■GAKUストラテジー発祥の地〜ザ・リーフ・カジノ
2006年第2戦は前回に引き続いてケアンズのザ・リーフ・カジノ。このカジノはGAKUストラテジーのきっかけを掴んだカジノですし、その後のGAKUストラテジーに大きな変化をもたらすきっかけにもなったところです。いわば、GAKUストラテジー発祥の地と言っても良いでしょう(笑)。
ザ・リーフ・カジノをはじめ、オーストラリア・カジノのBJルールは、
・サレンダーが無い
・ダブルダウンが9,10,11の時のみ(D9)
・スプリットは1回だけ
などの理由で、「ルールはあまり良くない」と評されることが多いようです。
でも、スプリットとダブルダウンの組み合わせで、1回のベットが最大4倍までにしかならないそのオーストラリア・カジノのBJルールは、「ベットスプレッドが大きく設定できる」という点において、GAKUストラテジーにとっては有利だと考えています。
たとえば、ラスベガスのストリップ主要カジノのBJルールでは、4ハンドまでのスプリットが認められています。とても可能性は低いものの、もしそれら全てがダブルダウンになってしまうと、1回のベットが最大8倍になる瞬間が考えられます。GAKUストラテジーのベットスプレッドを設定する際は、この点を考慮する必要があります。1回のベットが最大8倍になる可能性のあるラスベガスでは、どうしてもベットスプレッドを小さくするしかありません。言い換えると、「最大ベット額を小さくしなければいけない」ということです。オーストラリア・カジノと同じ設定で臨んでしまうと、バイインやバンクロールに対する1回のベット額が大きくなりすぎる危険性があるからです。
大きなベットスプレッドこそ、GAKUストラテジーの真骨頂です。でも、それは同時に「大きなリスク」を伴っています。GAKUストラテジーは波が激しいのが特徴ですが、それは「止め時」の判断を見極めやすくする効果が狙いです。しかし、プレイ中のこの波の激しさに慣れていないと、逆にメンタルコントロールを難しくしてしまう危険性もあります。
今回はGAKUストラテジーの波の激しさを改めて体感することになりました。。。えっ?「それはいつものことじゃないか!」ですって?いやいや。。。今回のそれは過去最大の大波でした(笑)。
■デジャブー?
第1セッションのスタートダッシュは鮮烈でした。まず最初のシューでベットアップA$1,000を2回連続で仕留め、続いてA$1,000のダブルダウンも2回連続で仕留めたのです。最初のシューが終わってあっさりプラスA$3,000。これは出来過ぎの成績です。ん???デジャブーかしら?なぜか以前に体験したような気が。。。そこで前回の記憶が蘇りました。「前回も確か開始5分でプラスA$3,000を記録したんだよなぁ。。。」
ちょうどそこに現れたGAKUストラテジー師範代のケニーさん。「GAKUさん、もうやめて帰っても良いんじゃないですか?」今考えると、本当にそうでしたね(笑)。
ベットアップ4連勝も、逆にその後の4連敗で一気にマイナスに引き込まれます。なんとしてもプラスのうちに一旦席を立ちたかったのですが、ベットアップ・ストラテジー通りのプレイですから、負けると原点付近から一気にマイナス領域に引き込まれます。
その後も流れが悪く、A$1,000のダブルダウンを外したところにちょうど梶野さんが現れました。第1セッション最下点であるマイナスA$4,400まで引き込まれていましたが、気分転換にということで二人でランチに出かけることにしました。プラスA$3,000からマイナスA$4,400。いつものことながら、GAKUストラテジーの波はやはり強烈です。
(この時点での成績:マイナスA$4,400)
■出来過ぎからの過信?
ランチから帰った第2セッションはとても重要です。前回のようなツラい展開はご免ですから、スタートから2セッション連続でのマイナスはなんとしても避けたいところです。梶野さんも同席した第2セッションは、幸い波がゆるやかなゲーム展開で、プラスA$500を確保したところで一旦セッションを切ることができました。わずかなプラスではありますが、マイナスの流れを断ち切るにはとても有効なことです。
少し休憩を入れた後の第3セッションは、なんと3シュー連続の勝ち越し。ベットアップ無傷の6連勝を決めてプラスA$4,700をたたき出すことに成功です。トータルではプラスA$800。これはなんと40分ほどの出来事でした。
最初のセッションのマイナスを、その直後の2セッションできっちり戻せたのは幸運でした。これでまた仕切り直すことができます。僕はA$4,000程度のマイナスを取り戻すのに、通常は3セッションぐらいで取り戻すシミュレーションを組むことが多いのですが、今回はあまりに出来過ぎて2セッションでの復活。今考えると、これがちょっとガードを甘くさせたのかもしれません。
次のセッションから未曾有のマイナスの波が襲って来ようとは。。。この時点では全く予期できませんでした。
(この時点での成績:プラスA$800)
■メンタルコントロールとフィジカルコントロール
前回の第3セッションでトータル成績をプラスに持っていった僕は、どこかに気の弛みが生じていたのかもしれません。続く第4セッション開始早々のベットアップを2連敗し、この時点でわずかながらメンタルの乱れを感じ始めました。それまでほぼBS通りにプレイしていた同席のプレイヤーが、僕がベットアップしたときに限ってBSから外れたプレイをするのです。これは単なる偶然だったのでしょう。でも、その結果ベットアップをさらに3連敗してしまいました。タラ・レバはいけませんが、いずれの回もBS通りにプレイしてくれていればディーラーのバストで勝っていた流れでした。
GAKUストラテジーにおいて、こんなことを気にするのは全く無意味なこと。自らの手でメンタルコントロールを崩壊させてしまう危険な行為と考えるからです。でも、普段と違ってなぜか気になってしまうのです。。。う〜ん。これはすでにメンタルコントロールを失いかけている危険な状態。こんなときは潔く席を立つのが鉄則なのですが、今回はそれがなかなか思うようにできません。その理由は分かっていました。実はケアンズ出発直前に患った急性胃腸炎がまだ完治しておらず、常にムカムカする胃の不快感がその判断を鈍らせていたのです。いつものようにフットワーク軽く席を立つことがどうしてもできません。
体調不良を意識すると、勝負を急いでしまいがちです。これはとても危険な兆候です。しかし、このとき僕は危険と知りつつシフトアップ(ベットスプレッドを2倍に上げること)に踏み切りました。
GAKUストラテジー通りのプレイを貫いてはいるものの、その後も1シューごとに着実にチップが減っていきます。そしてチップのダウンとは相反して、胃の内容物はアップして来る感じです。「ぐ、ぐあいが悪い。。。やっぱりカジノにはフィジカルコントロールも大切だぁ。。。」なんて反省もすでに時遅し。第4セッションはベットアップA$2,000のダブルダウンを外したところであえなくゲーム終了。マイナスA$9,600の大敗でした。
(この時点での成績:マイナスA$8,800)
■タラ・レバ
まだ初日だというのに、今回はいつになく反省をくり返すことばかり。メンタルコントロールが信条のGAKUストラテジーが揺らいでいます。ここまでの成績はマイナスA$8,800。いつもなら十分取り戻せる範囲内なのに、体調不良が自信回復を阻みます。う〜ん。。。完全に「気」が低下しています。気合いを入れようにも急性胃腸炎のお腹には力が入らないという悪循環。このまま負けを受容して今回は寝るべきか。。。
そんな葛藤をくり返し次のセッションに入ろうか迷っているとき、盟友ケニーさんが現れました。ここはケニーさんの気合いに引っ張っていってもらうしかありません。気合いをふりしぼって第5セッションに臨みました。
この第5セッションは行ったり来たりの攻防が長時間続いていました。ケニーさんの気合いに引っ張られ、なんとか気持ちは萎えずに善戦できていました。
そのセッション4シュー目のことです。2ハンドプレイをしていたところにベットアップ・ストラテジーの条件が入りました。僕はそれぞれのボックスにA$600ずつのベット。そこに配られたカードは、ディーラーアップカード2に対して、ひとつのボックスが4+6のダブルダウン、もうひとつが88のスプリットでした。サードベースに座っていた僕の隣りは梶野さん。それまでBS通りのプレイだった梶野さんが合計13からなぜかヒットのハンドシグナルを出しちゃったのです。
「えっ!」
僕はディーラーが次のカードをディールしようとする動作よりも一瞬早く、大きくステイのハンドシグナルをアピールしました。すぐに梶野さんもそれに気がつき、あわててステイのハンドシグナルをし直しました。いつもなら、ディーラーがカードをディールする前ならステイを認めてくれるのに、そのときのインスペクターは「一旦ヒットのハンドシグナルを出したのだからステイは認められない。」という判断でした。そのときの担当ディーラーが新人だったので、「新人教育」の目的もあったのでしょう。まあ仕方がありません。横にいる梶野さんは「GAKUさん、すいませ〜ん。」と申し訳無さそうですが、良いんですよ、どちらでも。結果がどうだろうと気にしないのがGAKUストラテジーなのですから。
結局梶野さんのプレイは13からヒットということになり、そこに配られたカードはAでした。
「ん?」
僕の次のハンドは4+6からのダブルダウン。本当は僕に来ていたAのはずでした。「うわ〜!GAKUさん、すいません!」と梶野さん。そしてそのダブルダウンに実際に配られたカードはなんと3。これは次のハンドの88をスプリットすれば8+3のダブルダウンに発展する重要なカードでした。「うわ〜!これも大事なカードだぁ〜!」とまたまた梶野さん。普段はこんなことも全く気にしないはずのGAKUストラテジーですが、メンタルコントロールが十分に出来ず、その上お腹の調子も悪い僕には、梶野さんのその解説がグサッグサッと心に突き刺ささっていきます。これでディーラーが21なんてことになったら、今日は本当に寝るしかありません。
そして、注目のディーラーのハンド。アップカード2からまずTを引いて合計12。そして運命の3枚目は、、、もう一枚のT。2+10+10=22。ディーラーのバストでした。合計ベットアップ3単位(A$1,800)の勝ち。で、参考までにまたしてもここでタラ・レバ。詳細は割愛しますが、もし梶野さんがBS通りステイしていたら、僕は差し引き合計1単位(A$600)の負けでした。「すいませ〜ん!」とくり返していた梶野さんが一転して、「ほらね!僕のお陰でしょ!」と強気な発言に変わったのは言うまでもありません(笑)。
しかし、なんとか善戦していたのもここまで。A$600のベットアップを2回取っても、ベットアップ2回目のA$1,000がスプリット&ダブルとなって負けるという悪循環を繰り返し、とうとうこのセッションもマイナスA$6,000で席を立つしかありませんでした。
(この時点での成績:マイナスA$14,800)
■勝負の流れ
第5セッションを終えて現在の成績はマイナスA$14,800。すでに前回のケアンズでのマイナス最下点(マイナスA$15,000)とほぼ同じところまで来てしまいました。2戦連続してこんなマイナスから這い上がることができるのか?ましてや今回は、急性胃腸炎というマイナス要因のオマケ付きです。次のセッションで連敗したら、今回の負けはほぼ決定的と言って良いでしょう。
そこに今回初めてお会いしたリゾカジスト、KOJIさんが登場しました。ケニーさんとは以前から意気投合しているようで、オーラとも言えるとても良い「気」を感じます。そんなKOJIさんの気に引っ張られるように、オープン時間を迎えたCLUB Priveで第6セッションをスタート。気合いを入れ直し、このセッションは最初からシフトアップです。リゾカジメンバーが4人も揃えば自然と気合いも乗ってきます。リゾカジオフ会はこれがあるから強いんです。最初のベットアップA$1,200を取り、続いてのベットアップA$1,200は今滞在初のブラックジャック!そういえば、ベットアップでずっとブラックジャックが入っていませんでした。これです。この感じ!最初のシューでプラスA$3,600を記録し、続いてのシューでもA$1,400を記録。「よし!いける!」今回もここからの大逆転か!と思ったそのとき。。。リゾカジメンバーの間に割り込んで来た一人のプレイヤーが新しいボックスをオープン。
一瞬感じた嫌な予感は、不幸にも的中してしまいました。
その後のベットアップはA$1,200-A$2,000を3回連続で外し、最後は渾身の力を振り絞ったA$2,000のスプリットがディーラーの21できれいに一刀両断。「あっ」と声を漏らす間もありませんでした。
ほんのちょっとしたことで勝負の流れは変わってしまう。。。それがカジノ。それがギャンブル。
起死回生を狙ったこの大事なセッションをマイナスA$9,000で終了。GAKUストラテジー、今回はついに万事休すか。。。
(この時点での成績:マイナスA$23,800)
■GAKUストラテジーの真髄〜メンタルのリセット
部屋に着くと、それまで気を張って押さえて続けていた吐き気がこみ上げてきました。途中、胃けいれんを起こしたらしく、引きちぎられるような強烈な胃の痛みにトイレの床で声も出せずに這いつくばることになってしまいました。しばらくして胃の痛みも落ち着き、涙目になったひどい顔を水で洗い流すと、鏡に映った自分の顔は、今まで見たことが無いほど蒼白していました。我ながらよくこんな体調でプレイしていたものです。そう考えたら、なんだか笑いがこみ上げてきました。
「カジノの魔力ってのはやっぱり強烈だなぁ。。。でも、あれだけのマイナスを喰らったにせよ、最後までメンタルコントロールを壊さなかったGAKUストラテジーも凄いよな。。。」大敗を喫した直後なのに、なんだか妙な自信をつけている自分に気がつきました。
しばらく休んでいたら体調が落ち着いてきたので、現在までの成績を再確認してみることにしました。
・現在までの成績はマイナスA$23,800
・シューの勝敗数は17勝25敗
・ベットアップ・ストラテジーの勝敗数は23勝26敗
シューの勝敗数の負け越しは毎度のことですが、なんと、ベットアップ・ストラテジーの勝率が過去に無いほど最悪の数字です。ベットアップ・ストラテジーの1敗は、スプリットとダブルダウンを除いて、2連敗で1敗とカウントしますから、26敗していたら、勝ちはその倍の52勝くらいないとイーヴンにはならないのです。それがなんと勝敗数で負け越し。。。これではどうやっても勝てるはずがありません。
とにかく、現在までのマイナスの原因は把握できました。これほどの負の流れであればきっと正の流れもやってくるはず。そこをピンポイントできっちり勝ち取る。勝ち上がる方法はこれだけ。問題はそこまでバンクロールが耐えられるか、の一点です。残りのバンクロールはA$8,000ちょっと。あとはケツの毛とも言えるエマージェンシーの日本円が少しあるだけです。GAKUストラテジーの最低バイインはA$10,000がルール。いずれにしてもここからは背水の陣ですが、まずはバンクロールをA$10,000にすること。この一点に集中してがんばるしかありません。
吐き気は完全に止まり、今まで無かった食欲も感じてくるようになりました。
「よし!」
体力は無いけど、やれるところまでやってみようじゃないか!叩きのめされるようにこれだけ負けているのに、GAKUストラテジーのお陰でメンタルだけは壊れていないのだから。
(この時点での成績:マイナスA$23,800)
■無情の結末
今からの目標は「バンクロールをA$10,000にすること」ただこれだけ。みんなが待っているCLUB Priveに戻る前に、メインフロアのBJテーブルでそれだけは達成しておきたかったのです。A$6,000バイインで臨んだ僕一人だけのBJテーブル。2ボックスでプレイ開始です。すぐにやってきたベットアップにはA$600を2ボックスにベット。しかしこれはあっさり転がされて、次はA$1,000を2ボックスにベットです。ディーラーアップカード6に対して、僕の2ボックスに配られたカードは両方とも合計数11。当然ダブルダウン。ここに配られたカードは両方とも9で、僕の2ボックスは両方とも合計20になったのです。ディーラーアップカードは6。十分に勝てる勝負でした。ディーラーはアップカード6から3を引いて合計9。そこから6を引いて合計15。「いける!」と思った瞬間。開かれたディーラーの4枚目のカードは、、、無情にも6。。。
な、なんと、開始10分のゲームでバイインA$6,000の大半を失ってしまいました。。。復活を信じて臨んだセッションで、このような無情な結末が待っているとは。。。
どうなる?GAKUストラテジー?
(この時点での成績:マイナスA$29,800)
■伝説の始まり
メンタルをリセットして臨んだ背水の陣でしたが、ベットアップ・ストラテジーの連敗で最後のバンクロールだったA$6,000を失った今。最後は端数のA$とわずかな日本円を持ち出すしかありません。前のセッションであれだけ奇麗にやられては、ショックを感じる暇もありませんでした。残りのバンクロールをかき集めると、手元にはA$4,700が残っていました。これはせめてリゾカジメンバーと楽しくプレイするのに取っておこうと考え、CLUB Priveに向かいました。
CLUB Priveに戻ると、ケニーさん、梶野さん、KOJIさんが楽しそうにプレイしていました。みなさん、調子が良さそうです。今の僕のバンクロールでは、通常のGAKUストラテジーのプレイは無理です。GAKUストラテジー師範代のケニーさんのボックスにバックベットして、ベットアップの条件が入るのをただひたすら待つことにしました。すると、今までの連敗が嘘のように勝ち始めたのです。調子が良さそうなKOJIさんのボックスにもバックベットしてみましたが、ベットアップがどんどん決まります。手元にあったA$4,700のバンクロールが一気にA$9,000ほどになっていました。
バンクロールがこれだけあれば、もうひと勝負できます。僕は意を決して隣りのテーブルに一人で移り、強気の背水の陣で臨みました。2ボックスでいつもの2倍のベットスプレッド。勝負のときはいつでもオールインの覚悟です。ベットアップ・ストラテジーが入ったときは、2ボックスにそれぞれA$1,200 - A$2,000をベットする超攻撃的モード。すぐに2ボックスともA$2,000をベットする瞬間がやってきました。その片方のハンドがスプリットで合計ベットはA$6,000。これを外せば手元のチップはほぼ0です。でも、ジリ貧で切羽詰まったオールインではなく、あくまでベットアップ・ストラテジーに則した攻撃的なオールイン。手応えを掴んだGAKUストラテジーが負ける訳などありません。今までの不調が嘘のように、これを連発で奪取していきます。もちろん勝ったり負けたりの瞬間もありますが、それまでと違ってベットアップはいつものように高い勝率を維持しています。そして積み上げられていく「勝ち」が、失いかけていた自信とチップを取り戻していきます。そしてみるみるとA$1,000チップのスタッグが増えていったのです。
集中して無我夢中で続けたプレイ。あとから記録を確認すると3時間30分のプレイ時間でした。きらびやかなCLUB Priveの天井を見上げ、ふう〜っと大きく深呼吸。手元にはA$22,000ほどのチップが並んでいました。このセッション、奇跡のプラスA$17,000。
初日のプレイはここで終了でした。
(この時点での成績:マイナスA$12,800)
■GAKUストラテジー復活
激闘の初日、部屋に戻ったのは午前5時をまわったところ。僕は崩れるようにベッドに倒れ込みました。きっと夢をみる体力すら無かったのでしょう。珍しいほど熟睡していました。翌朝は8時30分に予約していたマッサージを受け、熱いシャワーを浴びて眼を覚ましました。
なぜだか不思議なほど気が充実しています。そして昨日まで患っていた胃の不快感もすっかり消えていました。現在マイナスA$12,800。すでに受容できる負けの範囲内ですが、これを取り戻せたら「伝説」の完結です。今日一日、合計7セッションで全てを取り戻すというシミュレーションは具体的にイメージできています。後はいつも通りの「勝ち逃げ」を繰り返すだけ。「よし、もう大丈夫。今日はいけそうだ!」
今日のプレイは昨日のそれとまったく感触が違います。何より体調が戻ったので、フットワーク軽く勝ち逃げができます。これです。これがいつもの僕のプレイなのです。メンタルを乱しそうな場面ではシューの途中でもさっと席を離れることができるようになりました。
第1セッションでプラスA$3,500
第2セッションでプラスA$2,100
第3セッションでプラスA$700
第4セッションでプラスA$500
第5セッションでプラスA$2,200
なんと無傷のセッション5連勝でトータル成績をマイナスA$3,800まで戻しました。
「今のGAKUさんならもう大丈夫でしょう。昨日までの「気」とまるで違います。きっと伝説を作ってくれるでしょう。」と盟友ケニーさん。そうです。もうまったく負ける気がしません。完全にいつもの僕に戻りました!
夕食はリゾカジメンバー全員でいつものカフェチャイナへ。KOJIさんおすすめの(源さんもおすすめ)美味しい蚫のしゃぶしゃぶをいただき、一同にこやかな雰囲気の夕食会でした。
食後は皆ブラックジャックをプレイしたい気持ちが高まっていて、CLUB Priveに向かうみんなの足どりが自然と早歩きになっているのが分かります(笑)。
さて、次のセッションは僕にとっても最重要。GAKUストラテジーの全てをぶつける覚悟はできています。ここまできたら、きっちりやってやろうじゃありませんか。
(この時点での成績:マイナスA$3,800)
■新たな伝説
夕食を終えてCLUB Priveに着いたのは22:30。すでにミニマムA$25のブラックジャックテーブルはローカルのプレイヤーでいっぱい。空いていたのはミニマムA$50のテーブルだけでした。ピットボスにミニマムをA$25に変更してもらえないかリクエストしたのですが、これはあっさり却下。仕方がないので、ミニマムA$50のテーブルでプレイすることになりました。ミニマムA$50は今回初めてのプレイ。すぐにGAKUストラテジーのベットスプレッドを以下のように変更しました。
・打たれ越しモードA$50
・基本モードA$200 - A$300 - A$500
・ベットアップモードA$1,200 - A$2,000
上記設定で1ボックスのプレイ。バイインはA$20,000。
布陣はファーストベースから、KOJIさん、ケニーさん、梶野さん、GAKUの順。リゾカジメンバーでテーブル独占です。
さて、勝負の方は開始数分でベットアップ・ストラテジーの条件が入りました。すかさずA$1,200をベット。GAKUストラテジー師範代ケニーさんはもちろんですが、今回ずっと一緒にプレイしている梶野さんも「入りましたね!」と思わず声を出しています。梶野さんもすっかりGAKUストラテジーの勢いに洗脳されている様子です(笑)。そしてGAKUストラテジー初体験のKOJIさんも「GAKUさん!ここですか!」と思わず声が出ています(笑×2)。残念ながらこの回は負け、つづいてはベットアップ2回目A$2,000のベットです。するとここに11のダブルダウンが入りました。大丈夫!今の僕には絶対の自信があります。当然のようにきっちりTを引いて21。。。会心の一撃!リゾカジメンバー全員でハイタッチです。
配当が終わり手元にあるチップを数えると、プラスA$3,900。なんと今の一撃でついにトータルでプラスに転じました!
そして続く運命の2シュー目。その場に居合わせた全員が「伝説」を目撃することになります。
そのシューは開始早々からベットアップがラッシュで入っていきます。そしてその全てをことごとく奪取!葬式のように静まり返った隣りのテーブルとは対照的に、このテーブルでは大歓声とハイタッチが続いています。ディーラー・アップカードがAで、プレイヤーが16だろうが全員が負けません。ヒットをすれば21、ディーラーはAから6を引いて全員勝利という信じられない勢いです。
ここまでなんとベットアップ5連勝!さすがに「そろそろ次は負けるかも。。。」という一抹の不安がよぎります。でも、今すぐに席を立たずにプレイを続けるというのなら、僕はGAKUストラテジーから外れたことをする訳にはいきません。気合いを入れ直して6回目のベットアップもA$1,200ベット。ディーラー・アップカードTに対してこちらは12。渾身のヒットに配られたカードは9。。。合計21。そしてディーラーの2枚目はあっさり7。またしても全員が勝利です!
でも、まだです。勝利の余韻に浸っている場合ではありません。もう次のベットアップ・ストラテジーが入っちゃったじゃありませんか!これまで無傷の6連勝。次が7回目のベットアップ。さあ、みなさん、いきましょう!迷っている暇があったら、一枚でも多くのチップをベットサークルに置くことです!A$1,200ベット。しかし、ここはディーラー・アップカードAからBJ。全員敗退。でも、ここでひるんではいけません!GAKUストラテジーにおいて、BJは強いハンドではありません。たまたま偶然起こったこと。迷わず2回目のベットアップにいきましょう!ベットはA$2,000。
「よぉーし!来い!」
そこに配られたカードは、ディーラー・アップカード9に対して7+3=10のダブルダウン。A$500チップ4枚のスタッグを、ベットサークルにあるオリジナルベットの左横に置きます。合計A$4,000置かれたそのボックスに配られた3枚目のカードは8。
「ん!」
合計数18はディーラー・アップカード9に対して一目負けています。
「でも、信じる。信じ切る。」
GAKUストラテジーでは何かが起こるのです。
ディーラーの2枚目のカードは5。合計13。。。次が3。合計16。。。そして次のカード。。。
「A」
ディーラーは17。で、自分は?確認に要した一瞬の沈黙を置いて、歓喜のハイタッチ!もちろんこれも全員勝利です!シューエンドに近い残りの数ゲームをミニマムで流してゲームセット!
GAKUストラテジー無傷の7連勝は、わずか45分でプラスA$9,050をたたき出すという、新たな「伝説」の完結でした。これでトータル成績はプラスA$5,250。GAKUストラテジー2006年ケアンズ第2戦は、過去最高のプレイ時間と過去最高のターンオーバーをも更新し、伝説の逆転勝利で幕を閉じたのでした。
■もうひとつの伝説
1年半ほど前、邦貨にしてマイナス630万円だった人生トータル成績を、今回でついにプラス14万円にすることができました。もちろん今後どうなるかは分かりませんが、GAKUストラテジーが無ければここまで来ることは不可能だったことでしょう。リゾカジ.comで出会った、多くのリゾカジストたちからの貴重なアドバイスや経験談。それら全てがGAKUストラテジーの熟成に必要不可欠でした。僕のリゾカジ人生においてまだまだひとつの通過点に過ぎませんが、これからも「細く長く、しぶとく、そしてスマートにカジノで遊び続ける」リゾカジストを目指して、リゾカジ人生を楽しんでいこうと思います。
今まで出会ったすべてのリゾカジストのみなさんに感謝です。
■GAKU人生トータル成績
総プレイ時間:1,079時間
総ターンオーバー:912,908,892円(邦貨換算)
成績:+146,225円
パフォーマンス:+0.0160174800794812%(約+0.2%)
(パフォーマンスとは、総ターンオーバーに対する成績の割合を便宜的に示したものです。)
■戦績詳細
成績:+A$5,250
プレイ時間:21時間30分
ターンオーバー:A$540,000
コンプ:A$2,700
シュー勝敗数:106シュー(53勝53敗)
ベットアップ・ストラテジー勝敗数:98勝59敗
(※ベットアップ・ストラテジーの「敗数」は、スプリットとダブルダウンで負けた場合を除いて1敗につき2連敗を意味するので、勝:敗=2:1がほぼ勝敗数のイーヴンということになります。)

BJ RECORD SHEET(EXCELファイル)にセッションごとの成績を入力したものです。
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