リゾカジ カジノレポート

初めてのウォーカーヒル戦記~2013年最終戦(前編)~

* 韓国 2013/ 12/ 11 Written by madamada

コメント( 2)

11月末―――私はこれまで20回近くは訪れているソウルを、生まれて初めて単身で目指した。
目的は、リゾカジで知り合った方々と初めてリアルBJで共闘すること。
ちなみに、待ち合わせ場所であるウォーカーヒル(WH)も、実は私は初体験であった。

待ち合わせたのは、イニシャルにすると、まさにブラックジャック好きを象徴するようなDさん、Pさん、Rさん。
しかしPさんだからと云ってスプリットが好きなわけでも、Rさんがサレンダー好きな訳でもない。全くの偶々である。
(…とは云えDさんは、もしかしたらダブルダウンが好きかもしれないが)

ともかく、これまでにない初めて尽くしのCASINO旅は、いち早くWHに乗り込んでいたDさんとの共闘から始まった。


〔セッション1〕10万卓 共闘者『Dさん』Buy-In 500万W


WHに到着したのは19時。何はともあれBJコーナーへと向かう。

リゾカジ内のやりとりでは、すっかり気心知れた存在になっていたDさん・・・しかしお会いするのは初めてである。
BJコーナーをぐるりと一周――――――1万卓にいるはずは無い。10万卓は確か2~3卓が開いていた。
日本人らしき人も数人確認できたが、「この人だ!」という人は、「ディーラーとタイマンで打っていた」、一見強面の一人しかいなかった。

(まず間違いない)

そう思ったが、合言葉(?)である「Beautiful」という掛け声が一向に聞こえてこない。

暫し立ち止まって卓を見つめていると、その〝らしき人〟と目があった。
いかつい感じがする風体だが、その瞳は存外につぶらで、どこか少年ぽさを残している。これはさらに間違いないと思い、意を決して声を掛ける。
果たして、正解だった。


初対面に挨拶を済ませるや否や、早速同卓させて貰う。換金は50諭吉――――――以前なら600万W以上になっただろうが、今はほぼ500万。
う~ん、勝てばいいが負けたら痛いなぁ。

この時の卓はDさん曰く『超地獄シュー』――――――だったのだが、私の手は意外といい。
たいしたベットアップもしないのに〝ととと~ん〟と勝ってシュー後半を迎えた時点で+200・・・・だが、実はこの時の私は〝WHの罠〟に全く気づいていなかった。

ベネトレーションがセブンラックに比べ明らかに良好なWH・・・しかしこれは慣れていない人間にとって〝良し悪し〟は定かではない。

だって―――もうシューが終わる、かと思ったら、全然終わらないんだもの。

後半3手・・・私の元に入ったのはソフトハンドのダブルチャンス。
Dの手が4~6という事で当然ダブル・・・をしたのだが、この後半は明らかに「ローカード過多」。適度にTカードも残っていたので、ディーラーは20、21を引き起こす。つまり私は3連続のダブル失敗。一気にチップを削られ、記念すべきWH第1シューは、+20という結果に終わった。

そして第2シュー。「Beautiful」という、Dさんの掛け声が多くなってきた。
それはつまり、ディーラーがクズ手から20や21を引き起こした事を意味している。

逆にプレーヤー側にBJやダブル成功などが発生した場合、彼からは「ないすぅぅぅぅ」という声が出る。

念のために云っておくが「ナイス!」とか「な~~いす!!」ではない。あくまでも「ないすぅぅぅぅ」だ。
カジノでお耳にしたら、きっとすぐに判る。はじめは「なんや?」と思うかもしれないが、聞き慣れると、卓を盛り上げる独特のリズムになる事が判る筈だ。


話を元に戻そう。第2シューで増加傾向にあったのは「Beautiful」。ディーラーがとにかくバストしない。17はもちろん、18くらいの手じゃ到底太刀打ちできない。

当然私は、第1シューの後半に引き続き、ダブルが失敗。
ペアを実に3回も〝当てた〟のに(私としたら多い)、-140という体たらく。

さらに第3シューに入ると、もうダブルすら入らない「地獄モード」・・・なすすべなくー170。第4シューこそ±0だったが、合計290のマイナス・スタート。
今回の遠征費は、バンクロール80諭吉⇒これは今年の私のCASINOでの勝ち分である。その40%をセッション1で失うという、最悪の幕開けであった。
(皆の前では平静を装っていたが、心の中で泣きそうだったのは云うまでもない)

この敗因を、今振り返ると、まず私のように数ヶ月に1度しかCASINOに来ない人間は、いきなり10万卓に入ってはならないと思う。
やはり〝リハビリ・セッション〟が必要なのだ。

CASINO、ことにBJは流れやタイミングを見計らう「勝負勘」が重要だと、最近とみに感じてきた。
「流れが悪かった」とはいえ、「悪いなりの打ち方」が出来ていれば、被害が軽微な事も少なくない。

これからは、その感覚を取り戻してから、10万卓に入る事にしよう。少なくとも私は。

ちなみに私の疲労の度合いは「口内炎」で判る。疲れるとすぐに口の中に違和感が出るのだ。
この遠征ではセッション1を終えた時すでに、何やら口の中に違和感を覚えていた。



〔セッション2〕1万(カタツムリ)卓 共闘者『Pさん』 BUY-IN 210万W


待ち合わせのPさん、Rさんとも合流し、夕食は予定通りタッカンマリへ。
韓国の冬はやはり鍋――――――しかも今回は〝砂肝のある新店〟を開拓した。これもリゾカジのお蔭である。感謝。


大満足後、WHに戻ると、さすがに混雑の度合いが増していた。
Pさん、Rさんと共闘する為1万卓を物色するが―――なかなか席が空いていない。

Rさんのみ、シューボックスの通常卓に入る事ができたが、それ以上、空きそうにないので、「カタツムリは嫌いではない」というPんさんと共にカタツムリ卓へ。

実は私も、然程カタツムリに拒否感はない。
その理由は(勿論その時々によるが)、ある一定のリズムがあるように感じられてならないからだ。
言い換えると「先ほど登場したカード」が、暫くすると「また出てきた」――――――と云うような。

それはつまり、ある程度、絵札の流れなのか、ローカードの流れなのか、はたまたAの流れが判る・・・ような気がする。(あくまで私見です!)
  
常々あのカタツムリの背中に、8デックとか6デックのカードが入っているとは思えない・・・と思っている(当然私見です!)

さらに云えば、あの中でシャッフルをする事が出来るのは、せいぜい100枚程度じゃないのか・・・それも結構いい加減な「切りかた」…
例えば、カードを交互にしているだけ〝リフルシャッフル〟のような感じ。ならばかなりの頻度で先だってと同じ「流れ」が生まれるハズ!(もう私見というより妄想です!)

――――――――――と、矢鱈とご託を並べたが、この時は全く関係なかった。  
如何せん、最初のー290で、心はズタズタだったのだ。
これ以上負けたくないという気持ちが優先し、ほぼベットアップが出来ない状態。それでは、負けを取り戻すことは難しい。

深夜1時から1時間半――――――戦績、-2。
う~ん、1時間半もやって、この戦果は・・・情けなや。

Pさんが一旦カタツムリ卓を立つと、暫くして呼びに来た。Rさんのいるシューボックス卓が空いているという。
この卓に移動した私は、生涯で最も愉しかったであろう、そして最も学び多き「至福のBJ」を経験するのである。



〔セッション3〕1万卓 共闘者『Pさん』『Rさん』BUY-IN 208万W


深夜2時半スタート。卓の布陣はサードベースにRさん、その一つ前にPさん、さらに間に2ボックスあって、私が2番ボックス。ファーストベースに中国人らしき人がいたが、彼は程なくしていなくなった。

出だしは、ハッキリ云って、ぱっとしなかった。
ほんの僅かずつだが、徐々に削られていく展開は「負け戦」の典型とも云えるかもしれない。

第3シューが終わって、Pさんが離脱。やはりカタツムリの方がいいらしい。

その後も私自身はピリッとしない展開が続いたのだが、凄まじかったのは〝Rさん〟だ。
その勝負師ぶりたるや――――――まさに私の常識を超越していた。

Rさんの基本ベットは、おそらく3万。これを状況にあわせて自在に変動させていくのだが、その的中確率が素晴らしい。
さらにペアも時々張るのだが、ある時、ズバリGETしたペアが5万。
なんと本線のbetよりも上だ。

もちろん、こんな事は長い事やっていれば、一度くらいはあることかもしれない。だがRさんの凄さは、それが一度きりでは無いことだ。
二度、三度・・・・否、ペアにbetアップした時は、相当の確率でペアをモノにしていく。

「Rさん、すげえ!ナイスペア!!」と、私は55万の配当を貰うRさんに声を掛けたが、寡黙な彼は何も答えない。
その代わりに・・・55万の配当を受け取りながら、しゃくりあげる様に、対面に座る私に向かって〝ギロリ〟と視線を送ってきた。



――――――その自信に満ちた〝男のどや顔〟

鋭き眼光が、私の胸に突き刺さる。 そして私の脳裏に、まるでテレパシーのようにRさんの声が響いた・・・気がした。

「どや、madamada!これがワイの勝負や!」 ※注 Rさんは関西人ではありません。

そう、この人は「きたらいいなぁ~」なんて生ぬるい思いでペアに5万を張っていたのではない。紛れもなく、狙って獲っているのだ。

「来い、来るんや、今こんかい!!」 ※注 くれぐれもRさんは関西人ではありません

心の叫びをグリーンの羅紗の上にぶつけ、そして強引なまでにものにする。その結果が――――――しゃくりあげるような、あの自信に満ちた「どや顔」なのだ。

さらにこんなシーンも頻繁にあった。ディーラー表はTカード、
Rさんは12とか13の場面。バスト確率は低い。

それをRさんは暫し悩んだあと、自信をもってステイ。

すると―――ディーラーの裏はロー。
さらにディーラーに、自分に来るはずだったカードを引かせると、それがTカードで、D、バスト。
そして・・・ほぼ対面の私に向かって、しゃくりあげるように「どや!」と視線を送ってきた。


そう、これこそが確信を持ったBS外し。
羅紗の上に全神経を集中させ、ディーラーの裏はローと判断。さらに自分に来るはずのカードはTと読みきり、自分が生き残っただけでなく、テーブル全員に歓喜をもたらした。

「どやmadamada、BJってのは、こうやって勝つんやで!」 ※注・・・モウイイカ


Rさんがどれほど勝ったかは、個人のプライバシーなので記すまい。しかし1万卓では「勝ってもこれくらい」という私の「常識」は、完全に覆された。


さて、私の闘いはというと、一時1万卓なのに100万マイナスという、まさにドツボに嵌りかけた。
しかしRさんの「ペア賭け」を真似てみると―――これがなかなかにいい(尤もRさんほどは獲れないが)

そして-65で迎えた第11シュー――――――これが私のBJ人生の中でも、おそらく永遠に記憶に残るであろう愉しいシューとなった。

私の隣に入ったのは、齢30後半の韓国女子。真横の私からは顔はあまりよく見えなかったが、年齢の割にはスタイルが良く、ヴィトンの鞄を持っていて指先もキレイ―――云わば、元デルモかパニオン系という風貌だ。

この元デルモが、私のBOXにバックベットをしだすと――――――不思議と手が入りだした。

さらに元デルモはD8に対し、9・9が入ると「スプリット、死んでもスプリット」と、BSも判ってらっしゃる様子。
「死んだらどうするの?」と私が問いかけると、「そう、時々死んじゃう。だから私、ホームレス、ハハハ」と明るく日本語も達者だ。

私の方も、この元デルモのボックスにバックベット。さらにペアも、2人のボックスに共にほとんど毎回、賭け続けた。
すると、これがまた結構な確率で的中。(今振り返るとちょっと賭け過ぎた印象もあるが)2人でそのたびに〝ハイタッチ〟――――――

〝BJは、卓の雰囲気が大きくものをいう〟
その事を、改めて強く、強く感じた闘いであった。


完全に元デルモと共闘する形となったセッション3は、結局プラス42、TOTALー250。不本意ながらキャッシャーで25諭吉の現金を受け取り、私の初ウォーカーヒルは幕を閉じた。



【初めてのウォーカーヒル戦績】
総ゲーム時間 12時間半
21シュー+CSM1.5h
シュー成績 8勝12敗1分け



私が初日に12時間半もプレーすることなど無い。
早くも口の中は、口内炎の違和感で満たされていた。

(孤高のヒルトン戦記~2013年最終戦(後編)~へ続く)


このReportへのコメント(全 2件)

2014/01/06(Mon) 16:34

GAKU

>madamadaさん:

あけましておめでとうございます(^_^)!
今年もレポート楽しみにしております。

今回も臨場感溢れる切り口で、そこにいるかのように楽しめました。
どうもありがとうございます(^_^)!


2014/01/08(Wed) 21:16

madamada

GAKUさん

明けましておめでとうございます。
コメント有難うございます。

(後編へ続く)としたのは、もちろん旧年中にアップする気だったからなのですが…
月日が経つのは早いものです。もう新年も1週間が過ぎてしまいました。

昨年末の日記だけに、できるだけ早く仕上げてアップしようとは思っているのですが…
上がりましたら、またお付き合いください。


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