GAKUのブラックジャックのすすめ


*この記事は、CASINO japan誌の連載記事を一部加筆・修正して掲載しています。

第3回 BS遵守の目的

 BSを理解してしっかり覚えたつもりでも、いざカジノで実践してみると、BS通りのプレイを阻む因子が存在することに気がつくことでしょう。それは大きく分けてふたつ存在するのですが、正しく認識しておくことで対処することが可能です。

 ひとつの因子は同じテーブルに同席している他のプレイヤーの存在です。リアルマネーが飛び交う現実のカジノでは、同席しているすべてのプレイヤーがBS通りにプレイしているとは限りません。いや、むしろBS通りにプレイしていないという表現が適切かもしれません。
 カジノでは色々なタイプのプレイヤーと同席することになりますが、厄介なのが結果論で他人のプレイの正否を語るプレイヤーです。このような”結果論プレイヤー”から、「お前がヒットしたから、ディーラーのハンドが21になっちまったじゃないか!」などと勝手な言い分を突きつけられることがあるかもしれません。
 ときには、BSとは異なる独自理論の”ベテラン・プレイヤー(自称)”が、「ああ、そこはヒットしちゃダメだよ。ステイが正解なんだから」などと、無責任なアドバイスをしてくることもあるかもしれません。また、ここまで露骨でなくても、他人のプレイに対して首を振ったり、舌打ちするプレイヤーなどは珍しくありません。
 不特定多数が同席するBJテーブルですから、このようなプレイヤーの存在はどうしても避けられません。カジノの勝敗はすべて自己責任です。彼らのアドバイスに流され、その結果負けたとしても、責任をとってはもらえません。
 彼らの言動を真に受けずに軽く受け流し、BS通りのプレイを貫こうとする強い意志が必要です。「自分はBS通り最善の選択をしているんだ」と何度も自分に言い聞かせ、メンタルが揺らがないよう常に気を配りましょう。ところどころBSを外すようになってしまったら危険な兆候です。そんなときはさっさと退席することを勧めます。

 もうひとつの因子は自分自身です。たとえば、ディーラーのアップカード7に対して自分の合計数が16のとき、弱気になってステイしてしまったことはありませんか?大きなベットになればなるほどメンタルは揺れ易いものですが、BSが「ヒット」なら、ベット額に関係なくヒットする強い意志が持ってください。
 他に弱気になり易い状況を挙げるとすれば、ディーラーのアップカード10に対しての88でしょうか。そのルールのBSが「スプリット」であれば、躊躇なくスプリットしてください。
 付け加えると、ディーラーのフェイスアップカードAに対してはインシュアランスもイーブンマネーも無用です。(BSにおいて、インシュアランスとイーブンマネーはプレイヤーに不利な選択となります)

 ブラックジャックというゲームはそのルールでプレイヤーに選択権を与えていますが、それがプレイヤーを惑わす要因になっていることを理解しましょう。バカラにカードを引く条件が決められているのと同じように、ブラックジャックはBSに基づいてカードを引く条件が決まっているゲームだと解釈すれば良いのです。BS以外の選択肢はないと心に決めることで、BSをブレずに淡々と貫けるようになります。

 今回はBS通りのプレイを阻むふたつの要因について触れましたが、本質的にはどちらもプレイヤー自身のメンタルの問題だと言えます。どんな状況でもBSを貫き通せるような強い精神力があれば何より素晴らしいことですが、そんなひとはごく稀な存在で、本来、ひとは誰でも精神的に脆いものだと理解してください。脆いからこそ、BSの部分には迷う余地を微塵も残すべきではないのです。
 このようにBS遵守を勧めるのは、メンタルを乱す要因を少しでも排除しておきたいからに他なりません。矛盾しているように感じるかもしれませんが、「BSは理論上最善の選択だから」というのは後付けの理由に過ぎず、そこに選択の余地を一切作らないことで、メンタル・コントロールをシンプルにすることが目的なのです。


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