リゾカジ カジノレポート

シンガポールで死んだDOLL!

* シンガポール 2012/ 07/ 28 Written by いやはや

コメント( 8)

こんにちは。
今回7月12~16日までシンガポールに行って来ました。

残念ながら、ちょうどこの時に開催されたオフ会には参加出来ませんでしたが
(ことの詳細は掲示板の『ああ幻のオフ会』にてご参照下さいませ。)
今回の旅のレポートを書きたいと思います。

P.S madamada様
掲示板へのコメントありがとうございました。
直前ということもあり、返事ができないまま出発になり大変失礼しました。


そもそも今回は、最近韓流ドラマにはまっている母が「韓国に行きたい」と言い出し
それならば、と計画したことから始まりました。
ところが急遽一緒に行くことになった私の娘の一言で、一晩のうちに行き先が
韓国からシンガポールになり、予定していた日程まで、軽く一週間を切った状態で
全てを手配しなければならなく、大変でした。

ホテルの予約はそれほど心配してはいませんでした。
割とホテルにはこだわる方ですが、いざとなればメンバーポイントも貯まって
会員グレードもつい最近アップされたHYATTにねじ込んでもらえば大丈夫です。
しかも、今年初めの滞在でトラブルがあり、シンガポールのHYATTには
ちょっとした貸しもあり、帰国早々責任者から謝罪のメールと、
「今後いかなる状態でも希望日に部屋を確保する」
と約束してくれていたので心配いりません。
ただ、そう言われると何だか無理も言いづらい気もしますが・・。^^);


問題はエアーです。

無い。・・・

無い。

三連休に架かったフライト。しかも関空からの直行便は限られています。
行きは何とか取れそうですが、帰りが一日、二日ずらしても満席です。
いつもなら(私一人なら)、チケットが取れる日で帰ればいいや・・で済むのですが
今回は、娘の大学の火曜日(17日)の授業はどうしても外せないということで
仕方なく、乗り継ぎ便のジェットスター航空を選択。
初めての海外で、それなりの待遇で母を連れて行きたかったのですが、仕方ありません。
行きはまだしも、帰りが現地を午前1:15のフライトなので
高齢の母には少しキツイかな・・と思ったのですが、快く承諾。
火曜日の朝、関空に着くからその後何時のバスがあるか下調べをするように娘にも連絡。
(娘は大阪の某国立大学なので、ギリギリ間に合うとのことでした)


結局ホテルも最初の三泊をCAPELLA(セントーサ島内)のヴィラ、最後の一泊は
娘のたっての希望でMBSのスイート。
エアー代がかなり安く上がったのと、母の初めて旅行ということもあり
思い切って贅沢しました。

何とか準備は整いました。

さあ、あとはいかに、ウチの母親に私がカジノ常連者と悟られずに
カジノに出動するかを考えるだけです。


 出発前日

夜遅くになって母からの電話です。

『仲良くしてもらってる○○さんの御主人がさっき亡くなったらしいのよ・・私行けないわ・・』

当たり前と言えばそうだが、昔人間の母は友人の不幸を見過ごせないらしく、
翌日のお通夜、その後の葬儀にも出ると言っている。

『わかった。じゃあ今回は全員見送ってまた次の機会に・・』

と私が言い出すと

『せっかくお金も払ってあるし、キャンセル料ももったいないから』

こういうところも昔人間です。
結局、娘と二人で行くように説得され、今回は甘えることにしました。

○○様、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。


 出発当日

関空で娘と合流。
昨晩の決定がかなりの深夜だったので娘はまだ何も知らされていません。
私を見るやいなや

『あれ、おばあちゃんは?』

当然の質問が飛んできたので、昨晩の出来事を娘に説明。
さすがに娘も落ち込んだ様子でしたが、すかさず携帯を取り出し

『おばあちゃん、・・せっかく楽しみにしてたのに・・』

今にも泣きそうな声で電話してました。
でも、最後の方は逆に励まされたようで

『うん、うん・・わかった。じゃあ、おばあちゃんの分も楽しんで来るから。
写真一杯撮って帰るからね。お土産楽しみにしててね!』

元気な声で返事を返していた。


『そろそろチェックインするか』

と娘に声をかけ、今回のエアー便ジェットスターのカウンターに向かおうとすると

『おばあちゃん、本当は行きたかっただろうね・・。
昨日のお昼、私と話した時も本当に嬉しそうだったんだよ・・。』

そう言いながら、また悲しそうに下を向いていた。
(なんだ・・コイツ、さっき電話で元気そうに返事してたけど、本当はそうじゃなかったのか・・)
最後に孫娘を気遣って励ます私の母、そんな祖母の気持ちを察して賢明に明るく振舞った私の娘。
少し胸の奥が熱くなり、言い様もない温かい気持ちに包まれました。

と思った次の瞬間、

『あ!おばあちゃんがね、パパにお金渡してあるから、何でも好きな物買ってもらいなさい、って!』

いつものテンション、いつもの声。

「やっぱりお前は小悪魔じゃあ!俺の幸せ返せぇ!!」

心の中で叫んだとデス。



ここで今回お世話になったジェットスターについて・・。
「格安」を売りにする航空機に対し、逆に少し偏見を持っていました。
しかも今回は乗り継ぎ便。正直、最悪を予想して乗りましたが・・
あくまでも私見ですが、あの値段でこのパフォーマンスなら全然問題なし・・というか
それ以上だったと満足しました。
200円上乗せすると、座席間の足元の広い席を選択出来るのですが、これがまたGOOD!
本当に広くて快適です。シートも革張りで落ち着く感じでした。
予約の際も、行き、帰り、それぞれ希望日の前後数日分のチケットの値段が表示されるので
格安で計画をされたい方には、色々組合せることも出来、本当にお勧めです。
今回に関しては、台北での乗り継ぎ時間も 行き:1時間半  帰り:1時間 と
全然苦になりませんでした。
少しだけ注文を付けるとすれば、シートが倒せないこと。
7時間、8時間以上のフライトだと少しキツイかもしれませんね。




そんなこんなで、20時40分、無事シンガポールに到着。
まずはタクシーを拾って、ホテルにチェックインしに行きます。
ところが、空港を出てすぐに「あっ、」と声をあげてしまいました。

小銭を作ってません・・タクシー代、晩飯代・・
空港の両替所で必要分だけ換えるつもりが、寝起きのせいで忘れてしまいました。
カードもありますが、何だか落ち着きません。

『ホテルに着くまでにどこかレートの良い両替所に寄ってくれないか?』

『マネー ノ シュルイハ?』

『日本円だよ』

『ジャパニーズ? ・・・・ OK』

運転手は左手の親指をクイっと立て、バックミラー越しに答えると
スピードを上げます。
しばらく走ると・・ある細い通りで車が停まります。
運転手がで指している方向に目を向けると小さい檻が見えました。
香港映画の悪役が隠れ家に使ってそうな通りです。

(何とも・・シンガポールにもまだこんな場所があるのか・・)
(確か、今朝の為替レートは0.0159くらいだったから・・こんな場所だし
きっと地元有利の換金率だろうな。・・今日明日使う分だけあればいいし・・)
しばしタクシーを待たせて、両替するのを1万円にするか2万円にするか・・
そんなことを考えながら檻の前に向かいました。
中にいる小汚いランニング姿の親父に、諭吉を1枚広げてみせると
何も言わず慣れた手つきで電卓をパパパーンと叩き、くわえ煙草をしたままこちらに電卓を見せました。

{0.0157}

ん?
私も何も言わず、確かめるようにその盤面の数字を指差すと、煙草が上下に動きました。
諭吉は20人出ていました。
一言の会話もなく両替が終わり、タクシーに戻ると私は運転手の肩を軽くポンポンと叩き
お礼の意を伝えました。

『(レート)どうだった?』

と娘に聞かれたので、親指をクイっと立てると娘も運転手も笑っていました。

madamadaさんのレポートを参考に、ARCADEの両替所を訪れて
軍資金を確保した後、カジノは明日以降の参戦と決めていました。
ところが思いがけない数字につい・・しかしその数字が決して悪くない確信はありました。
軍資金というには、全然足りませんがSGDも十分確保。
災い転じて・・私だけが得した気分でホテルへ向かいます。


チェックインを済ませひと休みした後、食事に出かけました。
娘は、ホテルの部屋に入るや否や

『今日は何かルームサービスでも取って部屋で食べよう』

と言いましたが、せっかく得した気分のSGDもあったので
二人ともお気に入りの ラオ・パサ・マーケット へ行くことに。
チリクラブ、フカヒレ、エビ、等・・シーフードを満喫。
しめて86SGDなり。



 二日目

母が来れなくなったせいで、当初計画していた今回の旅行の予定は振り出しになり、
とは言っても、まだ何も考えてなかったのでゆっくり寝ていると

『朝ご飯食べに行こう』

と、早くに娘に起こされました。
旅行に来た時は、いつもなら朝はゆっくりして部屋でコーヒーか、
日本より持参のオニオンスープ(淡路島産)で済ませ
外に出てからブランチというパターンが多いのですが、
今朝は娘は早くから起きていたようで、もうシャワーまで浴びて準備万全です。

昨晩、彼女がルームサービスを希望したのもそうですが
今回宿泊している CAPRLLA HOTEL 、本当に素晴らしいホテルで
この私でさえホテルでのリゾートを満喫したくなるようなところなのです。
しかも母が来るということで、今回は一軒ずつが離れになったヴィラタイプを取っており
広いリビングルーム、大きな洗面台が二つある女性が喜びそうなバスルーム。
バスルームを出たところににも屋外のシャワーと、浴槽。
バルコニーにはプライベートプールとサンベッド、食事や読書が出来そうなテーブル・・など。
南国ならでは、雑誌などでよく見かける海を覗くリゾートルームです。
下調べも済ませてあるようで

『レストランの前にのプールがあって、海を観ながら外で食べられてね・・
とにかく雰囲気があっていいみたいだし・・。もう、早く着替えてよ』

ああ・・・。完全に乗っ取られました。笑
この先、この小悪魔のペースになることは間違いありません・・。

フロントに電話を入れると、ほどなくして玄関まで電動カートが迎えに来てくれました。
それに乗せてもらい森の中を散策するように抜けていき、レストランへ。
正直、朝食のバイキングのメニューとしてはあまり多くありませんが
すぐ近くに孔雀がいたり、プール脇では色鮮やかな小鳥が水浴びに来ていたり
開放感があって雰囲気も眺めも文句なしでした。
何より無料だったので・・。笑

帰りは散歩がてら、広い敷地の森の歩道を部屋まで歩きました。

『こんな雰囲気いいね。次もまたここにしよう』
『セレブの人達って、こういう静かな処でゆっくりとバカンスを過ごすんだろうね。』
『おばあちゃんも来てたら喜んだのにね~。』

テンション上がってるせいか、いつもに増して喋りっぱなしでした。
どうやら今回はこのホテルの中で過ごす時間が多くなりそうです。

食事中にコンシェルジュの方が、ゴルフでも・・と案内してくれたのですが
まだ実質一日目、カジノの調子が悪かったらその時は気分転換にと思い
今日からの勝負のことをあれこれ妄想してました。

部屋に戻りまだ、まだ入れたままの衣類をケースから取り出して整理していると

『出かけないの?』

と聞かれ、
(そりゃあ、まあ・・行きたい気持ちは山々だけど。
ばあちゃんがいないからって、そこまで気を遣わなくても・・
昼から飯でも食って・・プールとかで泳ぎたいなら付き合ってやろ・・・)

『天気好いし、ユニバ行こうよ!』

はいはい・・完全にスイッチ入ってました。

日本のユニバーサルでさえ行ったことのない私ですが、シンガポールでは今回で二回目です。
今年明けに二人で来た時、一人徹夜でプレーしたあとに連れて来られ
全く待たずに、赤と青、二種類のジェットコースターに乗り
その後、吐きそうになったことを思い出しながらチケットを買っていると

『今回はアレ乗らなくてもいいから。(笑)』

と、見透かされていました。
(別に怖かった訳じゃないわ。一睡もせずあんなものに乗ったから・・)
言い訳するようだったので言いはしませんでした。

あまり詳しくないので分かりませんが、エジプトコーナーみたいな入口に行き
暗闇の中を、またしてもジェットコースターらしきものに。
でも、前回の「赤と青」に比べたら大したことありません。
余裕です!

『ハハハ!まあまあ、面白かったな!』

出口にあるお土産売り場で何やら買っている様子だったので先に外に出て、
後から出てきた娘に言ってやりました!
このユニバーサルで初めて主導権を取れた気分でした。
娘は袋から何やら取り出し

『そうみたいだね~』

と言いながら、周りがキレイにデザインされたプラスチックの板を渡しました。
ふと見ると、真ん中に写真があります。
一番前に笑顔の娘、その横で顔が引きつって目を閉じてるオジサン・・。

その後も連れていかれるがままです。
でも、そんなオジサンでもテーマパークは楽しいものです。
私が一番気に入ったのは、「ロストワールド」の乗り物でした。
娘曰く、日本のそれとは若干違うらしいのですが、私はここしか知らないので。
思いっきり水もかぶりましたが、本当に楽しかったです。
乗り物らしきモノは、二回の来場でほぼ全て制覇。
二人で大笑いしながら、娘の友達用のお土産もしっかり買わされ
近いのでホテルに一度帰りました。

しばらく休憩した後、今回どうしてもやりたがっていた メガジップ へ。
初日から彼女のエンジン全開のようです。
これは、以前友人と来た際に私は経験していました。
その時の写真や、その後テレビでも放送されたのを観て彼女は楽しみにしていたのですが
前回はたまたま長期メンテナンスで、乗ることが出来ず悔しがっていました。

どうせなら、ということで、一度ハーバーフロントまで出て
モールで軽く食事をして、ケーブルカーに乗って
眼下に港や、客船、RWSを見下ろしながら再びセントーサに。

たまたま通りかかったカートに乗せてもらい受付まで行き
いつものごとく食い込むほどに安全具を取り付けて、いざ!
いやぁ、楽しいです。やっと念願を果たした娘も満足そうでした。

やや日もくれてきたところで、中宝さんお薦めのリュージュは、
また明日の楽しみに置いておこうということになり、
娘の今回の旅の目的の一つでもあった買い物へ行くことにしました。
とりあえずオーチャードへ。

いつものことですが、まあ・・長い長い。
ちょうどバーゲンシーズン、どの店も多い多い・・。
途中、店の外に出て喫煙所で時間潰しながら、支払いの時だけ電話で呼んでもらい
私がレジへ向かう・・この繰り返しを何軒かやりながら
大きな紙袋三つ分、しっかり買わされました。
この日は服ばかりを買ったのですが、金額的には全然大したことありませんでした。
質より量。服に関してはそのようです。

そのあと、最終日に買ってもらうから・・と、自分の誕生日プレゼント用のヴィトンのバッグやら
母親に頼まれたからと(俺は何も聞いてないぞ・・#)
財布やバッグの品定めをしに何軒かショップを廻らされ
時間が20時を過ぎていたので、食事をすることに。

『じゃあ・・サンズ行こうか』

私なりの思惑もあり、MBSへ。
以前二人で来たこともある、ショッピングセンター内にあるピザの美味しい店へ。
生ハムなども頂き、満足した時点で22時。

『せっかく来たことだし、ちょっと寄って行こう』

とカジノの方を指差すと、

『あれ?パパ。カジノ、サイトで教えてもらった両替所で両替してから行く・・って言ってなかった?』

『あっ・・』

今日は朝からフル稼働ですっかり忘れてたことに気付きます・・。
で、時間はすでにこんな時間。
場所もはっきり分からないので行ってから探そうと思っていたので・・。
でも、この時間じゃ動きにくいし、おまけにこの荷物・・。

『お金(SGD)、ないの?』

『昨日両替したのが、2000ちょっとはあるけど・・』

『じゃあ今日はそれだけでいいじゃない』

たったこれだけで・・。ええ・・。
仕方ありません。
今夜は「挨拶だけ」ということで、クロークに紙袋を預け入ります。

エスカレーターを降りてすぐのところにあるBJ台で、min50SGDの台に着席。
手持ちも気持ちも不十分なまま、今回の旅の勝負、スタートです。

しかしながら、何故か好調です。

1ゲーム目 勝ち
自 20(絵+絵)
親 17(T+7)

2ゲーム目 勝ち
自 21(BJ)
親 8(1枚)

10ゲームほどして、八割ほどの勝率。
それを見ていた中国人らしき男性が礼儀良く入ってもいいか尋ねてきたので

『どうぞ』

と手で返事を返し、私とその方と2boxプレー再開。
BSを基本にプレーしてくれたので、気分良くプレーしていたのだが
途中、またまた中国人女性が登場。
断りを入れることもなく、私とその人の間のboxに入ってきた。
「ま、いいか・・」
と、三人、3boxでまたまたプレー開始。

先ほど二人になってからは、取ったり取られたり五分の勝率だったのが
少し図々しいこの女性が、入ったおかげでまた好調になってきた。
1stのエリアでプレーする私、真ん中に入ってきた女性、ラストboxでプレーする男性
それぞれ1boxずつ、私は絶好調である。
ダブルもよく決まり、いつの間にか手持ちは4500を超えていた。
「こちらの挨拶だけのつもりが、カジノ側も挨拶返してくれてるな・・」
と、気分良くプレーしていると

『ねえ、この場所寒いんだけど・・』

と、黙って見ていた娘が言ってくるので、ノースーリーブの彼女に

『今、調子いいからもうちょっと待て。』

と、私がきていた夏物のジャケットを渡す。

『カジノに行く時は夏でも上着を持って来いって言ってるだろ』

『だって・・行くって思ってなかったし。』

少し不機嫌そうだったが、今、調子がいい私にはそんな事はどうでも良かった。
プレーを続ける。
途中、調子の良い私のboxに自分のboxはそのままで二人が便乗してくる。
勝つ、勝つ。
自分の手が悪く、親が19、20でも三枚目、四枚目で20、21に成り上がっていく。
他の二人も本線は調子悪いのだが、私の便乗分で負けてない。

『調子良すぎだね。』

とジャケットを羽織った娘も言ってくる。
まあ、たまには・・。

手持ちが5000を超えた頃、さすがに本線の調子が悪すぎる真ん中の女性が
2box変えてプレーしようとした。
するとラストの男性が、文句を言ってる。
どうやら、「自分の本線が調子悪くても、私へのバックベットで負けてないんだから
自分の本線を少なめにして、私のバックベットを増やせばいいじゃないか・・
今、box数を変えたらおかしくなるかもしれないだろ・・」
みたいなことを言ってるようだ。
自分のチップを目の前に少し置いた後、私の目の前にその倍位置いて説明していたので
多分そんな内容なのは、間違いない。
現に、ラストの彼はそうやってチップをかなり増やしていた。
ディーラーの女性もゲームをストップして、時折私達の方を見て笑顔を見せては
二人のその様子を見ていた。

結局真ん中の女性は、男性のアドバイスを聞き入れず
2boxにしてプレーを再開。
男性は私の方を見ながら首を横に振り、呆れた表情。
私は「好きにさせたらいいよ」と返した。
彼は相変わらず、本線少なめに私の方に多めに便乗してきたが、
彼女は、自分の2boxのみで勝負。

結果、私はBJ、彼女は2boxともバースト、彼は本線をサレンダー。
親は20。
私も充分思い知らされているが、運が無い時は何をやっても無駄である。
私と彼は目で「だから言わんこっちゃない・・」と言うような合図を交わし
それぞれの配当を受け取った。
チップはまだ手元にあるにも関わらず、彼女は財布から徐にお金を出しチップを追加した。
「ああ、やられるパターンの典型だな・・」
と思いながら、プレーしようとすると彼女は今度は3boxに。
そのゲームはディーラー1枚目「5」から成り上がって21に。全員負け。

気を取り直して次のゲーム。
親の1枚目「6」に対し、私は「3」+「8」、当然のようにダブル。
3枚目「5」、計16に。
親の2枚目「A」負け。彼女は3boxとも初勝利。

次のゲーム。
親の1枚目「T」に対し、私は「T」+「9」、計19
親の2枚目「2」、3枚目「9」・・21
彼女は3boxとも降りていた。

次のゲーム
私はバースト、いつの間にか彼女は1boxにして勝利。

次、私18、彼女はいつの間にか2boxにして一つバースト、一つ20。
親は19・・

どうもいけない・・。
box数を変えるのはいいが、そう毎ゲームごとにやられると流れが全く読めない。
粘ってはみたが、いつの間にか手持ちのチップは4000を切っていました。

『帰ろ』

娘の一言で、ふと我に返り時計を見ると午前1時。
テーブルを代えて・・とも思ったのですが今日はもともと「挨拶だけ」のはず、
そう思いホテルに帰ることにしました。
帰りのタクシーの中で眠いせいか、いつもの毒舌が飛んできません。

『どした?』

『ん・・ちょっと寒かったせいか体が重い。』

部屋に戻り、念のために持参してきた風邪薬を飲ませると
娘はそのまま倒れこむようにベッドに入って行きました。
(まあ、今日は一日中外で遊んだし、買い物もしたし、満足して疲れたんだろ・・
まだまだ子供だな)と昔、会社の旅行で、一度だけディズニーに連れて行った際
上の兄があれこれ乗り物に乗っているのに対し、身長制限で乗れなくて
ダダをこねてた頃のことを思い出していました。
あの頃も今も寝顔だけは同じです。

私はシャワーを浴び、今日の反省をしながら、勝ち分を計算。
1800。まあ挨拶だけの初日にしては上出来です。
テレビでNHKの放送を見て、ベッドに入ったのが2時半。
(明日ARCADE行かなければな・・。リュージュ何時に行こうかな・・)
などと考えてる間にいつしか寝ていました。


三日目


昨夜久々に右脳を刺激したせいか、午前4時過ぎに目が覚めます。
先月ソウルの7LUCKで、プレーをしてからわずか一ヶ月余り・・
すでに久しぶりという感覚になるので、ギャンブル中毒はは怖いです。
そうでなくても、勝負した日はなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなったりするのですが
久々の勝負で二時間弱の睡眠でも目が冴えています。

ふと娘の様子が気になりベッドを覗くと、何だか息苦しそうな寝息をしています。
そっと額に手を当ててみると、かなりの高熱です。
体温計で計ってなくとも、優に38度を超えているのはわかります。
ふと、昨晩のカジノで寒がっていた場面を思い出し、半分無視してプレーしていた自分を責めます。
(マズイ・・どうしよう・・)
旅行に来て彼女がこうなったのは初めてのことで、ついうろたえてしまいます・・・。

(とにかく、まず熱を下げないと・・)
洗面所に行き、備付のハンドタオルを3枚ほど水で濡らし、その1枚を彼女のオデコに乗せ
残りを冷蔵庫で冷やします。
私自身も小さい頃は喘息持ちで、大人になっても疲れが溜まり過ぎると
気管支や扁桃腺がよく腫れて熱を出すことがあるので、
旅行の際は風邪薬だけでも三種類くらいは常備しています。
昨夜、寝る前に風邪の総合薬は飲ませたのですが、どうやら効いてないようです。
15分ほどすると、表も裏もひっくり返したタオルは熱くなっており
冷蔵庫で冷やしたタオルと交換、・・あとは30分おきくらいにそれを繰り返しました。
娘も途中で何度か目を開けましたが、私の顔を確認するとまた眠りにつく・・の繰り返しです。

ふと時計を見ると朝の9時前。

『のど、イタ・・い・・』

と言いながら重そうに体を起こしてきました。
私は自分の額に手を当てながら娘のベッドに近づいていき、その手を彼女のオデコに当て

『やれやれ・・』

と思わず安堵の声。

『下がった?』

と、寝起きなのか喉の痛みのせいか、少しかすれた声で聞いてきた娘に軽く頷いてあげました。

『もしかして寝てないの?・・』

と聞いてきたので

『・・いや、タオルを何回か換えた時に起きただけ。寝たよ』

何故か素直になれませんでした。
というか、自分のせいでこうなってしまった罪悪感、親としての使命もありました。
普段は離れて生活しているせいか、また熱が下がった安堵感もあり、
初めての看病が出来たことも少し嬉しく思っていました。
冷蔵庫の中から、果樹100%のオレンジジュースを渡すと、一気に飲み干し
ようやくベッドから出てきました。

『最近、疲れたら扁桃腺が腫れるんだ・・。』

似なくて良いとこが似るのも親子です。

朝食を軽く済ませ部屋に帰る途中、他の部屋の前で出くわしたハウスキーパーの男の子が
「何時に掃除に伺いましょうか?」と聞いてきたので「今日は連絡するまでいいよ」
と伝え、その代わりに昨日の娘の容体を言って、「念の為に体温計を貸してくれ」と頼むと
部屋に着いてすぐ、日本人の女性アシスタントのFさんが部屋に電話を下さいました。
この方、ただ日本語が出来るアシスタントではないことは、電話の応対ですぐにわかりました。
事情を説明すると、30分ほどで体温計と購入したての薬を届けてくれました。

『お薬の方は、本来ならドクターが処方して下さる物が一番良いのでしょうが、
私どもの方で緊急用をご用意しました。この薬である程度の熱と痛みは解消出来ると思います。
万が一の為に、病院もいつでも行ける手配をしております。
必要であればいつでもお申し付け下さい。』

万全を期してくれ、本当に感謝です。
この日は結局、お昼前頃になりまた熱が出てきたので大事を取って外出はせず、
お昼もFさんの手配で、食べやすいクラブサンドイッチを部屋でたべました。
気を遣って、デザート用にとチーズケーキも用意してくれました。

夕方、用意してくれた薬の効き目は抜群で、完全に平熱に戻り、喉の痛みもすっかり取れ
元気を取り戻した娘は、もてあましているようで

『もう大丈夫だから、どこか出かけようよ!』
『せっかく来たのに、時間もったいない』
『今日もし調子悪くなってもパパのせいになんかしないから(笑)』

機関銃のように浴びせます。
一方私は、昨晩ほとんど寝てないせいで、眠たくて動きたくありません。
寝たふりをしようが体をゆすってきて容赦ありません・・。

結果・・
フロントに電話してタクシーを呼んでもらいました。
(Fさん、やっぱりコイツには熱も痛みも増す薬で良かったかも・・泣)

この夜、例のヴィトンのバッグを買わされ、母親(妻)に頼まれたと言うバッグも買わされ
食事をしていると、私の眠気の方が限界に・・・。
またまたARCADEに行くこともなく、そのまま部屋に直帰。
21時頃には倒れこむようにベッドに入った私でした・・。

俺の一日返せ・・。



その夜

あんなに眠くて、ホテルに帰ると同時に寝た私ですが、午前0時過ぎに目が覚めます。
昨日は右脳も左脳も使ってないのに・・
これが本能です。
海外では・・いや、カジノモードに入ると、体が日本ではあり得ないような反応をします。

いやあ・・思い起こせば、今日はさんざんな一日でした。
(シンガポールに来て明日で早や四日目になるのか・・)
しかし、プレー時間はまだ三時間ほどです・・。
(あり得ない、こんなのイケない、プレーしないと・・)

隣で気持ち良さそうに寝ている我が娘・・
(今だ。今しかない。コイツといると明日は明日の風は吹かない・・コイツの風が吹くからな・・)
そう思うと、もう・・いてもたってもいられません。
リビングルームに行って、娘を起こさないようそっと着替えて用意します。
ふと、何も置いていなかったテーブルの真ん中に白い紙が置いてあります。
(何だ?)
近づいて手に取って見ます。

{朝までには帰ってきてネ。}

娘の字です。
ベッドルームを振り返りながら、静かにドアを開け出て行きました。
昨夜の買い物は全てカード払いにしたので、手持ちのSGDは4000弱。
歩いていくことも出来るのですが、たまたまホテルを出たところでタクシーが停まったので
乗り込んでRWSへ。

(そう言えば何時間か前までオフ会やってたんだな・・ひょっとしたら皆さんに会えるかな・・)
などと考えながら入場。
しかし、エスカレーターを上がって勝負するほどの手持ちがないので
仕方なく明るいフロアを抜け何故か暗くしてある喫煙ルームへ。
ポンツーンしかありませんが、1時前、今回やっと二回目の勝負開始です。

ここのカジノでは勝率は低いのですが、大勝したこともあり、トータルはプラスです。
しかし、手持ちを考えまずはmin25SGDの台から。

このカジノでの私なりの戦法があります。
流れが悪い時は即移動です。
カードの流れが一度悪くなると、永久に戻って来ないのが特徴です。(そう思うようにしてます。)
逆に、一度流れに乗ると長く続く時もあるような気がします。

流れを待つのではなく、流れを探しに行きます。
マカオやソウルでは台数が少なく出来ない戦法ですが、
ここシンガポールでは可能です。三連敗、三連勝を目安にさまよい歩きます。

じりじりと削られながらも粘ること1時間、ヒットです。
長い時には、八連勝という時もありました。その台で落ち着きかけた頃
携帯が振動しています。(誰だろ・・)
ディーラーと1対1の勝負だったので、しばし待ってもらい席を外し電話に出ると

『この部屋のエアコン調整、どこでするの?』

娘からです。
ベッド脇の引き出しを開けてモニターでやることを説明すると

『寒くなって目が覚めて、今熱計ったら39度超えてる・・薬が切れたせいか扁桃腺が痛い・・』

ええ・・。
だからおとなしく寝とけば良かったのに・・。
などと言葉が出ようとした瞬間、

『薬あるし一人で大丈夫、カジノしてていいよ・・』

『わかった。でもユニバの下にいるし、すぐ帰れるから何かあったらすぐ電話してこい』

と言い電話を切ります。
(39度?・・でも用意してくれたあの薬、即効性はあるみたいだし・・大丈夫だろ。)
そう考え、台に戻ります。
すでにフィリピンの若いカップルが席に着き、私のいた台のカードは流れていました。
案の定、さっきまでの流れがもうなくなってしまいました。

また流れの良い台探しです。
禁煙ルームにも足を伸ばします。
一時間ほど何台か渡り歩いていると、また携帯が振動します。
嫌な予感・・電話に出ようとすると電源が切れていました。
慌てて電源を入れなおすと、充電のマークが・・。
電話がかかってきたのではなく、バッテリーが無くなり電源が自動で落ちる時の合図でした。

(な~んだ、何かあったのかと思った。ただのバッテリー切れか・・)
ホッとして、台探しを続行しようと思い、次の台に行こうとした時、

(・・ということは、○○と連絡が取れないってことじゃないか・・)
さらに
(ひょっとして、さっきのは電話をかけてきた瞬間、バッテリー切れで電源落ちたのかも・・)

急に不安が圧し掛かってきます。
違う流れを探し当てました・・。もうゲームどころじゃありません。

退却です。


あれから一時間ちょっと経過してます・・。不安がよぎります・・。


『あれ、もう負けちゃったの?あの薬ほんとに好く効くよ!
一時間くらい経ってもう37度切ってるし、喉の痛みもだいぶ治まった。
今、何だか熱いくらいで・・冷蔵庫のジュース飲んでたとこ。
ちゃんと寝る前に薬飲んでおけば良かった。』

リビングのソファーに座りながら出迎える娘・・小悪魔・・・いや大悪魔です。
でも何事も無かったので、一安心です。

が・・その時、ふと、腑に落ちないことが・・。

昨晩、寝る前にバッテリーのメモリーが一つしかなかったので
確かに携帯を充電器に差し込んで寝たはず・・。
(起きるまでに三時間ほど充電していた訳だから充分なはず・・
なぜ、こうも早く切れたんだろ・・)


充電器に目を向けると、(同じメーカーなので共同使用)娘の携帯がセットされてます。

『お前さ、携帯いつから充電してるの?』

『う~んと、確かパパが寝てすぐかな。私のを先にしようと思って、パパの一旦抜いたよ。
もう私のは充電出来てるから、パパ使う?』

『・・・・。』

俺の充電返せ・・。



 
 四日目


朝、コントローラーでカーテンが開く音と共に娘に起こされます。

『今日は天気いいよ!』

だから、何やねん・・俺は目覚め悪い・・。

朝方帰ってきて、寝つきも悪く、寝起きも最悪です。

『今日はチェックアウトあるし、早めに行動しないと。早く起きて!』

そうでした。今朝まで三泊お世話になったこの capella とも今日でお別れです。
この三日間、多分、いや間違いなく、私のホテルでの滞在時間の記録を塗り替えたホテルでした。
ま・・理由は・・考えないことにします・・。

『熱は?痛みは?』

と聞きましたが、テンションでそれは分かっていました。
ただ、昨日みたいになると困るからと、欠かさず薬を飲むように念押ししました。
連泊したホテルの中で、毎朝朝食をちゃんと取ったのも初めてでした。
相変わらず眺めの良い中で朝食を取っていると

『○○様、おはようございます。その後、娘さんの体調はいかがですか?』

とアシスタントのFさん。
横にいた娘と一緒にお礼を言って、薬が切れると熱が出る可能性はあるが
日本に帰るまでは何とか薬に頼りながら、旅行を続けることを言うと

『もし、旅行中に困ったことがありましたら、何なりとお申し付け下さい。』

そう言って、名刺と万が一の時の病院の住所、電話番号などのメモを頂きました。
連絡することはないにしても、本当に心強く感じます。
フロントでチェックアウトの時も見送ってくれました。

必ずまた来ますね。ありがとうございました。


タクシーに乗り MBS へ。

娘のたっての希望で、最後はここにしましたが、私としてはもう一泊・・
CAPELLA・・Fさん綺麗だったしな・・。


そうこう思いながら、チェックインの手続きを済ませ、部屋へ。

『うわあ・・。』

入った瞬間、ここでも娘の声です。
やはり、「日本人が泊まりたい海外のホテル」NO1に選ばれたホテルです。
ここはここで素晴らしいです。しかも今回はスイート・・母のおかげです。
フラトンやエスプラネード等を望む景色も文句なしです。(マーライオン・・いない)

しかし本当の狙いは、ここのスカイプールで泳ぐことらしいのですが
さすがに、今回は無理。諦めざるをえないでしょう。

『いやよ、そんなの無理無理。絶対泳ぐし。薬飲んでるから大丈夫!
もし、熱が出てもここで泳ぐのと引き換えなら別にいいから。』

今までの流れをおさらいして話し、そのせいで予定していた場所も全然行けてないこと、
帰りの飛行機で熱でも出たら検疫で引っかかる可能性もあること、
そして自分もカジノで遊ぶことすら我慢してることなどを言ったのですが聞きません。
しまいには

『パパも結局そのおかげで負けてないんだし、私のおかげ。(Vサイン)』

と言い出す始末。
確かに昨晩はチャラだったのでトータルは2000ほどプラスですが・・。
もう勝手にしろって感じです。

結局、夕方頃出向いて行って、二人で楽しく泳ぎましたが・・。^^);

その後、熱も痛みも出ずやれやれでしたが、恐るべし女です。
結婚して旦那になる奴の顔が見たいものです。
・・まだまだ急ぐ必要はありませんが。

この日の夜は地下にある「灯台」というバイキングの店で晩ご飯にしました。
今までのお詫びに娘がおごるというので、入りましたが、
まあ・・時間制限なし、料理の種類も豊富。見かけは大したことないのですが、
コストパフォーマンスとしては充分です。
皆よく知っているのか、ほぼ満席状態で予約しないと入れない時もあるそうです。

娘はまず皿一杯に彼女の大好物のカニを盛って来て、

『ここのバイキング、ラスベガスのWynnのバフェにヒケを取らないんじゃない!?』

(・・・んなわけあるか# 自分のオゴリだからって・・それは言いすぎ・・-。-;)

『でも明日は最終日だから、ノーサイン・・サイ・・何とかのチリクラブね!』

エスプラネードシアターの「ノーサインボード」のことです。
前回は二人でチリクラブとホワイトペッパークラブ、併せて2kg平らげました。
まあその小さい体のどこに入るかと思うくらい良く食べてました。
しかし今回はトラブルで行けなかったのですが・・

『じゃあ、ここは払うから、明日おごってくれよ(笑)』

と言うと

『カジノで一回張るのを我慢したら済むよ。』

あっさり交わされます。
食がよくなってきて、いつもの毒舌・・完全に復活したようです。

しかし、さすがにこの日の夜は気を遣ったのか、トラウマなのか、
MBSのカジノには一人で行ってくるように言われ早くから開放されました。
彼女自身もショッピングセンター内で、少し買い物をしたいとのことでした。

やっと、いつもの旅行のペースです。
ここまでのトータルプレー時間、約6時間。
最終日、挽回してプレー時間の穴埋めします!

22時頃、今回三回目のカジノ入場です。

まずいつものようにエスカレーターを降りてすぐにあるBJ台のかたまり付近をうろつきます。
日曜の夜なのに、思ったほどの混雑はありません。
日本人の観光客の方もあちこちに見受けられましたが、敢えて同席はせず
一台だけ誰も座ってない、黒人系のディーラーの台に。
財布から3000SGD取り出しメンバーカードを添えて台の上に置きます。

(結局初日に換えた20万円だけで、今日まできてしまったな・・)

ある意味スゴイことなんですが、何だかやり残した感じです。
もし負けた時のことを考えると、3000SGDなんてあっと言う間なんですが
カジノ中心じゃない旅行・・まあ、こういうのもありかもしれません。
結果論ですが・・。

今回、カジノに没頭出来なかったせいか、capella のようなホテルに泊まったせいで
リゾカジ旅行本来の目的を思い出したせいか、妙に「ゲームを楽しもう!」とする自分がいます。
なぜか負けてもポジティブなのです。
粘らず、気分転換にバカラに行ったり、大小に行ったり、またまたBJに戻ったり・・
大きく勝ちもせず、負けもせず。
いつも決まった場所辺りでしかプレーしてなかったのですが、今回初めて全体を歩いてみました。

初めてカジノに訪れた時の、あの何とも言えない感動に近い感覚。
勝ち負けより、その場にいるそのこと自体に喜びを感じてた頃。
大学を卒業したばかりの息子と、二人で初めて旅行に行き、
同じテーブルでバカラをしながら、息子も大人の男になったんだなあと感じさせてくれたこと。
それなりのドラマを思い出しながら、新鮮な気持ちになっていました。

ゲームの詳細は省きますが、ふと時計を見ると時間は朝の5時。
チップはほとんどスタート時と変わりません。

今回はプレー時間も短く、最終日の夜やっと思う存分出来ると思い、意気込んで入ったのですが
四日間でまだトータル13時間。
明日、飛行機の時間までまた来れるかどうか分かりませんが今日はもう充分楽しめた・・
そんな気になり、なぜかMBSを後にしました。



 最終日


朝、10時前に目を覚まします。
娘は昨夜別れたあと、今回主役になり損ねた祖母のお土産を買いに行き
その後また一人でスカイプールに行き、友達との卒業旅行のプレゼン用に写真を撮り
部屋での時間を満喫していたそうです。

『最終日は絶対徹夜なのに・・珍しい~。負けた?』

父親の思いがけない行動を不思議がっています。

『・・・もしかして、・・心配したの?・・』

『ああ違う違う。負けてないし早めに切り上げただけ。』

『そうなの?・・ならいいけど・・』

娘なりに気を遣っているようです。
確かにそれも少しありましたが、昨夜は勝ち負けで興奮するいつもとは違う時間をカジノで過ごし
それを大事にしたまま切り上げたかっただけでした。
これからもずっと続くであろうカジノとの付き合い、その新しい付き合い方・・いや、
忘れていた本来の付き合い方を思い出させてくれた気がしました。

まあ、それもこれも、良くも悪くも、・・この娘のおかげなのかもしれません。

フライトは夜中だったので、この日は丸一日行動出来ます。
最終日、私以上にやり残したことがある娘のリクエスト付き合ってやろうと思いました。
チャイナタウンを歩いた後、ラッフルズホテルのショップで小物を買い、
セントレジスでアフタヌーンティー、・・そうこうしているうちに夕方です。

『最後の締めだな、そろそろチリクラブ行くか?』

と聞くと、

『今回はいいよ。さっき食べた(アフタヌーンティー)のがまだ残ってる。
どうせなら、お腹が空いている時に食べたいしね。それより今回トータル(カジノでの)はどうなの?』

『12~3万くらい勝ってるかな・・』

『じゃあ、それで最後の締めに行こうか!?』

と、カジノへ行こうと誘ってきました。
優しさなのか、本音なのか、それはわかりませんが・・最後二人で共闘・・
それも悪くありません。
前来た時からBJとPONTOONの違いがいま一つよく分からないと言うので
じゃあその勉強も兼ねてMBSのPONTOONで最後の勝負をすることに。

二、三回プレーしながら説明するとすぐに理解。血筋です・・。
娘曰く、サレンダーをしない人は、こちらの方が勝ちやすいんじゃないかと言うのですが
よく考えるとそうかもしれません。
ですが、ダブルの時の条件とかもあるしどうだろう・・などと二人で話しながら
チップは徐々に増えていました。

途中、ベットboxの横にある「P」のマークのことを聞かれたので

『最初の二枚で21になったら配当がもらえる。ただ何倍の配当になるかはその時々で変わるけど・・』

と簡単に説明すると

『へえ・・面白そう!』

と言い、私の勝負を見ながら25ドルチップを置くこと数回(確か五回です。)、内二回を見事ヒット。
一回目は20倍、これでも充分なのですが、二回目は50倍、・・恐るべしです。
18~20時の二時間のプレーでしたが、この日の勝ち分が約3000SGD。
プレー時間は本当に短かった今回の旅行でしたが、トータル5000SGDの勝ち。
十分な結果かもしれません。

『両替したい』

と言うので、5000SGD分のチップを渡すとバカラテーブルの合間を縫ってキャッシャーへ。
しばらくして帰ってきて私にSGDを渡してくれたのですが、なぜかイタズラな笑い。

『これだけちょうだい(笑)』

と言って、手に500SGD分のチップ持っているのをを見せるので

『いいけど、チップのまま持って帰るのか?』

と聞くとバカラテーブルの方を指差し

『最初からトランプの「7」の数字が書いてある台、やっていい?』

と、ここに来てスイッチが入ったのか興味深々のようです。
まだもう少し時間はあるので、少し説明しながら台のある方へ。
誰もプレーしていない、しかもカードを交換したばかりの空き台の前で止まるので

『こんなの予想がつかないし、ある程度ツラとか出来て流れが見れる台にしたら?』

と、言うと

『でもそれが罠でみんな負けるんでしょ(笑)』

確かに・・。元気を取り戻し楽しそうに言う彼女を見て

『じゃあ、自分の思った通りにやってみろ(笑)』

もう止めることはしません。
50か100ずつ何回かゲームするんだろうと思っているといきなり、500分全部をプレイヤーにベット。

(おいおい・・マジかよ・・^^;)

するとプレイヤーがあっさり勝利。「な、なんでぇ~」って感じで驚きながら

『良かったじゃん!小遣い出来たな!』

と褒め、行こうとすると

『まだだよ!』

とさらに勝ち分も上乗せして1000SGD全部またまたプレイヤーに・・。
もう見てられません・・。娘はクリスチャンがお祈りする時の手の状態。

P  7 + 9 = 6

B  8 + 6

Bの三枚目は ・・・6 。一瞬二人顔を見合わせて自分の計算をお互い確認します。

やりました、勝ちました!

『キャーッ!!』

と我を忘れて飛び上がって大喜びする娘。
周りの人達も、どうしたんだ、とばかりに振り向いてきます。
そのエリアのピットボスらしき女性も、担当ディーラーの若い男に事情を聞いて
軽く笑みを浮かべながら拍手をする動作。
ディーラーはPの方を人差し指で軽くトントンと叩き、
「次もまたここにかけろ」のと言うように娘に笑いかけてきます。

興奮冷めやらぬ感の娘でしたが、次は一度様子見で50SGDだけをまた「P」に。
次のゲーム、タイです。

『どう!私の勘、すごいでしょ!』

『ハハハ、で、次はどっちにかけるんだ?』

『もう終わり。もう充分勝ったから。』

『調子いいのに、もうワンゲームだけしてみたら?』

『ええ・・じゃあパパかけてみて』

と300SGD分だけ取って「P」に。
結果は言うまでもありません。ナチュラル8でバンカーでした・・・。

『うまくいかんなあ~』

と笑ってごまかそうとした時には娘はすでにキャッシャーの方へ。
威厳も面目もありません・・。泣・・。
結局この日二時間余りのプレーで4000SGD以上の勝ち。
うち、3000近くが彼女が勝ったもの。

空港へ向かうタクシーの中は、娘のカジノ講座が始まったことは言うまでもありません。

最後のバカラでの勝ち分1500SGDは約束通り娘のものとなりましたが、
それでも私もトータル4500以上の勝ち。
ただそれ以上に、得たものも多かった今回の旅行でした。


関空で別れ際に私に新しい財布くれた娘。
帰りに空港で買ってくれてたようです。(もちろん勝ち分で。)

『看病してくれたお礼。ありがとう。』

『念のために病院行っておけよ。』

そう言って立ち去る私を、いつになくずっと小さく手を振って見送ってくれた娘でした。



その日の夜、娘からメールです。

{capella に服を三着置き忘れてきちゃったの。多分、しんどくてボーっとしてたから・・。
全部お気にの服だし、あれがないと今シーズンすごせないから、何とかして。}

その瞬間、寝込んでた姿ではなく、バカラで飛び跳ねていた娘の姿を思い出し

『アホ』

と、つい呟いてしまったのでした。




                     ~  完  ~


このReportへのコメント(全 8件)

2012/07/30(Mon) 10:45

taru

いやはやさん、はじめまして。

僕も昨日帰国しました。
チリクラブはおいしいですよね、病みつきになってます。
ノーサインボード、ジャンボともに行ってきました。

BJについては同感です、バックベットあり、ボックスの数変更、さらに周りが文句をいう
CSMだし、僕にはあいませんでした。

あとは、MBSプールの眺めは最高ですよね。

でも、いい娘さんですね。楽しそうです。
せっかくなので、僕もあとで日記書いてみます。


2012/07/30(Mon) 11:47

中宝

オフ会でお会いできなくて残念でした。
でも、また今回も楽しまれたようだから良かったですね。

今回もおめでたい勝利ですが、一カ所だけ。
バカラでPで取っていた娘さんが「もうおしまい」と賭けるのをやめたら、
絶対Bに賭けなくちゃいけません。(笑)そこだけは見えました。(爆)
まあジョークですけど。
今回も親子のいい関係が伺えるエピソードが満載で、楽しく読ませていただきました。


2012/07/30(Mon) 12:08

madamada

こんにちは、まだまだ初心者madamadaです。

今回も愉しい旅の雰囲気に溢れていて、こちらも愉しませて戴きました。
(発熱は困りものでしょうが、それも忘れ得ぬ思い出でしょう)

軍資金2000ドルスタートで⇒4500以上の勝ちとは、凄い!
ちょうど私とは逆の資金の流れですね…羨ましい…

ちなみにノーサインボードで前回チリクラブ&ペッパークラブですか?二人で?そりゃまた凄い!
小悪魔さんは、博才の方も凄いですしね…恐るべし、女子大生(笑)
今後も愉しい旅のご報告を期待しています。


2012/07/31(Tue) 16:19

いやはや

taru様

初めまして。
お帰りなさい。

どこの国のカジノでも一長一短はありますよね。
ただ、客のマナーは国民性が出るようなので・・・
最近は、こんなものだと思うようにしています。笑

MBSはフロントの対応が遅い感はありますが・・(以前に比べたらかなりマシです。)
それ以外はまだまだ話題の中心になりそうなホテルですよね。

レポート、楽しみにしてます。




2012/07/31(Tue) 16:39

いやはや

中宝様。

リュージュ、やり残したので次回の宿題になりました。
あれ、本当に楽しそうですね!
また楽しみができました。


実は、タイの後は基本的には様子見で流すのをセオリーにしているんです。
あの時いつものように、流せば良かったんですが・・。
私どもしかプレーしてなかったので、勢いに任せました。^^);

娘が直前に言ってた
『それが罠でみんな負けるんでしょ』
・・・
まさに私のことを言ってたんですね。
気付くべきでした。笑

いつかお会い出来る日を楽しみにしています。





2012/07/31(Tue) 16:54

いやはや

madamada様。

こちらこそいつも楽しくレポート読ませてもらってます。

結局 ARCADE には行けず仕舞いでした。
ちなみに、SGD⇒円の交換も可能なのですか?
また教えてくださいませ。

チリクラブとホワイトペッパークラブ、・・そうなんです。
彼女の好物っていうのもあるんですが、軽くいっちゃいました。
小さくて細い子なんですが、蟹だけは別バラだそうです。
自分の金で食えば、そうじゃないかもしれないですが。^^);



今後もシンガポール情報、お願いします。


2012/08/22(Wed) 01:03

madamada

いやはや様

返答が大変遅くなり申し訳ありません。

>ちなみに、SGD⇒円の交換も可能なのですか?

はい、大丈夫です。
しかも極めて良心的レートです。
これで本当に商売になっているのかと、こちらが心配してしまうくらいに。

リポートにもちょっとだけ書きましたが、私の場合―――

日本円⇒SGD  0.01647(1SGD=60.7円)=10万円が1647ドルになり
SGD⇒日本円  0.01617だったので、1617ドルで10万円になりました。
円安方向に動いたせいもありますが、カジノで負けていなければ、10万円につき30ドルずつ儲かった計算になります。
まぁ、そう都合よくいっていないのですが…。

嗚呼、そろそろシンガポールに行きたい病が出てきました…


2012/08/22(Wed) 02:24

いやはや

madamada様


情報ありがとうございます。
それにしても・・良心的というか、私的にはあり得ない交換レートです。
そんなの・・あはは・・(^0^);;

今週は仕事で中国です。

仕事を早めに済ませてソウルに寄ってCOEX辺りで勝負してきます。

今回は一人なので^^)Ⅴ
思う存分カジれそうです。

多分・・来月、シンガポール行きますよ。
もちろん、小悪魔同伴です・・capellaに忘れた服を取りに行くそうです、、。
(送ってもらえばいいものを・・計画的犯行ですかね・・)

madamadaさんの病気が治まらなくて、もし行くようなことがあれば、ご一報下さい。
一緒にARCADEに行きましょう。笑




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