁であった。しかし、それがこんな急にやってくるとは。しかもよりによって、あのメルボルンからちょうど一年後のこのケアンズ公式オフ会でだ。何か因縁めいてさえ感じてしまう。
正直に言えば、この一年ミニマムA$50への対応に関しては目を背けてきた。まだ乗り越えられないのであれば、無理せずに避けて通れば良いと考えたからだ。しかし事態は一転し、それに正面から対峙しなければいけなくなった。私は丸一日悩んだ末にある仮説にたどりつき、GAKUストラテジー・シミュレータの設定を変更してシミュレーションに没頭した。2倍設定の大きすぎるリスクを負うことなく、通常設定と同等のプレイ感覚のままミニマムA$50設定にできないものか。私のこの仮説に賛同してくれたsevenさんには、実際にカードを使ってのシミュレーションをお願いした。オフ会までに残された時間はあまり多くはなかったが、その分集中してシミュレーション結果を分析することができたのではないかと思う。GAKUストラテジー・シミュレータによるシミュレーションは390セッション分に及んだが、そのプレイ感覚も結果も想像以上の手応えであった。sevenさんのシミュレーションでも同様の手応えとなり、ふたりの意見は一致した。この一年以上模索してきたGAKUストラテジー・アドヴァンストのベット・スプレッドはついに決まったのである。
それと同時にさらに大きな収穫も手にした。今までどうしても主観が入り込みやすい部分だったHit & Awayの基準が厳格化されたのだ。これは私にとって、ベット・スプレッドが決まったこと以上に価値のあるものであった。あとは実戦での結果を積み重ねていくだけだ。
■オフ会初日前半
午前10時40分、いよいよ第1セッションを開始。午後6時00分に開始予定の森巣博先生還暦祝賀パーティの準備を考えると、プレイは最大で午後5時30分までとなる。
早々にプラスを積み重ねられたら理想的だが、マイナスに引き込まれたとしてもパーティ前は最大-A$5,000超で終了することを決めている。同様にプラスの場合はそれがたとえ開始5分であっても、+A$3,000で初日のプレイは終了だ。連続ベットアップモードが重なってセッション終了時にA$4,000程度までいくようなら、一気に+A$5,000を狙うこともある。ただしどんな場合でも、勝ち逃げ目標ラインとしている+A$5,000に到達したら、躊躇無く今滞在の全プレイを終了する。自宅からカジノまで片道15時間かかろうが、目標ラインに到達したら開始30分でも全プレイ終了。あとはみんなの応援とリゾに徹する。極端に思われるかもしれないだろうが、これがGAKUストラテジー・アドヴァンストのスタイルである。
第1セッションは開始早々ベットアップモードA$1,000を外す。ペースメーカーと基本モードも悪く、トータル-A$2,050としてまずはセッションを切る。勝ち逃げも負け逃げも、今回新たに設定したHit & Away基準に達した時点で淡々とセッションを切っていく。プレイ中に最大の注意を払うのはこの一点だけ。全プレイを終了しない限り、その時点での成績はプラスだろうがマイナスだろうがすべては途中経過なのだ。
つづく第2セッションから第4セッションまでは、ベットアップモード6連勝を含むプラス・セッションが続き、トータル成績+A$2,000まで一気に浮上する。
しかしこのときは順調に見えたものの、その後はマイナスとプラスのセッションを交互に繰り返し、トータル成績は原点付近から+A$1,000程度を行ったり来たり。時間だけがただ経過していく。この小康状態から抜け出すとき、果たしてプラスマイナスどちらに振れていくのだろうか。GAKUストの場合、その波がいつなんどきやってきても何ら不思議なことではない。
第11セッション、明らかに勝率の悪いシューが訪れる。ペースメーカーでも基本モードでも削られ続け、ベットアップモードA$1,000を外したところでセッションを切る。このセッション成績は-A$2,150。久しぶりに大きなマイナス・セッションで、トータル成績は-A$1,000と再びマイナス領域に足を踏み入れる。このまま落とされるか、踏みとどまれるか。パーティ準備までの残り時間はあと1時間少々、ここが前半戦のヤマ場になるだろうと直感する。
しかし、その直感は悪い方に的中することになった。ここから第12・13・14セッションを連敗し、トータル成績は最下点の-A$5,625を記録。予定通り、ここで前半戦のプレイを終了した。
●ここまでの戦績
成績:-A$5,625
プレイ時間:5時間20分
ターンオーバー:A$ 101,000
パフォーマンス(ターンオーバーに対する成績):-5.56%
シュー勝敗数:141シュー(78勝63敗)
セッション勝敗数:14セッション(6勝8敗)
ベットアップモード勝敗数:15勝8敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)

■森巣博先生還暦祝賀パーティ
今回のパーティはいつものオフ会のそれとは趣きが異なる。なにしろあの森巣博先生の還暦をお祝いするパーティなのだ。皆が尊敬するリゾカジストの先生ともいうべき森巣先生の還暦祝いで、幹事を務めさせていただけるのは大変に光栄である。幹事がパーティを仕切るのは恒例のことだが、よく考えたら私には今まで還暦祝賀会を仕切った経験などない。そう考えたら当日になって何だか緊張してきた。しかし実際に始まってしまえば何とかなるもの。annパパさんに乾杯のご発声をしていただくところまで無事に繋いで、なんとか序盤を問題なく乗り切ることができた。森巣先生をはじめ、みなさんの笑顔を見てやっと一息ついた。
今回は企画が盛りだくさんなので、時間の関係でパーティ・イベントをどんどん進めなければならない。乾杯の後はリーフカジノ主催のラッキーマネー抽選会が始まった。賞金総額A$11,000、一等はA$2,500のシングル・ベット・ヴァウチャーが進呈されるオフ会の目玉イベントだ。この抽選会では今まで幹事に当たりがまわってくることがなかったが、今回は意外にも早々にA$100のマルチプル・ベット・ヴァウチャーが当たった(嬉)。しかし、今回は過去にないほど同じ方の名前ばかりが当選コールされる。その名はannパパさん。全体の半分くらいの当選をさらっていったのではないだろうか(笑)?当たり方もすごいが、annパパさんの太っ腹ぶりはこれまたすごい!なんとannパパさんのご意向で、ご自分が当選されたヴァウチャーを他の参加者を対象にして再抽選することになった。一同言葉も出ないほど大感謝であった。こうなるとやはり当選するのはしゃんぱんさん。その引きの強さは相変わらず健在だった(笑)。
抽選会の後は、地元のパフォーマーおじさんによるマジック&パフォーマンス。ときおり寒かったり温かかったりする笑いをとりながら、それでもめげずにパフォーマンスを続けていった。かんげつさん、のんぶさん、紅さんといったリゾカジストも生け贄(?)として次々ステージに上げられるが、さすがにみなさんこういうときの笑いのとりかたを心得ている。リゾカジマスターの娘さんも目の前で起こる不思議なマジックに目を白黒させて、みなさんを和ませていた。そして最後の生け贄は、やはり主賓の森巣先生。パフォーマーにあれこれイジられながらも、「常打ち賭人」の滅多に見られない ニコやかな笑顔は本当に印象的だった。
続いて、シークレット企画として準備しておいた「クイズとことん森巣博」。森巣先生に関するカルトクイズを出題し、誰が一番の森巣博ファンなのかを競う企画である。全員参加で行なわれたこの企画は、さながらアメリカ横断ウルトラクイズ予選のような盛り上がりを見せた。これでこそリゾカジマスターが夜なべしてわざわざ用意した甲斐があったというものだ(笑)。そして仕組まれたかのように最後の2名に残ったのは、annパパさんと紅さん。一騎打ちとなった最後の問題で、僅差で優勝の栄誉を手にしたのは紅さんだった。
他では絶対に手に入らない森巣ファン垂涎の優勝賞品は、、、一体なんだったのか???その写真をお見せできないのが大変残念である。
さて、みんなの大きな笑い声で盛り上がった祝賀会もそろそろお開きの時間。参加者から事前に用意していただいていたお祝いの言葉と、参加者全員からのプレゼントとしてCANALIのバッグを 、幹事が代表して森巣先生に贈らせていただいた。
森巣先生からいただいた謝辞の中には、「カジノと上手くつき合っていくには負けないこと」という教えがあった。実際には大変難しいことではあるが、リゾカジストである以上常に念頭に置いておきたい言葉である。森巣先生の教え通り、粘り強いプレイヤーを目指したいものだ。
■オフ会初日後半
祝賀パーティを終え、やっと幹事の役割も一段落した。現在までのトータル成績は-A$5,625。私には明日と明後日の滞在も残っているから、初日はとくに無理をする必要もない。今日は成績よりも体力温存が優先だ。
初日後半戦最初の第15セッションは、ベットアップモードA$1,000が11からのダブルダウンとなる。ここにピクチャーカードを引き寄せ、まずはこのセッションを勝ち逃げ。続く第16セッションでは、ベットアップモードA$600がスプリットの後片方のハンドがダブルダウンとなる。合計ベットがA$1,800となったこのハンドにも勝利し、初日後半戦開始10分でトータル成績を一気に-A$2,150へと引き上げる。
しかしやっと手応えを感じてきたかに見えたが、この後のセッションは1勝しては2敗するという流れになり、最後はベットアップモードを2連敗したところで、初日のプレイ終了を決断した。トータル成績-A$9,275と最下点となったが、初日は最悪でも-A$10,000を超す前に終了しようと思っていたので想定内である。時刻はまだ午後11時30分だが、明日以降に備えて部屋へ戻ることにした。
●ここまでの戦績
成績:-A$9,275
プレイ時間:7時間55分
ターンオーバー:A$ 153,000
パフォーマンス(ターンオーバーに対する成績):-6.06%
シュー勝敗数:157シュー(85勝72敗)
セッション勝敗数:25セッション(12勝13敗)
ベットアップモード勝敗数:27勝15敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)

■記念写真撮影会
森巣先生の還暦とあれば、記念写真はやはりカジノで撮るのが一番似合うだろう。ご承知の通り、カジノでは一般的に写真撮影は禁じられている。今回はリーフカジノから特別にご配慮いただき、その許可をいただくことができた。
撮影されたシーンの中には、森巣先生がリゾカジオフ会を舞台にジミーさんのご活躍を描いたリゾカジストのバイブル「 極楽カシノ/森巣博著(光文社)」の再現シーンも。
撮影にご参加いただいた全員のご許可をいただいていないので、他の写真を公開できないのが残念だが、カジノという特別な空間で森巣先生と一緒に撮らせていただいた写真は、みんなの特別な思い出になったことだろう。

■オフ会2日目
前日はほぼ8時間という、私にしては久しぶりの長時間プレイだった。ここまでのトータル成績-A$9,275を最終的にプラス転換させるには、本日の成績如何にかかっている。展開次第ではカジノがクローズする時間まで徹底的にいく覚悟だ。
森巣先生との記念写真撮影会を終え、ブラックジャック・テーブルでも何枚か撮影する予定だったが、マネージャーからリアルプレイでの撮影を許可されたので、そのままブラックジャック・テーブルでのプレイを撮影していただくことになった。これはかなり異例のことである。写真ネタとしてはベットアップモードを綺麗に決めた瞬間を撮影してもらいたかったのだが、この撮影中なんとベットアップモードは1勝もできず3連敗してしまった。しかもその中には、A$1,000のダブルダウンとA$600のスプリット&ダブルダウンが含まれていたため、2セッションわずか25分で、-A$5,350を喫してしまったのだ。反撃に転じようと思っていた矢先に喰らった強烈なカウンターパンチ。これでトータル成績は大台を突破し、-A$14,625となった。今回の写真は今後の自分への貴重な戒めとなることだろう(笑)。
想定外のスタートだったが、そのお陰で徹底抗戦への覚悟はさらに固まった。今回のオフ会で負けるつもりは全くない。久しぶりにまた捲りの伝説を作ってやろうと集中力が増していった。すると直後からそれに呼応するかのようにGAKUストが炸裂し始める。6セッションを一気に連勝し、わずか1時間10分のうちにトータル成績を-A$8,375まで回復する。時刻はまだ午後1時。今日だけでもまだ軽く12時間以上のプレイ時間は取れるだろう。今までの実戦経験とシミュレーションから、どんなに悪くても90セッションを重ねれば、滞在中のトータル成績をまとめられる自信がある。数学的根拠がないとしても、それを信じ切って確信することからGAKUストは始まる。
ここからはまさに持久戦だった。その後19セッションをかけてトータル成績を-A$4,600まで回復させたのだが、そこからは引き込まれては取り戻すという繰り返しが続いていった。こんな流れの時は、集中力が切れた瞬間に谷底に突き落とされる。
午後8時を過ぎたあたりから、チャイニーズの団体客がBJテーブルに参加してきた。大声で飛び交う中国語にテーブルは完全にマカオ状態と化していった。プレイ・ボックス数が増えると当然プレイ・スピードは大幅に遅くなり、プレイ・リズムも大きく変化する。集中力の維持が試される時間帯だ。経験上、こんなときは同席のプレイヤーを味方につけるのが一番。言葉が通じなくても、カジノではプレイで通じ合うことはできるものだ。そこでベットアップモードではわざとグリーンチップのみでベットし、ベットサークルにA$600とA$1,000のタワーを差し出してみる。当然注目を集め彼らからも声援が起こり、勝てば彼らも一緒になって喜んでくれる。こうやって引き込んでしまえば、こちらのペースだ。実戦では勝負以外でのこういう駆け引きも大切だと考える。テーブル・コントロールというべきだろうか。結果的に自分のメンタル・コントロールにプラスになることは何でもやってみる。
しかしこのチャイニーズ軍団、ひとりA$5,000ほどの大きなバイインの割にはベットがいつもミニマムに近いので、なかなか席を立つそぶりを見せない。このままプレイ・ボックス数が多いままだと、時間の関係で消化できるセッション数に限界がある。
こうしているうち次第にマイナス・セッションの比率が高くなり、ベットアップモードA$1,000のダブルダウンを外したところで、今滞在の最下点を更新する-A$14,600へと叩き落とされてしまった。この日だけで10時間以上に及ぶ徹底抗戦を続けてきたのに、ここに来ての最下点更新は痛い。さすがにメンタルの揺らぎを感じた。
しかし、こんな僕を信じてずっと丸乗りしてくれているsamさんの心意気に応えるためにも、ずっと応援してくれているユウキさん達のためにも、ここで折れる訳にはいかない。レストルームに行って思い切り頬を張った。このときは何度張ったか分からない。他のひとが入ってくるドアの音を聞いてようやく止めた。長期戦で疲労が極限に達したとき、本当に必要なのは気合いと根性しかない。それさえあれば、どんなときでもGAKUストラテジーが機械的な戦略を維持してくれるのだ。ミスさえしなければ戦える。
この気合い注入が効いたのか、ここからようやくGAKUストが炸裂。第75セッションから第83セッションまでの間、ベットアップモードは17勝1敗という驚異的な数字を残した。カジノのクローズ時間が近づいた午前4時30分。見誤ってBSを外したことをユウキさんに指摘され、即座にプレイ終了とした。ミスに気がつかないということは、体力の限界を超えている。
ここまでくれば後は明日まとめられる。この日が滞在最終日となるみなさんと挨拶を交わし、逆転勝利を誓って部屋へ戻った。
●ここまでの戦績
成績:-A$3,025
プレイ時間:22時間20分
ターンオーバー:A$ 423,000
パフォーマンス(ターンオーバーに対する成績):-0.72%
シュー勝敗数:135シュー(72勝63敗)
セッション勝敗数:83セッション(49勝34敗)
ベットアップモード勝敗数:90勝38敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)

■ひとりだけの最終日(GAKUストラテジー戦記)
オフ会参加メンバー主力隊のみなさんをホテルロビーで見送った後、すでに勝利を確定させているsevenさんに介添えをいただき、ひとりで最終日決戦に臨んだ。この日はCLUB Priveはオープンせず、一般フロアにミニマムA$50のテーブルを朝から用意してもらっている。ミニマムA$50のテーブルであれば、空いている午前中の時間は他のプレイヤーはほとんど入って来ないだろうから、基本的にテーブルをひとりで独占してのヘッズアップ勝負になるはずだ。ミニマムA$50に対応する今後のGAKUストラテジー・アドヴァンストのスタイルは、このヘッズアップこそ最高のシチュエーション。臨むところだ。
現在までの成績は-A$3,025。 昨晩までの最下点-A$14,600からA$11,575を取り戻し、 水面上まであと一歩だが、流れが悪ければまたあっという間に引き込まれる。気力は十分だが残りの体力を考えると、ここからの長期戦は難しい。最終日の今日は短時間で勝負を決めたいところだ。目標はここからの+A$5,000、トータル成績+A$2,000が終了ラインだ。
この日のディーラーはいつも相性の良いクリス。どこかクラーク・ケントに似た男前のディーラーだ。
「クリス、今日は30分で決めるよ」
僕の言葉に軽く微笑み返すクリス。何も意識していなかったのに、いつの間にか私はそう宣言していた。絶対に決める。その思いが無意識にそう言わせたのだろうか。こういうモードに入ったときの私は負けない。今まで100%、例外無く捲ってきた。
この日初めてのセッションとなる今滞在通算第84セッションを開始。昨晩までの苦しい展開とは、まるで手応えが違う。まず基本モードの勝率が良い。こちらのハンドが15でもあっさりと6を引き、ディーラー・アップカードがTでも、ホールカードがローカードとなって簡単にバストする。基本モード好調のまま、この日初めてのベットアップモードをA$1,000で仕留める。この時点でセッション成績が+A$1,325。ミニマムA$50設定での3ボックス同時プレイで新たにHit & Away基準としている+A$1,000を超したので、ここでセッション終了。良い出足だ。
続く第85・86セッションも同様の展開となり、ベットアップモードA$600を1回ずつ決めたところでそれぞれ+A$1,000超となり、3セッション連続勝利をあげた。非常に効率の良い勝ちパターン。この時点でトータル成績はわずかながらプラス転換となった。さて予定通りの捲りを決めるには、あと2セッションが必要だ。手応えは変わらず良いままだが、ここで気を緩める訳にはいかない。わずかな隙も与えず、このまま一気に決める。
このとき、リモのピックアップの時間を待っていた森巣博先生がわざわざご挨拶に来てくださり、そのままバックベットで私に乗っていただいた。私は今まで森巣先生がブラックジャックで負けたところを見たことがない。その森巣先生に乗っていただいたお陰で、逆転勝利への確信は昇華された。第87セッションはそれが当然と言わんがばかりの好調。ベットアップモードが一度も無いにも関わらず基本モードだけであっという間に+A$1,000超となった。シミュレーションではこのような勝ち方を何度か経験しているが、実践ではこれが初めてだ。ピックアップの時間となった森巣先生は、両手でやっと掴めるくらい大量になったグリーンチップを抱えて、あっさりと勝ち逃げしていかれた。
残るはあと1セッション。この最終日の成績が+A$5,000を超えるには、あと+A$600ほど。そうすれば目標としたトータル成績+A$2,000となる。運命の第88セッションはベットアップモードA$1,000を仕留め、開始5分であっさりと完結した。トータル+A$2,150は今滞在の最上点。宣言通り、35分での逆転勝利だった。
●最終戦績
成績:+A$2,150
プレイ時間:22時間55分
ターンオーバー:A$ 433,125(リーフカジノからのデータによる)
パフォーマンス(ターンオーバーに対する成績):+0.50%
シュー勝敗数:141シュー(78勝63敗)
セッション勝敗数:88セッション(54勝34敗)
ベットアップモード勝敗数:94勝38敗
(ベットアップモードの「敗数」は1敗につき2連敗、もしくは1回目にダブルダウンやスプリットなどでのベットアップ2単位以上の負けを表す。)
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