リゾカジ カジノレポート

ドラゴンへの道(ポーカー無限編)

* マカオ 2011/ 09/ 05 Written by マカオの帝王

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※レポートが余りに長くなりすぎたので、どうしようかと考えたところ、新形式として、ゲーム種目別に縦割りにしてみることにしました。
バカラ編・BJ編・ポーカー編の3部作となっております



■ 8月10日(水)

遂に “ドラゴンの夏” の到来だ!
関空のエアマカオのチェックイン・カウンターでバロケンさん夫妻とバッタリ出会う。
愛犬の名前をハンドルネームとしているバロケンさんは、大阪在住の、自分なりのスタイルを持った、当方の尊敬するバカラプレイヤーの一人である。

今回は“リゾカジ”の公式オフ会にも初参加するとのこと。

バロケンさんの奥さんから、「荷物はたったこれだけなんですかぁ?」と驚かれる。
確かに当方の荷物は、6泊7日だというのに小さめのスーツケース一つだけ。

「下着や靴下はホテルで洗濯しつつ、途中で古いのを捨てたりするので、帰りは今より軽くなります。お土産の類も、マカオ行きの回数が200回を越えると今更特に買うものも無いですしね……」
何となく納得してもらう。

互いの健闘を祈りつつ別れる。

出国エリア内で“ヒルトン・グランド・バケーション・クラブ”への入会を勧誘される。
何でもこれに入会すると、世界中のヒルトンホテルに泊まれるとのこと。

「せっかく説明してくれたのにゴメンね。残念ながら一番良く行くマカオにヒルトンは無いみたいだし、それにもう既に “世界中の(カジノのある)ホテルにただで泊まれる” クラブの会員に入っているので……」 そう言って立ち去ろうとすると、涼しげなアロハシャツを着たお姉さんから「えっ! そんなクラブが有るのですか? 一体それはなんて言う名前なのですか?」と尋ねられたので、「ネットで “リゾート&カジノ” で検索してみて下さい。それでは……」 と言い残しゲートへと向かった。

16時半発のNX837便は定刻通り飛び立った。

マカオで開催中のポーカーのビッグ・イベント、“レッド・ドラゴン” に参加する為か、顔見知りのポーカー・プレイヤーの姿も機内でチラホラと見かける。

薄味のマカオ・ビールを飲み、うつらうつらしている内に、マカオ国際空港に到着する。

ゲートを出ると、リスボアの皇牌天下のスタッフが、当方のネームカードを持ち待っていた。
ちょうど同じリスボアホテルに宿泊するという、知り合いのポーカー仲間に声をかけ、リスボアへと向かう。

皇牌天下で荷物を預かって貰い、ワンタン麺とビールを飲み、グランドリスボアで22時から始まる “レッド・ドラゴン”のメガ・サテライト(本選への出場権を賭けた予選のようなもの。参加者の上位5分の1に入ればOK。尚、レッド・ドラゴンに直接参加する場合のエントリー代は11,000$だが、このメガ・サテライトの参加費は2,400$)に参加する。

ハンドが入り、徐々にチップが増える中、KK(キングのペア、ポーカーの中ではAAの次に強い)が入る。

『よし! ここで一気にダブルアップ!』 

そう思いレイズすると、斜め向こうの日本人プレイヤーがリレイズしてきた。
とにかくコールする。
フロップは、6、7,9のレインボー。

ここで相手がオールインしてくる。
こちらもオールイン。

相手は“88(8のペア)”
現状は勝っているが、相手はオープンエンドのストレートドロー付きだ。
嫌な予感がする。(こういう予感は良く当たる)

ターン(4枚目の共通カード)は双方に関係の無いQ。

しかし、無常にもリバー(最後となる5枚目の共通カード)でTが落ちる。
ストレートの完成で相手の勝ち……

相手の日本人から、『こんな手で勝ってしまって済みません……』とばかりに頭を下げられるが、これがポーカーだと握手して別れる。

グランドリスボアから、空中渡り廊下を通り、リスボアの皇牌天下(エリートルーム)に戻る。
ビール(ハイネケン)を頼み、13日のリゾカジ公式オフ会の参加要件である、【ブラックジャック・2万$プログラム】の手続きを行う。

※ 男子体操界の若き帝王、内村航平選手は、「個々の競技では、自分より巧い選手はいる。だから自分が目指すのは、“オールラウンダー”だ」と世界選手権で優勝後、報道陣に語ったそうだが、当方の目指すのもそれである。
バカラ、BJ、ポーカー(トーナメント/リング)、それぞれのジャンル毎に卓越した強者はいる。けれども、もしトライアスロンのようにカード賭博の代表的なこの3種目の総合点で競うゲームが有ったとしたら、その初代チャンピオン(帝王)になりたい、それが今の偽らざる気分であった。

結局、約8ヶ月ぶりのブラックジャックはチャラで終了し、初日の戦いは終了。


■ 8月11日(木)

昼前に目覚め、リスボアの皇牌天下(エリートルーム)に顔を出す。
海老入りのお粥と、ビール(ハイネケン)を頼む。

何人かのリゾカジ・メンバーと会い、軽く世間話をする。

もし、今日の2:10PMからスタートするレッド・ドラゴンのDay1Aにダイレクト・バイイン(直接参加費である11,000$を払ってエントリーすること)するのであれば、そろそろ移動するところであったが、ポーカー仲間の殆どが明日の午後8時10分スタートのDay1Bに出るのがはっきりしていたので、それまでに飛んでしまうと寂しいのと(Day1Aで飛んだ人はDay1Bには再度エントリー出来ない)金の力でダイレクト・バイインするのではなく、自力でサテライトから勝ち上がって行く方が絵になるような気がして、本日5時からスタートのメガ・サテライトに再度出ることに決める。

そうと決めた以上、やや時間が出来てしまった。

皇牌天下(エリートルーム)のバカラで1万$負け、妄想に耽る。

その後、リスボアの平場のバカラで4万5千$勝つ。

グランドリスボアに向かう。
5時スタートのメガ・サテライト(参加費:2,400$)のエントリーを済ませ、開始までブラブラしていると、京都のOさんに出会う。
最近のポーカー界の裏話に耳を傾けていると、ちょうど5時になる。

「暇潰しに参加してみるか」と京都のOさんも参加を表明。

テーブルに座ると、驚いたことに2テーブル、計20名中半分の10名が、どこかでその顔を見たような気がする日本人のポーカー・プレイヤーだった。

『上位20%が抜けだからちょうど4人か……、このトーナメントは別にトップになる必要は無い。じっくり勝負し、4位以内を目指すのみだ』

序盤で、98スーツで参加するとターンでフラッシュ完成。何故かオールインしてくる中国人の若者がいたので、やや迷ったが相手はストレート以下と判断しこれを受ける。

リバーは余り関係なさそう……

ディーラーに促され、ハンドをオープンする。
こちらのフラッシュを確認すると、中国人の若者は自分のハンドを伏せたまま席を立つ。

これでチップがほぼ倍となり、テーブルの主導権を握る。

中盤で、88(8のペア)が入った際に、京都のOさんが約2千点のオールインをしてくる。当方のチップ量は約5,500。悪いと思いつつこれを受ける。

すると当方の後ろから同じく2千点前後の2名が、共にオールインしてくる。

ディーラーが全員に「ショー・ダウン!」を要求する。

京都のOさんは33、当方は88、後ろの一人目はAT、二人目はKJ、
A、K、J,T,3、どれが落ちてもほぼ負けだ。
(逆に8さえ落ちれば、ほぼ勝ちが確定)

祈るような気持ちでフロップを見る。
Q、9、6、

ターン


リバー


抜けた!
変なフラッシュもストレートも無い。
昨日参加したメガ・サテライトでは、不幸をもたらした8ポケが、今日は幸運を運んできてくれた。

一気に3人飛ばして、全体のチップリーダーとなる。

1テーブルに統合された後も、比較的ハンドに恵まれ、徐々にチップを増やす。

10人もいた日本人は、当方以外皆途中で脱落し、最後にショートの中国人同士がぶつかり合い、KT対K7で何も当たらずKTが勝ち、上位4人が確定する。

終了時点では(意味も無く)断トツのチップリであった。

明日のレッド・ドラゴンのメイン・イベント出場権を交付する為に身分証明となるものを要求され、マカオにきてパスポートの代わりに作ったポーカー・スターズの会員カードを渡す。

待つこと10分、明日のレッド・ドラゴンDay1B の名前入りエントリーシートを受け取る。

『これで“ドラゴンへの道”の第一歩が開けたな……』

京都のOさんから、「日本人シニア4人組で、日本食を食べに行こう」との提案があり、タクシーで旧市街に移動する。
新しい和食の店を探すが中々見つからず、結局少し前からある、マカオで何故か秋田の“稲庭うどん”を売り物にしている店に入る。

売り物にしているだけあって、ここの“稲庭うどん”は普通に美味しかった。
いずこも同じで、ポーカー界にも世代間の対立があり、ここでは書けない最近起こった事件を酒の肴にしながら、マカオの地の深夜の宴はお開きを迎えた。

タクシーに乗り込み、まず最年長のTさんがリスボアでバカラのローリングを続ける為降りた。
残る3名はタイパ島に新しく出来たカジノ:ギャラクシーへと向かった。

ここの印象としては、同じくタイパ島にあるベネティアンをやや小ぶりにして、エレガンスとホスピタリティを追加したような気がした。

Oさんは早速、好きな罫線を追っかけバカラを開始する。
Lさんは途中で行方不明となる。
当方は、取りあえずフロア内を散策する。

Oさんと再会するが、「後は自由行動で」と解散する。
(Lさんは、Oさんのマンションに泊まる予定)

一人でBJ卓に座り、酔った勢いで勝負に臨むも、1万$が溶けたところでギャラクシーからの撤収を決意する。

タクシーで橋を渡り、回力内の健康サウナ(378$)で仮眠を取る。


■ 8月12日(金)

健康サウナで目覚めた後、回力娯楽場を覗いてみるが、店舗改装中で半分しか営業していない。
これじゃ駄目だと、取り敢えず本日の宿泊先である、リスボアホテルのロイヤルタワーの1308号室にチェックインする。

部屋はマァマァだったが、窓を開けると何故か工事中で景観は最悪。おまけにトントン、トントンと工事の音が聞こえてきて、普通なら抗議にいくところであったが、それも面倒なので、そのままにする。
(どうせ仮眠を取るだけだ、どこでも同じ……)

歩いてまずウィーンへ行く。
和食の岡田の壁にいつも掛かっている、おかしな日本語を見る。

「いつまでも 咲き続けてる 山の花」
「踊る陽の 黄金まばゆき 昼下がり」
「勝ち続く 流れにのった 今宵かな」
「絶え間なく くり返される つきの波」
「黄金の 花びらのごと 空の雲」

『相変わらずセンスが悪いな……』

そんなことを考えながら、ポーカールームを目指す。
ここで軽くポーカーのリングでも……、と思ったが、10人待ちとのこと。

諦めて向かいのMGMに向かい、バカラで1万$勝つ。
MGMを出て、ウィーンの横の横断歩道を歩いている時、マカオ人のジャンケッター、ジャクソンと再会する。

ジャクソンの口車に乗り、スターワールドのバカラで5万$負ける。
(所謂一つの“死亡遊戯”)

その後、ジャクソンの“ボス”とスターワールドでメシを食べる。

凶暴そうな顔で髪の毛を逆立てた、どうみてもジャクソンよりは若い、怪しさ120%の“ボス”と握手する。

ジャクソンに、“サウナ代”として千$貸して別れる。

20時、グランドリスボアのポーカールームに到着。
いよいよ今回の目的の一つである、レッド・ドラゴン Day1B の始まり始まりだ!
ざっと300人程がこのDay1Bにエントリーしている様子。
関東/関西などからきた顔見知りの日本人ポーカー・プレイヤーも大勢いる。

15,000点持ちのディ-プスタック・トーナメントがスタートする。

序盤戦、ハンド的には比較的恵まれ、AA、KK、QQ、がそれぞれ1回ずつ入るが余り稼げず終わる。

途中でアキバギルドの顔見知りのメイドディーラーの女の子が現れ、「あぁー、マカティさん! 良かったらこれ、貼って下さい」と“Akiba Guild”の派手なステッカーを当方の勝負服である、黄金色の“Cerruti 1881”のスーツの左上の貼られてしまう。

同じテーブルには、“アキバ系”とでもいうべき、細身でメガネの若い日本人男性が2名、
ちょっとやりにくい……

2時間経過、本日2度目のAA降臨!
ここが稼ぎ時とポットを膨らますが、リバーで 6,7,8,9,Q, となる。
ここでオールインが飛んできた。

どう見ても相手にストレートはある様子。
仮に何かの2ペアでも、こちらはただのエースのワンペアなので負け……
泣く泣くフォールドする。

ちょっとして、KQで参加すると、フロップK99。

『9を誰かに持たれていたら仕方が無い。AKはいないだろう。としたら勝機は有る!』
多めにベットすると、左隣の“アキバ系”日本人青年にコールされヘッズとなる。
ターン、リバーはラグっぽいローカード。
ストレートもフラッシュも考えられない。
取り敢えずチェックすると、左隣の“アキバ系”日本人青年がオールインを宣言する。

ポットは約8千、オールインの要求額も約8千、当方の持ち点は約1万、フォールドしてもまだ戦えるが、これで負けたら瀕死となる。

『やはり9を持っていたのか? それともAKか? いや、ここまでのアクションでそんなことは無い筈だ。ブラフも無いだろう。けど、自分のKQより強いとも思えない……』

散々悩んだ挙句、「コール」を宣言する。
双方がハンドをオープンする。
共にKQだった。
日本人同士、仲良くチョップ(山分け)する。
(溜息……)

その後も小さいポットを取ったり取られたりが続く中、遂に本日2度目のKKが降臨する!

ここで勝負! とレイズすると、流暢な英語を話す、香港人らしき若者からリレイズが飛んできて、結局プリフロ・オールインとなる。

当方がKKをショウするも、向こうが見せたハンドは、そのまんまのAAだった。

微かな可能性を信じ、祈るような気持ちでフロップを見つめるが、Aが1枚落ち、1枚フラッシュの目も無い。
もはや捲くり目はK、Kと落ちて、ランナー、ランナーのキングのクワッド(所謂フォーカード)のみ! となる。

『奇跡の可能性は? 45枚中残りキングは2枚、ターンでそれが出たとして、且つリバーで44枚中残り1枚のキングが出る確率は? 2÷45÷44=0.001。990回に1回、約0.1%。席を立つ準備をするか……』

ターンはラグ、この時点で当方の今回のレッド・ドラゴンは終了。
“ドラゴンへの道”は閉じられた。

リバーは何とA(エース)! 
相手側にクワッドの完成だ!

『何もそこまでボコボコにしてくれなくても……』

と内心思うが、香港人の若者のここまでのプレイスタイルが爽やかだったので許す気になり、今後の健闘を祈り握手して分かれる。

その後、同じフロア内のバカラで1万5千$勝ち、眠りに付く。


■ 8月13日(土)

12時にリスボアホテルの東翼F25にある、ミシュランで星を取ったという中華レストランの“桃花源(Tim’s Kitchen)”に大阪のポーカー関係者と集まり、ここの売り物の一つ、『クリスタルキング海老のフルコース』を賞味する。

『クリスタルキング海老か……、これを食べたら、今じゃ大都会のマカオで、果てしない夢を追い続けながら、大空を飛び回れるのかな? そういえば、今から20年位前に、今のMGMやウィーンが立っている辺りの埋立地に民間の小さな滑走路があり、そこでオンボロセスナに乗り込み、確か500$で20分程度のマカオ周遊をしたことがあったな……、空から見るとリスボアホテルが小さな点に見えたものだ。あれからもう20年か? 余り成長していないな……』

そんなことをあれこれ考えている内に1時半過ぎにお食事会は終了した。

本日の2時10分スタートのレッド・ドラゴン Day2に残っている人は、今からの勝負に気もそぞろ、といった感じで、“マイタン”を急がせる。
アルコールもかなり飲んだが、結局一人500$で足りたようで、日本で同じ内容のコースを食べたら2~3倍は取られそうなことを思えば、コスト・パフォーマンスは良かった。
支払いはBJプログラムで獲得した御食事券500$分でジャストOKとなる。

美食の街でもあるマカオで、今回食べた唯一の高級料理がこれであった。

食事後、リスボアのバカラで1万$負ける。

気を取り直して、皇牌天下(エリートルーム)に向かう。

既にホテルのフロント前に大勢のリゾカジ・メンバーが集合している。
バスに乗り込み、バロケンさんの隣に座り、マカオの昔話をしながらパーティー会場である“澳門逸園賽狗會(マカオ・ドッグ・レース場)”へと向かう。
今まで200回以上マカオに来て、このドッグレース場もそばを通ったことは何度もあるが、中に入ったのは初めてだった。

オフ会初参加のご夫婦と、今回コラボ企画しているポーカー関係者二人と一緒のテーブルに座る。
会場の中で、【マカオの帝王】と印刷された名札を付けると、初参加の方達から、「あぁー! 貴方があの有名な“マカオの帝王”さんですか! もっと怖い感じの人かと想像していました。云々……」といったいつも感想を聞かされる。
やはり、“ミナミの帝王”の萬田銀次郎でもイメージされているのだろうか……

各自50$分のクーポン券を貰い、ドッグレースに投票する。
6犬立て? で何やらオッズの入ったデータ表らしきものを渡されるが、初めてのドッグレースでそんなものが役に立つ筈がない。

『Don’t think. Feel! (考えるな、感じろ!)』

直感で黄色いゼッケンを付けた3番の狗を選ぶと、何とその狗が最初から最後までぶっちぎりで1位となった。

単賞の配当は約6.8倍で、50$のクーポン券は340$のキャッシュに変身した。

その後もゲームやお誕生日会などがあり、途中からレッド・ドラゴン組も加わり、総勢66名が参加したリゾカジ公式オフ会は大盛況の内に幕を閉じた。

皇牌天下(エリートルーム)に戻り、上海28号さん、ちくわさん、及び大阪のセレブ美女軍団による異色コラボのBJを見学する。

トラブルを一つ仲裁し、一件落着したところで、グランドリスボアのポーカールームに向かう。

明日のファイナルを控え、リングの方も盛況であった。

“オールラウンダー”を目指す者としては、ポーカーに関してもトーナメントだけでなくリングの経験を積むのも大事と、10-25のテーブルに参加する。

バイインはもちろんマックスの5千$。
若い日本人男性2人と同じテーブルになる。

原則は日本語での会話は禁止だが、ゲームの合間に世間話をする。
普段は日本国内でも殆どネットのみで、ライブは初体験だそうだ。

夜も更けて、段々と眠くなってくる。

♢8♢7で参加すると、♢Q,♠9,♢6, がフロップに落ちる。

『よっしゃ、ストレートとフラッシュのダブルドローだ! 美味しいぞ!』

多い目にベットすると一人付いてくる。
ターンで ♣Tが落ち、ストレートが完成する。

ポットを膨らまそうとベットすると、付いてきた中国人がリレイズしてくる。
ここまで来たら降りられない。
結局オールイン対決となる。

向こうは ♠K, ♡J の上ストレートが同じくターンで完成している!

一瞬、やられたと思ったが、相手にダイヤは無い。

『まだ可能性は有る! ダイヤよ、落ちろ!』

ここで祈りが通じたのか、♢3 がポロッと落ちる。
天を仰ぎ、嘆く相手を尻目に配当を受け取る。

レッド・ドラゴンのメガサテ2回分の参加費4,800$がきっちり回収出来た。

いつもネットでプレイしているという日本人の若者は、
「これがスーコネの力ですか……? それにしても痺れました!」と偉く感心していた。

勝ち逃げは本望ではないが、寄せる眠気には勝てず、ここで女性ディーラーに向かい、終了を宣言し席を立つ。


■ 8月14日(日)

12時前に皇牌天下(エリートルーム)に顔を出し、サンドウィッチとコーヒー、それとハイネケンを頼む。
ここでは、冷たいハイネケンが飲み放題なのは、ビール党の当方としては嬉しい。
 
すると今回オフ会初参加の、輝政さんカップルが登場する。
何でも、以前から当方のレポートの熱烈な愛読者である、とのこと。

まるで“Living Legend(生きる伝説)”に会ったように、余りに感激されても困るのだが、少し話している内に、レポートに良く出てくる“足裏マッサージ”が話題となる。
ちょうど当方も行きたかったところなので、一緒に案内することにする。
 
リスボア前からタクシーに乗り込み、金龍酒店前の國際中心地下にある「足康樂」に向かう。
 
本当は2時間コースの方が良いのだが、初めての、しかも女性同伴だと、大部屋ですぐ隣に連れがいる方が安心だろうと、シングルの45分コース(98$)を選ぶ。
入り口で料金を先払い後、足を薬草の入った熱いお湯でふやけさせてから、タイ人の女性マッサージ師がクリームを付け、丁寧に揉んでくれる。
このコースは、以前は88$だったので、10$値上げした訳だが、それでも安い。

スカート姿の輝政さんの彼女の為に、マッサージ師がスコートのようなものを持ってきて、これを履けという。
たまたま昼間だったので、前の列に他の男性客はいなかったが、もし途中で入ってきたりすると、そいつらに綺麗な日本人女性の下着をタダで見せてやることになるので、これは正解。
 
連日の戦いの疲れからか、うつらうつらしている内にマッサージ終了。
足裏初体験の、輝政さんカップルは大感激している模様。
前はJ’sさんが取り纏めてくれていたのだが、少しでもその代役を務めることが出来たとしたら良かったと思う。

その他のリクエストを募ると、カジノ関係の記念品のようなものを買いたい、とのこと。
それなら、グランドリスボア1階にある、「精品廊」に色んなグッズを売っていたことを思い出し、タクシーで移動し案内する。

どうやら満足して貰えたようだ。

当方もここで携帯用のトランプ仕様のストラップを一つ、28$で購入する。

これで今回の自分用の買い物は終了。

輝政さんカップルと別れ、グランドリスボアの上階へと向かう。

レッド・ドラゴンのファイナルは凄い盛り上がりを見せていた。
日本人は大阪からの一人がファイナルテーブルに残っている、とのこと。

ファイナルテーブルは、近くて遠かった。

帝王式BJで3万$勝つ。

リゾカジ・メンバーでの食事会に参加する為、リスボアの皇牌天下(エリートルーム)に戻る。
リゾカジいちの食通、シャンパン隊長以下、ちくわさん、輝政さんカップル、他、全部で12名で、プレジデントホテル裏の“徳興火鍋海鮮酒家”の個室に入る。
ちくわさん推奨の“Blue Girl”という韓国製のビールで乾杯後、鮑やミル貝の刺身、ラム肉、その他、火鍋独特の厳選された具材が次々に鍋に投入される。

シャンパン隊長から、「これはジャスト1分間だけ、鍋に入れて下さい。それ以上でも、それ以下でもいけません」といった風に、具体的な指示が飛ぶ。

ビール党の当方のグラスが空になると、輝政さんの美人の彼女が、「足裏マッサージではお世話になりました。はい、どうぞ♡」と注いでくれる。

今回のマカオ遠征での総収支もプラスに転じた直後でもあり、美人のお酌で良く冷えたビールが一層旨く感じる。

締めに、様ざまな高級食材のエキスがタップリと入った火鍋に乾麺を放り込み、他ではとても味わえない、極上の麺を美味しく戴く。

最後は、今回の料理の代金を当てるという、リゾカジ恒例のゲームとなり、12人の内、正解に近い3人がタダ、正解から遠い6人は千$、その中間の3人は700$、というルールのもと、何とか中間の3人に入り、700$を支払う。
(もし日本で同じものを食べたとしたら、この4~5倍は覚悟する必要が有りそう)

火鍋の醍醐味を味わった後、グランドリスボアに向かい、ほろ酔い気分でバカラとBJをするが、共にチャラで手仕舞う。

ポーカーで少し負け、眠りに付く。


■ 8月15日(月)

朝目覚め、リスボアの皇牌天下(エリートルーム)に顔を出す。
食事後、グランドリスボアのポーカールームに移動する。

今日は12時10分から、大阪のJPK(Japan Poker King)クラブが主催の、恐らく海外初となる日本人のみのポーカー・トーナメントが開催される予定だ。

リゾカジ・メンバーでもある大阪のゆうきさんから、「写真撮影をするので12時前にはエントリーを済ませておいて下さい」と言われていたので、時間厳守で11時半にはエントリー(8,800$)を済ませる。

参加者は全部で44名、ポーカー・スターズ専属の、美人女性プロのセリーナ・リンも出場するとのこと。
インマネは5位から。

優勝すれば、約14万$
準優勝には、約8万$の賞金が与えられる。

オープニングの挨拶では、ここまでの紆余曲折が脳裏に蘇ってきたのか、代表の感極まった声が印象的だった。

さて肝心のポーカーだが、ハンドがさっぱり……

じりじりと削られ、♠K、♠J が凄く良い手に思えてきて、プリフロで900点と大きめのレイズが入っているのに、何故かコールしてしまう。

フロップ、
♣K、♡T、♢9

トップヒット&ストレート・ドローとなる。
と、ここでオリジナルレイザーが3,500点を打ってくる。

ここでフォールドすべきだったのに、逆にオールインしてしまい、当然相手もオールイン、出てきたハンドは、♢K、♡K!

Qが出ればストレートで捲くれたが、そんなに都合良く出る筈もなく、30位前後で終了。

『今、自分のいるべき場所は、このポーカールームじゃなかったという訳だ。泣いても笑っても、今日がマカオの最終日。ちんたらとポーカーして、夜の11時位にバブルで飛んだらどうしょうもない。そう考えれば、早飛びしたお陰で自由な時間が出来た。幸い、軍資金も有る。よし、勝負だ!』

帝王式BJが炸裂し、8万$勝つ。

勝ち分をキャッシャーで現金に交換し、“リゾ”を楽しむ。

皇牌天下(エリートルーム)に向かう。

取り敢えず、ここのキャッシャーに1万円=991HK$でホールドしていた日本円の“人質”を解放する。

リゾカジ・メンバーに別れの挨拶をして、グランドリスボアに戻る。


■ 8月16日(火)

午前1時、グランドリスボアのJPKカップは最終局面を迎えていた。
美人女性プロのセリーナ・リンと大阪地区・最多タイトルホルダーのS氏とのヘッズアップだ!

このS氏は今回、リゾカジのプログラムにも参加しており、皇牌天下(エリートルーム)で、馴れないバカラのカードをぎこちない手付きで絞っている風景を何度か見かけたが、その時は小さく見えた背中が、ポーカールームでサングラスを掛け、ハンドをチラっと確認後、アクション(フォールド、コール、オールイン等)している様は実に板に付いており、その背中は大きく見えた。

『Sさん、貴方が今日いるべき場所はそこだった訳だ。カッコ良いよ! もうバカラなんかせず、ポーカー一本の方が貴方には向いているよ……』とエールを送った。

一方のセリーナ・リンは、ミニスカートから伸びた綺麗な脚を組み、括れたウェストを強調した服を着て、これはこれで大変絵になっていた。

肝心の勝負の行方としては、一旦はS氏の“K×(Kと何か)”対セリーナ・リンの“A×(Aと何か)”のオールイン対決でKが落ち、S氏が圧倒的に優勢となったが、その後、セリーナ・リンが巻き返し、途中、双方“A7”でチョップというのもあったが、最後に勝利の女神はセリーナ・リンに微笑み(S氏は最後までキングで勝負をかけたが、やはりエースは強かった)JPKカップの初代チャンピオンはセリーナ・リンとなった。

終了後、記念の写真撮影。

リオホテルの裏手にある、【音楽世界】という若者向けカラオケ・バーで、優勝したセリーナの奢りで関係者の打ち上げ会があるとのことで、タクシーに分乗し移動する。

今回の大会運営に協力してくれた、グランドリスボアのトーナメント・ディレクターも現れる。

狭い部屋に40人程が集まる。

セリーナ・リン登場!

代表の挨拶後、乾杯、じゃんけんゲーム、一気飲み等で、室内は異様な熱気と喧騒に包まれる。

けれども、その中で少しずつ醒めつつある自分を発見する。

『良いのか? これで良いのか? まだ出発まで6時間有るというのに、ここで朝まで馬鹿騒ぎをしていて……、いや、駄目だ。これでは一種の“勝ち逃げ”ではないか? 最後まで自分のスタイルを貫くべきだ。戻ろう、カジノに』

その時、関東からの参加者が何名か、「明日早いので、ホテルに帰ります」と関係者と握手して出口に向かうのが目に入る。

今だ! と思い、後に続く。
すぐにタクシーは拾えた。

「新葡京へ」

再びグランドリスボアに戻るが、BJで2万$負ける。

バカラを少しするが、チャラで終了。

ポーカー部門の収支が、JPKのトーナメントのエントリー費等の関係で、約1万2千$のマイナスとなっていることを思い出す。

『もうバカラとBJは予定終了。最後はポーカーで燃え尽きるとするか……』

再び上階のポーカールームに向かう。

さすがに、日本人の姿は疎らになっていた。
10-25のリングにマックス・バイインの5千$で参加する。

いつもよりアグレッシブに攻める。

序盤、♢J、♢8で参加。

フロップ、
♡T、♡8、♣8
トリップスとなる。

『おっ、これはラッキー!』

一人ベットしてくるが、当然コール。

ターン、
♡3

ハートが3枚となる。
『相手がハートのフラドロなら嫌だが、トリップスは降りられない……』

また打たれるが、泣く泣くコールする。

リバー、
♠J

『ジャック? うんジャックとは♪ やった! これでフルハウスに昇格した。もう相手がフラッシュでも無問題だ!』

またまた打たれるが、飛んで火にいる夏の虫とばかりにリレイズオールインする。


コミットしているので、当然相手もオールイン。
出てきたのは、まんまの、♡A、♡K!

香港人らしき相手は、当方の、♢J、♢8 を見て悶絶する。
ポットの約9千$を獲得する。

中盤、

プリフロで斜め向こうのインド人から10BBのレイズが入るが、♠A、♠4で参加する。

フロップ、
♠7、♡4、♠3

『おぉ、4がヒットし、しかもナッツ・フラッシュドロー、これは面白い』

ここでインド人から多めのベットが入るが、当然コール。

ターン、
♡A

『よしよし、2ペアになったぞ……』
と喜ぶのもつかぬ間、インド人がオールインして来る。

『うん? 相手がAA若しくはA7なら嫌だが、フラッシュドローもある。ここは勝負!』

チップ量は当方がカバーしているので、これを受ける。

リバー、
♠9

フラッシュが完成した。

相手のハンドは、予想通り、♣A、♢A!

インド人が当方の、♠A、♠4を見て天を仰ぐ。
(インド人もビックリ!)

先程とほぼ同じポットの約9千$を獲得する。

時計の針は午前8時を回った。

『もう朝だ。またまた、“朝だ徹夜”状態だな。何度かモンスターハンドも入ったが、警戒されて稼げない。あと一人、あと一人飛ばして終わりにしたい』

一般的には宜しくないとされる、コーリング・ステーション(何でもコール)状態となり、♡4、♣2で参加する。

フロップ、
♢T、♠5、♣3

ストレードのオープンエンド(Aでも6でも良い)ドローとなり、ややベットすると、ここまでタイトにプレイしていた、隣に座っている別のインド人からレイズが飛んで来る。

迷ったがコール。

ターン、
♡Q

ここで隣のインド人がオールインを宣言する。
オッズは合わないが、何故かドローを引ける気がしてコール。

リバー、
♠A

これを見て、インド人がガッツポーズをしながらハンドをテーブル上に叩きつける!

♣A、♣Q、だった。

ディーラーに向かい、そっと当方のハンドをオープンする。

当方のハンドを見、ストレートを確認すると、インド人の口から何やらヒンズー語の嘆きの声が聞こえてきた。
(インド人、またまたビックリ!)

今回獲得したポットの約8千$と合わせて、トータルのチップ量が約1万7千$となる。

この後、ディーラー・ボタンがもう一度回ってくるまで5ゲーム参加し、5$、10$の小額チップを整理する為にベットするが、警戒され誰も乗ってこない。

時計を見る。
午前8時半、タイムリミットだ。

ディーラーに向かい、プレイの終了を告げる。
テーブルの各プレイヤー達から安どの声が漏れる。

『さらば、新葡京のポーカールームよ。今回、トーナメントに関しては、“ドラゴンへの道”は遠かったが、一番レートの低いリングでは、故ブルース・リーと同じ“小龍”の一匹には成れたかな……』

結局、ポーカーに関してはトーナメントの参加費をリングでカバーした格好となった。

カジノ内の両替所で、1万円=1,015HK$で勝ち分の大半を日本円に戻す。
(カジノ外の街の両替所だと、1万円=1,014HK$だったが、差が1$だと許容範囲)

リスボアの皇牌天下(エリートルーム)に戻り、またまたサンドウィッチとコーヒー、それとハイネケンを頼む。

このような拠点がマカオにあることは、正直いって有難い。

いつの日か、レッド・ドラゴンで上位にインマネでもした時には、サンドウィッチとビール分くらいは寄付することにしよう。

同じく、10時半発の香港空港行き直行フェリーに乗り込む予定のリゾカジ・メンバー3人とクルマで一緒になる。

フェリーに乗り込む直前に携帯が鳴る。

ジャクソンからだった。

「あぁー、ミスター××、ポーカー・トーナメントの結果はどうだった?」

「ノーグッドだったよ……」と当方。

「そうか……、それから、ワン・サウザンドだけど、ボスと色々あって、ちょっと今回は渡せなかったけど、ネクストタイムには必ず返すから……」

「OK、それじゃ、そろそろフェリーが出るので、再見!」と当方。

電話を切り、考える。

『自分からジャクソンに連絡はしない。けれど、狭いマカオのことだ。またいつか会うだろう。その時は、その時だけは、いつもの“オールバンカー”戦法じゃなく、ジャクソンの言う通りにベットしてみよう。何故なら奴もこのマカオで30年も死なずに生き残っている海千山千のジャンケッターだ。 バカラの神様の気紛れで、その予想が当たるかも知れないじゃないか?』

マカオでは何が起こるか分からない。
分からないからマカオは面白い。

(完)




*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。




リスボア/グランドリスボア Hotel Risboa/Grand Lisboa


このReportへのコメント(全 2件)

2011/09/06(Tue) 18:30

なおさん

マカオの帝王様、

いつもありがとうございます。
ポーカーの雰囲気をしっかり感じ取ることができました。
読んでいるだけで自分がやっているような感覚になります
ね。ほぼ幻覚症状かもしれません。笑。

実は先週末に香港に言った際に、遊びのカジノチップを
100枚ほど購入してきました。1枚1HKDですけど、なかなか
雰囲気があります。大きさも重さもほぼ同じです。
これで、日々練習をしています。

実際にカジノにいくとカジノチップの色、金額が眼に入り
ますので冷静さをうしないかねません。そのためのマイン
ドコントロールの練習をしています。

今週末に一度、グランドリスボアを覗いてきます。
空きがあればいいのですけどね。
楽しんできます。


2011/09/06(Tue) 22:07

マカオの帝王

なおさん、こんばんは!

ポーカー(テキサス・ホールデム)の楽しさはノーリミット(=無限)です。

何時間も、小額チップ(50$)をやりとりしていたのが、一瞬で5千$のオールイン勝負になるところがテキサス・ホールデムの醍醐味です。

空きが無くとも、ウェイティングのリストに載せてもらえば、少し待てばリングに参加は出来ます。

頑張って授業料を稼いで来てください。


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