リゾカジ カジノレポート

テニアンBJトーナメント

* サイパン・テニアン 2009/ 01/ 16 Written by マカオの帝王

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■ 予選前夜 12月12日(金)

10時半の関空発ノースウェスト航空84便は定刻通り15時にサイパンに到着した。
そこからセスナに乗り、明日からのブラックジャック・トーナメントの会場であるテニアン島へ移動。

学生時代に航空宇宙工学を専攻した当方にとり(今の仕事にはまったく役立っていないが…)、眼下にエメラルド・ブルーの海を眺め、南国特有の空気を肌に感じることの出来るこの短いフライトはテニアンで体験する最大の“リゾ”であった。
テニアン空港からダイナスティ・ホテルにリムジンで移動中考える。

『さて、“リゾ”も終わったことだし、明日からの大会に備え平場でブラックジャックの練習でもするか…、今回は何とかファイナルに残りたいものだ。 作戦は立てた!
今回はあの安っぽい25$のグリーンチップは使わない! 限られた時間のトーナメントに、“打たれ越し”モードなど不要! 全ゲーム最低100$のブラックチップで、それもラストの数ゲームを除いては極力フラットベットで勝負する!
基本はB/Sで、妙な策を弄することなく、最初から最後まで自分のペースを守り通す!』
大会主催者に参加者の人数を確認する。
総勢105名。参加費の千$X105人分を、

1位 6万1千$
2位 2万5千$
3位 1万5千$
4位から7位 各千$(参加費の元返し)
で奪い合う訳だ。

チェックイン後、カシノに入り驚く!
噂には聞いていたがフロア面積が半分になっており、何とも狭い。
しかも明日からのBJ大会に備え、客が結構おり、一人でテーブルを占領して行う【帝王式BJ】が使えない。仕方なく、ミニマム10$のテーブルで、11月にマカオで獲得した3千US$をチップに換え、ブラックジャック・スタート。

負ける、負け続ける。
ものの1時間で3千$は消滅した。
日本で両替した3千$を追加投入する。
同じく1時間で溶ける。

持参した日本円をキャッシャーで3日間ホールドの条件付で両替してもらう。
(手元にまだ$は残っていたが、番号揃いの新札なので使いたくなかった)
ダイナスティの場合、“ホールド”システムがあるのは良いのだが、この円高のご時勢にレートが1$=\101とは何とも戴けない…。

60万6千円を2千$:2枚、千$:2枚の計4枚のCPVに換え、再度チャレンジ!
少し粘ったが3時間後、またもや3千$が溶ける…。
軍資金が明日からの大会を前にして、約半分となる。

『テニアンの平場では、過去3回のトータルで1万$弱浮いていたのに
それが吹っ飛んだ訳だな…、やれやれ…。』
フロアには去年の大会の優勝者である“他力本願”のシャツを着たメガネの男や、6月に開かれた前回大会の準優勝者の大阪のホストの兄ちゃんが、“夢よもう一度”と姿を現す。
当方の弟子とフロア内のレストランで夜食を食べていると、リゾカジメンバーの“ゴー”さん一行と出会う。お互い明日からの健闘を誓い合い別れる。

気分転換にバカラをするも、更に千$負ける。
初日はトータル1万$の負けで終了。
ベッドに入り、ひたすら眠る。

■ 予選 12月13日(土)

朝から軽く一勝負する。
が、BJもバカラも依然不調で、共に千$ずつ負けたところでトーナメント前の予定終了。
弟子と共にディナーパーティに参加し、軽く腹ごしらえ。

今回の予選そのものは、トーナメントの参加者:105名を15のテーブルに振り分け、各テーブルの上位者3名(+ワイルドカードが4名)の計49名が明日の準決勝に進めるという、割と楽な条件であったが、アルコールは控え目にして開始の時を待つ。
18時より席順を決める抽選が始まる。

『1番シートだけは嫌!』
そう思っていたのに、引き当てたのは不利な1番シートだった…。

『幸先が悪いなぁ…』
と思いつつも、ゴーさんから、

「前に部下が初日に1万$負けて、大会で入賞したんですよ…。
予選は別のテーブルですね? 良かった…、決勝で会いましょう!」
と縁起の良い話を聞き、思考を切り替える。

そしていよいよテニアンBJトーナメントの予選が始まった!
序盤戦、ほぼテーブルの全員が25$のグリーンチップで様子を見る中、ただ一人百$のブラックチップ2枚のベットを続ける。
口開けから、平場での不調が嘘のように19、20、21が連続し、何と10連勝!

うず高く積まれたブラックチップを見て、他の参加者から、
「まぁ、1番さんの予選抜けはほぼ決まりだな…、何とか2位~3位を目指すとするか…。」
と諦めの声が聞こえてくる。

中盤で4番シートのプレイヤーが劣勢を挽回しようとMAXの千$をベットし、9から同じく親の9に対して苦しいダブルを敢行するが、あっさり敗れ脱落する。
そして終盤、日本人ディーラーから、訛りたっぷりの英語で『ラスト5ゲーム!』が宣言される。
それを待っていた下位グループのプレイヤー全員のMAXベット攻勢が始まった!
チップリーダーである当方の持ち点は7千6百。
2位以下とは約2千~3千の差がある。

『無理にMAXベットする必要は無い。
しかし25$で逃げるのも“美しくない…”。ここはブラック2枚を通すか?』
そう決心しフラットベットを続けるが、ディーラーは何故か弱く、負け続ける。
2位グループとの差が殆ど無くなる!
そして迎えたラストゲーム!

『このままだと4位以下に落ちる可能性も出てきてしまった。仕方が無い。
MAXで勝てば文句なし!』

そう判断し、今大会初の千$をベットする。
ディーラーのカードはキング!
当方は最悪の16…。
一瞬ステイも考えたが、思い切ってヒット!
結果は殆ど変わらずエースで17止まり。
さすがにここからヒットは出来ず、ディーラーに勝負を委ねる。

MAXベット攻勢は一層激しさを増し、TTのスプリット、12からのダブル、等の“自爆テロ”が相次ぎ、普通なら屑手になる筈がことごとく20、21に成り上がる。
応援団の歓声がこだまする。
『まずい! ディーラーが18から20で決まった場合は逆転される!
(17なら自分の千$が生き残るので辛うじて通過…。)』
既に3位通過の可能性が無くなった7番シートの日本人が、何故か20からヒットし2を引きバストする。
『社長! 社長が予選を通過出来るように目を換えましたよ。後は頑張って下さい。』
と知り合いらしき日本人男性に話しかける。
『これがどっちに転ぶかだな・・・。』

ディーラーの1枚目は6、そして2枚目は絵札!
ディーラーのバストで予選は終了した。
最初から常にトップを走っていた当方は、ラストで二人に抜かれたが序盤戦の貯金がモノを言い、何とか3位に踏みとどまった。(4位との差は僅か75$であった)

『危なかった! あの掟破りのヒットが無ければディーラーが18で一人負けか…。
4位に落ち予選敗退だったな。 あの7番のおっちゃんに感謝という訳か…。』
ゴーさんも目出度く予選通過、過去2回連続で予選を突破中の当方の弟子は、当方と同じく終始上位をキープするもラストゲームで僅差で抜かれ予選敗退。
改めてラストの怖さを思い知らされる。

『さぁ、予選は終わった。 次はこのトーナメントで、ある意味最も過酷な準決勝だ!
もし運よく決勝に進めば3位でも1万5千$は貰えるが、
準決勝はテーブル7名中トップになるしかない。 よし、やったろか!』

■ 準決勝 12月14日(日)

午後4時、準決勝の抽選が始まる。
『こんどこそ1番シート以外!』との願いも空しく、引き当てたのは又もや1番シート!
しかも同じテーブルには去年の大会の時、同じく準決勝で戦った50代の家族連れの日本人“社長”がいた。

去年はラスト3ゲームまで当方がトップを走っていたのに、ディーラーの7に対し、Aと4からB/S破りのMAXダブル→何故か6で21、一気に2千$差が詰まり引っくり返された苦い経験が頭をよぎる。
ともあれ、各テーブルのトップのみが通過、2位以下は敗退というテニアンBJトーナメントで最も過酷な準決勝がスタートした。

各自様子見のMIN25$で流す中、ただ一人黒2枚の200$のフラットベットで望む。
予選の時ほどではないが、徐々にチップが増え、開始早々より終始トップを走る。
ブラックジャックも2回入り、“大会特別ルール”により通常の1.5倍ではなく2倍の配当を貰う。

◆ テニアンのBJトーナメントでは、特別ルールとしてブラックジャックが出ると
2倍となっている。その理由を自分なりに考えてみた。

25$X奇数枚数をベットしていた場合、通常の1.5倍だと端数が生じる。
(同様の理由からかインシュアランスも無し)
プレイヤー同士のチップをカウントする際、手間を省くには2倍がスッキリして良い。

ブラックジャックの“華”は何と言ってもエースと絵札のブラックジャックである。
その配当を2倍にすることで一発逆転の可能性が高まり、大会が盛り上がる。
(全ゲームMINの25$で通したプレイヤーが一番減りが少なく優勝!などと言う盛り上がりに欠ける大会になることが回避される。)
◆ またこの大会特別ルールの持つ、もう一つの意味を考えてみた。

ブラックジャックの出現する確率は約21回に1回である。
その際の配当が50%増しになっているということは、単純計算で1ゲーム当たりの期待値が通常より50÷21=2.38%アップしていることになる訳だ。
最も、ディーラーも同じブラックジャックだった場合には引き分けとなる為、その分を割り引くと、2.38×20÷21=2.27%(近似値)のアップとなる。この差は大きい!

恐らく多くのプレイヤーはこの特別ルールの意味をそこまで深く考えずに、
「BJは平均すれば負けるもの。ラスト5ゲームで種切れではどうしようもない。
中盤まで25$で打たれ越し、ラスト勝負!」
と考えていたのだろうが、そこに当方の勝機が潜んでいた訳だ。
特に見せ場も、印象的な手も無く、それでも徐々に黒2枚のフラットベットでチップを増やす。
但し、自分の中での安全圏である“2位との差2千$以上(相手のMAXダブルでも逆転されない)”までは差が開かない。

当方:4,400、2位:2,800でラストゲームを迎える。
(途中で二人脱落、3位-5位は2千$弱で望みは殆ど無し。)

運命のラストゲーム!

ここまで黒2枚で通したが、ここでもし2位のMAXダブルが決まり、2千$プラスになったとしても、自分がとにかく勝てば逆転されないことを考え500$をベットする。

ディーラーはA!
自分の手は17でステイ。

じっと“社長”の知り合いと思われる2位の日本人女性の手を見守る。
(強敵と思われた“社長”は途中で無意味なMAXベットで自滅していた。)

と、あろうことかMAXの千$ベットで11のダブル手が入る。
当然ダブル、そしてそこに絵札が入り21となる。
狂喜する“社長”陣営!
『見たか! これがブラックジャックの醍醐味だ!』とばかりにこちらを睨む。

『また去年と同じように準決勝で“社長”の一行に最後に逆転されるのか…。』
頭の中で冷静且つハイスピードで現時点での勝率を計算する。
『まだまだ!ディーラーの最終ハンドがBJ、21、もしくはバストの場合はこちらの勝ちだ! 確率はそれぞれBJ…約32%、21…約4%、バスト…約13%、トータル…約49%
バカラでプレイヤーの勝つ確率とほぼ同じ。 望みは十分!
出来れば綺麗なブラックジャックで決めてくれ!』
願いは通じた。
ディーラーは綺麗なブラックジャック!

不利な1番シートでありながら、最初から最後までトップを走り続けた当方のファイナル進出が決定した。

■ 決勝 12月14日(日)夜

午後6時、決勝の抽選が始まる。
『もしかしたら…。』と思いつつ小さなクジを開けると又もや1番シート!

『3回連続で1番シートになる確率は343分の1、大会参加者が105人だから、
その中でトップになるより遥かに困難なことをこの瞬間成し遂げた訳だ…。』
ウォン安の影響からか、韓国人は去年よりパワーが無く、決勝テーブルに残った7名は、全員が日本人の男性ばかりだった。前回大会のように怪しげな人物は見当たらず、その為開始直前のテーブルは割りと和やかな雰囲気であった。

「もう、ここまできたら十分ですよ。」(参加者A)
「そうそう、賞金は均等に配分して、優勝者はプラス名誉ということで…。」(参加者B)
「均等割りなら一人ジャスト1万5千$です。つまり3位と同じになります。」(当方)
「それじゃ責任者と弁護士を呼んで、契約書を作らせますか?」(参加者C)

しかし、当然のことながらそのような提案が実行されることは無く、午後7時に決勝が始まった!
準決勝までよりやや多い5千$持ちでゲーム開始。
まるで再現フィルムを見ているように、皆が様子見でMINの25$で流す中、ただ一人黒2枚の200$のフラットベットで勝ち進む。

当方の考えるフラットベット(テーブルMINの10倍前後)のメリットはこうである。

メリット1
カシノ(ハウス)から“カード・カウンター”との疑惑を受けることが無い。
(気分良くプレイする為には大切)


メリット2
コンプを算定してもらう場合、韓国のようないいかげんなシステムのカシノでは悪戯にベットを上下させると最低ベットで計算されてしまうことが多いが、フラットベットだとその心配がない。


メリット3
MINの時にBJ、MAXの時に屑手が入った際に受ける筈の精神的ダメージから免れることが出来る。

1位賞金6万1千$が懸かっているにも関わらず、淡々とゲームは進んだ。
ジリ貧になった一人がオールインで飛ぶ。
そしてもう一人が飛び、残り5人となった。(5位以上が確定)

ディーラーより「ラスト5ゲーム!」が宣告される。
この時点でトップの当方は6千$、2位が約5千$、残りは約4千$、全員にチャンスは残っている。

『ここらで一気にMAXで勝ち“安全圏”へ!』
との考えが一瞬よぎったが、暫定トップであることから引き続き黒2枚を選択した。
ラスト2ゲームで、この決勝テーブルでは一番若いと思われる2位のプレイヤーがMAXの千ドルで勝ち、当方と5,800$で並ぶ。
3-4位は殆ど同じで4千$台、5位はMAXのダブルを外し2千$台に落ち脱落。

『ついにここまで来た!マラソンで言えば最後のトラック勝負だ。
既に4位以上は確定した。ラストゲームでは3-4位は当然MAXでくるだろう。
問題は若者がどう出るかだが、幸いベットを決める順番は、
若者→当方→3位→4位→5位だ。出方を見て決めるか…。』
若者はカシノにチップのカウントを要求し、当方と同額の5,800$であることを確認後、ここまでの当方のベットを考慮してか200$をベットした。
『1位になる為には若者を上回る必要がある。かといって残りの3人(実質2人)の捨て身攻撃も脅威だ。よしここは225$でとにかく勝つ!』
当方225$をベット、残りの3人は当然MAXの千$ベットで運命のラストゲーム!
当方:絵札と4、 2番シート(3位:約4千5百)6が2枚、 3番シート(4位:約4千)8+2の10、 4番シート(同率1位:5千8百)絵札と5、6番シート(5位:約2千)屑手、そしてディーラーは7。
『嫌な感じだ…、2番シートの66も、3番シートの10も不気味だ!
それにこの状況でアクションを最初に起こさねばならない1番シートは
やはり不利だなぁ…。』
普通なら迷わずヒットだが手が止まる。
オリンピックのマラソン競技に例えると、レース開始からずっとトップを走り、最後の競技場に入ったところで足が止まった様な感じだった。ディーラーにアクションを促される。

右脳からは直感で、『駄目だ! 引くな!』との指令が飛ぶ。
左脳からは理性で、『B/Sに従え! 引け!』との指令が入る。

この二つの指令の強弱は、バカラに例えると、右脳→バンカー、左脳→プレイヤーといった感じでやや右脳からのものが強かった。
しかしブラックジャックの際、アクションに用いられる右手は悲しいことに左脳に繋がっていた…。
迷った挙句に選択したのはヒット、そして絵札でバスト。

この瞬間、テニアンBJトーナメント優勝の可能性が消滅した。
(4番シートの若者が同じくバストしても25$差で負け。)

後で弟子が残念そうに見つめる…。
続いて2番シートは当然の如く66をスプリット、片方は16でステイするも、もう片方は10となり当然ダブル、そして何とAを引き21となる!盛り上がる2番の応援団!
3番シートも当然ダブル、そしてきっちり絵札で20!こちらも盛り上がる!
4番シートの若者はステイ、 5番はバストで5位が確定する。
再びマラソンに例えると、ゴール直前で次々に抜かれ、よろよろと歩くランナーのような状態であった。
『ディーラーの最終結果が17-19なら3番が優勝で当方が3位、
20-21なら4番が優勝で当方が2位、バストなら2番が優勝で当方が4位か…。』
肝心な時に約に立たなかった左脳をフル回転させる。

『計算終了!
現時点での最終順位確率:1位…0%、2位…約17%、3位…約56%、4位…約27%、
これに賞金をかけると期待値は約1万3千$。ほぼ平場の負けと同額か…。
出来れば20-21、バストだけは見たくない!』
ディーラーが2枚カードを引いたことまでは覚えているが、それが何であったかは分からない。
ただ一つはっきりしているのは、2番シートにとっては最善の、そして当方にとっては最悪の結果で大会が終了したということだ。

ディーラーのバストで2008年冬のテニアンBJトーナメントは幕を閉じた。


■ 番外編

入賞した3名はホストに連れられ別室に消えた。
手元には残念賞の千$の小切手が1枚残った。
弟子と二人、日本料理の嵯峨野でささやかな残念会をした後、一人平場に戻る。

『まだトラベラーズ・チェックと日本円が少々残っているが、これはマカオ遠征用にとっておきたい。となるとテニアンで使えるのはこの小切手の千$のみ…。
現時点での負けはBJ:1万、バカラ:3千か?
よし!まずバカラで一勝負し、負けたら大人しく寝る。勝ったら…、考える。』
取り敢えずの作戦は決まった。
いつもはバンカー6は避けるのだが、今回は拘らず絞れそうな台に座る。
ベットは勿論バンカーに全額の千$!

P:2、B:3…広東語で言う“チャームトウ(差が少し)”となる。
プレイヤーはそのまま2で確定。

『よし!』
と絞ると“ガッタウ(2もしくは3)”が見えた。

『ここで3だと6半になる! 2よ来い!』
とゆっくり絞る。

負けたと思ったプレイヤ-は、こちらが絞るのを見て、3ピン、もしくは4ピンと錯覚し淡い期待を込めてこちらを見る。絞った結果は2!丸々千$を受け取る。
(どちらにしろ負けていたプレイヤーはがっかり…。)

2千$をベットした次もあっさりバンカーのナチュラルで勝ち、2ゲームでバカラ部門はチャラになる。
勢いに任せ3千$をバンカーにベット。
ここでプレイヤーはいきなりのナチュラル8!
しかしこちらも4ピン2枚!
勝てば“パー・シュウ・ガウ”で最高だったが、2枚とも9でタイに終わる。

『良し! 負けなかった。このまま!』
と左脳が告げる。

『嫌な予感がする。 ここは引け!』
と右脳が囁く。

ノーモアベットが告げられる直前に、右脳に繋がっている左手がチップを引いた。
結果はP:7、B:6でプレイヤーの勝ち!

『ふぅ、危なかった。良し!バカラはここまで!次はBJだ!』
一人でじっくりプレイ出来る台を探すが、BJ大会参加者の居残り組みがそれぞれ陣取っており、中々空いている台が見つからない。
と、1台だけ誰もプレイしていない台があった。

『よしよし…。』
と左端に座ると、空いている理由が分かった。

『他はMIN10$なのに、ここはMIN25$か…。
どのみちそこそこ賭ける気はあるのだが、どうするべきか?』
右脳に尋ねると『ここで良い』との声が聞こえた。
その声に従い、最後のBJがスタート。

【帝王式BJ:防御モード、レベル4】
(4番に25$、5番に50$、6番に75$、7番に150$)のベットを基本にゲームを進める。
勝つ、勝ちまくる!

余りに勝つのでベットを2倍に増やすと、ますますチップの増えるスピードがアップした。
ディーラーが「グリーンチップを千$との交換お願いします」と申し出るが、“緑の塔”をボウリングのピン状にどこまで積み上げるかを目標にした為、それを断ると何度も何度もグリーンチップの補給が行われた。
遂にテーブル上のグリーンチップが400枚(=1万$)に達したところで、「一旦交換お願いします」と頼まれ、仕方なく勝ち分の6千ドル分を千$6枚と交換する。

一旦休憩し。
キャッシャーで1$=\101という法外なレートで“人質”となっていた当方の日本円(60万6千円)をまず“解放”する。テーブルに戻り勝負再開!なおも勝ち続ける。

平場での負けが、残り1,200$となる。
(初日/二日目のMIN10$台の負けは何だったんだ?)

しかし、最大の敵が襲ってきた!

“睡魔”である。
カットカードが出る。

『駄目だ、眠い…。 次のシャッフルまで持たない。
サイパンは午後発だが、テニアンからの移動は朝のフライトを予約したので時間も無い。荷造りもあるし…、良し! 最後の勝負だ!』
ベットを倍(4番に100$、5番に200$、6番に300$、7番に600$)にする。
ディーラーは7、4番は14、5番は20、6番は19、7番は18、となる。

『4番だけヒットか…、うん?ラストゲーム…、一番右端が14、ディーラーが7。
これって大会のラストと同じ状況だ。どうする?』
ベットは僅か百$であったが、しばし考えた後にヒットする。
配られたカードは7!21になる。

『これが大会だったらなぁ…、まぁ良い!後は絵札かバストで予定終了だ!』
しかしディーラーがサクッと開いたカードはA!
4-6番は勝ったが7番はプッシュで600$を受け取る。
ディーラーがシャッフルに入る。

『600$届かなかったか…、うん? まてよ…、確か…。』
左のポケットを探る。
そこには何故か米$キャッシュが600$分有った。

『何故ここに600$が…?、そうだ!これはさっきホストからバックして貰ったサイパンまでのフライト代相当分だ。とにかく疲れた。終わりにするか…。』
シャッフルの終了を告げる日本人ディーラーに対し、グリーンチップ296枚(=7,400$)を大玉と交換しテーブルを離れる。
サイパンへ向かうセスナの中で、後ろに見えるテニアン島を振り返りこう思う。

『大本営発表!北マリアナ群島のテニアン島に作戦中の部隊は、
激戦敢闘克く敵戦力を撃摧しつつありが、その目的を達成せるにより、
12月中旬同島を撤し、マカオ方面に転進せしめられたり!』
(テニアンBJトーナメント 完)

*このレポートはリゾカジ.snsの日記(12月)を転載したものです。








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