リゾカジ カジノレポート

オペラ座の帝王① (小マカオ編)

* ヨーロッパ 2014/ 02/ 19 Written by マカオの帝王

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■ 1月11日(土)

関空12時25分発のエールフランス航空AF291便は、約12時間半をかけてパリのシャルル・ドゴール国際空港に、現地時間17時に到着した。
(注)今回は華の都、フランスはパリのカジノのレポートです。

昨年秋に済州島から戻ったある日のこと、

「アナタァ、ところで新婚旅行はいつ行くの?」とリンちゃん。

「それなら、夏休みに台湾~マカオに行っただろう」

「何言うた! あれは新婚旅行じゃないの。台湾やマカオじゃ中国の友達に笑われるじゃないか! 韓国もダメ! やっぱりヨーロッパでないと……、それからエルメスのバッグも欲しいわぁ♪」

リンちゃんにとって、それは“夢”であるが、当方にとっては対処すべき一つの“現実”である為、ネットで調べたところ、エルメスの2014年冬のソルド(バーゲン)は1月15日~18日であること、この時期は正月明けで欧州行きパッケージ・ツァーの価格が底であること、中国人の場合はビザが必要なので、数カ国を周遊するタイプのツァーは不向きであること、等を勘案した結果、1月11日出発で、パリで一泊後、バスでまず世界遺産のモンサンミッシェルへ行き、地方で二泊した後にパリに戻り、ちょうどエルメスのソルドと重なる14日~16日はパリに滞在することになる、日本旅行が主催の 「イチ押し! エールフランス直行便で行く、北フランス周遊8日間」に申し込むことにした。

それから11月中旬に中国人が欧州を個人旅行する際に必要なシェンゲン・ビザを東京の広尾まで出向き取得し、エルメス本店のフランス人に馬鹿にされないように、12月には当方の妹に頼み、彼女が昔パリの蚤の市で買ったという年代物のケリーバッグを貸してもらい、年末年始に中国帰省から戻って僅か一週間で再び海外渡航することに伴う仕事の調整をし、そしてこれが当方に取り最も重要な事項であったのだが“パリのカジノ事情”をネットで調べてみた。

『う-ん……、どうも良く分からないなぁ。有る人はパリ市内ではカジノは禁止されており、郊外にしかないと言うし、別の人はパリ市内(中心部)にも小規模なカジノは至る所に有ると言う。また、何やら入場料が100€前後必要だとも書いてあるが、プレイをしないリンちゃんの分も合わせてこんなものを二人分、毎晩払っていたら最初から大きなハンデだ……。これについても、入場料は必ずしも必須ではなく不要のところもある、とも書いて有るし……、取り敢えずホテルの有るパリ北西部のポルト・ド・クリシー地区周辺で、入場料が必要と明記されていないカジノを何軒かピックアップしておき、後は現地で言葉通りの “出たとこ勝負” だ!』

とにかく方針は決定した。

旅行会社からは、「パリ市内は掏りが多いので、多額の現金を持ち歩かないように」との説明を受けてはいたが、カジノではやっぱり現金だろうと、当座の軍資金として関空で、1万円=146€のレートで73万円(=5千€)を交換し、海外のATMで現地通貨の引き出しが可能な銀行のキャッシュカード(三井住友&みずほ)にそれぞれ75万円ずつ入金し、最後に予備として各種クレジットカード(VISA,MASTER,JCB)のそれぞれのゴールドデスクに旅行期間と滞在先を告げ、その間の限度額のアップを図った。

予想通り同行するツァー客(24人)の約半分はカップルで、残りは母娘若しくは女友達同士と圧倒的に女性比率が高い。

パリに到着後、バスでホテルにチェックインを済ませると、早速大人の時間の始まりである。

「アナタァ、飛行機に長い間乗って疲れちゃった……、今から休憩ね」

「何を言っている? 今からが始まりだよ。さぁ、シャワーを浴びたら出発だ!」

ホテルのロビーでタクシーを手配して貰い、パリ市内中心部のオペラ座の近くに有る“ハウスマン”というカジノを目指し出発する。

約10分で賑やかな通りに出て降ろされる。

通りを何度も歩いて探す。

“ハウスマン”発見!

しかし、そこは門が固く閉じられており、灯りも付いておらず、どう見ても営業しているようには思えなかった。

ネットの書き込みを再度調べると、最近ここを訪れた他の日本人からも同様の書き込みが……

『どうやら店仕舞いしたか、もしくは移転だな……。しかしどうやって探したものか? とにかく、“腹が減っては戦が出来ず”だ。近くのイタリアン・レストランでピザでも食べるとするか……』

パリにおける初めての食事がイタリアンなのもどうかと思ったが、大通りに面したレストランでピザとビールを注文する。

初めてのフランス、パリの街角でリンちゃんは大はしゃぎ!

スマホで写真を撮りまくる。

「アナタァ! パリは男前と美人さんが多いわねぇ! ワタシの中国の友達も、結婚するならフランス人が良いって言うたんよ!」

『それはそうかも知れないけど、相手のフランス人はどう思うかな?』

そんなことを考えるも口には出さず、只管ピザを頬張る。

食欲が満たされると、賭博欲が復活。

駄目もとでウェイターに英語で、「この近くの“ハウスマン”というお店何ですけど、どうやら閉店している様子です。もしご存じなら、どこに移転したか教えてくれますか?」と尋ねてみる。

すると驚いたことにウェイターはにっこりと、「あぁ、このカジノね。ここなら少し前に、ほら、交差点の反対側に“カフェ・カプチーノ”っていう店があるだろう? そのビルの4階に引っ越して営業しているよ、これだろ?」と“アンタも好きねぇ”といった感じでカードゲームの手真似をする。

意志有るところ、道は開ける、だ。

レストランを出る。

目と鼻の先に、有名なオペラ座が見える。

宮崎駿の「風立ちぬ」のフランス語版ポスターの前で記念写真を一枚撮ると、いよいよ“カフェ・カプチーノ”のビルに突入する。

『さてと、本当にこんな繁華街のど真ん中に公認のカジノが有るのだろか? 雰囲気としては新宿歌舞伎町のコマ劇場裏の雑居ビルと良く似ている……。これじゃまるでバブルの頃に良く行った(と昔、当方の友人の知人から聞いたことの有る)所謂一つの“アングラ”じゃないか?』

そんなことを考えながらビルの階段を登ると、途中で上から降りてきた“パチンコ屋で今日の日当を1時間で溶かした中華料理屋の店員”といった風情の不機嫌そうな若い中国人の男とすれ違った。

『間違いない! この上に営業中の賭場が有る』

そう確信し、4階に到着する。

そこには鉄製の扉と、お決まりの監視カメラが……

女性同伴であり、一見だが怪しい者ではないことをさり気無くアピールするが、扉は開かない。

駄目か? と思ったその時、扉が開いた!

扉の向こうでは、眼光鋭い初老のフランス人男性が当方のパスポートを要求する。

リンちゃんと合わせて二人分のパスポートを渡すと、あれこれチェックが始まる。

どうやら中は二つに別れており、手前は食事休憩エリアで、その更に奥がカジノとなっている様子であった。

ようやくチェックが終わり、二人分の会員カードが発行される。

噂の入場料(メンバー費用)は一切無し。

食事休憩エリアは素通りし、遂に華の都、パリのオペラ座そばのカジノへ!

そこは、そこは、そこは……



見渡す限り安っぽい服装の中国人(約一割はフランス人)で埋め尽くされた、勝手知ったるマカオの旧リスボア系列のカジノと同じ、甲高い中国語が飛び交う “小マカオ” で有った!

「アナタァ! ここは澳門と同じね、お客さん、皆中国人」
とリンちゃん。

「あぁ、そう見たいだな」と答える。

キャッシャーで取り敢えず千€を両替する。

狭い場内には、手前に絞りの無いミニバカラ(プント・バンコ)が3台、真ん中にスタッド・ポーカーが2台、それと奥に変形ブラックジャック(POK21)が2台有った。

どれにしようか迷ったが、奥の変形ブラックジャックは本線とは別に、毎回ディーラーが計5枚のカードでポーカーの役を作るかどうか(10以上のハイカードのワンペアなら2倍、2ペアなら3倍、3カードなら4倍、ストレートやフラッシュ、フルハウスならそれ以上、クヮッド(4カード)なら21倍、もし5カードなら5000倍?)という、得なのか損なのか良く分からないサイドベットを強制されるというのが今イチ納得出来ず、スタッド・ポーカーも一部ルールが不明なので、消去法でプント・バンコを選ぶ。

座った卓はミニマム10€、マックスは300€、バンコが勝った際のコミッションは5%、サイドベットはドローのみで8倍(元を入れれば9倍)であった。

『マックスがたったの300€じゃ、大怪我はしないだろうけど、ズルズル溶けた場合、一発逆転は不可能だ。それに “絞り” が無いのはつまらないなぁ……』

そんなことを考えながら、まず100€をバンコにベットする。

アフリカ系フランス人の女性ディーラーが流れるようにカードを捌く。

あっさり7対6でプントの勝ち(=当方の負け)

同じく100€をバンコにベットするも、またも負け。

意地になり、バンコにベットを続ける。

座ってから、P、P、B、P、P、P、P、B、P、P、B、P、と悪い流れのまま、所持金が300€を切る。

「アナタ! さっきから負けてばっかりじゃないの! 周りの中国人は“P”にかけて皆勝ってるのに」とリンちゃんからお叱りの声が……

いきなり “人間罫線”の的にされ、同卓の中国人が一斉に“プント”へのベットを増やす。

成り行きで “バンコ” に280€をオールイン。

プント:5、バンコ:4からあっさり絵札でこれも負ける。

バイインの千€はあっという間に溶けた。

「アナタ、どうする?」と聞かれるが、このままでは帰れない。

再びキャッシャーで千€をチップと交換する。

この店では、何故かチップは殆ど全てが長方形で、10、20、40、50€、が同じ大きさで、100€がやや大きく、200€がそれより大きく、1000€が特大であった。
その他は5€が楕円形、0.5、1、2€がそれぞれ円形であった。

キャッシャーのフランス人がいろいろ組み合わせてチップをくれようとしたのでそれを断り、200€5枚で受け取る。

最初の卓は満席であった。

ブラブラしていると、別の卓に一つだけ空席を発見。

徐に座り、バンコに200€をベットする。

ここでは、眉目秀麗な若い男性フランス人が鮮やかなカード捌きを見せ、プント:0、バンコ:1からプントの3枚目に8が見え、次の瞬間、バンコの3枚目にも同じく8が姿を現し、“パーシューガウ”で勝利!

そこから、連戦連勝! とはいかなかったが、バンコが優勢になりマイナスが260€となる。

「アナタァ……、もう眠たになってしまった。何時までする?」とリンちゃん。

「分かった、分かった。次勝ったら終了にするから」 と答え、バンコにマックスの300€をベットする。

プント:6、バンコ:7でバンコの勝利!

チャーシューで始まったパリでのバカラ(プント・バンコ)の初日は、チャーシューで終わった。

結局、この日の収支は、当方、リンちゃんとも仲良く25€ずつの勝利。

タクシー代とピザでチャラであった。


■ 1月12日(日)

パリを離れ、途中ルーアンで市内観光。

現地ガイドが、「ここにもノートルダム寺院が有ります。さて、パリにも同じ名前の寺院が有りましたが、それは何故でしょう?」

誰も答えないので、「ノートルダム(Notre-Dame)はフランス語で「我らの貴婦人」という意味で、それはつまり我らが主であるイエス・キリストの聖母マリアのことです。なので、フランスではいろいろな教会の名前に使われている訳です」と答えた。

次にジャンヌダルクが処刑された広場で、同じくガイドさんが「ジャンヌダルクが生まれた15世紀の初めのフランス王はシャルル6世でしたが、この王様にはある呼び名が有りました、それは・・・」

高校の時の世界史の授業を思い出し「狂人王」と当方が答えると、

「そ、その通り……、それではその次に即位したシャルル7世が何と呼ばれたかと言うと……」

「勝利王」とまたまた当方が答えると、ガイドさんは 「困っちゃったなぁ、私の答えを全部先に言われちゃうと……」と頭をかき出した。

その後、バスでに揺られて、世界遺産のモンミッシェルへ。


■ 1月13日(月)

いよいよ今回のフランス旅行の(リンちゃんの)目玉である世界遺産のモンサンミッシェルへ。

先頭を行くガイドさんが、「さていよいよ、目の前にあるのが有名なモンサンミッシェルです。今は干潮なので陸地と繋がっていますね、さて、この名前の由来がお分かりの方は?」

誰も答えないので、「モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)の “ミシェル”は、聖書に出てくる、翼の生えた聖なる大天使“ミカエル”のフランス語読みで、その名の通り“聖ミカエルの山” を意味します。8世紀の初め頃にこの地の司教の夢の中に3回大天使ミカエルが出てきて、ここに教会を建てよ! とお告げをしたことが、そもそもの由来です」とツァー前に本で仕入れた知識を披露すると、

「参ったなぁ、もうワタシ失業しちゃいますよ、お客さん、歴史の先生か何かですか?」

と尋ねられたので、曖昧に言葉を濁す。

その後、モンサンミッシェルを離れ、バスは古城が点在するロワールへ。


(続く)                         


*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。


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