リゾカジ カジノレポート

旅打ち夫婦紀行 「マリ」 編

* その他のエリア 2010/ 08/ 07 Written by TAHARN

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「デカ尻オバに完敗…またも場末リゾカジ」


旅打ち夫婦、ガンビアから再びセネガルに入り、セネガル~ギニアビサウ~ギニア~マリと移動しました。この旅一番の苦しい道中でした。移動は鉄クズ同然のボロタクシー。ライトバンの荷台に無理やりシートをつけて7人乗りに改造した車に10~14人詰め込まれ、酷暑の中、砂ぼこりと排気ガスにまみれながら悪路を進みます。パンクや故障はお約束。そのたびに何時間も足止めをくらうので、なかなか距離が稼げません。

ギニアビサウは西アフリカでも一、二を争う貧困国。首都のビサウにカジノはありませんでした。観光地らしい観光地もなく、一泊でギニアへ移動します。

ギニアは今回訪問した中で最も難儀な国でした。腐敗した役人・警官・軍人ばかりで、街道沿いにはやたらと検問所があります。セキュリティチェックをしているように見えて、実はワイロ徴収所。金を出し渋る車には、こまごまとした積荷を全部開けさせてチェック。執拗な嫌がらせです。

検問所によっては乗客からも徴収します。外国人の我々は格好のターゲット。パスポート、ビザ、イエローカード(黄熱病予防接種証明書)と書類がすべてそろっていても、何だかんだと難癖をつけてワイロをせびります。ドライバーや同乗の現地人は「早く出せ」とお上の言うなり。粘って交渉していたら、我々のことなど見捨てて発車してしまうでしょう。置いていかれたらお手上げです。「この貸しはカジノで返してもらうぞ」と怒りの炎を燃やしつつ、首都のコナクリに入りました。

コナクリは増加する人口にインフラが追い付かず、停電や断水が日常茶飯事。市内の道路はゴミだらけ。電気がないから日が沈めば真っ暗です。バスや乗合タクシーは常に超満員。流しのタクシーは完全に売り手市場で、思いっきりふっかけてきます。なんとか値切って乗り込めば、賄賂目当ての検問所があちこちで待ち構えています。とにかくストレスがたまる町です。

 市中心部にある最高級ホテル「Grand Hotel」にカジノがあると聞き、出動しましたが、カジノフロアは真っ暗。フロントで尋ねると1年前に閉鎖されたとのことでした。警官のワイロ攻撃に耐えられなくなったのでしょうか。検問所の「貸し」を返してもらえなくなってしまいました。カジノもない、すさんだ町に長居は無用。次の訪問国、マリのビザを取り、ギニアを後にします。

コナクリからボロタクシーを乗り継いで28時間。ホコリまみれになりながら、マリ共和国の首都バマコに到着しました。マリは国土の大半が不毛の砂漠地帯。赤土の大地が広がります。この国も世界最貧国のひとつです。どんな国にも住んでいるはずの中国人の姿をほとんど見かけないのは、この国が貧しすぎて商売にならない、ということなのでしょうか。

しかし、こんな貧しい国にもカジノはしっかりありました。バマコ中心部LYBIA HOTEL内にある“Fortune’s Club Casino”です。夜になると真っ暗なバマコ市内で、ここだけは派手な看板にネオンがきらめいています。入口ではセキュリティチェックもなくフリーパス。クロークもありません。それほど広くないフロアの半分以上がレストランとバーになっています。

ゲーミングのエリアはスロットマシンとテーブルゲームが半分ずつ。テーブルゲームはルーレット2台、ポーカー1台、BJ2台、バカラ1台の構成。ルーレットは19時、他のテーブルゲームは21時OPENです。客はほとんどが地元民で、白人4割、黒人3割、アジア人(ベトナム人が多い)3割といったところ。カジノ客よりも、飲みながらテレビのサッカー(アフリカではどの国でも人気)を見ている人の方が多く、カジノというよりは場末のスポーツバーといった雰囲気です。

カジノはというと、チップはキャッシャーで購入。現地通貨のCFA(西アフリカフラン。1CFA=約2円)を使用します。客がいないBJのテーブルを開けてもらいました。ディーラーは地元の女性で、皆でっぷりと貫禄のあるオバちゃんばかり。ユニフォームである大胆な色合いの民族衣装がよく似合っています。中にはお尻が大きすぎて、テーブルと後ろのディーラーに挟まれ、身動きが取れなくなるオバもいました。そのたびに「本当に窮屈なんだから、もう!」(推定)とぶつぶつ言いながらテーブルを揺らします。

MIN CFA2000(約400円) MAX CFA40000(約8000円)とレートはゲーセン並み。6デッキハンドシャッフルNH。SS17、DDは9・10・11のみ、サレンダーなし、DAS、Aceのリスプリットなし、とかなり厳しいハウスルール。マリはフランスの植民地だったため、英語はほとんど通じません。

チップは手垢にまみれて、触るのがためらわれるほど真っ黒です。中には欠けているものもありました。交換することもできないほど貧しいカジノなのでしょうか。カードは使い古されてボロボロ。外を歩けば赤土のホコリで全身染まってしまうので、客が触るとすぐに汚れてしまうのでしょう。

カードがボロボロになるもう一つの理由は、オバちゃんの荒っぽいディール。グローブのようなでかい手で、力任せにたたきつけ、テーブルがグラグラ揺れます。シャッフルも雑。ガンビアのカジノと同様「No more bet」と言わないので、ディールが始まってからベットしてもおとがめなしでした。

コミュニケーションを図ろうと、片言のフランス語で挨拶しても、オバちゃんは全く愛想がありません。地元客とは談笑したりしていますが、我々はほとんど相手にされません。「フランス語も話せない田舎者、しかもアジア人なんて、あ~やだやだ」といった調子です。オバちゃんのでかい態度&お尻に圧倒され、全く波が来ません。どんどん負け続けます。

周りのプレーヤーたちもデタラメ。BSを誰も知らず、テーブルをどんどん叩いたり、向かいのテーブルの知り合いに「これ賭けて」とチップを投げたり、マナーも最低。一人だけBSを知っている黒人がいましたが、彼は私の隣に座り、自分はプレーしないで“HITしろ”“そこでSTAYだ”と勝手にコーチ。私が勝つと「俺もプレーしたいからチップくれ」と、当然のような顔で要求してきました。カジノ内にも乞食が入り込んでいるとは…断ると、別の客に張り付き、同様にコバンザメしていました。

結局、調子が全く出ないままずるずる負け、1時間あまりで撤退。ミニマムベットが安いので、大した損害ではありませんでしたが…。バマコには1週間滞在し、毎夜出動しましたが、いい目が出た日は一日しかありませんでした。無愛想なオバちゃんディーラーに迫力負けしたバマコでした。


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