リゾカジ カジノレポート

澳門黄金週間2014 【序】

* マカオ 2014/ 06/ 01 Written by マカオの帝王

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■ 4月27日(金)~5月1日(木)

マカオ・コンシェルジェで予約した、関空発エアマカオNX837便は定刻通り夜8時半にマカオ国際空港についた。

さあ、黄金週間の始まりだ! と行きたかったのだが、リンちゃんと乗り込んだタクシーで運転手に告げた行き先は “ゴンベイ” 即ち珠海とのボーダーであった。

『まったく、何が悲しくて久しぶりにマカオに着いたというのに、そこを一勝負もせず通り抜けて、何もない本土でこれから5泊も過ごさねばならないのか……』

ぼやいても仕方がなく、45分かけてボーダーを抜け、中国版新幹線に乗り、リンちゃんの故郷である湖南省へ向かう。

当然のことながら、湖南省では連日中国一辛い湖南省料理を食べることになる。

若かりし頃、4年間香港に駐在していたこともあり、普通の日本人よりは辛さに対する耐性は持ち合わせているつもりであったが、どうにもこの辛さには馴染めない。

毎回、平均10皿は出てくるのだが、当方が何とか口に出来るのは、春雨の炒め物と、北京ダックもどき、それと川蝦の揚げ物の3品だけで、それを生温い気の抜けたような味のローカルビールで流し込むという “苦行” が繰り返される。

何度か一緒に食事する内に、当方の好み(というか、他と比べると何とか食べられなくはないというもの)が理解されたのか、黙っていても “春雨の黄金炒め” が卓上に並ぶようになった。

「本当に貴方の旦那さんは春雨が好きなのねぇ……、ほら、まだ鍋の底にあるので全部食べてくださいね」とリンちゃんの友人に勧められ、黙々と食べる。

これはまだ良いのだが、もっと恐ろしいのは朝ご飯であった。

滞在初日はパンとバナナ、それと牛乳という普通の朝食であったのだが、途中からリンちゃんの両親が “おもてなし” に目覚めたのか、薄いおでんの汁のようなものの中に、ゆで卵と、妙な味の豆と、グミのようなものが混じった弁当箱を持ってくるようになった。

仕方なく食べてみるのだが、豆は不味く、グミは食感が気持ち悪いので残すはめになり、辛うじて食べられるのがゆで卵のみな為、渋々これを食べると、“ゆで卵大好き人間” とでも思われたのか、次の日から弁当箱の中に3~4個入ってくるようになった。

『朝からこんなにいっぱい、ゆで卵ばっかり食えるか!』

と内心思いながら、表面上は笑顔で応対しつつ、リンちゃんに、「いいか、お母さんに朝はそちらもお忙しいでしょうから最初の日に出たパンとバナナと牛乳で十分、いや、それが最高だ! と、そこいらを上手に伝えてくれ!」と日本語で告げる。

こうして2014年の黄金週間前半は、湖南省で只管空虚な日々を過ごすだけで終わった。


■ 5月2日(金)

中国版新幹線は時速300kmでマカオへとひた走る。

途中、広州で乗り換えの為、まるで空港のような駅の待合い所の中に九州熊本の「味千ラーメン」の看板を見かけ入る。

5日ぶりの日本の味を堪能しつつ、これからマカオにおける5日間の “ゲームプラン” を考える。

『まずは、このところ負け無しのMGMのBJでスタートだ。それが勝てば又MGMでBJ。今回は大きなポーカー大会も無いので、ポーカーに関しては気分転換程度とする。 バカラはリスボアの皇牌天下の“週末限定6万$一泊+お食事券300$分” プログラムをチャラで乗り切る。それが出来れば後半の三日間は懐かしのグランド・ラパ(旧マンダリン・オリエンタルホテル)に泊まりつつ、MGMでBJ勝負だ! 但し、今から約四半世紀前によく徹夜で勝負したグランド・ラパに泊まる以上、ここのカジノも覗いてはみないとな……』

中国版新幹線は珠海についた。

免税店でダンヒルとダビドフをそれぞれ2カートン購入する。
(今回の里帰りで、中年の中国人男性への贈り物としてはやはり煙草、それも出来れば珍しい欧州製が喜ばれることが判明した為、関空より1カートンで千円は安いここ珠海で仕入れることとする)

足取りも軽く、ボーダーを通過する。

さぁ、マカオだ!

タクシーに飛び乗り、まずは本日のお宿である、リージェンシー・ホテル(旧ハイアット・リージェンシー・ホテル)へと向かう。

今回当方が泊まるホテル(リージェンシー、リスボア、グランド・ラパ)は全て、当方がマカオデビューした25年前から存在する、歴史と伝統に輝くホテル群である。

ここ数年のマカオしか知らない人には信じられないことであろうが、今から25年前のマカオでは、カジノと言えば1にリスボア、2に回力、3,4が無くて5にマンダリン・オリエンタルと半島側で世界は完結しており、タイパ島側には当時はハイアット・リージェンシーという名前だった本日宿泊予定のホテルにバカラが4卓、BJが2卓あるきりだった。

マカオ大学のそばにあるリ-ジェンシー・ホテルにチェックインする。

『ここも昔は輝いていたのに、随分と古ぼけた感じになってしまったな……、バスタブもひび割れが入っているし、“ハイアット” がとれた訳だ。けど、それはお互い様か? こっちも髪に白髪が混じり、腹も出てきた。もう若くはないけど、老いぼれるにはまだ早い。今回は何とか最後に一花咲かせたいものだ……』

「アナタァ! このホテルはマァマァね。プーチン(リスボアのこと)みたいに変なお姐さんがいないから、落ち着いて良いわぁ」とリンちゃん。

荷物を整理し、まずは前回のマカオ遠征の生き残りの香港ドル(約5万)を握りしめ、タクシーに乗り込み最近相性の良いMGMに向かう。

「美高梅(メイゴウメイ)、ムコイ」と運転手に告げ、橋を渡り、MGMに到着。

まずは場内を一周する。
儲からない為か、BJは5卓に減り、一か所に纏められていた。

『何だか、来る度にブラックジャックは虐げられているなぁ。けど、ここのルール(Aの再スプリットがOK、自分の順番になってからサレンダーがOK、遊びでベットするペアが25$からOK等)に加え、黄色の千$チップでスタックを築くという愉しみを捨てる訳にはいかない。ミニマムは500$か? まぁ手頃だ。おや? 一台だけサードボックスとその右隣が空いている。良し、ここで勝負だ!』

右隣にはリンちゃんが座り、6番ボックスに800$、7番ボックスに1,200$でスタート。
屑手だったが、ディーラーが5からバストとし、幸先よく黄色チップを2枚獲得する。

その後も順調にチップを増やす。

尚、リンちゃんにはBJ若しくはBOXトータルで勝利の際に、1本25$の“爪楊枝”を渡す約束であったが、「世の中、消費税もアップしているのに、それでは少ない!」という訳のわからないロジックにより今回から、“ダブル若しくはスプリットが決まった際には一本おまけ、またペアが出た際にも無条件で1本” という条件が追加された。

「よーしエース、ブーラク・ジャク出て! あれ、またエース……、アナタァ、まずこの対子で1本ね♪ 次は絵札、絵札、やったぁ! 両方とも21点! えぇ、これはブーラク・ジャクじゃない? ふーん、でも二つとも勝ったから後2本頂戴!」

この調子でリンちゃん絶好調!

あっという間に勝ちが1万$を超え、バイインの2万$と合わせて、黄色の千$チップ10枚の小さなスタックが3本となる。

リンちゃんの隣のボックスが空いたので、3ボックスモードに移行を決意し、5番ボックスに600$、6番ボックスに900$、7番ボックスに1,500$をベットする。(これを全部勝つと黄色チップ3枚獲得となる)

モード変更後も依然として良い流れが続く。

ゲーム開始から30分が過ぎた頃、ディーラーが絵札、自分のラストボックスが16というハンドが配られる。

頭の中がモヤモヤしてきた。

『えーと、確かこの場合は……、そうそう、下手な考えは今回は不要だ! 何とかいう奴、をすれば良かった筈……』

指で線を引っ張りサレンダーを告げるが、その際、複数ボックスでプレイしているのにも関わらず、ゲーム開始以来ここまで一度もサレンダーする局面とならなかったことに驚く。

途中で、ディーラーのフェイスが絵札、プレイヤーの1番から4番まで皆さん17~19でステイ、当方の5番、6番は共にハードの18なので当然ステイ、ラストボックスがAと7のソフト18という厳しい状況になった。

「アナタァ、これは18でしょ? このままで良いんじゃないの?」とリンちゃん。

左脳からは純粋に確率的に “ヒット” の指令が出ていた。

問題は右脳である。

『これをステイした場合、ディーラーのエース、4枚のテンカード、それに加えて9でも全滅だ。それだけは何としても避けたい……』

右脳から届いたイメージは、“ステイすれば全滅、ヒットした場合は不明”という、何とも曖昧なものであったが、全滅よりはマシと覚悟を決めヒットする。

配られたカードは3で、ラストボックスは21となる。
一安心して当然ステイ。

そして運命のラストカード!

それは7であった。

ディーラーは17どまりで、一人が引き分けとなった以外は全員勝利!

「アナタァ、みんなアナタのこと、上手だって♪ それから今回はおまけで2本頂戴ね」

はいはい、と2本手渡す。

今回より、今まで見たことのなかった、真中にライオンの絵が描かれた青い “250$” チップが導入されていたが、どうやらリンちゃんはこのチップを気に入ったようで、「アナタァ、この “トラ”のチップは新しくてピカピーカで綺麗ねぇ!」 と、切り良く爪楊枝が10本溜まる毎にこの250$チップと交換し、これを10枚にすることを本日の目標と決めたようであった。

『それは “トラ” じゃなくて “ライオン” だろうが……』

と思いつつも、ゲームは進行した。

途中で、このテーブルが好調と見たのか、当方のボックスにバックベットする人達が現れる。
それも最初は一人だったのが、二人、三人と段々増え、しまいには後ろから2千、3千と当方よりも多額のチップを賭けるものまで出てきた。
1番から4番に座っている人達も、やや増えている様子ではあったが、当方及びバックベッター達の方がより多くチップを獲得出来たので、この日、この場所では、結果的にはこの戦法が正解だったと言える。

当方の勝ちが4万$弱、リンちゃんの “爪楊枝” が約100本に達した頃、それまでの女性ディーラーから無愛想な男性ディーラーに代わる。

何故だか不明だが、急にカードの流れが悪くなる。

まずバックベッター達が消えた。

次に1番ボックスのおばちゃんが席を立つ。

続いて4番ボックスのメガネの若者も消えた。

残るは我々と2番3番のカップルのみとなり、テーブルが寂しくなった。

「アナタ! この元と勝ち分の3万$は触ったらアカンけんね!」

とリンちゃんに黄色のスタック5本を拘束される。

手元不如意となる。

張りを5番ボックス:500$、6番ボックス:500$、7番ボックス:1,000$と減らすが、よくてチャラでBJもペアも出なくなる。

一向に爪楊枝が増えないので、リンちゃんから強制ストップの声がかかる。

結局、今回のマカオ遠征の初陣は、プラス3万$で終了。
(リンちゃんはライオン10頭=2,500$ゲット)

お腹が空いたので、MGM内の何でもレストラン、食八方に入る。

ここは中華の他に西洋料理もあるので、中華に飽きた際には重宝する。

当方はスパゲティ・ボロネーズとビール、それと野菜を一品、リンちゃんは何やら辛そうな炒め物と白ご飯をオーダーする。

いつものことだが、ここの料理自体はそれ程大したことはないのだが、他にはない素晴らしい点が一つだけある。

それは、お金が不要だということである。

年に数回しか来ないのだが、ポイントの積算方法が他と違うのか、グランドリスボアなどで結構BJをプレイしても、若干割り引きになるだけなのに、ここMGMでは、この数年間一度も料金を請求されたことは無かった。

約300$の請求書にメンバーズ・カードを添えて恐る恐る差し出すと、3分後にはサインするだけでOKとの返事が戻ってきた。

『今回もタダだったか……』

そう思いながらMGMを出て、少し外を歩く。

「アナタァ! 今回は最初勝ってよーかったねぇ!」

頷きながらふと前を見ると、タイパ島の銀河酒店(ギャラクシー)行きの無料バスが目に入る。

どうせ島に帰るのだから……、とバスに乗り込む。
バスを降りると、折角ホテルについたのだから……、と中に入る。

玄関付近はピカピカなので、リンちゃんが喜んで写真を撮りまくる。

目の前にカジノがあるのだから……、と空いているBJ卓のサードベースに座る。

1万$をチップと交換し、2ボックスに800$、1,200$とベットするも、ディーラー絵札に対し、15、16と屑手が配られる。

『これは当然サレンダー……』

と思いつつ、目の前をディーラーが左から順番に何やら確認の作業をするのが目に入る。

『うん? 確かこれは……、しまった!』

と気が付いた時は既に遅く、1番ボックスでカードが配られ始めており、もうサレンダーは出来なくなっていた。

仕方がないのでヒットするが共にバスト。

その後の流れは悪くあっという間に半分の5千$となる。

ここでリンちゃんの強制終了の声が掛る。

「もう、ここには二度と来ないけんね!」

と宣言するリンちゃん。

そのまま、通りの向こうのべネティアンに入る。

ここでもBJにトライするが、ネオヒルズ族の誰かさんのように “秒速で1万$負ける男”と成り下がり、リンちゃんの怒りに火が着く。

「アナタ! もう今日はブラックジャックは終了だかんね!」と告げられたので、
「よし、それならバカラでも……」と呟くと、
「何ゆうた! バカラも禁止! やるんだったら、故郷の人が教えてくれた方法を試してみたいので“大小”よ! これで勝ったら、半分頂戴ね!」との以外な返事が。

何でも、リンちゃんの故郷の知り合いが、マカオの大小で僅か200$を元手に、その“必勝法”で10万?百万?(どちらでも凄いが……)$勝ったそうである。

その方法とは、とにかくツラが出たら只管それに乗っかり、毎回所持金の半分を賭け、切れたらそちらに再び所持金の半分を賭けるのだそうだ。

馬鹿馬鹿しく思いながら、試しに千$用意し、半分の500$を直近で大が3回連続で出ている台で大にベットする。

大が出る。

大に700$をベットする。

再び大が出る。

大に千$をベットする。

またまた大が出る。

千$が3,200$に増える。

「次も大に1,600$でエエんやな?」

と尋ねると、それは怖いので、千で良いとのこと。

その通りにすると小が出て切れた。(嬉しいのか、悲しいのか……)

湖南省の田舎者が編み出した“必勝法”に従い、次は小に千$ベットすると、その通り小が出た。

再び所持金が3,200$に戻ったので、次はどうするか尋ねると、さっきはここで負けたので800$だけ小に賭ける、と言う。

その通りにすると素直に小が出て勝った。

とにもかくにも、スタートの4倍にはなった。

「さぁ、どうする? 今辞めたら3千$の半分の1,500$が貰えるぞ、次に2千$賭けて負けたら取り分は500$に減るぞ。もし勝ったらその時は2,500$だ! さぁ、どうする?」

自分で問いかけながら、ここまでくるとこの問題は数学ではなく心理学の領域に突入したと思われた。

リンちゃんの観点から考えれば、答えは明白である。

①元々勝率は半々よりも(ゾロ目のぶんだけ)少ない。
②負けた場合は一気に3分の一に減ってしまう。
③勝っても取り分は倍の3千$には届かない。

小声で「もう辞める……」との返事が戻ってくる。

次は222と一見小のような、大でも小でも無い、ゾロ目(抜け)であった。

「辞めて良-かったねぁ」と微笑みながら、勝ち分の半分の1,500$を笑顔で受け取るリンちゃん。

この大小のささやかな勝利で、少なくともリンちゃんの機嫌は回復した様子。

べネティアンの片隅から、何やら洋楽が聞こえるので、音のする方に向かうと、壇上で白人のミュージシャンがライブ演奏をしながら、主に白人連中がダンスをしているBARが目に入った。

“飲酒ギャンブル事故の元” とプレイ中のアルコールは控えていたが、そろそろビールが飲みたくなってきた。

目の前のBARに入り、カウンターに腰かけ、ハイネケンの生を頼む。
(リンちゃんはジュース)

やはり、仕事(=カジノでのプレイが金額に関係なくプラスで終わった時)の後のビールは旨い!
飲んでいる途中で、『もう、今夜はこれで打ち止め』と決める。

ビールを飲み干すと同時に、騒々しいライブも一旦終了し、ミュージックビデオに切り替わったので席を立ち、タクシーでリージェンシーに戻り就寝。


■ 5月3日(土)

一応、バイキング形式の朝食が付いているのだが、リンちゃんは「眠い……」とのことなので、9時過ぎに一人で1階ロビーに出向く。

このホテルは、昔何度か泊まったことがあるのだが、老いぼれたとは言え、今でも健在なのを目にすると、何となく嬉しい。

部屋に戻り一服し、12時にチェックアウト。

本日の宿であるリスボアへ移動するのだが、何故かタクシーが捕まらない。

『確か路線バスが近くに有った筈……』そう思い出し、前の道を歩いていると、メガネをかけた真面目そうな大学生を発見する。

リンちゃんが、「リスボア行きのバス停はどこにありますか?」と中国語で尋ねると、「それなら今から自分も行くところだから、一緒に付いて来てくれ」との返事が。

若者は近くの澳門大学の大学生で、カジノには一度も足を踏み入れたことは無いそうだ。

一人3.2$のバスに乗り、マカオブリッジを渡り、半島側に入る。

大きなスーツケースをグランドリスボアのクロークに預け、リスボアのエリートルームに入る。

今回は中国の黄金週間と重なった為、リゾカジのプログラムに日数制限が入ったので、“週末限定、ホテル1泊+お食事券300$付きで6万$”というコンパクトなプログラムに入る。

手元に香港$があるので日本円のホールドはせず、6万$をそのまま手渡す。

ノンネゴチップ6万$でのプレイ開始!

序盤戦はバンカー優位で推移する。

徐々にキャッシュチップに入れ替わる。

「アナタ、これは手を出したらアカンけんな!」

とリンちゃんに差し押さえされる。

途中、バンカーに3千$、バンカーペアに300$をベットし、プレイヤー:0点、バンカー共に2の4点で、まずは対子をゲットし、続いてプレイヤーの3枚目がリンちゃんのお囃子(=ゴン、ゴン)のお陰で綺麗な絵札が入り、本線も勝利となった際(今回の白眉がこれ)に瞬間的にプラス2万$を超えるも、客側が好調ということは、ローリングが進んでいないことを意味する訳なので、辞めることも出来ずプレイを続ける。(ハウスの罠)

結局、終盤はお決まりのプレイヤーの逆襲に見舞われるも、辛くもこれを凌ぎ切り、プラス5千$の勝利でローリング終了。

プレイ中にクルクルさん、中宝さんらと会い、今晩他のメンバーにも声を掛け、火鍋屋行きの約束をする。

リンちゃんはエリートルームの女性スタッフ(3名)に、日本より持参した資生堂の小物をプレゼントする。(皆さん感激)

レポート通りに、嬉々として爪楊枝を集める“生リンちゃん”を初めて見るリゾカジメンバーから、「いやぁ、少しは脚色が入っているのじゃないかと思っていたのですが、レポート通りの魅力的な女性ですねぇ」と褒められ(煽てられ)悦に入るリンちゃん。

取り合えず部屋にチェックインし、部屋で小休憩の後、再びエリートルームへ向かう。

初参加のご夫婦や人道人間さんらも含め、総勢11名で中国銀行横の徳興へ向かう。

店の中では、飲み物、鍋の底(スープの辛さ)、肉、海鮮、野菜等の各人の注文を当方が噛み砕いてリンちゃんに伝えた後に、リンちゃんが中国語で店員にその内容を伝えるという連携が功を奏し、注文通りの品が順番に出てくる。

「やはり、中国語の出来る人が一人居ると良いですねぇ」と言われ、喜ぶリンちゃん。

本日のメインとも言うべきミル貝については、生だと3~4回に一度はお腹を下す危険があるそうなので、安全策をとるならしゃぶしゃぶ、生の食感を味わいたいなら刺身、とのことであったが、ディーラーのAに対するBJのインシュアランスようなもので、13分の4のリスクを恐れるより、1.5倍のリターンを選ぶ! と刺身を選択する。
(幸い、お腹は何ともなかった)

こうして、リゾカジメンバーによる、現地でのささやかな“プチオフ会”は一人約500$で盛況の内に幕を閉じ、メンバー各位はそれぞれの戦場に散って行った。

さて、どこへ行こうか……、と思案するも、最近ほとんど負け無しのMGMのBJがよかろうと、夜風にあたりながら、散歩がてらにMGMを目指して歩く。MGM前から出ている珠海とのボーダー行きの無料バスに乗るというクルクルさんとここで別れ、当方とリンちゃんは再びMGMへ突入する。

一か所しかないBJコーナーは、土曜日なので賑わっていた。

ところどころ空席はあるのだが、当方の好きなサードベースはどこも埋まっている。

いつまでたっても空きそうもない。

仕方がないので、5番、6番と空いている卓を選び、そこの6番に座る。(リンちゃんは5番)

どうやら、1番、3番、7番でプレイしている中年男性3人も日本人のようである。
とはいえ、別に顔見知りでもないので、無言で3万$をバイインし、いつもの儀式として爪楊枝とフランスで購入した金メッキのメダル、それに金ピカのグランドリスボアのキーホルダーをセットで取り出す。

「いきなり3万$ですかぁ……」
「まぁ、これ位はよく見るけど、あの金ピカは何ですかね?」
「さぁ、やはり “こっちの人”はああいった金製品を縁起物として好むんじゃないのかな?」

『おやおや、横にいるリンちゃんのせいか、いきなり、“こっちの人”認定されてしまったな……』

と思いつつ、プレイスタート。

皆さん、ミニマムの500$をベットする中、3万$もバイインして、ゲームを中断させておいて、同じくミニマムではと思い、5番に千$、6番に1,500$をベットする。

共に屑手だったが、ディーラーが5なので素直にステイすると、これまた素直に絵札2枚でバストしてくれた。

『ふぅ、素直に飛んでくれたか……、これで“ボックス数が変わったので、流れが変わった!”などと妙なイチャモンを付けられないで良かった……』と一安心。

けれども、そこから徐々に沈みだし、原点を割り込み、マイナス5千$くらいで平衡状態となる。

『うーん、どうもサードベース以外でのBJはしっくりこない。7番の日本人も、基本的にはB/S通りなので、結果は同じになる筈だが、自分でこの場をコントロールしている感覚が持てない。どうする?』

ここでリンちゃんから、
「アナタ、さっきから一つも爪楊枝が増えて無いじゃないか! 一度一つ減らして見たらどうなん?」との声がかかる。

素直に従い、6番に黄色チップ1枚を置く。

すると、久しぶりにブラックジャック降臨!

次も55でまずペアをゲットした後に、ディーラーが6なので当然ダブルをすると絵札で20となり勝利!

但し、その次はディーラー絵札に対し16となったので、大人しくサレンダー。
「アナタ、これで元の2つに戻すのよ」とリンちゃん。

その声に従い、5番、6番に千$ずつベットすると共に20となり、ディーラーは3から8を引くも次がまた8の19止まりで1点差の勝利!

一気に原点を回復する。

その後、ペースはやや鈍ったものの、黄色のチップは少しずつ増え、ノルマとしているプラス1万$に到達する。

しかし、ここで再び平衡モードに入る。

一進一退ではあったが、それでも時折BJ、ペア、等は出現するので、リンちゃんの爪楊枝10本分の、青いライオンチップ(=250$)は徐々に増え、9枚を超えた。

「今、幾ら手元にある?」と尋ねると、

「青い“トラ”が9枚と175$」とリンちゃん。

『それは“トラ”じゃなく“ライオン”なんだけどな……』と思いつつ、あと75$で終了を決意する。

ディーラーが8で5番ボックスは18、当然ステイ、6番は88なのでまずはペアをゲットする。

普段はしないのだが、今回は何故かまた8が来るような気がしたので25$をペアにベットすると、予想通り8が!

当然再スプリットするも、その後は絵札、絵札で18ステイが続いく。

最後の8に対し、遊びで25$をペアにベットすると、またもや8が来る!

これで、リンちゃん的には、青い250$チップ10枚獲得でノルマ達成となる。

それは良かったのだが、本線は8からヒットで6、次が絵札で一つバストとなる。

もう一つはエースの19で当然ステイ。

『ディーラーは8+9=17がベストだが、もう絵札でも良い……』

などと弱気なことを考えていると、その期待通りに絵札が出て、本線はチャラに終わる。
(ペア3個ゲットの分だけ少し勝ち)

いつまでたっても7番ボックスは空きそうにない。

『湖南省の生温いビールじゃなく、久しぶりに冷えたビールを飲み過ぎたせいか、少し酔いが回ってきた。兎に角、ここまではほぼ負け無しだ。サードベースが空かないのでは、本来の“帝王式BJ”はプレイ出来ない。この辺りが潮時だな……』

卓上の黄色チップのスタック4本を1万$チップと交換する。

目標としていた“爪楊枝”100本分をゲットしたからか、嬉しそうにリンちゃんが卓上の日本人3人に、「それでは、ワタシたちはこれで帰りまーす♪ 皆さんもガンバッてねぇ!」と日本語の上手な謎の中国人として愛想を振りまく中、当方もお守りの金ピカグッズを仕舞いつつ、小さな声で、「それじゃ、これで帰ります。頑張って下さい」と7番の男性に告げると、“この人は怪しい中国人じゃなく、日本人だったのか?”と驚いた様子であった。

最後にリンちゃんのリクエストで、端数分を湖南省:衡陽式ストラテジーで大小に挑むも、あっさり負け。

「もう! ここの大小は良くない! 大小は昨日のべネティアンが良い! MGMはブーラク・ジャクだけ!」

と、チップを上乗せ出来なかったからか、お冠のご様子。

とにかく、二日目もささやかではあったが、勝利で終えることが出来たので良しとして、MGMを後にしウィーンを通り、小雨に打たれながら道路を渡り、勝手知ったる我が家(リスボア)に戻る。

さて、今宵も愉しい“リゾ”の始まりだ!

生力(サンミゲル)の缶ビールをグラスに注ぐ。
リスボアでは冷蔵庫の飲み物が無料なのが嬉しい。

デスクの上にバイイン分の戻りと、本日新たに獲得した香港ドルの千$紙幣を、発券銀行、新旧、番号順に分けて揃えるという“儀式”を粛々と進める。

発行枚数が少ない、スタンダード・チャータード銀行発券分(5枚)は非常用として別に保管し、香港上海銀行発券分(50枚)は元手として“袋①”に入れて封入し、ここまでの勝ち分とほぼ同額の中国銀行発券分(30枚)を明日のバイイン分として財布に仕舞う。

その後はデスクでリンちゃんが一日の最後を締めくくる“メイク落とし”の儀式を行う。

『ここまでは、ささやかながら連勝で3万$ちょいのプラスだ。今回はマカオで5泊! スタートダッシュは不要。余裕資金は確保出来た。3日目からが勝負だ!』

心地よい疲労感に包まれ、眠りに就く。

(続く)


*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。


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