GAKUのブラックジャックのすすめ


*この記事は、CASINO japan誌の連載記事を一部加筆・修正して掲載しています。

第4回 標準バンクロールと平均ベット

 BJはBS通りにプレイすれば、ハウス・エッジが非常に小さなゲームと言われていますが、それはあくまでロングランで収束していく期待値にしか過ぎません。これを勘違いして「BJは負けにくいゲーム」と捉えてしまうのは危険です。
 BJは進行スピードが早く、短時間で数多くのゲーム数を消化します。当然のことながら勝敗結果には波があり、ごく普通に起こりうる標準偏差(ゲーム勝敗数の上下変動の波)の範囲内ですら、プレイヤーの負けが確定してしまう場合があります。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、ハウス・エッジが小さいことと数時間程度のプレイでの勝敗にはあまり大きな因果関係はありません。この場合、もっとも大きく関与しているのは、プレイヤーが持つバンクロールの大きさです。

 結論を先に述べますが、BJには標準偏差に耐えられる適正なバンクロールが不可欠です。言うまでもないことですが、バンクロールをすべて失った時点で、否応無しにプレイヤーの負けが確定してしまうからです。適正値を大幅に下回るバンクロールでプレイしている方を多く見かけますが、やはり負けるべくして負けているのが現実のようです。

標準バンクロール

 6デッキ(1デッキ=ジョーカーを除く52枚のトランプ)の一般的なBJルールで2時間程度のプレイを想定した場合、いくらのバンクロールをバイインすべきなのか考えてみましょう。たとえば毎回1単位ずつベットしたとすると、前述の条件では±30単位程度の範囲内で上下変動することが多いようです。また、BJはスプリットやダブルダウンなどのオプションが存在するため、これらを考慮した現実的な値は少なくとも40単位と考える必要があります。
 たとえば毎回100ドルをベットするなら、以下のような計算で標準バンクロールが求められます。

 1回のベット100ドル×上下変動40単位=標準バンクロール4,000ドル

 ただし、毎回全く同じベットでプレイし続けるプレイヤーはほとんどいないでしょう。そこで実際のプレイでは、「1回のベット」の部分に「平均ベット(自分がベットする平均額)」を当てはめて考える必要があります。たとえばミニマム25ドルのテーブルで25ドルから300ドルのベット・スプレッド(ベットの上下幅)でプレイする場合、実測値とは誤差があるでしょうが、平均ベットを概ね150ドルと見なして考えます。これを同様に計算すれば、以下のような標準バンクロールとなります。

 平均ベット150ドル×上下変動40単位=標準バンクロール6,000ドル

 プレイを始める際には、少なくともこのような考え方で必要な標準バンクロールを用意しておかなければ、ごく普通に起こりうる標準偏差の範囲内でパンク、すなわちバンクロールをすべて失って負けが確定してしまうのです。

 標準バンクロールを下回るバイインは、勝ってテーブルを離れる可能性よりも、パンクしてテーブルを離れる可能性が大幅に高くなります。BJをプレイしていると様々なプレイヤーを見かけますが、大半のプレイヤーは標準バンクロールを大きく下回るバイインをしています。そしてやはり、そのほとんどが手持ちのバンクロールをすべて失ってテーブルを離れているのが現実です。たとえば、ミニマム25ドルのテーブルで200ドルをバイインするプレイヤーは、残念ながらその時点で負けが決まっていると言って過言ではありません。50ドル勝った時点で即座にテーブルを離れる決意なら別ですが、時間が長いか短いかの違いだけで、ほとんどの場合は200ドルを失ってテーブルを離れることになります。

 最初にバイインしたバンクロールが無くなったら、リバイ(追加バイイン)すれば良いかと言えば、実はそう単純なものでもありません。リアルマネーを賭けているBJにおいてリバイという行為は、「負けた」という負の意識を強烈に植え付けてしまうことになります。プレイしているのは感情を持った「ひと」なのです。メンタル・コントロールを乱す因子は可能な限り取り除いておかないと、プレイヤーが自分自身を窮地に追い込んでしまうことになりかねません。
 ハウスエッジが小さいはずのブラックジャックで、多くのプレイヤーが理論値を大きく上回るほど負けてしまう原因がここにあるのです。

自分の標準バンクロールを理解する

 現実のBJテーブルを見ていると、ミニマム25ドルのテーブルで毎回25ドルをベットし続けるプレイヤーはごく稀です。最初は25ドルでプレイしていても、それがやがて50ドルや75ドルになり、ときには100ドルを超すベットをしてしまうのが一般的なプレイヤーです。このように平均ベットの上昇に応じて、もっと多くの標準バンクロールが必要になることを忘れないようにしましょう。

 標準バンクロール≧上下変動40単位×平均ベット

 ご自身の今までのプレイを思い出し、平均ベットがどれくらいなのかを考えてみてください。そうすれば、本当に必要な標準バンクロールがお分かりになると思います。
 「随分大きな標準バンクロールだな」と思った方は、本当はもっと小さなミニマムのBJテーブルで、平均ベットを必要なだけ小さくしてプレイすべきです。カジノにはプレイヤーの平均ベットを知らず知らずのうちに上げてしまう目に見えない仕掛けが施されています。カジノで楽しくBJをプレイし続けるために、是非一度、自分の平均ベットに目を向けてください。そして自分の標準バンクロールを冷静に分析し、今後のプレイに役立ててもらえたら何よりです。


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