リゾカジ カジノレポート

『チキ男、GAKUストに挑む ほか2編』~2012年初戦・初めてのプサン遠征~

* 韓国 2012/ 02/ 09 Written by madamada

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 珍しく仕事に追われる事もなく、穏やかな日々となった2012年の正月。
 お笑い番組にも飽き飽きした頃、私はパソコン画面を睨みながら、今年のカジノ・スケジュールに思いを馳せていた。

(カンボジアのバベット地区と云うのは随分と魅力的だなぁ)
(ペソが安い!しゃんぱんさんのリポートにあるWRMは良さそうだぁ)――――――未開のカジノへの妄想は、際限なく広がる。

(しかし、忘れ物だらけのシンガポールに雪辱しなければ…) (そうなると、ソウルには何回行けるだろうか…)

 ……自動車は買う前が一番愉しい。カジノも同様だ。

 昨年のシンガポール遠征で露呈したように、筋金入りチキン男=チキ男の私は、いつまで経っても“まだまだ”初心者である。(ご存じない方、『チキンライスの国で』参照)
 だが、どの勝負もすっかり“勝った気”が許される妄想の世界で、ひとり悦に入る時間―――そこに私は、堪らないほど幸せを感じる。(もしかして、凄く恥ずかしい事を云っている?……でも今更、リゾカジの皆さんに格好つけても仕方ないし)

 そんな私の「至福の時」を遮ったのは、カジノ・リポートではお馴染みであるツレの〝絶叫〟に近い怒声だった。

「ああ、もう!なんなのよ!―――悔しいっっっ!」

 彼女は某旅行会社の正月フェア、「ソウル二人で20120円」というツアーに目を付け、受付開始の朝10時から電話をかけまくっていた。
 …が、一向に繋がらず、ようやく繋がったと思ったら「完売です」と無下に告げられたのだそうだ。
 (因みにそのソウル・ツアーは出発日指定で、私には無理な日程だったので、彼女は女友達との旅を画策していた)

「―――ねえ、悔しいから、今日12時に受付スタートの〝こっち〟にも、トライしてみてもいい?この日程なら行けるよね?」

 彼女が示したのは、「釜山航空券、二人で20120円」という文字。こちらも出発日指定だったが、そのスケジュールなら私にも可能だ。しかし、女友達と行く筈では?
 ツレ「だって××ちゃんは、ソウルに行きたいのであって、釜山じゃないもん」 「ああ、そう―――じゃあ、トライだけでもしてみれば?」

 どうせこっちも殺到だろうに。半分くらいは、そう、高を括っていた。
 しかし12時過ぎ――――――「クレジットのカード№入力して~~」と、嬉しそうな猫なで声がした。

 ・・・アッサリ取れた。 空港諸費用込、二人で総額29000円也。 安っっっっっっっっっっっっ!

 ええ?釜山って、そんなに人気無いの? まぁしかし、私たちにとって人気の有無は関係ない。

 「釜山にもセブンラック、あるんだよね?」 ツレの問いかけに、私はこう答えた。「セブンラックも、パラダイスもあるさ」
 私の頭の中で「天国への扉」が開いていた。


   |
   |かくして、行先が決定した2012年初戦。いつものように己の備忘録を兼ねているので、徒然に記させて戴く。
   |毎度の事で恐縮だが、長文を覚悟して戴きたい。(なんか、どんどん長くなっているような気がする…)
   |
   |ただ今回、madamadaはちょっと工夫した。それは――――――実は「3章」に分けたのだ!
   |(…とか云いつつ、本当は3章に分けてアップしようと考えたが、章ごとのバランスが悪く、断念しただけ)
   |  
   |  第一章『チキ男、GAKUストに挑む』
   |  第二章『チキ男、パラダイスへ行く』
   |  第三章『闘うべきか、闘わざるべきか』 ――――――である。
   |
   |例によって、他の方の参考になるような闘い方ではないが、偶々、最近リゾカジの中で話題になっていた、
   |「バイイン額」や「他人の打ち方」「カジノマナー」に直面した遠征となった。
   |興味のある方、是非、お付き合いください。
   |そして余りお時間の無い方や、余りの長文に飽き飽きした方……章ごとにでも読んで戴けたら幸いです。
   |




■第一章 『チキ男、GAKUストに挑む』


 初めての釜山行きの「足」は、初めてのエア・プサン。
 機体はボーイング737-300。所謂〝クラシック737〟である。

(そう云えば、昔、国内線で乗ったのはこんな感じだったなぁ~)と、なんとなく感慨深くタラップ(LCCの宿命か、成田はバス移動だった)を上った。

 久しぶりに乗るシングル通路のナローボディ――――――座席の狭さを覚悟していたが、意外と座り心地は快適だった。
 最近、普通の航空会社(?)によく見られる〝矢鱈とペラペラなシート〟よりも、落ち着く感じがする。

 ただ、座席番号は「16」――――――翼の真上なのも残念だったが、それ以上にBJプレイヤーにとっては残念すぎる数字だ。
 おいおい、出発前にサレンダーしろってことか? この旅の行く末に、不吉なものを感じずにはいられなかった。

 しかし、そんな私の思いとは関係なく、エンジン音は高まっていく。
 滑走路に入る。加速する――――――と、ものの6~7秒でテイクオフ。

(ああ、そうか、こんな短い距離で飛び立てるのか) 久しぶりの小型機体のフライトに、ちょっと驚かされた。

 さらに驚いたのは、出発早々、機内食が出てきた事だ。加えて、ドリンクがビールも含めて無料で提供された事。LCCでは全く期待していなかった。

 「エア・プサンは、サービスいいんだよ!普通の航空会社と変わらない、いや、それ以上なんだから」と、隣シートのリピーターらしきオジちゃんが、妙に誇らしげに教えてくれた。
 しかもビールを2本頼むと、ちゃんと2本出してくれるそうだ。(オジちゃんは当然の如く、2本オーダーしていた)

 機内食もしっかりしている。ユナイテッドのソウル便では、[ラップ包みのパサパサの食パンによるサンドウィッチ]が無造作に配られるが、
 こちらはちゃんと[トレーに載ったハムチーズ・クロワッサン・サンド]だ。
 味の方は、ハムが凍っていて地上では許せない質感だったが、それでもユナイテッドよりはマシだ。

 ただ――――――機内食が無いと思っていたので、成田でSUBWAYのサンドウィッチを食べてしまった……味を見ただけで止めた。
 因みに帰り便は〝ちゃんとした〟機内食が出てきたそうだが、私は爆睡していたので食べ損ねた。まぁ、別に後悔はない。

 空港からは、セブンラックのリムジン送迎――――――それが、私の通常訪韓パターンだが、今回はセブンラックのコンプを敢えて使わない事にした。…ので、自力で西面(ソミョン)を目指す。

 使ったのは「市内巡回バス」。なんと空港から1800ウォン(約120円)で市内へ行ける。これは凄い。日本の空港も見習って欲しいものだ。

 殆んど待ち時間無しに、201番のバスに乗車。目的地の西面では最寄バス停からホテルまで徒歩3分。飛行機を降りてから1時間足らずでチェックイン。初めての街で何の問題も無かったので、ひと安心。
 オンドル部屋は、なんと1泊3000円。今回は徹底的に安さを追求したので、どんな部屋なのか不安だったが、結構広い&清潔そうで、またまた安堵。

 しかし寛ぐような部屋では無いので、荷物を置いたら即、西面の街中へ。
 知らない町を地図片手に、とにかく歩く、歩く、歩く――――――賑やか&活気ある町並みは、目新しいせいもあって、かなり愉しい。
 昨年の初シンガポールでも思ったが、同じ町ばかり(ソウル)を訪問していてはイケないな、と又思う。(とは云え、馴染みの良さも勿論ある訳だが)

 西面の街は、繁華街と云っても、ソウルの明洞とは、また違う雰囲気がある。
 明洞は「観光客」や「家族連れ」などが多いように感じるが、西面は、もっと地元感がある。そして若い。氷点下近くの寒さにも関わらず、なんと生足の女子も見受けられる。
 東京で例えれば・・・新宿ではなく渋谷。いや、もしかして池袋か? いやいや―――やはり渋谷が適当という事にしておこう。

 そうしているうちに、腹が減った。時間は7時過ぎ。
 なんとなくロッテホテルの方を目指していると、両側に白煙をだしている同じような店が連なる通りに入った。

 ガイドブックで確認する―――「デジクッパ通り」という名物通りらしい。

 デジクッパ=つまりは「豚スープ雑炊」ということか?確かに辺りには、豚骨特有の匂いが漂っている。
 豚骨は決して嫌いではない。よし、釜山一食目は、デジクッパにすることにしよう。
 ただ問題は、どの店で喰うか?・・・この通り沿いの店は、どれも同じような店ばかりだ。

 〝旨そうな店は行列があっても喰う〟―――それが私たちのスタイル。逆を云うと、〝並んでる店は食べる価値がある〟と、判断する(まぁ、外れも多々あるが…いや、的中確率は50%ほどだろう)
 
 まずはそれとなく、幾店かの中を伺い、最も繁盛してそうな店を物色する…と、明らかに一店だけ、突出して客の入りが良い。
 さらに、店先で調理されている「豚骨スープ」を確認。他の店は、やや濁っているのだが、この店は綺麗な乳白色だ。よし、ここだ。

 幸い、待ち時間無く入店。一応メニューを見る。数通りのデジクッパのほか、ボッサム定食なるものもある。
 う~ん、ボッサムも食べたいなぁ――――――ならばと、ツレがデジクッパ、私がボッサム定食を頼む。

 約10分後、オーダー品が運ばれてきた。

 ボッサム定食にも同じようなスープがついていた。(但しボッサム定食の方にはラーメンが入っている) 当然、スープから口に運ぶ。

 「・・・・・・・・・」

 う~~~ん、まぁ、その……薄めの豚骨味。 なんというか、一味もふた味も足りない。塩っ気もない。
 デジクッパを食しているツレも同じ反応。 付け合せで出てきていた小皿に、二人して箸が伸びた。

 実は付け合せの小皿に、妙にしょっぱい「オキアミの塩辛」があったのだ。
 単体ではとても食べられないほど塩辛くて、当初は「なんだ、これ?」と思っていたのだが、これはもしや・・・

 案の定、オキアミをスープに入れると、物足りなかった味が一転、引き締まる。小皿には他に「トウガラシ漬けの青菜」や「辛くない味噌(コチジャンとは違う)」などもある。
 隣卓を見ると、他の客も付け合せの小皿を、まるで薬味(?)のように、どんどんスープの中に入れていた。

 成程、こうして食うのか。
 二人して納得しながら好きなように「味付け」をして食べた。それなりには美味しかった――――――が、なんか釈然としない。
 だって最後はもう、「元の豚骨スープ」では無くなっていたのだもの。おそらく、この店・オリジナルの味は、全く残っていない。

 確かに韓国では、自分風に「味」を足して食べることが珍しくない。しかし、ここまで「原点」を無視して食べるのはどうなんだ?
 どうにも疑問符が消えない釜山一食目であったが、店を出るときには、まあ納得できた。
 だって、デジクッパ4000ウォン+ボッサム定食8000ウォン=合計12000ウォン。わずか840円で夕食二人分とは……

 或る意味、今回の「激安旅」の幕開けに相応しい〝釜山一食目〟だったのかもしれない。



 そしていよいよセブンラック・カジノ到着。釜山セブンラックの印象は―――――――――閑散。
 
 ええ?!こんなに人いないの?まだ20時を回ったとこだよ!?・・・ソウルのヒルトンなら人が溢れてるゴールデン帯なのに、数えられるくらいの客入りだ。
 その光景に、なんとなく大昔の川崎球場のスタンドを思い出した。

 しかしまあ、それが勝負をしない理由にはならない。
 ツレはいつものように5万円を換金し、己の主戦場であるスロットマシーン・ゾーンへと消えていった。※毎回書くが、彼女はスロッターである。
 
 私の方は30万円を換金。レートは1412。
 リゾカジのリポートで、年始は1500に迫る勢いだった事を知ったが、それでも充分、満足できるレートだ。嗚呼、円高万歳!(輸出企業の皆さん御免なさい)
 …あ、因みにソウルではいつも「カード・ショッピング」でチップを賄う私だが、今回は現金で60諭吉持ち込んだ。理由はたいしたことではない…初めての土地なので、余り「慣れた感じ」にはしないでおこう、と考えただけだ。

 BJのテーブルは1万W卓×2、10万W卓×1だった。10万卓には2~3人いるのに、1万卓には誰もいない。ソウルでは考えられない光景…
 
 今回はコンプも関係ないので、とりあえず様子見の1万卓に入る。今回のテーマは――――――『GAKUスト挑戦』である。

 いつもはコンプを得る関係で、基本ベットが10万~20万のmadamada。それを今回は十分の一にする。
 打たれ越1万、基本ベット2万なら、GAKUさんが提唱する「バイイン、基本ベットの200倍」が可能である。

 (俺もついにGAKUストプレーヤーかぁぁぁ~。この1年で成長した気がするなぁぁぁ~)
 
 BJテーブルのど真ん中に腰掛け、思わず一人ごちた。 
 そして換金した420万ウォンをテーブルに投げ、さぁ、ゲームスタート! 最初はもちろん、打たれ越の1万からだ。

 1ゲーム目:いきなりBJが入る―――これは幸先いいのか悪いのか?
 2ゲーム目:基本2万をベット―――負けた。
 3ゲーム目:法則通り、4万ベット―――負けた。ナニナニ、この程度でオタオタはしないのさっ。
 4ゲーム目:  〃  6万ベット―――負けた。アラララ、でも大丈夫、打たれ越に行くだけさっ。
 5ゲーム目~数ゲーム、打たれ越で負け続けた。ホント勝てない。

 (いや~、GAKUストでよかった。打たれ越で負け続けても痛くもなんともないさ) ディーラーに表情では残念そうにしながらも、内心ほくそ笑んでいる自分がいた。

 そうしていると、私にT・Tが入った。ディーラーは6からバースト。まさに「GAKUスト教本通り」のベットアップチャンス。
 
 (よっしゃ、来た~~!!!)

 迷わず12単位、24万Wにベットアップ――――――だが、18vs20であっさり負ける。

 (何をこしゃくな、次を勝てばいいんじゃ!)

 私、20単位、40万ウォンを張る。(ソウルのヒルトン・セブンラックでは1万卓の上限は30万だったと思うのですが、釜山では50万なんですね)

 そして引き当てたのは・・・T・T!よっしゃ、勝った!勝った! 40万ゲット!!
 …と、ここで私は手元のチップを確認。40万勝ったはずなのに、うん?・・・・・チップはほぼ原点?えっ、浮いてない?

 私、思考を張り巡らせる――――――そうか、そりゃそうだ。1回目のベットアップに負けた時点で、つまりはそれ位、負けてるってことなんですよね。
 そんな事、当然解っていた筈なのに…やはり人間は、現実に起こって初めて、その事象を「リアル」に感じるのだろう。

 リアルな事実は、チキンな男の頭の中に、「悲観的思考」を呼び起こす。

 ―――つまり、今回は偶々勝ったから良いが、負けてたら40単位負け…まぁ、80万Wの負けか。いや、ちょっと待て…
    でも、これがいつもの10万~20万Wで張ってたら、どうだ? (⇒ここから思考はすっかり基本ベット20万の想定に。
    実はバイインの想定が全く異なるので比較など意味ないのだが、この時は、もう悪い方にしか頭が回らなかった)
    もしも、もしも2回目のベットアップに負けていたら、1シュー目で800万とか負けちゃうわけぇぇぇぇぇぇ?




 ひぇぇぇぇぇぇ、GAKUスト、恐っっっエぇぇぇぇぇぇぇっっっー!  


 
 ええーーーー? 皆さん、こんなリスクと背中合わせで、GAKUストやってるんすかっ!すごいっ、凄すぎる!
 
 さらに凄いのは、やはりGAKUさん!! どんだけの恐怖に打ち勝って、この戦略に辿り着いたんすかっ!? 
 madamadaのチキンハートは、もうブルブルっす!嫌な冷や汗が背中伝ってます!

 


 先人たちの偉大さを、またもや痛感させられる事となった2012年初戦の第1シュー。
 madamadaもその背中を追うべく、チキンハートを必死に抑え込み、恐怖と闘いながらGAKUスト続行!

 そして数手後―――ついに運命の手が入った!
 親は4からバーストで、私はT・9で勝利!
 次手は当然、12単位ベットアップ――――――で、1回目はまるでお約束のように負けるっ!
 
 (いいのか?いいのか?本当に20単位、いっていいの~~~)

 この心の叫びを、ディーラーは判っていないだろう。中々、次のチップを出さない私を、冷ややかな目で見ている。
 チキ男は、勇気を振り絞った…(行くなら、行くしかない!!!)

 どれだけ躊躇っただろう。それは、とてもとても長い一瞬だった。
 私は、心の震えが手に伝わらないよう、やっとの思いで40万Wをボックスに置いた。

 そしてディールされたカードは、8・8。ディーラーは「K」――――――あいやぁぁぁぁぁ……

 先だって、リゾカジの「教えて」でも話題になっていた組み合わせ。(私の釜山遠征は、その話題が出る前であったが…)
 勝負手では、当然、悩む局面だ。

 しかし私は2011年最終戦において、(ご存じない方、『素晴らしきかなカジノ』参照) 
「行く時は行くしかないっ」と学習した。チキ男脱却には、行くしかないのである…と、思いこんでいる。

 涙をこらえるように目を瞑った。そして大きく見開き、私はブラックチップを4枚追加。テーブルに「Vサイン」を示す。

 ディーラー「スプリット?」 「イエス、スプリッ…」ちょっと語尾に勢いが無かった…

 ディーラーがシューボックスから1枚を引く―――――― 「A」 ああ、微妙…。でも当然ステイ。左側の「8」の方を指さす。 
 配られたのは…「9」。 うわぁぁぁぁぁぁぁ…心臓がバクバクして痛い(ような気がした)


 ディーラーがホールカードを開ける―――――――――「5」!
 
 よっしゃああああああああああ―――心の中に湧き上がった絶叫は、なんとか飲み込んだ。心臓が、逆の意味で高鳴った。

 「ヒフティーン」と云い終わったディーラーが、もう一枚を事務的に引く―――――――――「3」

 「エイティーン」 そう云いながらディーラーは、私の左側のベットを取り、その同数のチップを右側のベットに付けた。

 一気に高ぶりが冷めた。そして頭の中で計算する。 (嗚呼、ステイで良かったのかよ) でも……その選択肢は、この時の私には無かった。

 GAKUストに依れば、次手もベットアップ20単位である。しかしチキ男に、これ以上の勇気は絞り出せなかった。
 
 淡々と1単位ずつ打つ。途端に結構、勝率が良くなった。
 そして程なくして、1シュー終了。同時に中国人らしきグループがテーブルに入ってきた。

 きっと彼らの目に私は、十数時間ゲームを続け、燃え尽きた灰プレーヤーのように映っていたかもしれない。
 たった1シューの闘いなのに、尋常では無いほど疲れた。疲れ切っていた。
 私は、ディーラーに「ソーリー」と告げ、チップを前に出した。「チェンジ?」「イエス、ソーリー、フィニッシュ…」


 『チキ男、GAKUストに挑む』――――――[完]。  


 「おいおい、たったワンシューかよ!」――――――皆さんの怒声が聞こえてきそうだ。
 しかし、しかし、しかし・・・汗で背中が冷たすぎるんです,,,ブルルルルル  初めてのGAKUスト成績、3単位=6万Wの負け。

 すみません、GAKUさん。madamadaはGAKUストで負けたのではありません。ただ単に……自分に負けたのです。




 暫く、煙草を吸いながら頭を冷やした。
 もしGAKUストで成功したなら、憧れの[帝王式BJ]にも挑む気であったが、そんな思考はもう遥か彼方に消え失せていた。
 私はやはり、まだまだチキ男だったのだ…。

 そう云えば釜山出発前、リゾカジの「教えて」で、バイイン額について偉そうにレスつけたっけ。「バイインはベットアップ幅によるのでは…」と。
 確かに、その時はそう思っていた。しかし、こと私に限って云えば、それだけでは無い事が今、判った。

 今回、私は基本ベットの200倍バイインした。云うまでもなくそれはベットアップの幅を意識した、バイインである。

 でも、やはり負けが込むと、ドキドキする。オロオロする。
 40単位負けたら…80単位負けたら…実は200倍の余力を持ちながら、私は平常の「打ち方」が出来なくなってしまうのだ。
 そんな状況で続けていたら、判断ミスやチキンハートによる消極策が前面に出てしまうだろう。

 即ち―――結局は、「自分のメンタルを如何に維持できるか」、なのだ。 

 「メンタルを維持できる自分なりの打ち方」――――――当面、この打ち方の確立が、私の命題なのであろう。
 借り物ではない、私が最も「心落ち着く打ち方」を、今年は模索していこう。嗚呼…年の初戦でなんて情けない目標に気付いたのだろう…。



 30分ほど経っただろうか――――――私は、先ほどのテーブルとは異なる、もう一つの1万卓に入った。
 打っていたのは、品のいい、日本人のおじさんだけであった。(どことなく「学校の先生」ぽいので、以降、先生と表する)

 私は1-2-4-8、つまり基本ベット2万Wで、打たれ越1万、調子が良い時は、4万、8万という戦略をとった。(まぁ、これがいつもの打ち方だ)
 調子は「まぁまぁ」。2シュー目で12単位負けたと思ったら3シュー目は12単位勝ちという、まさに「いってこい」。

 その3シュー目の途中、スロットマシーン専門のツレが私の背後に立った。
 「どうしたの?」「う~ん、ここのスロットはダメだなぁ」「何?回らないの?」「回りも悪いけど・・・とにかくマシンが古い」

 ツレに云わせると、釜山セブンラックのスロットは、20年前のものだそうだ(あくまでツレの所見である。大体彼女は20年前にスロットをしていない)
 おまけに人がいない=活気が無さ過ぎて、「出る気がしない」とのこと。 確かにBJ卓の方から見ても、賑わっているようには見えない。

 ツレ「ここのBJは随分、人が少ないんだね」 すると、先生が口を挟んだ。「そうなんですよ~、寂しいんですよね~ どうです?一緒にやりません?」
 私、慌てて口を挟む。「いや、彼女はBJはあまり知らないですよ」 先生「そんなの全然、いいですよ~、そんなにいい流れじゃないですけどね~」
 
 ツレ、少し考えたが「じゃあ」と、愛想よく荷物を置いた。前回のソウルで、少しはBJが愉しくなったようだ。
 
 そうして3人で打っていると、続々と日本人が入ってきた。
 ―――30代の一人旅らしき「太っちょ」、
 ―――おそらく60代のリタイアした夫婦(お父さん、お母さんと表す)、
 ―――カップルの「お嬢」風女子。(彼氏の方はどうやら10万卓で打っているようで、見ているのに飽きた彼女が、安テーブルに来たらしい)

 整理すると、1番ボックス先生、2番ボックスお嬢、3番ボックス太っちょ、4番ボックスにツレ、5番ボックス私、6番ボックスお父さん、7番ボックスお母さん、というフルボックスに。
 先生が「珍しい…このテーブル、オール日本人だよ、オールジャパニーズ」と、嬉しそうにはしゃいでいると、ディーラーが「私は韓国人です」と不機嫌そうに真顔で答えた。「そういうことじゃ・・・ねえ」と、みんなで顔を見合わせた。

 このテーブルは、とにかく楽しかった。

 先生はとにかく卓を盛り上げてくれた。時折〝お寒~いオヤジギャグ〟で、女性陣を引き引きにもさせたが、場の雰囲気を和らげてくれたのはいつでも先生だ。

 お父さんは基本的にBSに準じたプレーヤー。でも、BS遵守で結構、負ける。例えば「自分12」対「親2」でヒットすると、必ず絵札が来てバースト。親のホールカードは素直に絵札で、ステイなら勝っていたというように。
 するとお母さん「あなたが思った逆をやりなさい」と、迷った時は「ヒットとステイ」を逆にさせられる―――と、これが結果オーライ、ことごとく「勝つ」。
 「ほらね~」と鼻高々のお母さんに、このご家庭の「普段」を垣間見たように思えた。
 
 所謂サードベースに着いたお母さんは、或る意味で「迷惑なプレーヤー」だった。しかし、今回はそれが、全然迷惑では無かった。
 ディーラーのアップカード6で、自身13でも、引く時は引く。(彼女曰く、〝予感〟らしい)
 しかし結果、お母さんは絵札であっさりドボン・・・で、ディーラーがホールカードを開けると4で、そこから5を引き、さらに絵札。他のメンバーは皆、笑顔とか。
 また、自身の調子が悪いと、何も気にせず〝見〟に回るお母さん。つまりボックス数がゲームごとに変動したりしたのだが、これが他のメンバーには〝吉〟
 ―――お母さんが休むと、プレイヤーのオールウィンが頻発した。
 
 この不思議な流れを味方にしたのは、太っちょ。お母さんが休むとベットアップしたりして、一時は1万Wまで削ったチップを、30万ほどまで回復させていた。
 (ただ、最後は彼は全てのチップを溶かしたようだったが…)
 
 びっくりする勝負師はお嬢だ。5・5のペアをスプリット。しかも20万Wくらい張った勝負手で…(通常は1~2万を張っていた)
 それを見事にモノにし、結局彼女は、100万くらい勝って卓を離れた。

 ツレは30万Wのバイインを微増させ、今回もスロットで負けた分を取り戻した。よく考えると、途中負けた所で私の10万チップをちょこちょこ持って行った筈で、その分が勝ち分だった気もするが…まぁ、いいか。上機嫌だったし。
 
 21時くらいから午前3時過ぎまで6時間。トータルで18シューを行い、私は15単位プラス。まぁ、初日としては上出来。
 明日は初めての「パラダイス」に行く予定だ。そのため、換金した30万円分のウォンを円に戻し、残りはウォンのまま財布に。
 こうして、2012年初戦・1日目は幕を閉じた。


   |【初日成績】
   |  プラスになったシュー   7
   |  マイナスになったシュー 10(うち1はGAKUスト挑戦)
   |  イーブン・シュー     2
   |  最大マイナス28単位~最大プラス15単位
   |   (±30単位が私の目安とする許容偏差であり、その範囲を守ることには成功した)
   |




■第二章『チキ男、パラダイスへ行く』


 翌朝、9時起床。眠い目をこすりながらチャガルチ市場を目指す。
 (今回は、滞在時間が短いため、とにかく頑張らないと観光が出来ないスケジュールだった)

 チャガルチ市場内で朝食をとろうと考えていた。1階の市場ゾーンは、あまりにガランとしていて寂しく、すぐに2階の食堂ゾーンへ。
 各店のオバちゃんたちが、盛んに「サシミ、サシミ」と誘ってくる――――――いやいや、朝から刺身はいいって。しかも値段を聞くと結構お高い。(3万Wとか4万Wとか云われた、朝飯には高いでしょ?)
 う~ん、気がのらない。

 市場を出ると、「アワビ粥」と日本語で書いた看板を出している店があった。立ち止まる…すかさず店内からオバちゃんが出てくる。
 「アワビ粥だったらいいか…」と、手を打った。

 でも・・・残念の一言。まったくもって、たいした味では無かった。アワビもほとんど見えないような断片しか入っていない。
 これで一人15000ウォン。たいした金額ではないが、昨夜のデジクッパの倍以上する事を考えると、残念でならない。

 市場だから美味しいわけではないんだな。
 まぁ、考えてみればそりゃそうか―――東京の築地も同じだ。観光客や御上りさん目当ての店が実は多数、存在する。
 「美味しい店」に当たるのは、やはり、「知識と経験」なのだ。たいした予備知識も持たずに来た事を、反省。

 その後、BIFF広場へ。(旧PIFF広場)
 屋台で食べた「モチゴメ・ホットック」が、極めて美味だったのが救いだった。しかも900ウォン…約63円。釜山に住んでいたら、私は毎日でもこのデザートを食すかもしれない。

 南浦洞(ナンポドン)近辺で買い物をしたのち、一度荷物を置きにホテルに戻る。
 そして再び、地下鉄で海雲台(ヘウンデ)へ。目的はもちろん、「パラダイス・カジノ」である。

 今日は「パラダイスで打つ」――――――ツレと二人で、そう決めていた。
 ソウルではセブンラックの販促に、いつもパスポートを取り上げられてしまう為、ウォーカーヒルに遠征出来ないでいた。所謂「パラダイス童貞」である。大袈裟に云えば私にとってここは、まさに「憧れのパラダイス」だったのだ。

 入口で、まずメンバーカードを作る。
 「これで、ウォーカーヒルもパスポート無で入れるんですね」と、受付嬢に確認すると、「いえ、ウォーカーヒルは別のカードなのでパスポト、いります」という返事が。

 えっ?そうなの? セブンラック釜山は、ソウルセブンラックのメンバーカードだけで入れたのに…当てが外れた。
 まぁ、仕方ない。ならば今日だけでも、「パラダイス」へ導いて貰おう。

 初めて侵入したパラダイス・ホテル――――――う~ん、セブンラックよりも小さいのかな。でもまだ昼間なのに、人は昨夜のセブンラックより多い。
 ただ…聞こえてくる言葉は中国語ばかり。カジノ内を散策していると、中国人専用ゾーンが奥の方にあった。

 平場フロアのBJは1万と5万があった…。しかし平場なのに、どちらも中国らしき人たちが2~3人いるだけ。つまりは「チャイナ・パラダイス」という事か?
 換金は20万円に留めた。それは、ちょっと気が重かったから。 レートは昨夜より少し悪くて1409。約280万ウォンからのスタート。


 メンバーズカードを作った際に、「ルーレットでだけ使えるクーポン」というのを数枚貰った。
 「折角だから使うか」と、ルーレットに入る。でもルーレットも中国人ばかり。まぁ、…比較的〝おとなしそう〟だからいいか。 バイイン30万W。
 
 2012年、ルーレット初戦。とりあえず「縦目狙い」で、昨年のシンガポール以来好調な「ハーフ10点張り作戦」で行く。
 一投目――――――出目30 ×
 二投目――――――出目0  ○ハーフ2枚
 (あれれ、これは結構素直なのかな?)そう思って、縦目のみに絞り、35周辺や10周辺を狙う。

 三投目――――――出目34 ○ハーフ1枚 当たりはしたが、35の周囲で当たっただけ。狙いとは外れている。

 四投目――――――出目8  × ふ~む、明らかに横目にきてるなぁ。ならば変化をつけよう。

 五投目――――――出目33 ○ ハーフ1枚
 六投目――――――出目31 ○ ハーフ1枚
 七投目――――――出目33 × しまった…これは獲れたのに…。そう、やっぱり横目なんだよ。狙い目、微調整。
 八投目――――――出目15 ○ ハーフ3枚 狙い通り。やはりこの辺りが今の「張り場」
 九投目――――――出目15 ○   〃   前回の当たりを置いていただけ。次は縦目に行くんじゃないか?とヤマを張ったら…
 十投目――――――出目18 ○ ハーフ1枚 完全に真横に外された。当たったのは、前回の15でハーフに置いたままのやつだ。

 10投で7的中は、まあ、上出来。真横の17とか18が出ると、私は調子が崩れる事が多いので、この辺で席を立った。
 ツレの分もあわせ、貰ったクーポンは全部使ったし…。(クーポンは赤・黒など、2倍ベットにのみ張れる)

 ルーレット収支、約40万W勝ち。1時間足らずで、昨夜のBJの儲けを上回った。


 上機嫌でBJの方を伺うと、1万W卓が、中国人一人だけになっていた。しかも結構若くて、余り煩そうではない。
 ツレと一緒に入る。バイインはとりあえず100万W…(つまり、まだ様子見である)

 基本2万で、良き流れは4万、悪い時は1万に…と云う、ホントに〝危険の無いBJ〟を淡々とこなす。
 危険が無い分、浮きも無くて、1シュー目の増減幅±5単位。ギャンブルというには稚拙過ぎる〝遊び〟ではあったが、それなりに楽しかった。

 しばらくして、若い白人さんが入ってくる。 
 これで陣容は、1番ボックスに元からいた中国人、2番ボックス私、3番ボックス、ツレ、そして最終ボックスに白人。
 とても〝平和な卓〟で、白人さんとも少しだけ話した。好青年だった。――――――ところが。

 数分後、突如異分子が。
 若い中国人の「先輩」らしき40代の中国人が入ってきたのだ。しかも若い中国人にバックベットするカタチで。

 白人は、基本的にBSを知っている様子だったが、時折、流れに応じて外す局面もあった。私はそんな事、全く気にしていなかったのだが…。このバックベット中国人は、「結果論」で外れると、猛烈に文句を垂れてくる。
 白人は、バックベッターの「クレーム」を軽く受け流しているようだったが、やはり苛立ちを感じていたのだろう。数ゲームのちに席を立った。
 
 
 実は私のツレも、結構BSを外す――――――傾向として13や14から「ステイ」することが多い。
 
 その消極的姿勢は、昨夜から私も、ちょっと気になっていた。
 だが、彼女に云わせると――――――(これは後述するマッコリ酒場で議論を交わして聞き出した事なのだが)

 「BJは自分が生き残るのが大事。ホールカードを全て絵札と想定するBSが常に正しいとは思えない。入っていない確率は12分の5もあるのだから」というのだ。(ゲーム続行時点でホールカードにAは無いので、ディーラーが入っている確率は、絵札3枚&10&9&8&7である)
 
 即ち彼女の理論は、親が入っていない、と読み、且つ、次が絵札であると感じたら、フェイスカードが絵札であっても「ステイ」の選択肢はある、というもの。

 その戦略に対する賛否は様々あるだろうし、私も諸手を上げて賛成はしない。
 しかし、BJはあくまで自分のゲームであり、「自分が正しいと思う選択/戦略」が、尊重されるべきだと考える。

 昨夜の「お母さん」の例もある。常識はずれのプレイヤーが、必ずマイナス要素という訳ではない。
 それによって、私が被害を受けるのならば、それは私が「許容するか否か」を、判断すればよいのだ。

 話を戻そう――――――白人が去ったあと、こんな局面になった。

 ツレ14、ディラー絵札でステイ。この時、サードベースはツレになっていたので、ディラーはホールカードを開く――――――「4」。
 次カードは「7」。即ちディーラーが「21」を起こした。 当然、中国人バックベッターは、指をさしてクレームをまくし立てる。
 勿論、云わんとしている事は判る。しかし余りにムカついたので、私は日本語で反論した。

 「ふざけんな、バックベッターの分際で偉そうに抜かすな」 ―――すると(その言葉を理解したのかどうかは判らないが)異分子が、ツレの隣席に座った。
 ツレ、如実に嫌そうな顔をして背中を向けるように座り直すが、お構いなしである。

 そして次のゲーム・・・全員、「20」とか「19」とか「18」で、次カードを必要としていなかった。(正直、あまりゲームに集中していなかったので、それぞれの手がどうなっていたのかハッキリ覚えていないのだが)
 ディーラーのアップカードは、たしか「7」。
 ホールカードをめくる・・・「4」。そして引いてきたカードは「絵札」――――――また「21」を起こした。
 すると、この異分子は、またもやツレに食って掛かる。どうやら、前回の「ステイ」で流れが変わったとでも云いたいようだ。

 ツレは、背中を向けて取り合わなかったが、私の方は腹が立った。 馬鹿か、こいつ。テメエが勝手にワン・ボックス増やしたんだろうがっ!!
 私はディラーに1万Wチップの束を出した。 「チェンジ」 「もうやめよう。気分が悪くなってまでここで打つ必要はないよ」
 「そうだね」 ツレも1万Wチップのチェンジを要求した。

 僅か2シューで席を立ち、両替へ。 キャッシャー嬢が、ちょっとびっくりしたような表情で、私に「両替書類」を提示した。
 そりゃそうだ…20万円を両替した日本人が、1時間たつか経たないかで、再び20万円を戻したのだから。
 因みに収支は、ルーレットの勝ち分をBJで少し削られ、{20万円+25万W} 今回も勝ち分はウォンのまま財布へ。一応プラスを達成。まぁ、1時間のゲームとしてはヨシとしよう。
 

 あんなに愉しみにしていたパラダイスだったのに。
 帰り際に、さっきのBJ卓を見たら、女性ディーラーだけが〝ぽつん〟と座っていた。
 きっと、あの中国人バックベッターは、文句を云う相手がいないとプレーできない=即ち、己が負けた責任を誰かに転嫁しないと、やっていられないプレーヤーなのだろう。

 可哀そうなのはパラダイスだ。こうやってマナー無視の客が蔓延る事によって、見えない部分で客を失っている。(しかしそれもまた、自店責任だが)

 さらば、パラダイス――――――釜山に来ても、もう恐らくここには来ない。少なくとも、ツレと二人では絶対に。
 なぜなら、シンガポールでMBSを再訪する事が無かったように、ツレは頑なだからだ。


 『チキ男、パラダイスへ行く』――――――[完]。 



 海雲台へ向かうタクシーの中で、昨夜セブンラックの帰り際に、〝先生〟と交わした会話を思い出した。
 私「明日はパラダイスへ行こうと思ってるんですよ」  
 先生「そうですか~、じゃあ、私も明日の夜はパラダイスへ行こうかな~」
 私「じゃあ、またご一緒できたら、よろしくお願いします」……云々。 
 
 あの夜、先生は、やっぱりパラダイスに行ったのかな?申し訳ない…こういう事情で、私たちはいませんでした。



 思いがけず、べらぼ~うに、タイム・スケジュールが空白になった私たちは、地下鉄の駅で目的地をチョイス。
 新たな目的地は、ツレがガイドブックで気になっていたという、「世界最大級でギネスにも登録された百貨店」・・・つまりセンタム・シティである。

 改札を抜けて、ぶったまげた――――――


 でけぇぇぇぇぇ!


 これは――――――シンガポールのMBSで味わったような衝撃である。 もちろん東京だって地下街はあるし、地下鉄直結デパートもある。
 けれど、こんなに天井は高くないし、こんなに柱の本数が少なくない(=つまり空間が広い)こういう造りが出来るって事は、やっぱ地震が無いんだろうな…。


 デパートの中に入る。 くわぁぁぁぁぁ……吹き抜け状の階上を見上げると、くらくらする。時刻は午後4時。これを全部見て回ったら、とんでもなく時間が掛かる事だろう。ただ店舗内容は日本のデパートと、然して変わらない。まぁ、「お買い物を愉しむ」という選択肢が無い訳でもないが…却下。

 センタム・シティのもう一つの目的、新世界スパへと向かう。 そう…今夕は温泉三昧といく事にしよう。
 
 新世界スパの入口でツレが、「FLY&FUN」という看板を見つけた。これは、エア・プサン(親会社のアシアナ航空も可)のボーディングチケットの半券を見せると、割引になるというマーク。
 一人12000Wの入館料が、8400Wになった。 いつもながら〝セコい情報〟で恐縮だが、ちょっとお得感あり。どうせエア・プサンで来ているんだったら使わなきゃ。

 このスパは「4時間制」という、韓国にしては珍しい入館システムをとっている。その理由は、中に入って理解した。平日の午後4時で、それはそれは大変な「入り」である。
 大学生(?)らしきカップルとかが、かなり多い。デートスポットにでもなっているのだろうか? 

 加えて新世界スパは「13歳未満入館禁止」という、云わば「大人のスパ」である。(変な意味ではない)
 風呂に入ると、アソコの毛も生えていない、どう見ても小学生のような子供も数人いたが、あれは発育が遅いだけなのだろう。少なくとも年端もいかない子供たちが、プールのような大きな風呂でバシャバシャ泳ぐ、という事はなく、ゆっくりと入浴する事ができた。

 施設も充実している。レストランやチムジルバンは当然のこと、露天風呂(入らなかったが)やリラクゼーションルームもある。
 有料だが酸素房もあった。(これはベッカムらアスリートが入った事で知られる体力回復・酸素カプセルである。30分15000W)
 東京にも入れるところは多数あるが、料金は倍近くする(それでも最近は随分安くなった) 次は試してみようかな?

 私は風呂場でアカスリをした。 20分18000W。私のソウルでのお気に入りであるシロアムよりは高い。…が、ここのアカスリは、余り痛くない。…というか、アカスリをやっている感が無いほどソフト。アカスリ布が違うのか?やはり高いだけの事はあるのかもしれない。

 入浴後、ツレと合流し、レストランへ。とても店員教育が行き届いているレストランで、好印象。
 食事自体は、可もなく不可もなく。最新スポットだけに、価格はチムジルバン内の食堂としては、ちょい高め…だが許容範囲だ。




■第三章 『闘うべきか、闘わざるべきか』

 
 そして夜8時過ぎ、セブンラック到着。昨夜よりは客が入っている。私はまたもや、日本円を換金。昨夜と同じ30万円、レートは1409。昼間のパラダイスと同じであった。
 ツレはもう、スロットに見向きもしない。二人して、BJへ直行、今夜も1万W卓に着く。
 1番ボックス、日本人の60代おじさん 2番ボックス、ベトナム人若者、 3番・4番が空きで、5番ツレ、6番私、7番空きという布陣。 
 
 極めて紳士的な、或る意味、大人のテーブル。ディーラーが強すぎる訳でもなく、皆、それなりにBJを満喫していた。
 ところが―――またまた平和は崩された。

 今度の異分子は、初老のロシア人――――――この人、ルール自体が判っていない。
 7番ボックス=つまりサードベースに、いきなりシュー途中から入り、5万Wを置いた。……まあ、1万W卓だからシュー途中でも別に構わないのだが。

 ロシア人が入って1ゲーム目、彼の手は14、ディーラー・アップカードは絵札だった。
 この局面でロシア人は、なんとボックスのチップの上に、5万Wを重ねた。ディーラーが、慌てて「NO,no,no」と重ねたチップを下ろす。同時に、驚きながら「ダブル?」と確認する。ロシア人、「ヤー、ヤー」と云いながら、カモン・カモンと手招き。
 ディールされたカードは絵札で、あっさりドボン。まぁ、ディーラーのホールカードも絵札で、負けは負けだったのだが…

 その次のゲーム。ロシア人は、「T・T」でステイ手だった……が、ハンドサインを出さない上、英語で「ステイ」とも「スタンド」とも云わないので、ゲームを進められない。
 (なんか、胸元で「もういい」と云うように手を振り、ロシア語らしき言語を発す)
 もちろん、それでも大体の意志は判るのだが、BJは〝そういうゲーム〟ではない。基本的には上からのカメラに映るよう、ちゃんとハンドサインを示すべきだ。

 長時間(…と云っても5分程度だと思うが)ゲームが止まった事で、ファーストベースのおじさんは、すっかりやる気を無くし、ベットを止めた。

 そして次ゲーム……ディーラーのアップカードが「5」。2番ボックスのベトナム君が「10」で、ダブルチャンス。しかも彼、10万Wにベットアップした勝負手。来たのは「9」とまずまず。
 ロシア人の手は今度も「14」。ロシア人、またもやボックスのチップの上に、チップを重ねる。しかも元々のベットの倍も。

 「Noooooooooo!」ディーラー、さすがに怒る。そしてピットボス?の女性を呼び、苦情を告げる。 呼ばれた女性、英語でロシア人に諭すが、彼はカモン、カモンとばかりに手招き。とにかく1枚寄越せ、というのだ。
 またゲームが止まる。
 結局、仕方なしに同額分のみのダブルを認めて、ディール。またもや絵札でバースト。続いてホールカードを開ける。想定通り「絵札」・・・もう一枚、起こす・・・「6」。

 可哀そうなベトナム君。勝負手のダブルを、「21」で崩された。(それでも彼は一言も文句を云わなかったが)
 
 このゲーム後、ディーラーとピットボス?の女性で、このロシア客を追い出してくれたが、場の流れは最悪。
 途中、陽気なヤンキー娘が(アイダホ出身と云っていた)7番ボックスに座り、場を盛り上げてくれたのだが、彼女はバイインが10万Wしかなかったので、程なくパンクした。
 (それでも、一時3倍増にするなど大健闘した)

 そして10時過ぎ、再び異分子襲来。今度は友人のロシア女性を連れ、3番ボックスにイン。
 手にはセブンラックが配布している「BJのルール冊子」がある。それでも――――――

 このロシア人、とにかく自分がどんな手でも、ステイ以外は「ダブル」をしたいらしい。しかもまたもやチップを重ねる。

 ロシア人が入って1ゲーム目、ツレは16からステイ、私16サレンダー。結果、ロシア人がダブルで「絵札」を引いたので、ディーラーはバーストせず。
 2ゲーム目、私たち二人は、ともに16。また手が悪い。
         
 そう…全て偶然である。 ロシア人がダブルしようがしまいが、私たちはいつものように打てばいい。もしかしたら、良い方に傾く時だってあるのだから。
 しかし…流れとは得てしてこういうものだ。当然、このゲームも私たち二人は負けた。
         
 私は昼間のパラダイスの、あの中国人のように、自分がロシア人に文句を云ってしまいそうになるのが嫌だった。ツレも、同じような顔をしている。
 「メシでも喰う?」 「そうしようか」 ディーラーにキープを頼み、食堂へ。
 
 別にカジノ飯を論評しても仕方ないのは判っている。でも、ちょっと云いたい。―――釜山は、メニュー少ないんですね。選択肢、ほぼ無。

 昨夜、先生から「天ぷらうどんが外れないよ」と聞かされていたので、ツレがそれをオーダー。私はナントカ・サンドをチョイス。
 天ぷらうどんの上に掛かっていた「青いモノ」が、青ネギではなく天カスだったのには、ちょっと驚いた。一体、なんで青いんだ?

 メシを喰いながら、ツレが云った。「多分、あのロシア人、ヒットする為には、もう1枚ベットしなければならないと思ってるよ」
 「???????どういう事?」 「だって、なんで俺には1枚くれないんだ、みたいな事をぼやいてた。ボソボソと英語で」 
 ツレは英語が堪能だ。私は、彼は基本的にロシア語だと思い込んでいたが、ところどころ、英語も挟んでいたのだそうだ。

 「そうなの?だったら、教えてあげればいいじゃん?ハンドサインも教えてあげなよ」 …ツレ、即答「ヤダよ」。さらに続ける。
 「あんな人と関わり合いたくない。ハンドサインを知らないのも、無謀にダブルをするのも自己責任でしょ」――――――仰る通り。

 確かに同じ卓にいるだけで、ロシア人と友達な訳ではない。友達になりたい訳でもない。それにしても…
 やはり女はドライなのか?それとも彼女がドライなだけなのか…。

 ゆっくり、ゆっくりメシを喰ったのに、ロシア人はまだパンクしていなかった。結構な金持ちのようだ。
 ファーストベースにいた日本人のおっちゃんが、「もう場が滅茶苦茶だよ」と云って、丁度、席を立った所だった。

 見れば7番ボックスに、イエローチップとブラックチップを束で抱えた中国人らしき若者が入っていた。
 彼は1万卓なのに50万Wを張っている。いや、いいんですよ…もちろん。50万張ったって。
 しかし平常心を保って打つのには、ちょっと無理がある卓になっているようだ。

 私とツレ、顔を見合わせる――――――撤退決定。とりあえず、外で時間を潰すことにする。…とは云え、本当に帰ってくるかどうか不明なので、換金しておく事に。
 私のチップは、換金分にちょっと届かなかった。5万Wほど財布の中から付けたしキャッシャーへ。またまた30万円が、たかだが3時間ほどで財布に戻ってきた。結果的に今回は、毎日ホールドしていたようなものだった。


 セブンラックを出て向かったのは「マッコリ・サロン」。20数種類のマッコリが飲めるという、釜山で最近、人気のスポットだそうだ(と、ガイドブックに書いてあった)
 
 マッコリは、日本でブレイクしたのをきっかけに、韓国の若者の間で愛好者が増えているそうな。
 このマッコリ・サロンは、〝立ち呑み屋〟のような、オヤジの巣窟を想像していたが、若者ばっかりのオシャレなお店だった。

 普段、酒を呑まない私も、今日は呑みたい気分だった。
 数あるマッコリの中から、「梨が特徴」という「釜山金井山城マッコリ」なるものをオーダー。ツレは「トックリ・イチゴのマッコリ」。
 共に値段が5000W程度(約350円)だったので、おそらくグラスで来るのだろうと二つオーダーしたのだが…

 やられた――――――これが、それぞれ5000Wなの? 安っ!
 
 マッコリは、とても口当たりがよく、呑みやすかった。普段、酒を呑まない私もクイクイいけた…が、暫くすると、明らかに酔っている事を認識。
 
 (ああ、もうセブンラックには戻れないなぁ・・・・)

 …という事で、『チキ男、パラダイスへ行く』の章で触れたように、ツレとBJの戦術談義に花を咲かせた訳である。
 
 
 今回の釜山旅。B級グルメの収穫は、ここまでモチゴメ・ホットックだけという、誠に情けない結果であったが、最後の最後にマッコリ・サロンを加えられたのは不幸中の幸いだった。あのロシア人がいなければ、きっとこの店には来ていないのだから。やはり人間万事、塞翁が馬か?

 
   |【二日目成績】
   |  プラスになったシュー  1
   |  マイナスになったシュー 6(なんとカジノ2軒で7シューしかしていない!)
   |  最大マイナス16単位~最大プラス7単位
   |   (成程…私はもしかしたら最大マイナスの半分を勝ったら、止め時なのか?)
   |      



 不完全燃焼に終わった2012年初戦。
 闘うべきか、闘わざるべきか――――――それもまた、BJの醍醐味と考えることにしよう。

 今回はB級グルメも、不完全燃焼だった。ただ、これは完全に自己責任である。
 昨年のシンガポールで、初めてにもかかわらず結構〝当たり〟を引いたので、釜山でも簡単に引けるものだと勘違いしていた。大いなる誤解…否、甘さだ。

 カジノだけでなくB級グルメでも、madamadaはやっぱり「まだまだ」なんだなぁぁ。
 さぁ、次はどこへ行こう?
 そろそろカルビチムが食べたくなったし、ラクサも食べたい。それとも次も、初めてのカジノか――――――。

 そうして私はまた、妄想の世界で一人遊ぶのである。(ナンジャ、ソリャ?)



<了>


このReportへのコメント(全 7件)

2012/02/10(Fri) 13:42

中宝

こんにちはー。待ってました。それにしてもなんてタイムリーなんでしょうか。
わたくし、明日から釜山に参ります。しかもエアプサンですし、宿も西面の
安宿・エンジェルホテルです。
私は釜山自体は2度目で、その時は何泊かしましたから、ある程度街の状況はわかりますが、
その頃はセブンラックはありませんでした。直前に今のセブンラックのようすがわかり
大変ありがたく思いました。

私もシルバーカードで、コンプをあてにせずにヒットアンドアウェイで行こうと思ってます。
戦い方もいつもながら参考になります。私も大チキンですから。(笑)

B級グルメは不完全燃焼とのこと。釜山は実はB級の宝庫です。
ヌタウナギの藁焼き、ネギチヂミ、山羊焼き、小麦粉の冷麺・ミルミョン、
ケブル、鉄板で焼いたトースト、鯖の辛い味噌煮、下関とほぼ同じ漁場で採れた河豚、
魯山人が明石にも匹敵すると書いた鯛など、
ソウルとはまたちょっと違った味が楽しめるところです。

釜山ではロシア人は避けよ、というのは、昔からよく言われています。
カジノではなくて街中での話なのですが。
定期航路があるため、ロシア人の船員さんが駅前のロシア街などでは
目立ちます。彼らが酒飲みで喧嘩っ早くて体が大きいため、そう言われているようです。
今回は災難でしたね。

シンガポールといい、釜山といい、ニアミスが続きますね。
本当に、是非どこかでご一緒したいものです。
今回も楽しく読ませていただきました。


2012/02/10(Fri) 17:33

サイゴンサイゴン

madamada さん

こんにちはサイゴンサイゴンです。
何時もの軽快なテンポの長編リポート、凄く面白かったです。
釜山が主戦場の私ですので、パラダイスの無礼千万の中国人プレーヤーや
セブンラックのルール無視のロシアのおやじとか、笑えました。
釜山はほんとに多国籍奇人・変人がメチャクチャやってくれます。


2012/02/10(Fri) 21:17

madamada

しまったぁぁーーーー聞いておけばよかったぁぁぁぁーーー

あ、すみません…興奮が先走りました。
中宝さん、いつも真っ先にコメント、ありがとうございます。

ホントに今回のB級グルメは、私の仕込み不足で、まさに不徳のいたすところでした。

>小麦粉の冷麺・ミルミョン・・・ ツレは絶対「食べたい」と云います。
>下関とほぼ同じ漁場で採れた河豚・・・ な、な、ななんと!しかも今は河豚のいい季節じゃないですか!
>魯山人が明石にも匹敵すると書いた鯛・・・ ええええ!ろ、ろ、ろ、魯山人すかっ!そりゃもう、BじゃなくA、いえ特A級グルメじゃないですか!

失敗した…正月初値で5000万円付いた大間マグロをすしざんまいに食べにいったら「売り切れ」だった時以上に、悔しいです……。
是非、感想をお聞かせください&場所を教えてください!
釜山の街自体は、とても気に入りましたので、再訪ありです!次こそ、絶対!!

あ、ちなみにリポートには明記しませんでしたが、私の宿もエンゼル・ホテルでした。いいホテルですね、値段相応というか、値段以上のパフォーマンスはありました。
中宝さんとは、ホント、ニアミスですね~。今度是非、ご一緒しましょう!


2012/02/10(Fri) 21:43

madamada

サイゴンサイゴンさん、いつもコメントありがとうございます。

いやあ、中国人バックベッターもそうですが、ホント、あのロシア人はなんだったのでしょう。
多分これから、私はまだまだ経験を積んで、いろいろな人に会うと思うのですが、それでも一生、忘れられないと思います。
まぁ、これも「大人への経験」だと思うことにします。(思春期の頃に出会った、絶対に忘れられない“変な人”みたいなモノかな、と)

釜山が主戦場―――というのはいいですね。多国籍奇人・変人はともかく、卓が空いている!
エア・プサンで安くとれたら、私も再訪するつもりです。


2012/02/10(Fri) 21:54

madamada

追記

>中宝さん
ちなみにエンゼルホテルの斜め向かいにあるのがマッコリ・サロンです。夜2時までやっています。種類は本当に豊富です。
釜山決戦でのご武運、お祈りしております。


>サイゴンサイゴンさん
次はやはりRWマニラですか?良いですね~、私も行きたくて行きたくて仕方ないんです。
ペソも安いし…フィリピンは狙い目ですよね~。良い報告をお聞かせください。



訂正
本文冒頭、「~しゃんぱんさんのリポートにあるWRM」と記しましたが、
お気づきの方も多いと思いますが、当然「RWM」の間違いです。
この場をお借りし、訂正させて戴きます。


2012/02/22(Wed) 18:43

ジョニッパ

こんにちは。

相変わらず・・・・・・面白すぎます!!

10万W基本の方からしてもやはり20倍ベットはキツイですか。
勉強になります。

お連れさんとのタッグは最強ですね。
また、次回の投稿、楽しみにしております。


2012/02/23(Thu) 00:07

madamada

ジョニッパさん、こんばんは。

単に私がチキンなだけなので、「10万基本の人の標準」には当てはまらないと思うのですが…
10万~20万W基本の時の40万Wと、2万基本の40万Wは全く違いますね~。
「20回も勝たなきゃ取り戻せないっっ!」という焦りが来ちゃいます。
今、思い返してみても―――嗚呼、情けなや。

3月に雪辱戦ができればいいのですが、幸か不幸か、仕事が立て込んでいて…
しかも今日、円安に動いているし((+_+))
また行けたら、皆さんに愉しんで戴けるリポートを頑張ります?!
(いや、ホントは愉しんで戴くのではなく、参考になるリポートを目指しているのですが)


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