リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人のケチケチ旅打ち日記⑪ カジノ「アーヘン」

* ヨーロッパ 2015/ 10/ 23 Written by 独逸の旅打賭け人

コメント( 2)

 2015年10月8日 カジノ「アーヘン」

 今回の旅打ち5連戦の第1日目はカジノ「アーヘン」である。以前のレポートでも書いたが、「アーヘン」は筆者が始めて訪れたドイツのカジノで、最初の僅かなビギナーズ・ラックが今のカジノ生活に繋がったという、良いにしろ悪いにしろ、思い出のカジノなのである。

 ところが、日本を発つ前にカジノ「アーヘン」の所在地が変わっていることに気が付いた。どうやら、移転をしたらしい。カジノ「アーヘン」といえば、アーヘンの町のクアハウスらしき歴史的な建物の中で運営されていた。建物の外観はヴィースバーデンのクアハウスのカジノによく似ていて、ドイツカジノの最盛期には、このカジノでは1日に1台のルーレット台(当時は、全て3人のクルーピエが付くビッグテーブル)に入るティップだけで、日本円にして500万円以上という盛況だと聞いたことがある。これは、ハウス側の利益ではなくティップだけなので、ほとんど全ての台を使用していた大盛況な当時の状況では、利益も膨大なものになっていたはずである。その後のドイツカジノの凋落は酷いものだが、それにしてもあれほどカジノに適した建物から移転するとは、どういうことなのだろう。と、思いつつ旧市街の中心からタクシーに乗った。

 旧市街から距離的には大したことはなかったのだが、市内が一寸刻みの大渋滞で抜け出すのに思ったよりもだいぶかかり、カジノに着いたのは15時のオープンから遅れること20分。それも、同じく移転したカジノ「バート・オエンハウゼン」のように、郊外にある複合娯楽施設の中にあるのかと思ったら、タクシーが止まったのは大きな『チボリ』と名付けられたスポーツスタジアム。外の階段を上がれと運転手に言われた。
どうやら、フットボール・スタジアムの観客席の裏側辺りがカジノとして使用されているようである。入り口は外階段を上がった2階。3階がマシンゲームとカードテーブルが置かれ、ルーレットは4階である。

 15時のオープンから20分ほど経っているので、すでに2台のクイックテーブルが稼動していた。台の脇の電光表示盤をサッと見て、3番台を選んで10ユーロと指定して50枚のカラーチップを受け取る。

筆者はドイツの旅打ちの費用として、毎日違ったカジノに挑戦して滞在費用として1日当たり200ユーロを稼ぐことを目指している。旅を続けることが目的なので、大きく稼ぐことよりもまず負けないことを主眼としており、そのため、数字を狙うよりも、盤面を4つに分けたゾーンでの当たり確度を高める戦術を取っている。

ヨーロッパのルーレットは0がひとつだけで36数字と併せて、37数字が対象となる。この盤面の37数字の中心の数字は0ではなく左隣の26となるが、この26の左右3数字ずつの合計7数字のゾーンが0/3(ゼロ・スピール)、その外側左右5数字ずつの合計10数字を△(特に呼び名もなく、概念としても確立していないようだが、筆者は△という形で概念化している)、26から見て対面の12数字をK(クライン・セリー)、そしてこのKと△に挟まれた左右合計8数字をOr(オフラン)の4つのゾーンとして捉えている。

数字に当てた時には、ティップを渡さなければならないが、この金額がバカにならない。時としては、勝ち分として手許に残ったチップ金額よりも、渡したティップの合計金額の方が多くなるということも起こりうる。単数字に当てると、1枚のティップを渡すという不文律があることから、掛け方も単数字に賭けずに2目賭け(シュバル)を援用する賭け方にする。

具体的には、0/3では4枚のチップを賭け、0と3、12と15、32と35にはシュバル、26だけが単数賭けとなる。26に当たれば配当は35枚、それ以外の数字では17枚となる。
△では10の数字に対して6枚のチップを賭ける。△の対象の数字は、2、4、7、18、19、21、22、25、28、29の10数字であるが、4と7、18と21、19と22、25と28にシュバル、単独で浮いている2と29は単数字で賭けると35倍になってティップの対象となってしまうので、2は0と、29は26とのシュバル賭けとしてティップの可能性を避ける。
Kでは6枚のチップを賭けるが、全てシュバルで5と8、10と11、13と16、23と24、27と30、33と36の2目に賭け、どの数字が当たっても配当は17枚となる。
Orは左右に分かれた8数字に5枚のチップで対応する。6と9、14と17、17と20、31と34にシュバル、1だけは単独数字となる。17は2つのシュバルが賭かっとているので、当たれば34倍、それ以外の数字は17倍となる。

 ゾーンを中心にした賭け方をやり易くするために、今まで筆者が使っていた出目表をゾーン中心に作り変えた。0/3、△、Or、Kという並びにしたので盤面に即した形で流れの把握がしやすく、予測を容易に出来るようになったはずである。
参戦するまでの初投からの13投を新しい出目表に記載してみた。
賭ける時は、当該のゾーンに斜線を引き、玉が落ちたゾーンには○を付ける。

 さて、ここから参戦する。
実は、台に着いたのは12投目の22が出たところだったのだが、勝負前に済ませようとトイレに行っていて、帰ってきたら次の6が出ていたのである。もし、トイレに行っていなかったら、Orのゾーンに賭けていたはずで、6は取れた。
まあ、それは結果論だが、参戦第1投目の戦果はその日の戦績の流れを占うものと極めて重要視しているだけに、ここは取りたかった。

ここからの実質参戦でOrと△が交互に出ているので、次は当然、△。
出た目は17でOrの中心数字、当たれば34枚だが、△は外れた。
次は、勿論Orに5枚。
これは運良く1が出て、Orでの最大の35枚の配当。ここでは、悔しいがティップを1枚渡さざるを得ない。
次は、Orか△か的確に読めないので、「見」。見の場合は出目表の出目数字の前のスペースにーを引いておく。(この場合、Orと△の両者で11枚賭けるやり方もあるのだが、まだ緒戦という時期なので実行はしない)
出目は7。
Orが3投続いて△に移ったので、次はOrに戻ると見てOrに5枚。
だが、7のリピートになった。
次は間違いなく、Or。それも小目の流れ。
Orに5枚、そして、1の数字と6/9のシュバルに各1枚。
出た目は狙い通りで、何と1。70枚の配当、ここでも2枚のティップを渡す。
次は、さきほとOrが3投続いたので、ここももう1投Or。
出た目は、Orの9。
次の18は、もう一度Orと読んだが、外してしまう。
その後の25は△で取れた。

割と調子が出てきたようなので、連続の当たりと当たった時の額の大きさを狙って数字にも若干賭け始める。
次は、そろそろ0/3が出そうと読んで、0/3とOrの両者に賭けたが、27は外した。この27はKの数字で、ここ14投出ていなかったゾーン。
次は、Kのリピートを狙い、0/3を押さえる。
ところが、何とOrに戻って出目は、34。
次は、当然Orで押す。併せて14、17、20そして今日の当たり目の1に各1枚。
これは、狙い通りで14が出た。配当は52枚で、ティップは1枚。
次は、Orを軸に△を押さえる。
出た目は、18。△が当たった。
途中外れもあったが、ここまでではだいぶ浮いている。
Orのゾーンがキーになっていることに注目したい。

 さあ、そろそろ「死に目」になっていたKが出てきそうだ。
そう思いながら、△とKの両者で12枚を賭ける。当たっても17枚しか戻らないので効率的な賭けではないのだが・・・
出た目は、5。Kの勘が当たった。

次は、もう1投K。併せて、36ツボツボ(36を中心にして左右2数字ずつの5目賭け・・・27-13-36-11-30の5数字)に5枚のチップを置いてみる。押さえに、Orに5枚。
出た目は、16でKの数字、17枚の配当。16枚賭けて戻りは17枚なので、僅か1枚のプラス。

次も、全く同様に16枚の賭け。
今度の出目は、11なので36ツボツボの分が35枚プラスされて、配当は52枚。ティップが1枚。
ここまでは良かったが、その後が酷い。カッコ内の数字は配当のチップ枚数。
-28-15-22-32(17)-30
この30は0/3のリピートと見て、0/3に併せ26ツボツボ(35-3-26-0-32)で5枚、さらに押さえに△に賭けたので、損害も大きい。

次はもう1投Kと読んだが、結果はOrの9。
次の25は△で取れた。
さて、次だが列と目の大きさで見ると、3列の小。ゾーンで見ても0/3が濃厚。
0/3に併せて、26ツボツボに5枚賭ける。
これは流れどおりで、出目は3。52枚の戻り。ティップも1枚。

さて次だが、ゾーンの流れからは、K。さらに列と目の大きさからは、3列の大目。27/36のラインなので、36ツボツボに5枚。併せて禁を破って、27、30、36に各1枚。
出た目は、見事に狙ったとおりで、27。配当は、87枚。ティップはやむなく2枚。

この後は、Kがツラになると見て、3投続けて賭けるも全てスカ。
27直後の12と34では、Kに併せて36ツボツボを置いたので、その分マイナスも大きくなった。
文句なく、ここで退場。僅か27投、1時間余りの勝負だった。

 キャッシャーで両替して、電光表示盤を見てみると、なんと出た目は、36。
もう1投狙っていれば取れたし、その後はKのツラになったかも知れない。
それでも、プラスの800ユーロ。ティップは8枚になってしまったが本日に限っては、致し方ない。
まあ、緒戦であることを考えれば、800は大勝利と素直に喜ぼう。「アーヘン」の新カジノでの初勝利でもあるし・・・
終盤の3と27の数字への単独の当りがこの勝利に大きく貢献しているが、もし数字には一切賭けずにゾーンだけでの賭け方だとどうなるかを計算してみると、
プラスの660ユーロ、ティップは別途に20ユーロになる。ゾーンだけへの賭けでも余り遜色ない戦果になっていた。

 アーヘンの新しいカジノは、以前と比べて重厚さに欠けている。まあ、時代の変遷によって近代化されたと思うしかない。
タクシーを入り口の外側で待つ間に、カジノのレセプションのスタッフと話をした(彼は、タバコが吸いたくて表に出てきたのだが)。ここに移転したのは今年の春。今までのカジノで使用していた建物自体が、古くなって補修しなければならなくなったが、余りに膨大な金額がかかるので、継続使用を諦めてここに移ったとのこと。
ドイツカジノの最盛期と比べて現状が極めて低調なことが、移転の大きな要因と感じた。
明日は、フランス国境に近い田舎の温泉町のカジノ、「バート・ベントハイム」に臨む。

 アーヘンはベルギー国境の歴史ある温泉町。アーヘンの大聖堂はドイツでも有数の規模と美しさを誇るドームとして高く評価されている。市庁舎も立派なもので、その前の広場では午前中はさまざまな店がでて、市民の買い物や憩いの場となっている。
筆者は、昼食はこの広場に面した「アインホルン」というレストランで食べたが、食の国というベルギーに隣接しているだけに、ドイツ料理とは一味違った味わいだった。


このReportへのコメント(全 2件)

2015/10/27(Tue) 21:20

みさんこ

お久しぶりです

ドイツのカジノは憧れます。引き続き楽しみにしています


2015/10/28(Wed) 08:44

独逸の旅打賭け人

みさんこさん

コメントありがとうございます。
今回の「カジノ・アーヘン」は、ドイツカジノ最盛期(40年位前)には、連日大変な賑わいだったのです。なにしろ、500マルク、1000マルクのビスケットが賭け盤を飛び交っていたのですから。主なハイローラーは、アラブの王族関係、イタリアの怪しげな男たち、そして中国を除く華人でした。彼等は、今は全くおりません。
もともと独逸人は博打に対しては批判的。タクシーに乗って「スピールバンク」と行き先を告げると、降ろされることはないものの、着くまでブツブツ言っている運転手がいるほどです。今でも、地元の人はその地のカジノには入場できません。
まぁ、そんな状況なので、筆者などがのんびりと旅打ちを楽しめるのです。


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