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カジノゲーム徹底解説 GAKU Presents
ブラックジャック
ベットアップ・ストラテジー

 *Take4さん制作の「GAKUストラテジーシミュレータ Rel.0508」 はこちら

 ブラックジャックはバカラやルーレットと並んで、最も人気のあるカジノゲームのひとつです。ブラックジャックの持つゲームとしての面白さ、バカラやルーレットと比較してハウスエッジが小さいこと、カードカウンティングという必勝法の存在などが人を惹き付ける理由でしょう。

 カジノゲームは楽しい遊びである反面、自己管理が出来ないと経済的に破綻する危険性もあります。ところが、困ったことにその危険性がカジノゲームの魅力なのかもしれません。難しい数学的な話はできませんが、カジノはプレイヤーが負けるようにできていることだけははっきりしています。そんなカジノで破綻することなく遊び続けるには、如何に自己管理をして細く長く、しぶとく、やっていくかが重要です。普段はまったくのグータラ、自己管理とは程遠い生活をしている私が、カジノでは自己管理を意識しているなんておかしな話なのですが。

 前置きしますが、これはブラックジャックの必勝法を解説するものではありません。私はカードカウンティングなど出来ませんし、ときどき海外のカシノで遊ぶくらいの素人ギャンブラーに過ぎません。

 ブラックジャックというカジノゲームで、唯一の必勝法と言われるカードカウンティングを使わず、いかにして、細く長く、しぶとく、遊び続けるか...私の永遠のテーマです。

■カシノの罠を知る

 とあるカジノのブラックジャックテーブル。今、ちょうどゲームが終わったところです。ディーラーはフェイスカード7から9を引いて合計16になりました。ディーラーにとって16は最弱の数字。ディーラーバストの可能性が高まり、プレイヤーは次のカードに期待を込めて「ピクチャー!!」と叫んでいます。ところが次に開かれたカードは5...ディーラー合計21で、そのテーブルに座っている5人のプレイヤーのベットは全滅です。ディーラーは「アイムソーリー」と小声で呟いた後、機械的な動作でベットサークルからチップを回収しています。ブーイングするプレイヤーもいれば、頭を抱えているプレイヤーもいます。ひとりは感情的になってテーブルにチップを叩き付けています。

「あの時ヒットしていれば...」そうです。その通り。ヒットしていればディーラーはバスト。今頃プレイヤーはみんなでハイタッチをしていたことでしょう。
「ようし、じゃあ今度あんな手がきたら絶対ヒットしてやろう。」
「あの時ステイしていれば...」そうです。その通り。ステイしていればディーラーはバスト。今頃プレイヤーはみんなでハイタッチをしていたことでしょう。
「ようし、じゃあ今度あんな手がきたら絶対ステイしてやろう。」

 ブラックジャックはディーラーとプレイヤーのカードの組合せで勝負が決まるゲームです。その勝負の結果が負けであっても、「ああしていれば...こうしていれば...」と後からカードを組み合わせを変えて考えると、結果が勝ちになっていたということも多いものです。

 でも実はそこがカシノの罠。1回1回のゲーム結果に惑わされて、数学的にはじき出された最善手であるベーシック・ストラテジー(以下BS)から外れた選択をすればするほど、自らの手でハウスエッジを大きくしている(自分の首を絞めている)ことになるのです 
 ベーシック・ストラテジー・チャート(ラスベガス)
 ベーシック・ストラテジー・チャート(オーストラリア)

 カジノにはレーティングというシステムがあり、担当スタッフがプレイヤーのプレイ実績をレーティング(格付け)しています。そのレーティングの内容はカジノによって多少異なりますが、プレイヤーの登録番号と名前、バイインした金額、プレイ時間、平均ベット、最小ベットと最大ベットのレンジ、席を離れるまでの勝負結果、プレイがBSに則しているかどうか、プレイ中に席を離れることがあったかどうか、などが挙げられます。

注目していただきたいのは、カジノは「プレイがBSに則しているかどうか」もレーティングしている、ということです。プレイがBSから外れているプレイヤーはカジノにとって利幅の大きい美味しい客、プレイがBSに則しているプレイヤーは利幅の少ない客と判断されているのです。それなら答えは簡単。カジノの罠にハマらず後者を目指すことです。

■中級ブラックジャックプレイヤーを目指す

 カジノのルールによって多少異なりますが、ブラックジャックのハウスエッジはー0.5%前後のものが多いようです。カジノにとって利幅の少ない、最小のハウスエッジでブラックジャックをプレイするには、BS通りにプレイするしかありません。ところがこれが簡単なようで、徹底するのは意外と難しいものです。

 まずそのルールのBSを正確に暗記し、それを瞬時に判断できるようになること。ミスの数だけハウスエッジは大きくなります。たとえ10時間連続のプレイでもノーミスでプレイし続けられるように練習あるのみです。

 BS通りに正確なプレイができるようになっても、実践ではそれを揺るがす因子が存在します。ひとつは同じテーブルに同席しているプレイヤー、もうひとつは自分自身です。

 自己流ストラテジーという奥義を持つ自称ベテランプレイヤー。自分が負けるたびに他のプレイヤーのプレイにケチをつける結果論プレイヤー。彼らからのアドバイスや批判にも耳を貸さず、自分はただひたすらにBSを貫かなければなりません。彼らの言動を上手く受け流し、和やかにゲームを進めるためのコミュニケーション術もスキルのひとつと言えるかもしれません。

 BS通りにプレイし続けるには、時折弱気になる自分に負けないことも必要です。大きなベットをした時に、ディーラーのフェイスカード7に対し合計16でも弱気になる必要はありません。BSが「ヒット」なら、余計なことを考えずにヒットするだけです。ディーラーのフェイスカード10に対しての88も躊躇なくスプリットしましょう。ディーラーのフェイスカードAに対しては、インシュアランスもイーブンマネーも無用です。ディーラーや他のプレイヤーに嫌味を言われようとも、サレンダーすべきときは涼しい顔してサレンダーすればいいのです。1回1回のゲームの結果に、いちいち感情移入する必要はありません。そのゲームの結果が負けであったとしても、BSに基づいた最善手を選択したのです。一番大切なのはBSを信じ切る気持ちなのかもしれません。

 ブラックジャックはそのルールでプレイヤーに選択権を与えています。そこがプレイヤーを惑わす原因です。バカラにカードを引く条件が決められているのと同じように、ブラックジャックはBSに基づいてカードを引く条件が決まっているゲームだと解釈すれば良いのです。

 ここまで実践出来るようになれば初心者レベルから脱却。中級ブラックジャック・プレイヤーと言って良いでしょう。

■ハウスエッジを超える何か

 中級ブラックジャック・プレイヤーになって、やっとハウスエッジ通りの条件でプレイできるようになりました。しかしあくまでハウスエッジを理論上の最小値にしたまでのこと。無くなった訳ではないのです。

 仮にハウスエッジがー0.5%の場合、毎回100ドルずつベットしたとすると、1回のゲームにつき50セントずつ負けることになります。100回プレイすると50ドル、1,000回では500ドル負けることになります。これはあくまで平均ですから、短期的なゲームではもちろん波があります。波があるからハウスエッジがあっても勝つこともあり、ハウスエッジを上回るほど負けることもあるのです。

 さて、それではどうやってハウスエッジを克服するか...カジノに勝利するには、ハウスエッジを上回る「何か」がどうしても必要です。たとえば、ハウスエッジを上回る強運があれば勝つことは可能です。でもそれは長続きはしないでしょう。また、ハウスエッジを上回る良いカードの流れがあれば勝つことは可能です。でも過去の結果から今までの流れの良し悪しは判断できても、次のゲームからはどうなのか分かりません。

 前述の通りカードカウンティングについては除外します。ということで、私の言うハウスエッジを上回る「何か」とは、まったく数学的根拠の無い話になってしまいます。私のプレイスタイルを簡単にまとめると、BSを貫いてハウスエッジを最小限にとどめながら、

1、自分の運の具合を見極め、
2、カードの流れを読み、
3、コマ(ベット)の上げ下げで対処する。

ことが基本です。常打ち賭人・森巣博氏の言葉を借りれば「打たれ越し」です。悪いときにはミニマムベットで打たれ越し、良いときにベットアップして勝ちをもぎとろうという考え方です。

 普段はブラックジャックをプレイしない森巣氏が、珍しく僕とブラックジャックテーブルを囲んだことがありました。非常に勝率の悪いシューが続き、ミニマムベットで打たれ越していた森巣氏も、じりじりとマイナス20単位まで凹んでいました。ところがさすが森巣氏。何の気負いも感じさせず、当たり前のように一撃で全てのマイナスを取り戻したのです。本物の「打たれ越し」でした。

■数学的根拠の無いものをストラテジー化する

 打たれ越し」とはいうものの、素人ギャンブラーの私にはそんなに上手くはいきません。悪い流れに我慢のミニマムベットで「打たれ越し」たと思っても、痺れを切らしたベットアップで痛烈なカウンターパンチをもらうのです。そこから私の自己管理は簡単に崩壊し、悪い流れと感じながらも無謀なベットアップを繰り返すことになります。そうなればもう結果は言うまでもありません。「あんなに悪い流れのときになぜベットアップしてしまったんだろう。どうせなら良い流れと思ったときに思い切ってベットアップすれば良かった。」と、何度無意味な後悔を繰り返してきたことか。トホホです。

 悪い流れが良い流れに変わる瞬間が分かれば苦労はしません。今までさんざん無意味な後悔を繰り返してきた私は、良い流れに変わるチャンス目を条件づけしてみてはどうかと思いつき、それをストラテジー化することを考えてみました。普段はミニマムベットでプレイし続け、その条件を満たしたときだけベットアップする。もちろん数学的根拠などありません。でも、これを貫くことで無謀なベットアップを無くし、自分が決めたチャンス目だけで勝負することができるようになりました。自分で決めたのですからそれで負けても本望です。これ以来、私は無意味な後悔をしなくなりました。

 カジノにはプレイヤーの冷静さを失わせる魔物が潜んでいます。冷静なときに決めたストラテジーを貫くことで、魔物から身を守ることが出来ると考えます。

例えばブラックジャックでこんな状況を想像してみてください。

ディーラー:フェイスカードが6
プレイヤー:最初の2枚の合計が11

ディーラーは最弱のフェイスカード6、それに対してプレイヤーの11は「カードの流れが良い!これはいける!」と思わせるカードの組合せだと思います。

 この状況からディーラーがバストしてゲームが終了した場合、ディーラーのカードの流れは最低で、かつプレイヤーのそれは最高と考えることができます。カードの流れにバイオリズム曲線のようなものがあるとすれば、ディーラーはその曲線の最下点でプレイヤーは最上点という両極にあると考えられる訳です。このような状況をチャンス目とし、次のゲームをベットアップするタイミングと定義することにしました。

■ベットアップ・ストラテジー

ベットアップのタイミングを図る具体的な条件は以下の通りとしています。

ディーラー:フェイスカードが3、4、5、6のローカード
プレイヤー:最初の2枚の合計が19、20もしくは9、10、11のダブルダウン手

この状況からディーラーがバストした場合、次のゲームでベットアップする。

補足条件:
1、プレイヤーがブラックジャック(10カードとA)の時は除外する。
 配当が1.5倍のブラックジャックはプレイヤーにとって最高の流れのように見えますが、ブラックジャックは気まぐれに発生するオマケのようなもので、本当に良い流れは上記のような状況だと考えています。ベットダウンした瞬間にブラックジャックが来て悔しがるプレイヤーをたまに見かけますが、私はまったく気にしないことにしています。

2、スプリットの手は除外する。
 スプリット後に上記のプレイヤー条件が入ったとしても除外します。スプリットは攻撃的要素の強いダブルダウンと比べると、守備的要素の強い戦略だと考えられ、プレイヤーにとってカードの流れが頂点であるとは考えません。

3、バイインは最低ベットを1単位として最低40単位以上とする。
 バイインがこれより少ないと肝心なときにベットアップできないことがあります。1回のバイインは最低40単位をとして考えるようにしています。通常は100単位必要と考えます。

4、ベットアップ時のベット・マネージメント
 ベットアップ時は2段構えとします。つまり、最初6単位で負けたら次のゲームで10単位にアップします。ただしこれは2回まで。3回目は決して追いません。最初の6単位の時にスプリットやダブルダウンになり、負けた場合は潔く最低ベットに戻し次のゲームを10単位で追うことはしません。なお、ベットアップ時のベット・マネージメントはバイインを基準にして考えます。バイインが40単位のときは6単位ー10単位とし、バイインが100単位のときは、12単位ー20単位とします。

5,同席している他のプレイヤーに条件が入った場合も同様にベットアップする。
 ベットアップ・ストラテジーの条件を満たすハンドが出現した場合、同じテーブルに同席している他のプレイヤーのハンドも良い影響を受けると考えます。

6,自分のプレイは1ボックスとする。
 2ボックス以上の同時プレイはベットアップ・ストラテジーの条件を見逃すミスの原因になります。またそれ以上に、2ボックスのプレイには2倍のバイインが必要になるというリスクを理解する必要があります。

 自分自身のハンドにこのベットアップ・ストラテジーの条件を満たすのは、6デッキのブラックジャックで1シュー平均1〜2回程度ではないかと思います。不思議なもので、勝率の悪いシューが続くときは、チャンス目が全く出ていないことが多いと実感しています。

 私がこのベットアップ・ストラテジーを使い始めたとき、ベットアップ時の勝率は9割を超え、やればやるほどチップが増えていくという異常事態でした。ずっとミニマムベットでプレイしているのに、突然20倍から40倍のベットをして(この頃はバイインに対するベット・マネージメントの意識が低くかったのです。)それが異常なまでの高い勝率なものですから、何度もカードカウンターと疑われたようです。でも、プレイはずっとBSを貫いていること、トゥルーカウント値に関係なくベットアップしていること、シューのごく最初からでもベットアップすることもあること、などから自然と疑いは晴れるようです。

 このときの9割の勝率は異常な話で、残念ながらそんなに上手いことは続いていません。でも、BSを完璧に貫けなかった時期は2勝8敗ペースという悲惨な戦績だったのが、BSと共にベットアップ・ストラテジーを貫くようになってからは6勝4敗ペースを上回りました。もちろん今後どうなるかは分かりませんが、細く長く、しぶとく、遊び続けたい私は、5勝5敗のペースを目指していきたいと思っています。あわよくば、生涯トータルで勝ち越せれば言うことありませんが、その前に破綻しない程度に遊び続けたいものです。

 大切なのは自分で決めたルールを信じ続けること、そして貫くことです。カジノの魔力に負けず、決して「壊れない」ために最も大切なことだと思います。

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