バカラ必勝コラム 「ひよったら負けだ!!」
*この記事は、casino japan誌に掲載されたものです。
4. 単純なようでそうでないバカラのルール
ノーコミッションバカラ
2007年2月、私は済州島のあるカジノに来ていた。
2日目の滞在で私は持ってきた資金のほとんどをスッてしまい、原点復帰はムリだとしても、オールインを2回決めてなんとか今の資金を4倍にしたいと考え、ドラマ「オールイン」のロケ地である「オールインハウス」でとにかく祈りをささげ再びカジノに舞い戻った。
最初の勝負はバンカーにベットし、プレイヤー6に対して、4から3を引き合計7で辛くも勝利。
そして2回目……。
手元のチップをすべてバンカーサイドに押し出す。
私の元に2枚のカードが配られる。
震える手で2枚のカードを絞る。
セイピン(9か10)とサンピン(6、7、8)だ。最高でナチュラルエイト最低でも5だ。
さらに祈りを込めて絞ると……。
結果、9と7で合計6!
プレイヤーのカードを開けさせるとピクチャーとAの1点。続く3枚目のカードはピクチャー?立ち上がってガッツポーズ!
そして、配当が付けられるが…。あれ?少ない?
「ロクハンかぁ?!」
そう、このテーブルはノーコミッションバカラ(通称ロクハン)であったため、バンカー6の場合、配当は半分になるのだ。かくして資金4倍増計画は失敗したのであった。
ディファレンシャルとは?
バカラはカジノの王様と言われるだけあり、世界中見渡してもブラックジャックやその他のゲームと比べるとハイレートになっていることが多い。
そんな中でもラスベガスのカジノのVIPルームのミニマムが大抵100ドルであることから(あくまでスクイーズバカラ)、世界中のカジノでも100ドル前後がVIPルームのミニマムレートとなっている。
そんな中、マカオは100香港ドル(約1500円)というバカラ卓があるし、フィリピンでは100ペソ(約250円)というバカラ卓もある。もちろんスクイーズ可能である。
また、カジノのVIPでもハイローラーと呼ばれるクラスになるとミニマムやマックスの金額以上にディファレンシャル(バランスとも言われる、プレイヤーサイドとバンカーサイドの総額の差)の幅の大きい卓を好むようだ。ようするにハウス(カジノ)にとってどのくらいの金額までを受けられるのかということで、こういう卓にはミニマムの金額などの表記はない。
ちなみに、私の友人でラスベガスのストリップ沿いの某一流カジノでなんと、わずか1ドルでスクイーズした人いる。もちろんその人のアベレージベット(平均賭け額)は3000ドルだが。
バンカーコミッション
バカラにはバンカーコミッションと呼ばれるものがある。バンカーで勝った場合にその5%をハウスが差し引くのだ。これがいわゆるテラ銭であり、胴元の確実な収入源となる。
しかしながら最近の環太平洋のカジノではノーコミッションバカラと呼ばれるゲームが増えてきている。これはバンカーで勝利したらテラ銭を差し引くことはしないで1倍の配当を付ける代わりに、バンカーが6で勝利した場合には0.5倍の配当しか付けないというものである。これは配当に面倒がないのは良いのだが、長い目で見るとコミッションバカラと比べれば控除率の良くないゲームとなってしまう。
マカオ独自のタイ・ルール
いわゆるプレイヤーもバンカーも同じ数字だった場合、タイにベットしたプレイヤーにはその金額の8倍の配当が付く。
例外もあり、以前のマカオのカジノではタイが出ると「勝負が決まっていない」と判断され、タイに賭けた人には配当が付くが、プレイヤーとバンカーにベットしたチップに触れることは許されなかった。つまり、プレイヤーとバンカーにベットしたチップは次のゲームに持ち越され、同サイドに強制ベットとなるのだ。
従って、タイの後に自分がベットしたチップを引きたいという場合は、次のゲームで自分がベットした同金額のチップを逆のサイドに賭けなければならなかった。そうすることでプレイヤーとバンカーのどちらが勝っても賭けた金額は戻ってくるのだが、バンカーで勝った場合はコミッションを差し引かれる点に注意したい。
このルールは、今でもマカオのSTDM系列のカジノの一部で残っているルールだ。このルールではタイが出た後に、絞り手(最高額のベットをした人)が逆サイドにも同金額のチップを張った場合、プレイヤーもバンカーも同じ人が絞るといった面白い光景を見ることが出来る。
バカラは単純明快なゲームであるが、同じカジノ内にも様々なレートの卓がある。また各地にローカルルールがあり、ここを理解していないととんでもない落とし穴があったりする。どこのカジノのどのテーブルに座るかによって勝負は全て決まってしまう。
知れば知るほどバカラは面白い。
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