■初手から。。。!!!
ケアンズのTHE REEF CASINOは、ディーラーもインスペクターもピットボスもみんな見知った顔ばかり。今年もニコやかに僕を迎えてくれて、まるで家に帰って来たような居心地の良さを感じます。僕の滞在期間中はカジノのオープンと同時に、A$25ミニマムのBJテーブルを開いてもらうように予めリクエストしておいたので、マイペースでゲームが始められます。(普段はA$10ミニマムのBJテーブル1台しか開いていないのです。)
さて、いつものように1万ドルのCPVをBJテーブルに置いてバイインです。テーブルには僕ひとり。座り慣れたこのBJテーブルで、今年は一体どんなドラマが待っているのでしょう?ふとそんなことを考えながら初手ミニマムのA$25チップをベットすると、ディーラーアップカードは6、こちらは11ダブルダウンからディーラーはバスト。。。ん?なんと初手から「ベットアップ・ストラテジー」の条件が入ってしまったではありませんか。眠気覚ましにと、さっき頼んだブラックコーヒーもまだ届いていません。でも、仕方がありません。いくときには迷わずいく!それがGAKUストラテジーなのですから。。。
次のゲーム、ブラックチップ6枚をそっとベットサークルに置くと、女性ディーラーは一瞬ニコっとしてから素早い動作でカードを配り始めました。ディーラーアップカード5に対してこちらの2枚の合計は19。これはあっさりディーラーのバストで勝利です。するとこれは連続ベットアップ・ストラテジーです。滅多にないことですが、いきなり来てしまいました。次のゲームもブラックチップ6枚をベット。しかしここは簡単に転がされ、次のゲームはブラックチップ10枚をベットです。ところがこの次の手がスプリット、そして片方がダブルとなり、開幕早々僕のベットサークルには10枚×3=30枚のブラックチップが置かれていました。ディーラーはアップカード3から8を引いて合計11。その次のカードが10だと僕のベットは全滅するところでしたが、ディーラーの3枚目のカードはA、そしてそこから10を引いてディーラーはまたもバストでした。
これでゲーム開始5分でA$3,000をゲット。今年はずいぶん調子が良さそうです。
■「勝ち逃げ」が基本
これ以上無いスタートダッシュを決めたものの、その後は逆にぱったりとベットアップ・ストラテジーの条件が入りません。その代わりか、入ってくるのは通りすがりのプレイヤーばかり。次々に入っては抜け、入っては抜けを繰り返し、プレイ中のボックス数がなかなか安定してくれません。僕は他のプレイヤーのプレイを基本的に気にしないことにしていますが、こうも頻繁にボックスの開け閉めが続くと、ベットアップ・ストラテジーの条件が入ったときにも自信を持って攻められません。ウ〜ン、これは良くない。わずかですがメンタルコントロールに悪影響しています。
シューごとのゲームの勝敗数もだんだん悪くなってきました。3連敗することも増え始め、ジリジリとチップが減らされます。そんなところに久しぶりのベットアップがやってきました。ところが2回連続ディーラーのBJであっさりと転がされ、一瞬で合計16枚のブラックチップを失ってしまいました。まあ、仕方がありません。この時点で成績はプラスA$800ほど。下り坂の成績ですが、プラスのうちに席を立つ「勝ち逃げ」がGAKUストラテジーの基本ですので、一旦席を立つことにしました。いずれにしても、これで2006年初めてのセッションはプラスを記録です!良いスタートが切れました(^_^)v。
■大連敗の波
昼食から戻った僕を待っていたのは、昨年嫌というほど体験したあの「大連敗の波」でした。スタートから8連敗したかと思えば、1勝をはさんで10連敗。その大半をミニマムで打たれ越してはいたものの、これは相当キツいシューです。その後も6勝15敗ほどのペースの勝率のシューが3回も連続して続き、これではさすがに手持ちのチップは減る一方です。
そんな中、久しぶりに来たベットアップすら2回連続で外し、バイインの1万ドルはいつの間にか半分の5千ドルほどになっていました。どうやら今年も楽には勝たせてもらえないようです。やっぱり、そうですよね。。。それがブラックジャックというゲームなのですから。。。
その後のベットアップA$1,000ベットの手は、ディーラーアップカード10に対して、こちらは14が配られました。通常なら「ほとんど負けの手」ですよね。でも、GAKUストラテジーではこんな場面から「奇跡のまくり」がよく起こるものなのです。僕は14から当然のように7を引いて合計21としました。この瞬間、他のプレイヤーやギャラリーからは「Wow!」と歓声が上がります。でも僕は結果が確定するまでは「決して勝ったと思わない」主義なので、平然と構えたままにします。それがぬか喜びになってしまうと、大きく落胆してメンタルコントロールを乱すきっかけになるからです。案の定と言うべきでしょうか。このときは、ディーラーにバックドアのBJを決められて敗退しました。
そしてすぐに訪れた次のベットアップでは、A$1,000ベットの手にディーラーアップカード10に対して、こちらは16が配られました。僕はここも当然のように5を引いて合計21としました。しかし悪いことは続くもの。ディーラーにまたしてもバックドアのBJを決められて敗退したのです。
ベットアップ・ストラテジー4回連続の失敗。。。8千ドルオーバーの損失。2回目のセッションは痛恨の大敗を喰らってしまいました。手持ちの千ドルていどのチップでは、もはやGAKUストラテジーはできません。続ければ自分のシステムを無視したプレイで「負け切る」のが見えています。ここはいったん部屋に戻り、シミュレーションを組み直して出直すしかありません。乱れてしまったメンタルも、もういちどしっかりリセットする必要があります。
昨年あれだけの激闘を制してきたGAKUストラテジーです。この程度のマイナスは、プラスにもっていくまでのシミュレーションを組み直し、その通りやればきっちり取り戻せる。僕には強い自信がありました。「よし!メンタルは乱れていない。きっとできる。まずは次のセッションで小さくても確実にプラスを記録することだ。」
気持ちをしっかりリセットした僕は、自分にそう言い聞かせ、次の戦いのために部屋を後にしました。(この時点での成績:マイナスA$7,500ほど。)
■抜け出せない連敗の波
2セッション終えて現在までの成績はマイナスA$7,500ほど。部屋に戻って、本日中に原点付近まで復帰するためのシミュレーションを行ない、いつものようにメンタルもうまくリセットしました。僕はリゾカジ旅行中に部屋で何度もこれを繰り返します。ひとつのイメージトレーニングですね。GAKUストラテジーの最も大事な部分のひとつだと思います。
さて、今の僕にとって次のセッションはとても重要です。目標はただひとつ。小さくても良いから一度プラスを記録することです。たとえ小さくても一度プラスのセッションを作ると、それまでのマイナスの流れを断ち切ることができるからです。今まで何度となくそこから這い上がって来ました(笑)。
ところが、その重要なセッションの展開は苦しいものでした。なんとスタートから7連敗。最初のシューは3勝15敗という散々な勝率です。ベットアップ・ストラテジーの条件も入らないので、ジリジリとマイナスを重ねていきます。何かを変えようと、わざとミニマムA$10の台に座ったのがミスだったかもしれません。プレイヤーが多くて常にフルボックスで進むゲームは時間がかかり、それに加えて「Perfect Pair」というサイドベットにもベットするプレイヤーが多いのでゲーム進行が遅すぎるのです。やはりBJはリズムよくプレイしないと良いリズムも生まれません。それでも1時間ほど粘ってみましたが一向に勝率が上向かず、自分のリズムでプレイもできないので、マイナスのまま思い切って席を立つことにしました。このセッションの成績はマイナスA$1500。トータルの成績はこれでマイナスA$9,000ほどです。重要なセッションをマイナス成績で終えてしまいました。。。
とにかく、ここはもういちど気持ちを切り替えるしかありません。1万ドルの負けを受容し、気持ちだけは負けずにいこうと決めました。GAKUストラテジーの基本は「いつでもできる全力投球」と「勝ち逃げ」です。弱気になっていてはどうしてもその「潔さ」が鈍るものです。勝負の前に気持ちで負けてはいけないと、トイレで自分に張り手を一発。気合いを込めて次のセッションに臨む以外にありませんでした。
■ベットアップ・ラッシュ
気合いを入れ直して臨んだ第4セッション。今までのうっぷんを晴らすかのようにベットアップが決まりだします。A$1,000ベットがスプリットになり、そしてその片方がダブルダウンになった合計A$3,000を勝ち取ってからは、ベットアップは100%の勝率を続けています。僕のテーブルには大勢のギャラリーが取り囲み、僕がビッグベットで勝つたびに歓声を上げてくれます。そういうギャラリーの応援も大きな力になりました。
区切りの良いところで休憩を入れてセッションを切り、また最初に戻って1万ドルでバイインして新たなセッションを開始します。そうやってセッションを細かく切っていった結果、マイナスA$9,000ほどだったトータル成績は、一気にマイナスA$2,400まで持っていくことが出来ました。GAKUストラテジーがラッシュで決まりだすとその破壊力は相変わらず強烈です。
まだ深夜1時をまわったところですが、初日の成績としては上出来です。なにしろ一時A$9,000ほどのマイナスを背負っていたのですから。初日のうちに原点復帰まではいかなかったものの、これで明日最終日はプラスに持って行けるだろうという自信がみなぎりました。今晩はもう休んで明日の決戦に備えよう!
2006年初戦を勝利で飾ろうというモチベーションも高まってきました。よし!明日はやるぞ!
(この時点での成績:マイナスA$2,400)
■更なる試練
絶好調と思ったスタートでしたが、その直後のセッションから始まった大連敗の波に飲み込まれて、一気に水中深くまで沈められることになってしまいました。まったく、、、これでは昨年と同じいつものパターンです(^^ゞ。でも、一時マイナスA$9,000だったトータル成績を、なんとかマイナスA$2,400まで戻して昨日のプレイを終了しましたので、今日のプレイで十分プラスに持っていける射程圏内です。「勝つ」ためのモチベーションは上がっていますから、今日はきっとイケるはずです。
。。。なんて思っていたら、開始直後からベットアップを3回連続で外し、こちらの意に反して一気に急降下していくではありませんか(>_<)。アレアレ?水面が見えかけていたのに、あっという間に光も届かないほど水中深くまで沈められてしまいました。5セッション連続で負け越して、なんと2時間でマイナスA$13,000!トータルではマイナスA$15,000を超してしまいました。。。
昨日と同様にプレイヤーの出入りが激しく、ボックス数の維持を意識し過ぎて、途中から2ハンドのプレイになってしまったことがマイナスの大きな原因でした。いつもの2倍のベットですから、落ちるときもやっぱり2倍のスピードです。他のプレイヤーのことは全く気にしないのがGAKUストラテジーなんですが、今回はいつもと違って初日から気になる瞬間がどうも多いのです。理由は分かりませんが、何か今ひとつ集中できていない証拠です。これは良くありません。なんとか気合いを入れ直さないと。
残りのバンクロールはA$13,000ほど。次のセッションも連続して負け越すと、バンクロール不足となって、もはやGAKUストラテジーのシステムは使えません。当然のごとく次のセッションは背水の陣。ふぅ〜。。。2006年も初戦からこれですか。。。どうやら今年も熱い戦いになりそうです(笑)。
(この時点での成績:マイナスA$15,000)
■背水の陣〜TOPギアへ
もうこれ以上後退はできません。僕が最後にとるべき手段は、、、やはり「GAKUストラテジー」を貫くこと。1ボックスのプレイに徹し、集中してカードの流れを読み、機をみてベット設定を2倍に上げる攻撃的な戦術をとることに決定しました。具体的には以下の通りです。
「ミニマムA$25、基本ベットA$100、ベットアップ・ストラテジーA$600 - A$1,000」
という通常のベットマネージメントを、以下のように変更して臨みました。
「ミニマムA$25、基本ベットA$200、ベットアップ・ストラテジーA$1,200 - A$2,000」
このベットマネージメントでは、ミニマムとマックスのスプレッドがなんと80倍になります。ミニマムA$25のフラットベットでプレイしていたプレイヤーが、次の瞬間、何のためらいもなく瞬時に48倍、そして80倍のベットをしてくるのですから、きっと観ているだけでも結構面白いのでしょう。ギャラリーが沢山集まって来ます。
ディーラーアップカード2または3に対して、こちらのハード12という組み合わせの状況は、自分のカードの流れを知るひとつの目安になるケースと思っています。こんなときに10を引いてバストするようではいけません。9を引いて21にするのがベストですが、ヒットして18以上になるようでないとカードの流れが良いとは言えないと思っています。
今滞在中は、こんな組み合わせの状況から10を引くことがなんと多いこと多いこと。。。ことごとくバストし、「ステイが正解」と思っている地元のプレイヤーからは鼻で笑われる始末でした(>_<)。でも良いんです。A$25ベットしていようがA$2,000ベットしていようが、ベーシック・ストラテジーから外れないプレイが僕のGAKUストラテジー。それをとことん貫き通すのみです。
背水の陣最初のシューをほぼイーヴンで終えた後の2シュー目。ついにこの状況から9を引いて21として勝ちました。さあ、ここでいよいよギアをTOPに放り込みます。気持ちに迷いは微塵もありません。「いける!絶対にいける!」
その直後に来た最初のベットアップはディーラー・アップカード7に対して、こちらは77。ノータイムでスプリットです。片方にはAがひっついてソフト18ステイ。もう片方には4がひっついて11ダブルダウン。こちらは7を引いて同じく18です。ディーラーはあっさりと10をひいて17ステイ。すべて1目勝ち。軽いタッチです。この一撃でA$1,200×3=A$3,600を仕留めた後は、なんとベットアップ5連勝。バイインした1万ドルが倍を超したところで一旦セッション終了です。このセッション45分ほどでプラスA$10,000オーバーでした。BJテーブルの下で小さく控えめなガッツポーズ。何より攻撃にいつもの切れが出て来たことが嬉しかった瞬間でした。マイナスA$15,000だったトータル成績をマイナスA$4,000ほどまで戻す大一番でした。これを取ったら後は最後の仕上げだけ。きっちりプラスまで持っていこうじゃありませんか。
ここからはいつも通りの勝ち逃げ戦法です。つぎの2セッションを短時間で区切り、連続してA$1,000超のプラスをゲット。トータル成績マイナスA$1,500としたところで夕食に出かけました。
夕食の後のセッションは、それまでと違って調子が良いものでした。ベットアップ・ストラテジーは入らないものの、3連敗しないので少しずつですが着実にチップが増えていきます。水面上の光がもうはっきりと確認できるところまで浮上したとき、ついにベットアップ・ストラテジーが入りました。
ディーラー・アップカード7に対し、A$1,200のチップが置かれたベットサークルに配られた2枚のカードは6と5の合計11。ダブルダウン。。。今まで何度も見てきた光景。。。でもそのとき配られた3枚目のカードは確かに光って見えたのです。それはダイヤのQでした。。。そして、ディーラーにはスペードのK。。。ゲームセット!シューの途中でしたが潔くここで終了です。GAKUストラテジー2006年初戦は、非常に苦しい展開ながらもプラスA$1,500という成績でした。
■戦績詳細
成績:+A$1,500
プレイ時間:15時間45分
ターンオーバー:A$370,000
コンプ:A$1,850
シュー勝敗数:56シュー(26勝30敗)
ベットアップ・ストラテジー勝敗数:51勝19敗
(※ベットアップ・ストラテジーの「敗数」は1敗につき2連敗を意味するので、勝:敗=2:1が勝敗数のイーヴンということになります。)

※グラフ画像は今回のケアンズでの成績をセッションごとにグラフにしたものです。セッション11が最終結果になります。このグラフは、Taka4さん制作による
BJ RECORD SHEET(EXCELファイル)にセッションごとの成績を入力したものです。
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