GAKUのブラックジャックのすすめ


*この記事は、CASINO japan誌の連載記事を一部加筆・修正して掲載しています。

第2回 BSを自分のものにする

 前回はBSを信じて貫き通すことの大切さについて触れました。
 「BSの理屈は分かるけど、BS通りのプレイはなんだか機械的すぎてつまらない」と思われる方も少なくないと思います。しかし、BJはその部分に面白さを求めるゲームではないというのが僕の考えです。

 バカラはカードを引くルールが完全に決められているゲームなのに、それでも多くのプレイヤーがその魅力の虜になっています。また、その単純さ故に奥が深いゲームと言われることさえあります。でももし、バカラが3枚目のカードを任意で引けるゲームだったらどうでしょう。BJと同様に3枚目のカードにプレイヤーの選択権を与えたら、もっと面白いゲームになるのでしょうか?
 バカラにはコミッションの問題などがありますから、このルール変更は現実には難しいと思います。ただ、少なくともこのルール変更だけで、バカラが「全く違うゲーム」になってしまうことだけは簡単に想像出来ると思います。

 少々強引かもしれませんが、これをBJに当てはめれば同じことが言えます。即ち「絶対にBSから外れないプレイヤー」と「臨機応変に選択を変えるプレイヤー」とでは、同じように見えて、実は「全く違うゲーム」をプレイしているのです。誤解のないように付け加えますが、これは単にプレイ・スタイルの問題であり、優劣の問題ではありません。僕がこの連載を通じて話したいのは、前者のプレイ・スタイルについてです。

 BJのルールにプレイヤーの選択権が与えられているのは、巧妙に仕組まれたカジノの罠だと考えてください。そこにプレイヤーの主観が入る結果、すなわち、プレイがBSから外れれば外れるほどハウスエッジは大きくなり、カジノが儲かる仕組みになっている訳です。目の前のゲーム結果だけを見て、「ほらね!BS通りにヒットしなくて正解だった!」などと思ったりしていたら、残念ながらカジノの思うツボです。ロングランでは、BSが最善の選択となるのは間違いのない事実だからです。
 ルールによって多少の違いはあるものの、プレイヤーからみて-0.5%前後のハウスエッジと言われるBJですが、実際にカジノがBJテーブルから得ている平均的な利益は、それよりも桁がひとつ大きいという事実を忘れないでください。

BSは理由を付けて理解する

 BSを自分のものにするためには、ただ丸覚えするのではなく、ある程度理由付けして理解していくと記憶に残りやすくなります。BSはディーラーのフェイスアップカード(以下アップカード)に対するプレイヤーの合計数でその戦略が決まります。基本は「ディーラーのホールカードを常に10と考える」こと。ホールカードとは伏せられた2枚目のカードのことです。なお、オーストラリア・カジノなどではホールカードを予めディーラーに配らない(ノーホールカード・ルールと呼ばれています。)ので、その場合は単にディーラーの2枚目のカードと解釈してください。たとえば、アップカード6の場合、ディーラーの最初の2枚の合計数を16と考えれば結構です。そこからプレイヤーの合計数と対比させて考えていくと、ある程度その理由付けができます。

 次に、BSを以下の3つのカテゴリーに分けて考えてみます。必要に応じて以下のリンクのBSチャートを参照しながら読み進めてください。

オーストラリア・カジノのBSチャート
ラスベガス・カジノのBSチャート


1)ハードハンド
 8+10=18などのように、それ以外に変化しようのない組み合わせ

2)ソフトハンド
 Aを含み、A+7=8 or 18のように2通りに解釈できる組み合わせ

3)ペア
 同じ数字2枚のペアで、スプリットのオプションもあり得る組み合わせ


1)ハードハンドでは、
・ アップカードが7以上のとき、プレイヤーは合計数17以上になるまでヒット(アップカードAは11と見なします。)
・ アップカードが6以下のとき、プレイヤーは合計数12以上をステイ
・ 例外としてアップカードが2もしくは3のときだけ、プレイヤー合計数12をヒット
・ プレイヤー合計数11は、アップカード10以下に対してダブルダウン
・ プレイヤー合計数10は、アップカード9以下に対してダブルダウン
・ プレイヤー合計数9は、アップカード3から6に対してのみダブルダウン

2)ソフトハンドでは、
・ プレイヤー合計数ソフト13(A+2)からソフト17(A+6)は、アップカードに関係なくヒット
・ アップカードが9以上のとき、プレイヤー合計数がソフト19(A+8)以上もしくはハード17以上になるまでヒット
・ プレイヤー合計数ソフト19(A+8)とソフト20(A+9)は、アップカードに関係なくステイ
・ プレイヤー合計数ソフト18(A+7)は、アップカード2から8に対してのみステイ
※注:ラスベガス・カジノのBSでは、上記以外にソフトハンドからのダブルダウンも存在します。

3)ペアでは、
・ AAと88のペアは、アップカードに関係なく常にスプリット
・ TT(T=10カード)と55のペアは、アップカードに関係なく常にスプリット無し(とくに55は、ハードハンドの10として考える。)
・ 22、33、77のペアは、アップカード2から7に対してだけスプリット
・ 66のペアは、アップカード2から6に対してだけスプリット
・ 44のペアは、アップカード5と6に対してだけスプリット
・ 99のペアは、アップカード7、T、Aに対してだけスプリット無しで、それ以外はスプリット

さて、いかがでしたでしょうか?BSチャートの理解と暗記に少しでもお役に立てたら幸いです。


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