リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人のケチケチ旅打ち日記⑨ カジノ「トリアー」

* ヨーロッパ 2015/ 04/ 20 Written by 独逸の旅打賭け人

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 2015年1月29日 カジノ「トリアー」

 今日は、一昨日のコブレンツまで戻り、モーゼル川沿いに走る鉄道でトリアーまで行く。ドイツの鉄道で絶景と賞されるのは、マインツからコブレンツまでのライン川沿いとコブレンツからトリアーまでのモーゼル川沿いの路線。どちらも川に沿ってくねくねと地形に合わせて曲がりながら走るが、二つの川の川沿いはドイツワインの主産地だけに線路のすぐ横までブドウの段々畑が迫ってくる。直角に近い畑もあり、手入れや収穫の大変さは想像を絶するようだ。

 昨日の夜は、ホテルの部屋で夕方買っておいたハム類やパンを食べて済ませたのだが、ビールと地元のフランケンの赤ワインも一緒に飲んだ。フランケンの赤ワインは昨今作られるようになったようだが、味は評価に値しないレベル。もっとも、フルボトルで3,99ユーロという値段に惚れて買ってしまったことに問題があったのだろう。その口直しの意味も含めて、今日の昼食は早めにヴュルツブルグの『ユリウス・シュピタール』のワイン・レストランで食べることにしよう。
 バート・キッシンゲンからヴュルツブルグまではローカル線で1時間。このレストランは中央駅と世界遺産に登録されているレジデンツの中間くらいにあるのだが、レストランは駅前から続くユリウス・シュピタール・ワイン醸造所の広大な敷地の極く一部に過ぎない。もともと、このワイン醸造所はこの地域の「施療院」から始まっているだけに、敷地の中には本社機能ばかりでなく病院まで抱えている。ちなみに、このレストランの創業は1576年、何と450年も経っている大老舗。

 レストランの入り口とは思えない重厚な板のドアを押し開けると、いくつもの部屋に分かれたレストランが出現する。このレストランは10時前には開いている。暖かい料理は11時からだが、日曜などは常連客が早い時間から訪れ、気に入ったワインを飲みながら新聞などを読んでいる。ウィーン辺りのカフェのコーヒーをワインに置き換えた感じで、ひとり静かに過ごせるうらやましいレストランなのである。それにしても、敬虔なキリスト教信者が多いドイツで、日曜の朝から教会にも行かず、ワインなどを楽しんでいていいのだろうか?と、余分な心配をしてしまう。

筆者がいつも座る席は、入り口に近い飲み物を出すカウンターのすぐ脇の席。このカウンターでは、飲み物の担当者がウェイター各人の注文を受けて、ここで準備して渡すのだが、当然の如く自社のフランケンワインが主体。
カウンターの上の黒板には、今日のお薦めグラスワインが10種類手書きで書かれている。いずれも250mlで、3,70~5,80ユーロという手ごろな価格。この10種類のワインは地下の樽から直接注がれるのだが、これとは別に100mlの利き酒ならぬ「利きワイン」も提供している。筆者は、いつも3種類の利きワインを楽しむことにしている。ここのフランケンワインは、栽培場所とブドウの種類、品質の格付け、飲み口(辛口~フルーティ)の組み合わせによる多種類が生産されている。
ワインに使用されるブドウは、リースリング、シルバーナー等のドイツを代表するものだけではなく、ミュラー・トゥルーガルやバッカス等が使われている。特に、バッカスはフランケンワインだけに使われている珍しい種類。辛口のワインが多く、男性的なワインとして世界中にファンを持っている。
また、このレストランでは料理の種類も多く、フランケン地方の名物料理のほとんどを食べることが出来るし、味も申し分がないので、お薦めのレストランである。

 トリアーに着いたのは17時過ぎ。トリアーのカジノは、世界遺産にも登録されているローマの遺跡ポルタ・ニグラの真前の、今日泊まる「メルキュール・ホテル・トリアー」の2階にある。まさにホテルカジノでここに泊まれば便利には違いないのだが・・・

 カジノのオープンは19時。ドイツの田舎町に違わず、レストランは早く閉まってしまい、一戦してからでは間に合わない恐れがあるので、今日の夕食は参戦前に食べることにする。
ポルタ・ニグラはローマ帝国が支配していた当時の城門の跡なので、ホテルの目の前は旧市街の入り口。数分歩くと、市役所前の中央広場に出る。今日の夕食は、広場に面した所にあるワインレストラン「ドーム・スタイン」にしよう。トリアーは、モーゼルワインの主産地でもあり、このレストランでも多くの種類のワインを提供している。
嬉しいことに、ここでも地元のワインの利き酒ならぬ「利きワイン」セットが用意されている。100mlで3種類のワインをテーマごとにセットして、4組。さらに、50mlで6種類ものワインセットもある。
筆者は、No1と名付けられた、辛口の「利きワイン」セットを注文する。100ccずつの3種類を組み合わせたセット価格は、6,30ユーロと手ごろなもの。
料理は「トリアー風 豚肉の串刺し焼き」(12,80ユーロ)。豚肉の塊を太い串に刺して時間を掛けて炙り焼きしてスライスしたもの。それに、たっぷりのポテトフライと野菜サラダが付いている。この店の自慢料理の一つのようだ。
食事が終わって店を出たのは、19時をだいぶ廻っていた。

 カジノへの入場は、19時30分。誰も賭け人はいないかと思ったが、案に相違し5,6人が稼動している2番台のクイック・テーブルを囲んでいた。
電光表示盤の出目を見ると、すでに15投が記されている。

[筆者はヨーロピアンルーレットの37数字の盤面を4つのゾーンに分けて捉えている。
① 0/3(ゼロ・スピール・・・盤面の中心数字26の左右3数字ずつの合計7数字のゾーン)・・・4枚賭けることで、0、3、12、15、32、35が出た時は17倍、26が出た時のみ35倍の配当。
② △(筆者独自の概念で一般的な名称はないが、0/3の外側5数字ずつの合計10数字のゾーン)・・・6枚賭けで、4と7、18と21、19と22、25と28の間にシュバルで各1枚、離れている2と29は単独で賭けると35倍になってしまうので、2は0と、29は26とにシュバルで賭けてティップを避ける。配当は各数字とも17倍。
③ K(クライン・セリー・・・0/3の対面の12数字のゾーン)・・・6枚賭けで、5と8、10と11、13と16、23と24、27と30、33と36の間にシュバルで各1枚が賭けられ配当はいずれも17枚。
④ Or(オフラン・・・△とKのゾーンに挟まれた左右合計8数字のゾーン)・・・6と9、14と17、17と20、31と34の間にシュバルで各1枚、離れた1だけは単独数字に置かれ当たれば35倍になる。17はシュバルが2枚で34枚だがティップは不要。
要するに、26と1だけは当たれば35倍になってティップの対象となるが、それ以外の数字は17倍で済むのである。
賭け盤のゾーン賭けには、G(グロース・セリー)の表示があって9枚のチップで17数字をカバー出来るようになっているが、このGは0/3と△のゾーンを合わせたもの。範囲が広すぎて賭け効率が悪いので、筆者はこのGを二分しているのである。]
また、今回の旅打ちから出目表の書き方を変えた。原則、数字に賭けずゾーンだけなので、賭けたゾーンにあらかじめ斜線を引いておく。出た目は○で記入するので、当たれば斜線と○が重なることになる。「見」の場合、出目数字の欄にあらかじめ斜線を引くことにする。

15投の出目は次の通り。カッコ内はゾーンの表示。
[18(△)-9(Or)-27(K)-36(K)-30(K)-29(△)-26(0/3)-2(△)-36(K)-30(K)-23(K)-28(△)-29(△)-8(K)-27(K)]
うあぁー。何だこの出目は・・・まさに筆者にとっては理想的な出目。この目が出た時にカジノにいないとは。いつもはこのカジノのオープン直後は誰も賭け人がいないので、わざと入場を遅らせたのが裏目に出てしまった。
27-36-30とKが3投続き、次はG(それも△が多)が3投、Kに戻って36-30-23と3投、△が2投、またまたKで8-27と来た。ここまでのKは36を中心にした5数字(36ツボツボ)とその隣ともう一つ隣。これは絶対的に取れる目。
ぬかった!!・・・と悔しがりながらも、ここから参戦。急いで10ユーロのカラーチップを50枚依頼する。前にも書いたが、ここのカジノはクイック・テーブルにも拘らず、機械化されていない。そのために台付属のカラーチップが存在せず、ノーマルのチップにカラーのラインを入れたものをキャッシャーで交換してくる仕組み。そのために時間がかかる。
次の目は間違いなく、K。それも36ツボツボ。36を真ん中にした5つの数字、27-13-36-11-30のエリア。そしてアウトサイドの流れからは、3列の大目で、27、30、36のどれか。1つに絞れば、最初に27の後に出たのは36。あらゆる点からも、この数字が濃厚である。
ところが、キャッシャーからカラーチップが届く寸前に、クルーピエがウィールを廻してしまった。
そして、出た目は、何と36。予想したとおりの数字。思わず天を仰ぐ。

この16投で、従来の賭け方をしていれば、5000位は取れたかもしれない。少なくとも前回の全ドイツ30カ所のカジノでもこんな理想的な目は出なかった。ただ、今回のケチケチ旅打ちのようにゾーンだけに賭けていては、こんな千載一遇のチャンスに出会っても、一攫千金は狙えないし、大きく負けている時でも起死回生や一発逆転を狙うことが出来ない。これは、賭け人にとっては、大きなストレスでもある。

 悔恨の1投を逃してしまった。気を取り直して次の出目に向かう。
Kが3投続いたことで、次はKはなし。△が本線のようだが、ずっと出ていなかったOrにも5枚。
出た目は、35。△ではなく、0/3の方だった。
次は、0/3のリピートだろうと狙うが、
残念にも、1投前に狙ったOrの20が出た。
次は、長く出ていなかっただけに、このOrのリピートを狙う。
これは読みどおりで、Orの9。初めて17枚の配当。
次は、Kに流れるだろうと6枚をKに。
出た目は、△の2。
次はOrに戻るだろう。
ところが、出た目は21で△のリピート。
もう、Kは出ないようなので、Orに5枚。
6が出た。これは当たって配当が17枚。
次は、もう1投Or!
残念にも、12が出た。0/3の数字。
次こそ、Orと読むが、0/3にも念のため押さえの4枚。
この押さえが当たって、15が出た。その前の12の時に0/3を押さえておけば、ここでは34枚取れのだが・・・
次こそ、Orと5枚を賭ける。
出た目は、何と0。外してしまったが、0/3が3投続いたことになる。

さて、次こそ0/3の後だけに、Orを狙って5枚。
この時には、テーブルを囲む賭け人は男だけで5,6人。
ところが、ここで、1人の爺サマが大声で騒ぎながら、闖入してきた。相当酔っているようでフラフラしているが、わけの分からないような大声で札を出して両替する。すぐに賭けはじめたが、何枚のチップかを置きながら、すでに置かれている他の賭け人のチップに触ったり、クルーピエに張るようにチップを投げたりと正に狼藉。そういえば、以前もこの酔っ払った爺サマはこのカジノで見たことがある。その時は酷く騒いで、フロアの係員に入り口から追い出されていた。
まず、ドイツではこのように足元も覚束ないような酔っ払いは町で見ることはない。ビール居酒屋などで大声で話していても、そんなに酔ってはいない。酔うこと自体が恥と認識している国民性もあるが、肝臓の出来が日本人とは違うようで、ビールやワインを相当飲んでも酔わないようなのである。

 爺サマのことは気にしないようにして、自分のことだけに専念すればいいのだが、余りのうるささにに閉口。
0/3が3投続いただけに、すでにOrに5枚を置いてある。
出た目は、14でOr。17枚の配当。
次ももう1投Or。
16が出て、これは外してしまう。
相変わらず、爺サマの狼藉は続いているが、神も見放しているようで大きくは当たっていない。
同じ台を囲んでいる賭け人たちも、この爺サマの行為には当然渋い顔。
次ももう1投Orに置いたが、
出た目は、3で外してしまう。
0/3が出たので、続きそうと0/3に4枚。さらに、Orにも5枚。
狙い通り、0/3の32が出た。17枚の配当。

 ここまで、参戦してから僅か14投だが、時間は1時間近くかかっている。前にも書いたように、この台はクイック・テーブルなのに、チップを分別・集計する機械化がなされていない。そのため、全てのチップをクルーピエ1人で分別してまとめなければならない。賭け人が少ないのでそんなに時間がかかる作業ではないのだが、今のクルーピエはピットボスとのおしゃべりに夢中で、作業に全く身が入っていないため、とにかく時間がかかっている。ここのカジノは、一昨日の「バート・エムス」とは同じ会社の運営なのだが、どちらも暇なカジノということもあるのか、とにかくお喋りが酷い。それでも、「バート・エムス」の方は賭け人が常に少ないので、進行はそんなに酷くは感じなくて済んでいる。
間違いなく、ここのカジノ・スタッフはドイツ全カジノの中では最低だろう。
酔っ払った賭け人が騒いでいるのに、排除しないのも話しに夢中で気にかけていないからだろう。賭け人としては、イライラがつのる。

 これも修行と思って次の狙いを絞る。
さっきも3投0/3が続いたので、次ももう1投0/3を狙って4枚賭け。
ところが、クルーピエが玉を落としてストップをかけると同時に、酔っ払いの爺サマが何枚かのチップを張った。酔っ払っているためか、他の賭け人がすでに賭けているチップの山に触って崩したり、置かれているチップをはじいたりしてしまい、盤上は大混乱。
出た目は1で、端の方の数字なので実害はなかったようだが、当然の如く賭け人が怒り出した。ピットボスが怒っている賭け人を宥め、爺サマにルーレット台からの排除を宣告。爺サマはブツブツ文句を言いながら、ルーレット台から離れて、マシンゲームの方に移って行った。

1は外してしまったが、次はしばらく出ていなかったKに6枚。
出た目は3で、0/3の数字。一目前には、0/3に賭けていたのだが裏目か?
次は、一目前のKに6枚置いてみる。
22が出た。△の数字。うまくいかない。
次は、Kを2投外してしまったので、Orと見たのだが・・・
何と、出目は16。先ほど2投落としたKの数字である。このチグハグさは何だろう。
次はGの内の△だろうと、6枚をシュバル賭け。
ウィールが廻った瞬間、先ほど追い出されてマシンゲームのところにいた爺サマが突然、駆け込んできて数枚のチップを置いた。
さすがに今度は、ピットボスが爺サマの賭けたチップを盤面から外して、爺サマに返却すると同時にフロアスタッフを呼んで会場から追い出した。
やれやれ、これで静かになる。
玉が落ちたのは、29。△の数字である。ティップを渡さなくていいように、29単独にせず、26とのシュバルにしてあるので、配当は17枚。
 
爺サマが追い出されたので、一緒にテーブルを囲むのを嫌って、他に散っていた賭け人たちも戻ってきた。
29の前に0/3か△かのGが2投ずつ続いていたので、次は、Gだろう。
0/3と△両方に賭けて、10枚。
ところが、何としたことだ。10が出て、Kに戻ってしまった。
行ったり来たりとみて、次は△に6枚。

ピットボスとクルーピエがお喋りに夢中になっているのは、参戦してからずっとだったが、ここに来てさらに酷くなった。前に書いたように、このクイック・テーブルは自動化されていないので、全ての外れチップはクルーピエが集めて手で分別しなければならないのだが、話に夢中で集めたチップを手先で弄んでいたりして、一向に分別作業に入らない。筆者としてはイライラがつのる。数人の掛け人しかテーブルを囲んでいないのだから、1ゲーム2分位でプレイできるはずなのに、5分経ってやっとウィールを廻すような状態。プロの仕事とは思えない。

ようやく落ちた玉は、16で止まった。Kのゾーンである。
2投Kが続いたので、次はGに戻るだろうと0/3と△で10枚賭け。
またまた、お喋りに夢中で5分の後にウィールを廻す。これには筆者だけでなく、他の賭け人もイライラしている様子が伺える。
出た目は、12。これは取れて17枚の配当。
この前に、Kが2投続いたので、当然、Kと読んで6枚の賭け。
相変わらずなかなか廻さないので、クルーピエと目が合った時に、玉を落とすゼスチャーをしたのだが、話に夢中で効果は全くなし。
しばらくして、やっと廻って落ちたところは、Kのゾーンの5。17枚の配当。
次も、当然、Kに6枚。
ここで、スッと廻してくれればいい流れになるのだが、相変わらずお喋り。
それでも、出た目は36。当然取れて17枚。
さあ、次が難しい。そろそろ、規則性が崩れそうと読んで、0/3とOrに併せ賭け。
お喋りは途切れないで、ますます夢中。
いい加減にしろや! こらッ!!
出た目は、10。Kの3連投。
次は、もう1投Kかと、Kに6枚。併せて、押さえにOrに5枚。
残念にも、Gに戻り、出目は2。△でもある。
このスローテンポには飽き飽きしてくる。
それでも、気力で、次はKに6枚。
ところが、出た目は何と、1である。1投前に押さえたOrでの最大配当の数字。

さぁ、止めた止めた!!
こんなしょうもないカジノとカジノ・スタッフとは、付き合えない。
もう、このカジノとは決別しよう。2度と来ないぞ。と、声は出さずに宣言する。
ここまでで、少し負けているようだが、もうどうでもいい。
ドイツカジノの川上は勿論、川下にも置けないようなカジノには「ネバー・カミング」と誓う。
以前、「カジノ・カッセル」は薦められないカジノと記したが、このカジノも同様である。

キャッシャーで現金化すると、マイナス17枚、170ユーロの負け。ティップは勿論、1枚も渡してはいない。
もう、来ることはないが、それにしても初投直後の出目は惜しかった。

今回の旅打ちでは、ここまで6連戦して、3勝3敗になってしまった。
部屋に帰ってビールでも飲もう。

明日は、最終戦で「シュロス・ベルグ」のカジノを攻める。


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