リゾカジ カジノレポート

澳門夏日記① 【進撃の帝王編】

* マカオ 2013/ 10/ 14 Written by マカオの帝王

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■ 8月12日(月)

台北の桃園空港を10時20分に飛び立った、金城武がイメージキャラクターを務めているエバー航空BR867便は予定通り12時に香港国際空港に到着した。

※ 今回は、リンちゃんの強いリクエストにより、台北の写真館にて総額10万NT$を投じての結婚記念写真の撮影、および縁結びの神社への御礼参り(何でも3年前に旅行で台湾を訪問した際、「良縁に恵まれますように……」と神様にお願いした時に「願いが成就したならば、必ず御礼参りを忘れません!」と誓ったらしい……)という予備ミッションが有った為、カジノの無い(=退屈な)台北の街に8月9日から11日まで3泊も! する羽目となりました。
最も、その後のスケジュールと言えば、8/12~8/18までマカオで6泊(この予定は後に大きく崩れる)だったので、初代の“クラブ・スコーピオン(可能な限り、打つべし、打つべし、打つべし)”の名誉会長としては、ギリギリ一杯の許容範囲では有った……
 
香港到着後は、香港上海銀行の九龍支店でリンちゃんの老後の養老資金の為の口座開設と、有名ブランド店のウィンド-ショッピングという、更に重要度の低いミッションを駆け足で果たした後、香港島の上湾に移動する手間を省き、食事もせず、便数は少ないとはいえ歩いて行ける九龍サイドのフェリーターミナルから18時発のマカオ行きのフェリーに乗り込み、一路“故郷”であるマカオを目指す。
(せっかく香港を経由するというのに、宿泊もせず通り抜けるだけだなんて……、とリンちゃんには散々悪態をつかれたが、台北で3泊した後に、マカオを目前にして、更に香港で1泊足止めを食らうことは、当方の許容範囲を超えていた……)

海の色が茶色に変わってきた。

カジノの魅惑的な灯りが遠くに見える。

この美しく残酷な世界に、帝王は伴侶と共に帰還した。

ゲートを超えると、皇牌天下(エリートルーム)の新人女性スタッフがネームプレートを掲げて待っていた。

クルマに乗り込み、リスボアへ向かう。

今回参加するプログラムは、ノンネゴチップ12万$でリスボアホテル2泊というもの。
この2泊をホテル料金が高騰する週末の金曜日&土曜日に回し、前半はエクスペディアで予約したコタイのシェラトンに4泊する予定であった。
(バカラのワンベット分の違いとは言え、こうした拘りは死ぬまで変わることは無さそう……)

勝手知ったるエリートルームに到着すると、早速当方はビールと何かの焼きそば、リンちゃんはスープと、鶏が原料の元気の出る?エキス(当方も飲んでみたことはあるが、味は???だった)それとお気に入りの辛い料理をオーダーする。

オーダーする際、リンちゃんはスタッフに「普通より、もっともっと辛くしてね、それか自分で調節するから香辛料を別皿で頂戴!」と中国語で強く主張。

テーブルの上に、何やらドロドロしたものが盛られた真っ赤な皿が登場する。

「これこれ♪ これがええんよ♪♪」とご機嫌なリンちゃん。

ややマンネリ気味であったが、本日の夕食が始まる。

その間、手持ちが2万$有ったので、残り10万$=丁度130万円(1万円=770HK$)を帰国日までホールドして貰う。

『前回は1万円=850$だったのに、円安のおかげで約1割目減りしている。これが今回吉と出るか凶と出るか……』

メンバーズカードがリニューアルされたとかでカードの更新をすると、新しいカードと、今回のプログラムである1万$のノンネゴチップの板が12枚、それと端数のキャッシュがテーブルの上に置かれる。

ようやくお腹が満たされる。

尚、帰りはマカオ空港発-台北経由の便で関空に戻る為、マカオ-香港間のフェリーチケットは不要なのでプログラムのおまけのお食事券(300パタカ分)を受け取る。

さぁ、面倒な手続きも終わった。
目の前にはバカラ卓が有る。
ID野球で有名だった某監督の言葉に、「ピッチャーに対し、最もバッターが有利なカウントは何じゃと思う? 素人はノ-スリ-だと答えるが実は違う。ワンスリーでもノ-ツ-でも無い。長年の経験から言わして貰うと、バッターが一番有利なカウントとは初球なんじゃ! こればっかしはピッチャーには計算のしようが無い。一流のバッターと二流の違いは、この初球をいかに自分のモノに出来るかじゃよ」というのが有る。

『野球もカジノも、共に勝負である点は同じだ。 だとすれば、今回の久しぶりのマカオ遠征で最も有利な状態が今である訳だ。 よし、勝負開始!』

目の前のミニマム500$の卓に座る。

まず2千$をバンカーにベットする。
久しぶりの羅紗の感触に心が躍る。

ハウス・プレイヤーのディーラーがカードを伏せながら、どうしますか? とアイコンタクトを送ってくるので、勿体をつけずにさっさとオープンしろ! と右手で合図を送る。

初手

プレイヤーは6点。

バンカーは絵札と3ピン・・・から7点の美味しいチャーシューで勝利。

リンちゃんに、今回のマカオ遠征でのお約束である爪楊枝を1本渡す。
(注)この爪楊枝は、昨年までは1本約20$だったのですが、諸物価の高騰により今回から1本25$に値上げとなっています……(涙)
円に換算した場合は、実質約40%の大幅アップとなります。

第2手

倍の4千$を、同じくバンカーにベットする。

これまたディーラーがどうするのかとアイコンタクトを送ってくるので、自分が絞り手の時には、常に勿体を付けず、サクサクとめくる様に告げる。

ハウス・プレイヤーは一つ上がり7点。
これに対し、バンカーは3ピンとガッタウ(2か3)という熱い組み合わせ。
(この組み合わせとなった場合、当方は必ず3ピンの方から絞ります。これが6ならバンカーの勝利確定、これが8なら3枚目勝負確定、7の時のみ、残るもう1枚の絞りに意味が出てくるのですから、時短にも繋がります……)

これはあっさりと3ピンが6だったので、2枚目を放り投げると6+2=8で勝利。

爪楊枝をもう1本受け取り、リンちゃん大喜び。

手ごたえを感じたので、再び倍の8千$をバンカーにベットする。

これにはさすがにリンちゃんから“注意(=ベット額の引き下げ)”が入ったが、それを振り切り、気持ち(300$)分だけ減らし、7,700$をバンカーにベットする。
(これだと勝った場合、コミッションの5%を差し引いても受け取り額が1万5千$と端数(15$)となり、一応の達成感が得られる)

第3手

ようやく当方の“流儀”を理解してくれたハウス・ディーラーがあっさりとオープンしたのは2枚とも真っ赤なダイヤの9のナチュラル8!

横からリンちゃんが背中を叩く……(だから言ったじゃない!)

1枚目は額縁が見えた。

けれども、2枚目に足が有った時点で、不思議に何とかなるような気がした。

『要するに、4~10の中で8か9を出せば良い訳だ。さてサイドを確認するとするか? 良し良し、4サイド! までは良かったが、良く見ればダイヤじゃないか……、けど、まだダイヤの9が品切れになった訳じゃない、確率が数%下がっただけだ……、輝け!』

願いは通じた。

観客がリンちゃん一人なのは寂しかったが、“パーシューガウ(=8対9)”での勝利達成!

帝王の進撃が始まった。

第4手はリンちゃんのアドバイスを素直に聞き、ベットを2千$に落とすと、プレイヤーがナチュラル9で勝利するも、第5手は又もバンカーの勝利。

その後も全ての勝負をバンカーにベットし、美しい平均5勝3敗のペースでハウス・プレイヤーを駆逐し(2勝1敗じゃ勝ちすぎだ! 3勝2敗じゃもの足りない……、黄金比(1.618:1)に近い5勝3敗位がちょうど良い)深夜のエリートルームでの帝王の進撃は続いた。

「アナタァ、もう眠たい。いつまでするの?」とリンちゃん。

勝負開始以来バンカーの30勝18敗、最後のノンネゴチップが消滅すると同時にシューの途中から参加したテーブルのラストを告げる黒いカットカードが出た。

手元のキャッシュチップを5万$の板3枚と交換する。

端数の千$弱をテーブル上でリンちゃんの獲得した爪楊枝と交換し席を立つ。

ニッコリと微笑むリンちゃん。

初日の勝ちはジャスト3万$。

『4万$じゃ多すぎる、2万$じゃ物足りない……、初日とすればこれ位でちょうど良い。野球に例えると、イチローのライトポール直撃の先頭打者ホームランといったところか? まだまだ先は長い。今夜はこれで手仕舞うとしよう……』

タクシーでコタイのシェラトンへ向かう。

エクスペディアで4泊約6万円で予約した部屋は特に問題無し。

リンちゃんがシャワーを浴びている間に、150枚の千$札を発券銀行/タイプ/新旧の順に分類し、それをこの為に日本から持参したクリップと輪ゴムで留め、元金である12万$は一旦大き目の封筒に入れ、明日以降の戦いで真っ先にチップと交換することになる、浮き分である中国銀行発券のヨレヨレの千$札30枚を財布に仕舞いこむという、当方にとっての愉しい“リゾ”を缶ビールを飲みながら満喫する。


■ 8月13日(火)

旅の疲れからか、なかなかリンちゃんの身体に“スィッチ”が入らない為、部屋を出るのが午後1時となる。

勝っている時は、妙なことを考えずにそのまま同じゲームを同じ場所でプレイ! をモットーにしている為、タクシーに乗り、再び橋を渡りリスボアの皇牌天下(エリートルーム)に直行し、無料のランチを食べた後でバカラ開始!

但し、二日目は今一調子が出ず、勝ったり負けたりの繰り返し。

15万$をローリングし、リンちゃん用にグランドリスボア内の高級SPAクラリンスのボディマッサージチケットを獲得するが、肝心のキャッシュチップは一向に増えない。

結局、雀の涙ほどのプラスで仕舞うことにするが、この僅かな浮き分(約2千$)は全てリンちゃんに没収される……(涙)

「アナタ! 負けなくてよーかったねぇ♪」とリンちゃん。

釈然としないままリスボアを後にし、週末のポーカー大会(レッドドラゴン)の会場であるシティ・オブ・ドリームスへと向かう。

気分転換に18時から始まる参加費600$のレッドドラゴンのサテライト(簡単に言えば一次予選。これで上位20%に入ると2,400$相当のバリューがある2次予選に進むことが出来る。本番の予行演習としてはお手頃)にリンちゃんと出る。

(注)リンちゃんは当方の付き添いで、大阪のアミューズメントやAJPCのレディ-ス大会等に何度か出たことが有り、テキサス・ホールデムの一応のルールは把握している

それぞれ健闘を誓い合いながら、別々のテーブルで二人合わせてもバカラのワンベットにも満たないレッドドラゴンのサテライトは始まった。

持ち点が1500点しかないので、序盤のどこかでダブルアップしないと話にならない。

そう思いながらプレイをする内に、ボタンのポジションで初めてのポケット(8のペア)が入る。

『余り強くは無いが、そんなに弱くも無い。コールが二人でレイズは無しか……、良し! ここはオールインで当座のブラインド分を稼がして貰おう。もしコールされても、上のポケットで無ければ十分勝負になる!』

そう読んでオールインすると、BBのメガネの若者が悩んだ末にコール(他は全員フォールド)する。

相手のハンドは5のポケット。

一安心。

フロップが開く。

Q、7、2。

双方関係無し。

ターンは4で、同じく関係無し。

『ここまでは良し。リバーで残り2枚しかない5が出なければ勝利だ。95%は勝ったな……』

しかしリバーで無情にも5が出る。

済まなさそうに、小さくガッツポーズをするメガネの若者。

相手の幸運を称えつつ、参加者60数名中25位前後で終了となる。

場内を見渡すと、驚くべきことにリンちゃんはまだ残っていた!

一旦予選会場を離れ、顔見知りのポーカープレイヤーと世間話をしていると、悔しそうな表情を浮かべながらリンちゃん登場。

「アナタぁ~、後少しだったのに飛んじゃったよぉ!」

何でも、12位まで予選通過のところ、14位で飛んだとのこと。
これは、当方以外にも関西から何名か参加したポーカープレイヤーの中では最高順位だったので、それだけにリンちゃんにとっては何とも惜しい結果となった。

「アナタぁ~、何か疲れちゃった……、家(ホテルのこと)に帰って寝ろ」と言われ、
一旦シェラトンへ戻り休憩する。

仮眠(約3時間)……

リフレッシュ完了。

但し接近しつつある台風の影響により、強風が吹き荒れているので遠出はせず、宿泊しているシェラトンの中のカジノでの勝負を選択する。

カジノの入り口でリンちゃんが警備員に、年齢確認の為か、パスポートの提示を求められる。

「アナタ! これはワタシが21歳より若く見えるのこと? ワタシってそんなに綺麗かしら?」とルンルンのリンちゃん。

『幾ら心斎橋のOPAで買ったギャル風の服装をしているとは言え、30代半ばのリンちゃんが21歳未満の筈が無いではないか! けど、それもまぁ彼の仕事の内だ……」と思いながらカジノ内に突入する。

種目は今回のマカオ遠征では初となるブラックジャック!

まずは場内をグルっと回り、卓選びを行う。

(よくB/S無視のプレイヤーと同卓でのプレイを嫌う人がいますが、それは気になりません。10、10をスプリットしようが、ディーラーが6なのに12でヒットしようが、長い目で見た場合、それで損をするのはそのプレイヤーであって、自分とは本来無関係な筈だからです。但し、自分が座る席が最終ボックスであること、これだけは譲れません。焼肉にビールというか、寿司にワサビというか、牛丼に生卵というか、兎に角、それだけは譲れない次第です)

ミニマム300$の卓は、ほぼ埋まっていたが、ディーラーがよほど強いのか、先頭と中央の2ボックスのみで淡々と進行中のミニマム500$の卓を発見。

当方がラストから2ボックス、その手前にリンちゃんが座り、尖兵として浮き分の3万$をチップと交換する。

一昔前なら、シューの途中からの参加はマナーとして遠慮したのだが、近年の“カタツムリ(シャッフルマシーン)”の場合はそもそも切れ目が無い為、リンちゃんのボックスに500$、その次に千$、ラストに1500$という1-2-3方式でプレイスタート。

開始早々、ローカードからのディーラーのバストが続く。

当初は『何だこの妙なカップルは? 途中から割り込み勝手にボックスを3つも増やしやがって……』と怪訝な表情を浮かべていた先客の二人も、結果オーライで見る見る内に笑顔に変わっていった。

勿論、リンちゃんも大喜び。

再び帝王の進撃が始まった。

今回から爪楊枝1本(=25$)については、ブラックジャックやペアが出た場合はそのボックスの数だけ、また全ボックスが勝った場合は+1本、最終ボックスでダブル若しくはスプリットが決まった場合も+1本と、ルールが大幅に改正(改悪?)された結果、バカラよりも早いペースで、見る見る内に爪楊枝が貯まるのを見て「アナタ! このブーラク・ジャクはバカラよりもとっても良いねぇ♪ どうしてこれを最初にしない?」と言われる有様であった。

(注)テーブル上で本物の爪楊枝を遣り取りすると、特にBJの場合は“カード・カウンター”と判断される可能性があるので、客がテーブル上に置くことを許されている唯一のもの、すなわちカジノチップを一勝負毎に遣り取りすることで実際には対応した。幸い、シェラトンには25$チップや250$チップという好都合なものが有ったので、これを用いてリンちゃんの祝儀分である“爪楊枝管理”を行った。

途中でディーラーは何度か入れ替わったが、それら全員を駆逐し続け、BJでの勝ち分は;+1万$ → +2万$ → +3万$ →+4万$ と順調に増えていった。

『今回の元手は12万$、予備のキャッシュが100万円(=約8万$)あるがそれはこの際無いものとしよう。初日のバカラの勝ちが3万$、ポーカーのサテライトの二人分の参加費用(1200$)はバカラのローリング分で十分補えるとして、問題は今日のこのブラックジャックでの勝ち分の目標を幾らに定めるかだ……。自然界の花びらの枚数は、所謂“フィボナッチ数列”に則り、3枚,5枚,8枚,13枚,21枚・・・といった数字になることが多い、それに倣えば昨日が3万$の勝利だった訳だから、今日の目標額は5万$で決まりだ! 倍の6万$は背伸びしすぎだが、4万$じゃ物足りない……、今日ここで5万$勝てば手持ちがちょうど20万$になる、美しい!』

目標を定めたのは良いが、勝ちが4万$を超えたところからカジノ側の抵抗が激しくなり、中々チップが増えない状態が続いた。
(但し、その間もリンちゃんの祝儀分は着々と増えていった)

時計の針は深夜3時半を回った。

疲れた表情のディーラーが、何やら早口の中国語で客に対して話しかけた。

ここまで当方と共闘してきた先客の二人(二人ともそこそこ勝っている模様)が揃って不満の声を上げる。

この状況を把握すべく、リンちゃんに通訳を頼む。

「あぁ、あのお姐さんはこう言うた。『もうすぐこの卓は終わりだよ、もっとブーラク・ジャクをしたいなら、他に移りなさいね』だって……」

手持ちのチップをカウントする。

バイイン分を差し引いた浮き分が4万5千$だった。

『よし、次で決める!』

そう決意し、リンちゃんのボックスに千$、真ん中のボックスに1,500$、最終ボックスに2,500$をベットする。

『全部勝てばジャスト5万$の勝利!』

リンちゃんのボックスは幸先良くエースと絵札のブラックジャック!

真ん中のボックスは絵札と3で13。

鍵を握る最終のボックスは6と4で10。

ディーラーのアップカードは9であった。

先客のお二人は共に19で勿論ステイ。

全ては自己責任に委ねられた。

『お願い3ピン!』と祈るが、真ん中のボックスにはあっさりと絵札が配られバスト……。

ここで状況を再度チェックする。

『先頭がブラックジャックで+1,500だが、今バストしたので現状±ゼロ。このままヒットだと-2,500~+2,500の範囲で確定し、目標には到達しない……。但し、ダブルで勝てばジャスト5千$の勝ちとなり、本日の目標達成だ! 良し、ここは思い切ってダブル!』

そう決心し、ダブルを宣言するも、配られたカードは2で12となる。

一瞬後悔するが、ディーラーが手前にサクっと落としたカードの1枚目は5。

ディーラーが絵札を引きバストするのを呼び込む呪文の言葉“ゴン”をテーブル全員で唱えながら、ここぞという時の為のグランドリスボアのミニチュア製キーホルダーをテーブルに叩きつける。

閑話休題;
ちなみにリンちゃんはバカラやBJの最中に、相手が絵札を引いたならば自分の勝利が決まる局面でテーブルの客たちが発するこの“ゴン”のことを、何かの景気づけの言葉だ、とでも理解していたようで、バカラでプレイヤーが5、バンカーが4といった厳しい状況(当然のことながら、当方はバンカーにベットしている)の下で、只管相手が5~8を引き下がることを祈っている最中に、無邪気に「ゴン、ゴン」と口走るケースがあり、「ここは“ゴン”じゃないんだよ!」とその都度注意するのだが、未だにいつが“ゴン”に相応しい時であるのか、今一つ理解していないようである……

“ゴン”の呪文のお陰か、ディーラーの2枚目は絵札でバストとなり全員勝利!

但し、余りにも力を入れすぎたからか、この2年間愛用してきたグランドリスボアのミニチュア製キーホルダーのリング部分が外れてどこかに吹っ飛んでしまう……

『やった! ディーラーのバストで目標達成だ! もしダブルしなかったならば……、12からだと当然ヒットで17、これでステイだな。その後ディーラーが9+10=19で、先客の二人は引き分け止まり、こっちは2,500$のマイナスとなった訳だ。 ふぅ、危なかった……』

手持ちのチップを全て1万$に交換し終了を告げると、先客の二人も揃ってチップを整理し、こちらに軽く会釈して席を立った。

席を立ち、周辺のテーブルの下を探すも、何処へいったのか“ミッシング・リング”は見つからない。

諦めて交換所へ向かい歩きだす。

「アナタ! よーかったねぇ、幾ら勝った? 5万$! もうすぐワタシのエルメスのカバンが買えるわね……」

『バーキンとケリーの違いも分からないくせに……』と思いながら”答えたくない質問には質問返し”と逆に問い返す。

「ところで、リンちゃんの“爪楊枝”分は幾らになった?」

「それが良く分からないんよ……」とのたまいつつ、交換所で現時点でご愛用のヴィトンのバッグから250$チップと25$チップをぶちまけると、それらは千$札4枚と小銭に変身した。

『何とも効率の良いアルバイトだな……』

クラクラしながら部屋に戻り、お決まりの“リゾ(=千$札の整理)”もせず、そのまま眠る。

こうして深夜のシェラトンにおける帝王の進撃は“時間の壁”に阻まれストップした。



      澳門夏日記②【甘ちゃん編】に続く







*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。


このReportへのコメント(全 2件)

2013/10/15(Tue) 17:30

くるくる

マカオの帝王さん、

夏季のマカオは暑いので、今年の8月には、マカオに行きませんでした。
また、今度、火鍋か何か、美味しい食事に行きましょうね
(^^)/


2013/10/18(Fri) 18:03

マカオの帝王

くるくるさん、お久しぶりです。
火鍋はやはり冬ですね。
リンちゃんの“出禁”が解ける来年2月以降にマカオでご一緒しましょう。


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