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GAKU Presents
GAKUストラテジー
To build up the mind that doesn't break.

■カジノの罠を知る

 とあるカジノのブラックジャックテーブル。ディーラーはアップカード7に対してホールカード9でその合計が16になった。ディーラーにとって合計数16は最弱の数字だ。ディーラーがバストする可能性が高まり、プレイヤーは全員、次のカードに期待を込めて「ピクチャー!!」と叫んだ。ところが次に開かれたカードは5...ディーラーの合計数は21となり、そのテーブルに座っている5人のプレイヤーのベットは全滅した。ディーラーは「アイムソーリー」と小声で呟いた後、機械的な動作でベットサークルからチップを回収していった。ブーイングするプレイヤーもいれば、頭を抱えているプレイヤーもいた。そのうちのひとりは感情的になりテーブルにチップを叩き付けていた。やり場のない後悔とともに。

 「あの時ヒットしていれば...」
 そう、まさにその通り。あなたがヒットしていればディーラーはバストしていた。そうすれば今頃、プレイヤーは全員でハイタッチをしていたことだろう。
「ようし、今度あんな手がきたら絶対ヒットしてやろう。」

 「あの時ステイしていれば...」
 そう、まさにその通り。あなたがステイしていればディーラーはバストしていた。そうすれば今頃、プレイヤーは全員でハイタッチをしていたことだろう。
「ようし、今度あんな手がきたら絶対ステイしてやろう。」

 ブラックジャックはディーラーとプレイヤーのカードの組合せで勝負が決まるゲームだ。その勝負の結果が負けであっても、「ああしていれば、こうしていれば」と後からカードの組み合わせを変えて考えると、結果が勝ちになっていたということが多いものである。

 でも実はそこがカジノの罠なのである。1回1回のゲーム結果に惑わされて、数学的にはじき出された最善手であるベーシック・ストラテジー(以下BS)から外れた選択をすればするほど、自らの手でハウスエッジを大きくすることに他ならない。ロングランで考えると、自分で自分の首を絞めることになるのだ。

 カジノにはレーティングというシステムがあり、担当スタッフがプレイヤーのプレイ実績をレーティング(格付け)している。そのレーティングの内容はカジノによって多少異なるのだが、プレイヤーの登録番号と名前、バイインした金額、プレイ時間、平均ベット、最小ベットと最大ベットのスプレッド、席を離れるまでの勝負結果、プレイ中に席を離れることがあったかどうか、などが挙げられる。また、とくにラスベガスのカジノでは、プレイがBSに則しているかどうかもきちんとレーティングされている。

 注目すべきは、カジノは「プレイがBSに則しているかどうか」もレーティングしている、ということだ。プレイがBSから外れているプレイヤーはカジノにとって利幅の大きい美味しい客、プレイがBSに則しているプレイヤーは利幅の少ない客と判断されている訳だ。それなら答えは簡単であろう。まずはカジノの罠にハマらず、後者を目指すことである。

■中級ブラックジャック・プレイヤーを目指す

 カジノのルールによって多少異なるが、ブラックジャックのハウスエッジはー0.5%前後のものが多い。カジノにとって利幅の少ない、プレイヤーにとって最小のハウスエッジでブラックジャックをプレイするには、BS通りにプレイするしか方法がない。(正確には「カード・カウンティング」という手法が存在するのだが、私は多くの理由からこれを一切用いていない。)ところがこれが簡単なようで、徹底するのは意外と難しいものだ。

 まずそのルールのBSを正確に暗記し、それを瞬時に判断できるようになることだ。ミスの数だけハウスエッジは大きくなる。たとえ10時間連続のプレイでも、ノーミスでプレイし続けられるように練習することが不可欠である。

 そしてBS通りに正確なプレイができるようになっても、実践ではそれを揺るがす因子が存在することを理解する必要がある。ひとつは同じテーブルに同席しているプレイヤー、もうひとつは自分自身である。

 たとえば、自己流ストラテジーという奥義を持つ自称ベテランプレイヤーや、自分が負けるたびに他のプレイヤーのプレイにケチをつける結果論プレイヤーなどである。彼らからのアドバイスや批判にも耳を貸さず、自分はただひたすらにBSを貫く必要がある。彼らの言動を上手く受け流し、和やかにゲームを進めるためのコミュニケーション術もスキルのひとつと言えるかもしれない。

 また、BS通りにプレイし続けるには、時折弱気になる自分自身に負けないことが必要である。大きなベットをした時に、ディーラーのアップカード7に対して合計数16でも全く弱気になる必要はない。BSが「ヒット」なら、余計なことを考えずにヒットするだけなのだ。ディーラーのフェイスカード10に対しての88も、BSが「スプリット」なら躊躇なくスプリットする。ディーラーのアップカードAに対しては、インシュアランスもイーブンマネーも無用だ。ディーラーや他のプレイヤーに嫌味を言われようとも、サレンダーすべきときは涼しい顔をしてサレンダーすればいいのである。1回1回のゲーム結果に、いちいち感情移入してはいけない。たとえそのゲームの結果が負けであったとしても、BSに基づいた最善手を選択したのだから。一番大切なのはBSを信じ切る強い気持ちであろう。

 ブラックジャックはそのルールでプレイヤーに選択権を与えている。そこがプレイヤーを惑わす要因となっているのが事実だ。たとえば、バカラにカードを引く条件が決められているのと同じように、ブラックジャックはBSに基づいてカードを引く条件が決まっているゲームだと解釈すれば良いことである。それ以外の選択肢はないと自分自身で決めてしまえば良いのだ。

 ここまでを例外無く完璧に実践出来るようになれば、初心者レベルから脱却と言って良いだろう。目指すべき中級ブラックジャック・プレイヤーだ。

■ハウスエッジを超える何か

 中級ブラックジャック・プレイヤーになって、やっとハウスエッジ通りの条件でプレイできるようになった。しかし、これはあくまでハウスエッジを理論上の最小値にしたまでのこと。無くなった訳ではないのである。

 仮にハウスエッジがプレイヤーからみてー0.5%の場合、毎回100ドルずつベットしたとすると、理論上は1回のゲームにつき50セントずつ負ける計算になる。単純に考えると、100回プレイすれば50ドル、1,000回プレイすれば500ドル負けることになる計算だ。これはあくまでロングランにおける理論値だから、短期的なゲームではもちろん波がある。波があるからハウスエッジがあっても勝つこともあり、ハウスエッジを上回るほど負けることもあるのである。

 さて、一体どうすればハウスエッジを克服できるのだろうか。カジノに勝利するには、ハウスエッジを上回る「何か」がどうしても必要なのである。たとえば、ハウスエッジを上回るほどの強運があれば勝つことは可能だ。でもそれはきっと長続きはしないだろう。また、ハウスエッジを上回るほどの良いカードの流れがあれば勝つことは可能だ。でも過去の結果から現在までの流れの良し悪しは判断できても、次のゲームからはどうなのか分からない。結局は理論値通り、プレイ結果はハウスエッジへと収束していくことになっていくのだ。

 前述の通りカード・カウンティングについては一切除外する。だからこの時点で私の言うハウスエッジを上回る「何か」とは、まったく数学的根拠の無い話になる。ここからの話は、この事実を受容した上でお読みいただきたい。

 私のプレイスタイルを簡単にまとめると、以下のような考え方を基本としている。

1、BSを遵守してハウスエッジを最小限にとどめ
2、カードの流れを読み
3、ベットの上げ下げ(ベット・マネージメント)で勝負する

 常打ち賭人・森巣博先生の言葉を借りれば「打たれ越し」だ。悪いときにはミニマムベットで打たれ越し、良いときにベットアップして勝ちをもぎとろうという考え方がその基礎となっている。

 普段はブラックジャックをプレイしない森巣先生が、珍しく私とブラックジャックテーブルを囲んだことがあった。このときは非常に勝率の悪いシューが続き、ずっとミニマムベットで打たれ越していた森巣先生も、じりじりとマイナス20単位まで凹んでいた。ところがある瞬間、森巣先生は何の気負いも感じさせず、当たり前のようにベットアップした。そしてその一撃で全てのマイナスを取り戻していた。これが私の目撃した本物の「打たれ越し」であった。

 カード・カウンティングを全く用いない私のブラックジャックは、ベット・マネージメントにこそ勝負の本質がある。そしてそれをどんなタイミングで行うかは「カードの流れ」を読むしかない。ハウスエッジを超える何かとはまさにここにあると考えるようになった。

■数学的根拠の無いものをストラテジー化

 「打たれ越し」とはいうものの、実際にはそんなに上手くはいくものではない。悪い流れに我慢のミニマムベットで打たれ越したと思っていても、そこには焦りという主観が混在している場合が多い。そして痺れを切らしたベットアップは、痛烈なカウンターパンチをもらってしまう。その結果メンタル・コントロールは脆くも崩壊し、悪い流れと感じながらも無謀なベットアップを繰り返すことになっていく。そうなればもう結果は言うまでもない。

 「あんなに悪い流れのときになぜベットアップしてしまったのか。どうせ負けるのならカードの流れが良いと思ったあのときに思い切ってベットアップすべきだった。」と、今まで幾度となくそんな無意味な後悔を繰り返してきた。

 カードの流れが良くなる瞬間が分かるのなら何も苦労はしない。今までさんざん無意味な後悔を繰り返してきた私は、カードの流れが良くなったと感じるシチュエーションを条件づけしてみてはどうかと思いつき、それをストラテジー化することを考えた。普段はミニマムのフラットベットでプレイし続け、その条件を満たしたときだけベットアップするというベット・マネージメントがその始まりだった。もちろん数学的根拠など何もない。もともと数学的根拠のない単なる主観でベットの上げ下げをしていた訳だから、そんなものは自分に必要ないのだ。しかし、これを徹底的に貫くことで無謀なベットアップがなくなり、自分が決めたタイミングだけで勝負することができるようになった。自分で決めたことなのだからそれで負けても本望だ。そう決心して以来、私は今までさんざん繰り返してきたあの無意味な後悔をしなくなった。

 例えば、ブラックジャックでこんなシチュエーションを想像していただきたい。

ディーラー:アップカードが6
プレイヤー:最初の2枚の合計が11

 ディーラーは最弱のアップカード6、それに対しプレイヤーの11は絶好のダブルダウン。「カードの流れが良い!」と思わせるカードの組合せだと思う。

 そしてこのシチュエーションからディーラーがバストしてゲームが終了した場合、ディーラーのカードの流れは最低で、かつプレイヤーのそれは最高と考えることにした。もしもカードの流れにバイオリズム曲線のようなものがあるとすれば、このときディーラーはその曲線の最下点であり、かつ、プレイヤーは最上点という両極にあると考えられるからだ。

 このようなシチュエーションを具体的に条件化し、その次のゲームをベットアップするタイミングと定義づけることにした。

 カジノにはプレイヤーのメンタル・コントロールを失わせる魔物が潜んでいる。冷静なときに決めたストラテジーをどんなときも貫いていくことで、その魔物から身を守ることが出来ると考えている。

 そもそもGAKUストラテジーは、「ハウスエッジを超える何か」を自分なりに追い求めていったのが始まりだったのだが、その結果それを貫き通すことで、プレイヤーのメンタル・コントロールを崩壊させないための手法となっていった。

 これがGAKUストラテジーのきっかけである。

00 はじめに 02 ベットアップの条件
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