リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人の旅打ち日記番外編 カジノ「バート・ピルモント」

* ヨーロッパ 2014/ 03/ 31 Written by 独逸の旅打賭け人

コメント( 4)

 ドイツカジノの旅打ちは30ヵ所を目標にしていて、残りは後3ヵ所。この30ヵ所という数字は、『ドイツ・カジノガイド 1991/1992』版に拠っている。
筆者の持っているこのガイド本の、この版以降の版は手に入っていないので絶版になっているのかもしれない。この本には30ヵ所のドイツのカジノが紹介されているが、ここ20年余りの間にカジノをめぐる環境も激変して、当時と同じ場所、同じゲーム内容でそのまま続けているところはほとんど無くなってしまった。

一番大きな変化は、ルーレット台がビッグテーブルからクイックテーブルに変わったことだろう。もちろん、今でもビッグテーブルを設置しているカジノはあるが、ビッグテーブルだけのカジノは見当たらない。
二番目の変化は、営業時間である。この本に出ているカジノのオープンはおおむね、14時か15時。例外的に、16時が3ヵ所、17時が1ヵ所あるだけだった。これが、現在では14時が例外的になって、最多は15時で、17時や19時が増えてきている。
三番目は、ルーレットもマシンルーレットが取り入れられ、テーブルゲームとしてのルーレットは無くしてしまったところもあり、最近出来た新しいカジノのほとんどはマシンゲームだけ。要するに、ピットボスやクルーピエが全くいないカジノということなのである。

 このガイドブックに載っているカジノを掲載順に紹介すると、

「バート・ツヴィシェナーン」、「アーヘン」、「バート・ベントハイム」、「バート・デュルクハイム」、「バート・エムス」、「バーデン・バーデン」、「バート・ハルツブルグ」、「バート・ホムブルグ」、「バート・キッシンゲン」、「バート・ノイエナール」、「バート・オエンハウゼン」、「バート・ピルモント」、「バート・ライヘンハル」、「バート・ヴィシィ」、「バート・ツヴィシェナーン」、「ベルリン」、「ブレーメン」、「ガルミッシュ・パルテンキルヒェン」、「ハンブルグ」、「ハノーファー」、「ヒッテフェルド」、「ホーエンジーブルグ」、「コンスタンツ」、「リンダウ」、「マインツ」、「シュロス・ベルグ」、「ザールブリュッケン」、「ズィルト」、「トリアー」、「ヴィースバーデン」の、30ヵ所ということになる。

この内、ラースト3としてこれから訪れる予定は、「バーデン・バーデン」、「バート・ホムブルグ」、「ヴィースバーデン」の歴史的な3ヵ所。
そして、今回の旅打ちで訪れていないのは、「バート・ピルモント」と「ヒッテフェルド(ハンブルグ近郊)」、「ズィルト」の3ヵ所。前2ヵ所はテーブルゲームが全廃されマシンゲームだけのカジノになってしまったもの、「ズィルト」ももともと季節的なカジノであり、ドイツ最北部の島にあるので最初から除外している。その代わりに、このガイドブックに載っていない新しいカジノで訪れたのは、「シュツットガルト」、「デュイスブルグ」、「バート・フィッシング」、「キール」の4ヵ所となる。
あと1ヵ所、「マインツ」が残っているが、移転した後はゲームセンターのような雰囲気になってしまったので相性も悪く、訪れる30ヵ所には含めないことにした。

 ドイツカジノの時代的な変化は稿を改めるとして、筆者が頻繁に訪れていたカジノで全てマシンに変えてしまったカジノが、カジノ「バート・ピルモント」。
このカジノは、カジノ「バート・キッシンゲン」、カジノ「マインツ」(移転前)と並んで筆者が最も気に入っていて、足しげく訪れたカジノだった。ドイツカジノでテーブルゲームを廃してしまえば、カジノとしては廃業したのと同様で、誠に残念なことである。

このカジノの全盛期の模様を記してみたい。

 バート・ピルモント(Bad Pyrmont)は、ドイツ全体のほぼ中央に位置しており、ねずみ男で知られるハーメルンの隣町に当たる。
この町は中世ドイツ騎士団の根拠地の一つとしても知られており、鉄道で駅に着くと駅名と一体化した十字架が迎えてくれる。また主要な建物の屋根には、王冠を頂いた十字架が輝いており、町中には十字架を記した旗がたなびいている。町外れには、堀で囲まれた城館もあり、中庭には当時の騎士団が馬上で整列したであろう広場が当時を偲ばせている。

1997年12月6日 カジノ「バート・ピルモント」

 バート・ピルモントのカジノは、町の中心となるプロムナードの端に位置する歴史的な建物「コンサート・ハウス」の中にある。テーブルゲームはビッグテーブルのルーレット台が4台とブラックジャックのカードテーブルが1台設置されていた。オープンは15時であるが、今日の入場は16時40分。この時間では3番台のビッグテーブルだけが稼動している。使用するチップは20マルクのノーマルチップ。この時間では20マルクのチップを使う賭け人はまずいないので、カラーチップでなくても他の賭け人のチップとは簡単に識別できる。


電光表示盤の今までの16投の出目は、
[6-35-11-7-0-32-13-26-34-35-36-10-7-24-29-1] 
であり、Gが最多でKが時々、Orは極くたまに出ている状態。
電光表示盤はこの頃導入され、掛け人にとっては入場後すぐにプレイすることが可能となったが、導入前は15投くらい「見」をして出目の流れを掴まなければいけなかったので、相当の時間のロスになっていたのである。

筆者は37個の数字が配された盤面を3つの区分に分けて捉えていた。盤面の中心数字26の左右8数字ずつの合計17数字をG(グロース)、26の対極の12数字をK(クライン)、GとKに挟まれた左右合計8数字をOr(オフラン)の3区分であり、別途に26を真ん中にした7数字を0/3(ゼロ・スピール)として捉えているが、この当時は△という概念で0/3とOrのゾーンに挟まれた10数字を捉えることはしていなかった。
この時以降のある日、バート・キッシンゲンのカジノで未曾有の負けを喫したことがあったが、その敗因が0/3とOrの間の10数字に偏っていたのを対応できなかったことに拠るものと気付き、それ以後、この10数字のゾーンを△として捉えて対応するようになったのである。

 ここから参戦。ビッグテーブルなので6脚の賭け人用の椅子が用意されている。掛け人は7、8人。壁際に配されたテーブルで出目を記録しながら、ビールやコーヒーをテーブルに置いて、のんびりとした雰囲気を漂わせている。
幸いに椅子に掛ける掛け人がいないので、ウィールに向かって左側の真ん中の一番賭けやすい席に座る。最近はピットボスやクルーピエとも顔なじみなので、お互いに目で挨拶を交わす。

参戦1投目は、1列の小目と読んだが、
-5

外れた。次は3列の中目と出目表から見たが、
-34

次は小目のGと読んだ。
-0

0は押さえていなかった。次は「死に目」に近いOrとみて、Orのゾーンに5枚、14、17、20および1に各1枚。
-31(17)

ゾーンのOrは当たったが、数字では取れず。カッコ内の数字は当たった時の配当のチップの枚数。
-28-21

いずれも外し、最初の1000を失う。
-31(17)

次は0/3の大と読んだが、
-3(17)

0/3のゾーンの分だけは取れた。次こそ0/3の大。
-32(52)

これは取れた。初めての数字の当たり。しばらくは0/3が続くか?
-0(17)

0/3は当たったが、0自体には賭けていなかった。

この時、老齢の婦人が2人、筆者の右隣の席とそれに続く下座のクルーピエの手前の席に座った。それぞれが持参のポーチを開けて、ミニマムの2マルクのチップをテーブルに積む。この時間には年金生活の老婦人達が毎日のようにカジノに通っているのをよく見るが、仲間同士おしゃべりしながら賭けているので騒がしくもあり、賭けた場所を覚えていないようで、当たった時のトラブルも多く余り歓迎できる賭け人とはいえない。夜に入って、台のミニマムが2マルクから5マルクに上げられる頃には退場しているのだが、筆者にとっても余り同席したくないのが本音。せっかく、流れに乗りかけたのにと眉をひそませるが、案の定、
-17-17-23-24-16

チグハグになって5投を外して、再度の1000を投入の破目に。0の後は、Orのゾーンだけは押さえなければいけなかったのを、老婦人達のことで、つい失念。
-16-4-22-33

全く当たらず、次の1000を両替。年金老人の祟りか。
-29-6(17)

当りから遠ざかったまま。6はOrのゾーンが当たった。
-32(86)

やっと、当りらしい当りに。
-19-11

ところが、流れが続かない。
-36(69)

大目の3列と読んでいたので、読みどおりに。
-6-36-25-24(17)-33

ゾーンの出目も不規則に乱れている。
-32(86)

先ほどの32同様、0/3と大目の狙いが当たった。
-1

どうにも当りが続かない。
ところが、次にウィールが廻って玉が落ちそうな時に、突然、壁際のテーブルに座っていた初老の掛け人が立ち上がって、アウトサイドの黒に5000マルクの大きい札のチップを置いた。玉を投げ入れたクルーピエがジロッとそれを見たが、それと同時に玉が落ちた。
-10

何と、狙ったとおりの黒に入った。5000マルクのチップが付けられる。この掛け人は、付けられた1枚だけをポケットに入れて、最初のチップはそのまま置き張り。
そして、ウィールが廻って、落ちたのは、
-6

やはり、狙った黒。掛け人は配当と合わせて2枚の5000マルクチップを引き上げてポケットに入れ、元のテーブルに戻っていった。ほんの3分ほどで10000マルクを稼いでしまったが、この掛け人はこの出目のチャンスを、それまで賭けることも全くせずに、長い間待っていたのだろう。

確かに、出目表で確認すると、赤と黒が交互に出た後、赤2投(36-25)、黒2投(24-33)、赤2投(32-1)と続いて、次は黒2投と読める。ここを狙ったのだろう。

他人の事より、自分の事と出目表を見て、Gの大目の2列と読み、26、32、35に
厚く賭けるが、
-29(34)

からくも、押さえが取れた。
-27-8(70)

Kが2投続いた。
-6

Or。これは読めない。
-35(86)

0/3の大目で狙ったとおり。
次はKの大目と出目表から強く読めた。
-30(86)

狙い通り。次もKのリピート。3列と読む。24を主軸に27/36に厚く賭ける。27か36の出目と見るが、
-30(172)

リピートになったが、この30のリピートは大きい。先ほどの当りのチップは置いたままなので、2倍の配当に。今日の最高の当たり、3440マルク。この配当には台を囲む掛け人もため息。

先ほどの27から、K-K-Or-G-K-Kと出ているので、次はOr。それも小目か大目。
-6(52)

次は出目表から、Gの小目。2、4、7、3、12に各2枚。
-7(70)

見事、狙い通り。
次は3列のKと読んで、27/36に厚く、24も押さえる。もういちど30か?
ところが、出目は、
-7(70)

7のリピート。置いたままのチップが生きる。
-12-2

3列の大目に動くと見たが、2投を外して、ここで撤退。
この時点まで、先ほどの掛け人に動きは全くなかった。

 戦績は、2回の32とリピートの30、7が効いて、プラスの5900マルク。ティップは別途に22枚、440マルク。
前半の不調にも拘らず、リピートに救われた。賭けるチップが20マルクというのも、当たった時に大きく浮く要因。ただし、流れに乗るまでは大賭けしないことがコツ。

ドイツ統一前のこの時期は、このカジノではほとんど不敗といってもいいほどの戦績が続いた。そのため、フランクフルトからは相当の距離があるにも拘らず通い続けたものである。現在はマシンのみになってしまったので、足を向けることはない。





このReportへのコメント(全 4件)

2014/04/02(Wed) 16:47

GAKU

>独逸の旅打賭け人さん:

いつも貴重なドイツレポートをどうもありがとうございます(^_^)!

しかし、ドイツカジノの旅打ち30ヵ所って、物凄い数字です(@_@)!
僕にとってのヨーロッパのカジノのイメージは、ルーレットのビッグテーブルですが、ドイツではだんだん少なくなっているのですね。

いつかヨーロッパのルーレットで遊んでみたいものです。


2014/04/02(Wed) 17:30

独逸の旅打賭け人

GAKUさん

いつもコメントありがとうございます。
このドイツカジノガイド本を手に入れた後に、掲載されていた30ヵ所を廻ろうと思って頑張ったのですが、27ヵ所しか行けなかったのです。今回のレポートの写真にある20マルクチップは記念に持って帰ってきたものです。
当時は、全てビッグテーブルでした。今でも、ビッグテーブルを主体にして営業しているところはあります。ヴィースバーデン、バート・デュルクハイム、バート・ヴィシィ、ホーエンジーブルグ、バート・ホムブルグ、バート・ノイエナールの各カジノはオープン時間から開けていますが、その他でビッグテーブルを併設しているカジノは夜に入ってから開けるようです。

30ヵ所まで後3ヵ所ですが、今月の旅打ちで廻ってくる予定です。


2014/05/23(Fri) 06:42

みさんこ

はじめまして。
私もルーレット好きです!

ちなみにソウルヒルトンのマシーンでベットするものは、0がでても、半分返却はないです。


2014/05/29(Thu) 17:57

独逸の旅打賭け人

みさんこさん

コメントありがとうございます。
ソウルヒルトンのマシンは0がひとつのヨーロピアンルーレットと聞いたのですが、クルーピエがいないと、確かに2倍に賭けたものの処理ができませんね。本場のドイツではマシンはやったことがないのでわかりませんが、確かにその問題はあると思います。まさか、アウトサイドの賭ける場所がないとは思えませんが。ティップ代わりに総取りになってしまうのか、こんどよく見てきます。


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