リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人のケチケチ旅打ち日記⑤ カジノ「ベルリン」

* ヨーロッパ 2015/ 02/ 23 Written by 独逸の旅打賭け人

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 2015年1月25日 カジノ「ベルリン」

 ベルリンまではハノーファーからICE特急で1時間半。ベルリンで昼食を食べようと、10時過ぎにホテルを出た。前回、このカジノを訪れたのは昨年の1月、ちょうど1年振りである。オープンの3時までは、ベルリンのよく知られたビア・レストランで食事をして、カジノからも近い『絵画館』でフェルメールの若い魅力的な女性像を拝し、昨年のようにカジノのメッチェン(お嬢さん)にチップを山と貰えるように祈るつもりである。
今日は、日曜日。午前中の列車はドイツ人は敬虔なクリスチャンが多いこともあって、ほとんど人が乗っていない。ハノーファー、ベルリン間のICE特急の1等料金は114ユーロ(今のレートで約16000円)、往復では32000円なので結構高い。幸いにドイツのレールパスを日本で購入してきているので、7日間の1等でキャンペーン割引もあって、43000円程。1日に直せば6000円強。切符を買うのに比べれば、1/6位で済んでしまう。ところで、このパスを持っていると、ケチな筆者は、用もないのについ遠出をしてしまっていけない。
 ハノーファーとベルリン間の鉄道は、東西のドイツを結ぶ幹線だったが、東ドイツ側は保線の状態が悪く、東西を統一してからしばらく経っても、旧東ドイツ領に入ると格段に列車のスピードを落とさなければいけない状態だった。今のこのICE特急のスピードは車内に表示されていて、時速199km。まさに、隔世の感がある。


 カジノはポッダム広場からすぐのところにあるので、ベルリン中央駅に着いたら、Sバーン(郊外電車)に乗って、フリードリッヒ・シュトラーセ駅でクロスする他のSバーンに乗り換えれば、一番早くポッダム広場駅に着くことが出来る。各地のSバーンはドイツ鉄道が運営しているので、ドイツ鉄道のレイルパスを所有していれば、切符を買う必要もない。
ところが、フリードリッヒ・シュトラーセ駅で乗り換える地下駅のSバーンに向かう全ての階段が、鎖がかかって閉鎖されている。ドイツでは鉄道駅の改修は日常茶飯なので、場所が変わったのかとウロウロしたが一向に見つからない。仕方なく駅の切符売り場で聞いてみると、この路線は無くなったというではないか。この駅からはSバーンではなくUバーン(地下鉄)を使ってもポッダム広場にはいけるのは知っていたが、遠回りで途中でさらに1回乗り換えなければいけないし、レイルパスは使えないので切符の購入が必要になる。
女性の出札係は「バスで行くのが便利」とさかんに薦めてくれたが、知らない土地でバスを使うのは簡単でないので、礼を言ってUバーンを使うことにした。

 昼食を摂るビア・レストラン「モムゼンエック」は、ポッダム広場駅とカジノとの中間くらいにある。ベルリンはミュンヘンとならんで、いろいろな特徴を持つビール醸造所が数多くある。このレストランも入り口に『100種類のビールが揃ったビア・ハウス』と謳っている。
頼んだビールはベルリンで最も知られた「ベルリナー・キンドル・ピルス」(0,5L・・・4,2ユーロ)。食事もベルリンの名物料理「肉団子の煮込み」。ジャガイモが添えられ、サラダが付いて11,80ユーロ。ビールはピルゼンらしくちょっときついが、切れがある旨いビールである。
ここで飲める100種類のビールのリストを見ていると、ドイツだけではなく世界中のビールが100種類で、日本からはサッポロビールが載っていた。

 

 昼食が終わってから、歩いて5分ほどの『絵画館』に向かう。ここは、ドイツ絵画ばかりでなくヨーロッパ全域の絵画が揃っており、レンブラント、クラナハ、デューラー、ルーベンス、フェルメール等の秀作のコレクションで知られ、入場した時は並ばずに入れたが、退場する頃は入場券売り場は長蛇の列。今日は日曜でもある。

 カジノの入場はオープン少し前の14時50分。テーブルゲームのルーレットは、「カジノ・ローヤル」と名付けられた3階のフロアにエレベーターで上がる。
1階と地階のフロアは各種のゲームマシンで占められているが、その一角のマシンルーレットには中国人の観光客が群がっていた。テーブルゲームのルーレットでも20年以上前は、何処でも華人が参戦していて、その騒がしさは筆舌では尽くし難いほどだった。幸い、最近はどこのドイツのカジノでもほとんど、華人の姿を見ない。筆者は早い時間にカジノに行くので、深夜の状態はわからないが、間違いなく昔ほどではない筈。
華人の旅行者は、周りのドイツ人たちが顔をしかめるのも何のその、何台もの台を囲んで、大声で騒ぎ立てながらディスプレイに指を当てている。ドイツ語の表示が解かるのかと、空いている台で見てみると、何と表示の切り替えに中国語があるのである。勿論、日本語の表示はないが、中国語があるということは、華人の賭け好きが世界的に知られているということでもある。

 3階の「カジノ・ローヤル」への入り口のガラスドアは、3時2分前に開けられた。だが、どのルーレット台もまだ準備が整っていない。とりあえず、コーラでも飲もうといちばん奥のバーカウンターで注文した時に、ようやくビッグ・テーブルの1番台でオープンの儀式が始まった。ビッグ・テーブルなので、クルーピエ3人とピットボス、立会いの税務職員とハウスのマネージャーが全部のチップのカウントをしている。
第1投目が投げられたのは、3時を5分過ぎていた。
出目は、21。△である。
稼動したのはこの台だけであるが、数人の賭け人が台を囲み始める。


[筆者はヨーロピアンルーレットの37数字の盤面を4つのゾーンに分けて捉えている。
① 0/3(ゼロ・スピール・・・盤面の中心数字26の左右3数字ずつの合計7数字のゾーン)・・・4枚賭けることで、0、3、12、15、32、35が出た時は17倍、26が出た時のみ35倍の配当。
② △(筆者独自の概念で一般的な名称はないが、0/3の外側5数字ずつの合計10数字のゾーン)・・・6枚賭けで、4と7、18と21、19と22、25と28の間にシュバルで各1枚、離れている2と29は単独で賭けると35倍になってしまうので、2は0と、29は26とにシュバルで賭けてティップを避ける。配当は各数字とも17倍。
③ K(クライン・セリー・・・0/3の対面の12数字のゾーン)・・・6枚賭けで、5と8、10と11、13と16、23と24、27と30、33と36の間にシュバルで各1枚が賭けられ配当はいずれも17枚。
④ Or(オフラン・・・△とKのゾーンに挟まれた左右合計8数字のゾーン)・・・6と9、14と17、17と20、31と34の間にシュバルで各1枚、離れた1だけは単独数字に置かれ当たれば35倍になる。17はシュバルが2枚で34枚だがティップは不要。
要するに、26と1だけは当たれば35倍になってティップの対象となるが、それ以外の数字は17倍で済むのである。
賭け盤のゾーン賭けには、G(グロース・セリー)の表示があって9枚のチップで17数字をカバー出来るようになっているが、このGは0/3と△のゾーンを合わせたもの。範囲が広すぎて賭け効率が悪いので、筆者はこのGを二分しているのである。]

また、今回の旅打ちから出目表の書き方を変えた。原則、数字に賭けずゾーンだけなので、賭けたゾーンにあらかじめ斜線を引いておく。出た目は○で記入するので、当たれば斜線と○が重なることになる。「見」の場合、出目数字の欄にあらかじめ斜線を引くことにする。

筆者も、10ユーロのカラーチップを50枚両替する。
2投目は31、Orの数字である。
昨日のハノーファーでは、参戦時期を誤ったために大変な苦労をしてしまった。
今日は、何としても15、6投までは「見」をして、的確な出目の流れをつかんでから参戦しなければとの覚悟を新たにする。このバーカウンターから1番台まではだいぶ離れているが、傍の壁面に全台(ビッグ・テーブル3台とクイック・テーブル4台の合計7台。1番台以外は稼動していないので昨夜の最終の出目が表示されていた)の出目が表示されるので、流れは一目瞭然。

3投目からの出目は、次の通り。(カッコ内はゾーンの表示)
-15(0/3)-8(K)-31(Or)-9(Or)
このOrの続いた2投を見て、次はもう1投Orが出るか、0/3が出るかに間違いないとの確信。だが、昨日のことを思い出して、我慢我慢!!
出た目は予想通り、Orの9である。うーーん。
次は、0/3しかない。
出た目は、まさに0/3の32。
次は戻って、Or!
その通りで、出た目はOrの9。
次も、もう1投Or。賭けたいのだが、昨日のトラウマが邪魔をする。
出た目は、何と何と、Orの17。賭けていれば、34枚。
さあ、次はK。
その通りになって、出目は27、Kである。
いい加減にして欲しい。
あのOrの9から取れていれば、ここまで連続6投の当りのはず。何ということだ。
次は戻って、Or。
その通りで、出目はOrの31。もう我慢できない。

次は、もう1投Orと、ゾーンに5枚賭け。ここから参戦。
ところが、ところが、何ということだ!
出た目は、3。0/3の数字である。
さっきと同じようにここから戻って、Or。と、5枚賭け。
ところが、出た目は、22。Orの9の隣の数字、ゾーンは△。
Gが初投の21以来、ここまで12投出ていなかったので、次は0/3に4枚。
狙い通りには行かず、出た目は、16。Kである。
Kもしばらく出ていなかったので、Kの連続と・・6枚賭け。
何と、出た目は12。1投前に賭けた、0/3の数字である。
Gが強まりそうなので、次は、0/3と△でG全てをカバー。
それなのに、出た目は17。Orで34枚の配当数字。
Gが「死に目」のになっているようなので、次はOrとKの両賭けで11枚。
出た目は、22。△の数字である。
「見」していた時は、7投連続で当たった(はず)のものが、賭け始めたら連続のペケ。全て裏目、裏目である。
その後も、Orに賭ければ、Kの13が。
△に賭ければ、Orで最大配当の1が。
もう1投△に賭ければ、Orが続いて34。
0/3が生き返るかと、0/3に賭けてみれば、Kの27が出る。

 賭け人もだいぶ増え、20人近くがこのビッグ・テーブルを囲んでいる。昨年の天使のようなメッチェンのクルーピエは交代要員としても出ていない。辞めてしまったのではないかと、ちょっと気にかかる。

 次にOrを狙ったら、0が出た。さきほど、0/3に賭けていたのだから、確実に一目ずつズレている感じ。
まあ、0の後は経験則でOrと半ばヤケで賭けてみる。
出目は、14でこれは当たって、初めての配当17枚。トホホ・・・である。
もう1投Orと狙うも、
出た目は、2。△の数字。
次の目はOrに戻ると見たが、
出た目は、7。△の数字。
今度こそ、Orと力んでみても、
出た目は、32。0/3の数字。
次は、もうヤケクソでOrと0/3の両賭けに9枚。
・・・8。Kの数字である。

 

どうあがいても当たらない。こんな状態から抜け出せない以上、文句なしの敗退。ここまで、16投で当たったのは、たった1回、17枚。
マイナス79枚、790ユーロの負け。当然、1枚のティップも渡していない。
ゾーンに賭けて、16戦して1勝というのも、最近にない記録的な悪戦果。

 昨年のこのカジノでは、同じ1番台で3000ユーロ余り勝つことが出来た。
今回は、昨日のハノーファーのトラウマで、何としても「見」を続けて流れを十分に見切ってから参戦と思い詰めたのが祟ってしまった。
初投直後から参戦していれば、連続7投は当たり続けて、今回のゾーンだけの賭け方でも、100枚近くは取れていたはず。従来のゾーンと数字を併用した賭け方ならは、昨年同様3000ユーロは取れていただろう。
初投直後からカジノの神は降臨していて、筆者が参戦した時には天に戻ってしまっていたのだろう。これほどの裏目、裏目も珍しい。

 気落ちしながら、ポッダム広場駅から来た時と同じUバーンに乗ろうとすると、ベルリン中央駅に向かうSバーンがあることに気付いた。えーーっ。昨年はこの路線はなかった。そのために遠回りして、フリードリッヒ・シュトラーセ駅経由で来ていたのだが、この1年で新線が出来たよう。これなら中央駅から直接ものの5分で来れる。先入観が強すぎて、気が廻らなかった。参戦の時期もこれと同じで、固定観念は捨てないといけないと、高い授業料を払って気が付いたのである。

 ハノーファーまで戻って、昨夜と同じパウラーナーのビア・レストランへ。
今日の酷い負けの流れを落とすために、今夜は肉を食べずに精進料理だけにしよう。注文したのは、野菜のスープとメインは「ジャガイモの蒸し焼き」。日本では見られないような驚くほど大きなジャガイモがひとつ、ホカホカに焼かれていてなかなか旨い。こんなことでもないと、ジャガイモのメイン料理など頼むことはない。これもベルリンの功徳か?
この後はホテルに戻って、あの巨大なバスタブで潔斎沐浴して明日に臨む。

 明日は、「バート・ツヴィシェナーン」のカジノだ!!


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