リゾカジ カジノレポート

カジノ猿旅行記その3「またテニアンかいっ!」

* サイパン・テニアン 2002/ 11/ 04 Written by Tomi

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えー、皆様お元気でしょうか?
不定期発行の「カジノ猿旅行記」も3回目となりました。最初にはっきり言っときますが、今回は負けました。えぇ、負けましたとも。本当はこんなものを書いているより、すぐにリベンジに行きたいところなのですが、そこは勤め人のツライところ。今後の糧(かて)とすべく、きっちり旅行記を書かせてもらいます。お暇なときに、ご笑納下さい。

 最近は「お台場カジノ構想」に本気で腰を上げた東京都が、都庁で「カジノフェスタ」なるものを開催するなど、色々と国内カジノ事情も活況を呈してきたようです。 今年の4月にコンサルタント関係の部門に移動したのを幸いと、「お台場カジノ」になんとかITベンダとして食い込めないものかと、色々な方面に調査やなんやらを仕掛けております(っても、その「カジノフェスタ」への参加はあっさり断られたんですけど(;_;))。

 で、先日の部の飲み会に社長が来たときの事…(一部、社長らしさを強調してあります)
社長「ん~?チミは確か、春頃の宴会で『カジノがどうとか』言っていた男じゃないかい? どうだね、その後の進展は?」
猿「はっ!社長。先日の都庁のカジノフェスタには『おまえの所の様なチンカス会社はお呼びじゃねぇ』と見学を断られました。ワタクシはもう悔しくて悔しくて…(泣)」
社長「おぉ、なかなか頑張っとるようじゃねぇ。まぁ、しっかり頼むよチミィ。」
猿「はっ!この猿めの一命に替えましても!」
といったような会話が、あったとかなかったとか。

 後日、上司に言ってみました
猿「先日、社長から↑これこれこういうわけで、『頑張ってプロジェクトを推進するように』とのお言葉をいただきましたので、是非近日中に海外カジノの視察に赴きたいと思います。」
上「ん~、業務出張はダメ~。」
猿「(ちっ!騙せなかったか)では、休暇をいただきます。」
上「休みならいいよ~ん」

 というわけで、マイレージで取れたサイパン往復チケットの関係で、日程は2002/11/4~7の3泊4日となりました。ホテルは前回と同じ(というか選択肢が無い)テニアンダイナスティー ホテル&カジノです。インターネットの旅行記で収集した情報によると、ホテルの東京オフィスに電話予約するとプロモーション価格が提示されるとのこと。今回の価格は$100/泊(10%tax別)。

 ここでグッドニュースが。 前回の「テニアン旅行記」で、「このホテルにはコンプが無い」と書きましたが、実はコンプポリシーは明確ではないが存在するとのこと。ただしコンプを受けるためには、現地で$2,000以上のフロントマネー(後述)を提示してVIPカードを手にする必要がある。 これで、エアはマイレージ利用、宿と飯はフルコンプ、という作戦が立ったわけですな、ウッキィー。

2002年11月4日(月)
 朝の8時に成田到着。NW(ノースウエスト)のチェックインカウンタもそんなに混んでない。
 成田空港のあさひ銀行でドルに両替。キャッシュが$1,000とトラベラーズチェックが$2,000($500×4枚)。このT/Cはカジノへのフロントマネー用。あわよくばノーサインで預けて、最終日にそのまま取り返して、安い手数料で円に戻そうということです。
 
 どうやら、マイレージでのチケットは、座席が決まるのが搭乗直前らしく、手書きのヘンな搭乗券をくれました。それを機械発行されたチケットに替えてくれたのは搭乗アナウンスの流れた後でした。(出国審査は問題なく通過できます)
 
 NW76便でサイパンへ。約3時間のフライト。機内では電子機器利用オーケーのアナウンスが流れた瞬間から、ビデオポーカーのトレーニングを始める猿でした。

 15:30 今回は、サイパン島からテニアン島への移動は、船ではなく国内線を利用することに。フリーダムエア(FA)という会社の便が往復で$55。国際線の出口を出て、右へしばらく行ったところに見えるのが、国内線の飛行場。国際線飛行場とは別の建物で、ごくごく小さなもの。カウンターにいるニイちゃんに言って、テニアンまでの往復チケットを購入。
 
 待合室に入ると、現地の人らしきおじいさんとおばちゃん。他は日本人のカップルが3組。
 出口のドアが開いて、4時発テニアン行きの呼び出しをする係員が入ってきた。「ミスタ、サル アーンド *****(聞き取れませんわ)」。結局FAに乗るのは猿と現地人2名のみ。

 そばまで行ってもやっぱり小さい飛行機。前から2+3+2の7人乗り(パイロット含む)。ベガスで乗った飛行機も小さかったが、その比ではない小ささ。そのうえ搭乗口は一旦翼に登ってから入るもの。現地の2人が先に入り、猿はなんと副操縦席に座らされました。ベガスの時はコパイの後ろだったので、ちょっと進化したのか?>猿

 パイロットは噂に聞いていたおばあちゃんではなく、若い男性。「オレが『右』と言ったら操縦桿を右へ回せ」などと猿に言う。冗談と解っていても怖くて触れませんわ。

 ちょっと大きめの乗用車位(というか「空飛ぶ軽トラ」)なので、滑走路でのフットワークがすごくイイ。ギュインギュインと時速60km位でカーブをきってアプローチゾーンに入ってそのまま離陸。このときの時速は100km/h。機体が軽いのでなんかスゴク簡単に飛び上がった感じ。ちなみに、離陸2秒前までドアは開きっぱなし…(暑いからでしょう、もちろん機内はクーラーなどは無し)

 巡航120km/hで、飛行時間は10分足らず。すぐにテニアンブルーの海が眼下に。(そういう名前の色があるほど不自然なまでに綺麗な青色) 着陸も全然怖くないです。ストンとタッチダウンして、猛スピードで空港の建物へ。(こっちのほうが怖い)

 到着ロビーにホテルへの直通電話があるので、ピックアップを頼む。一旦外に出ると、到着ロビーへは入れないので要注意(自動ドアが外からは開かない)。「迎えの車がすぐ行くので、外で待ってろ」との事なので。外に出て一服。10分位でマイクロバスが到着。

 空港からホテルまでは10分くらい。途中で「ジャパンのムービークルーがそこにいる」と運転手。どれどれ、と眺めると、撮影クルーの中に赤いチューブトップの綺麗なおねいさんが一人。ん?小池栄子か?「車止めようか?」と運転手。どうでもいいのでノーサンキュー。

 16:30 日本の連休最終日だからかホテルは結構人がいる。チェックインしたら、次回の宿泊がプロモーション価格のさらに25%引きになるクーポンをくれた。マイレージはもう一回のサイパン往復分残っているので、カジノの戦績次第ではまた来れるカモ~(休暇はどうするんだ>俺)

 部屋はオーシャンビューというかホテルの正面玄関側。前回は確かツインだったが今回はシングル。とはいってもベッドはクイーンサイズで快適。

 17:00 シャワーを浴びて小綺麗な格好にしていよいよ戦闘開始。と、その前に、今回はカジノVIPになってルームコンプを獲得するために$2,000のフロントマネーをしなければ。 「GUEST SERVICES」と書かれたカジノ入り口のカウンターで「VIPカード作ってちょ」と言うと、側にいた日本人のカジノホストが駆け寄ってきた。名前はマユミさん。おかげでスムーズにVIPになれました。

ちょっとカジノマニア向け解説をば。
ここのフロントマネーは文字通りのフロントマネー(見せ金)であって、デポジット(預け金)ではない。キャッシュと引き替えに$2,000のカジノ内でのみ利用可能な小切手が渡される。初回のテーブルゲーム開始時に、この小切手をCHIPに交換することになる。ちなみに、ベガスなどでのデポジットマネーは、残高がオンラインで各ゲームピットで照会されて、「マーカープリーズ」と言って希望額を引き出し(このとき借用書の様なものにサインさせられる)、ゲーム終了後の預け入れは「マーカーダウン」と言ってCHIPを渡し、借用書を破り捨てる(持って帰ってもヨシ)らしい。つまり、このカジノでのコンプポリシーは・ゲーミングの実績にはフロントマネー額は関係なし(初回のみ、最低$2,000)・実績が記録されるのはテーブルゲームのみ(マシンゲームは無関係)ということになる。

 17:30 挨拶代わりにBJ$5(ブラックジャック 最低賭金$5)のテーブルへ。当然だが、小切手と引き替えにいきなり$2,000分のCHIPが渡される。「オールブラック?」ディーラーが訊いてくる。とんでもございません。$100分をレッド($5)に、他はブラック($100)でもらう。 ん~、リアルゲームは久しぶり。やっぱりカジノはいいねぇ。

 ところで今回の(主ではない)目的のひとつが、パープルCHIP($1,000)を手にすること。BJのテーブルにはブラックより大きい額のCHIPは常備していないので、この段階ではパープル未入手。

 22:00 ビデオポーカーでの休憩をはさみながら(ここのビデオポーカーはショボイので省略)BJを打ち続ける。ビールは10杯位は飲んだかな?前回も書いたがここはソフトドリンク以外は有料。全て部屋にチャージしてもらう(あわよくばこれもコンプされるようにとのセコイ考え方です。すみません)

 えっとですね、前回のテニアン旅行記で「$160賭けでドキドキ」って書きましたけど、やっぱり猿なので人間様よりは進化のペースが速いみたい。

 BJ(エースと絵札。配当は1.5倍)が来たときに小銭ができるのがイヤなので、基本は$10ベットにしてますが、勝ったら倍、また勝ったら倍、って賭け方してるので4回続けて勝ったらもう次の勝負は$160になるわけでして、タネ銭$2,000がテーブルの上に乗ってる状態では、$160程度だとあまりドキドキしなくなりました。(多少はアドレナリン出ますが…)ひと勝負2万円ですから猿じゃない状態では決してやりませんがね。

 24:00 ふぅ。現時点で$500ちょっとの浮き。これで、今日のところはタネ銭は安泰と見た。となると、やっぱりパープルCHIP($1,000)が持ちたいのねん。ディーラーにブラック20枚を押し出して

猿「パープルに換えて欲しいのだ、ウッキィ~」
デ「このテーブルには無いのよ。あそこの大バカラのテーブルに行ってくれば?」
猿「オッケイ、ちょっと行ってくるのだ」

ということで、20枚のブラックを両手に盛上げて大バカラのテーブルへ。大バカラは中国人の巣窟。そこへコソコソとやってきたカジノ猿。大バカラのピットボスが怪訝な目で猿を見る。

猿「あんのぉ~、お邪魔するダス。こりをパープルに替えて欲すいダス」
ボ「今ゲーム中だから、ちょっと待ってろ貧乏人」

テーブルの上はパープルやブルー($500)が飛びかっている。中国人恐るべし。

ボ「ほらよ、パープル2枚だ。おまえもちょっと遊んでくか?」
猿「いえいえ、とんでもごじゃりません。そりでは」(と、ザリガニのように後ずさり)

注:誤解のないように書いておきますが、カジノ猿と従業員の会話は、あくまでも猿の心象風景描写であり、実際は、猿の態度はこの64倍偉そうで、従業員は128倍丁寧(というかフレンドリー)です。

 ウッキィ~、やたぁ~、パープルゲット! 初めて持つパープルは微妙にブラック以下より大きくて幸せ。以降、この二枚を「太郎」と「次郎」と名付け、防衛戦線としてプレイすることになる。

 26:00 20枚積まれていたブラックの山がパープル2枚になり、なぜか弱気になってしまう猿。こ、これが「守りに入った」状態か? 肝心の所で$160ベットができないで引いてしまう様になる。浮きは$300位に減った。要するにハイタワーを、「ずずっ」と賭けるのに、躊躇しちゃう状態に戻ってるわけですわ。

カジノ猿による、やさしいカジノ英会話 
ちなみに猿は、レッドで、32枚($160)を「HighTower」、16枚を「MiddleTower」と呼んでます。会話例:Ok! I'm pushing High-Tower! Ace please! Lady Dora!! 訳文:「よっしゃあ、ハイタワー賭けたるでぇ。ドラお嬢様、エースお願いしますだ!」

 とりあえず勝ってはいるので、「初日はこれくらいにしといたるわ」ということでフィニッシュ。帰りがけにビデオポーカーを$40位やって(勝てませんってば)部屋に戻ることに。
(本日のビール:約10杯)

2002年11月5日(火)

 8:00 パッチリとお目覚め。さすがアドレナリン濃度高し。

 モーニングコーヒーを飲みにカジノへ。BJのテーブルは$10ミニマムがひとつ開いてるのみで、客はいない。カジノ全体でもプレイしてる客は5人以下。とりあえずBJのテーブルに座りアイスコーヒーを頼む。

 10:00 モーニングコーヒー代が$300! 太郎($1,000CHIP)がディーラーの手元に行っちゃってる。どうもハンズ・オン(いわゆるマッチプレー)は、分が悪いみたい。 頭を冷すために、いったんホテルロビーに出てこれを書いてます。

また、カジノマニア向け解説をば。(ディーラー情報)ここのカジノは圧倒的に女性ディーラーが多い。(5対1位)カジノ猿はディーラーと話をしながらプレイするのがスタイルなので、必ず国籍は聞いていることになる。中国人とフィリピン人と、なぜかネパール人が3分の1づつ。慣れてくると顔を見ただけで「Are you Nepali?」などと言えるようになる。中国系は美人多し。SALLY、DORAなどは本当に綺麗。笑うとまたカワイイ。が、なめちゃあいけない。中国人だけじゃなく、どいつもこいつも引きが強い。波にのると3回連続BJなんて平気で出して、澄ました顔してやがる。おばちゃんディーラー(少数だがいる)が相手なら「ウッキー!ざけんな!ワシはやめる!」となるのだが、「Sorry,sir」などと微笑まれるとね(←ただのスケベオヤジ猿じゃん)全体的には、カードを配る手つきも覚束ないようなレベル。すり替えなどは出来そうもない。(と、思わせる作戦の可能性もあり)個人的には愛嬌のある顔の、フィリピン系ディーラーとプレイするのが好きなのでした。片言の日本語を話せる女性(V嬢)がいて、三日目に日本人二人連れと一緒にプレイしている最中、「どうせ日本語わかんないんだから悪口言ってもいいよね」等と言ってたら、「キコエテルヨ」と、すげー高度な日本語のつぶやきが…。彼女とはよくぶつかりました(夜番なのでしょう)

 11:00 部屋に帰って身支度を整えて、いざビーチへ。ホテルの売店でビール3本とソーセージの缶詰を買って、歩いて行きます。

 5分ほどでタチョンガビーチに到着。木陰のビーチチェアが空いててラッキー。去年来たときに世話になったアレンはもういない、との事。犬のガビもいません。でも、冷えたビールが販売されるようになっており、海の家も進化してるのね。(一本$1)

 あいかわらず青い海と空。風も吹いてとってもイイ気持ち。ちょっとシュノーケルをひっかけて海の中へ。ソーセージを指でつぶしてフィーディング(魚の餌やり)。あ~なんか気が遠くなる。冷静に考えれば3時間弱しか寝てないのね、ウッキー…。このままいると天国に限りなく近い島になってしまうので、10分位で陸に上がり、木陰のチェアに横たわる猿。すぐ寝てしまいました。気がつくと午後2時。ん~良く寝た。海の家に頼んであった昼食のハンバーガーは、ホテルに持ち帰って食べることに。

 やっぱりアーバン派の猿は、冷房が好き。この旅行記では(自明の事なので)暑い事を書いてませんが、当然、気候は熱帯です。ホテルから外に一歩出ると強烈な日差しと熱い空気。まぁ、これが良いんですけどね。 
 昼食を食べてシャワーを浴びたらまた寝てしまいました。リゾカジ派(リゾートはビーチでの昼寝のみですが)としては、こんなもんでしょ。

 16:00 さぁーって、2日目の勝負開始。太郎を奪還せねば。

 とりあえずBJ5$のテーブルで勝負開始。$200位すぐに浮いてしまう。でもまだ、太郎を取戻すと小銭が$100位なので、我慢、我慢。

 ここで、日本人の2人組と一緒のテーブルとなる。この二人は猿の一日前から滞在し、明日帰るという。自由業の方と思われる口ぶり。自分のハンドが16の時以外はベーシックストラテジ通りの打ち方。ただ者ではない、と、思われるが、とってもフレンドリー。結構いい調子でプレイは続く。

 22:00 お腹が空いたので、カジノ内のレストランで食事。CHINESE DRAGON NOODLE ってやつを頼む($20 当然ルームチャージ)イトメンのチャンポンメンに目玉焼とゆでたチンゲンサイを載せたものでした。でも、けっこう美味しゅうございました。

 お腹も膨れて、戦闘再開。 実はさっきから気になっているプレイヤーが一人。どう見ても日本人で30歳前後か?けっこうイイ男。いや、「気になる」ってのはそういう意味ではなくて、その賭け方がスゴイ。手元にあるのはブラック($100)のタワーと何枚かのグリーン($25)。一人で3ボックス(3プレイヤー分の賭け)を開いている。当然一度に最低でも$300賭けている。多いときには1ボックスに$300賭けてるので、スプリットとかダブルダウンのチャンスが来ると、軽く一勝負が$1,000オーバー。でもって、勝っても負けてもニコリともしないで淡々とゲームをしている。

 ずっと猿がゲームしているテーブルの正面のBJテーブルでプレイしていたので、いやでも目につくのでした。

猿「ウキ~、カッコイイ~。」

 ちょっと自分のゲームをやめて、見学することに。そちらのテーブルの端に立って見ていると、ディーラーが「あなたも参加しない?」って。とんでもごじゃりません、こんな猿ごとき鼻クソプレイヤーがお邪魔して、万一カードの流れが変ったりしたら、もう申し訳なくてマリアナ海溝に沈んで深海猿になってしまいます。

 ほとんど口もきかず、ゲームを続ける彼。$3,000位あったブラックが数枚になってきた。「チェンジ」ともいわずにパープルCHIPをディーラーに向って転がす。よく見ると、彼の手元にはパープルが3枚とブルー($500)が4枚ほど。ん~、タネ銭の違いやね、あのクールさは。

 23:00 猿が見ているのでヘコんだと思われるのも申し訳ないので、もとのテーブルに戻りゲーム再開。ずっと一緒の日本人二人組の他に韓国人のおいさんが一人。このおいさん(というか韓国人プレイヤー全般)は、ディーラのアップカードが7以上で自分の手が16の時は絶対にステイ、という打ち方。確かにここのディーラーはあまりバーストしないのだけれど、これはBJ戦略上は非常に不利な打ち方。案の定、コンスタントにヘコんでいる。

 あと、大多数の中国人プレイヤーは、ベーシックストラテジと呼ばれるBJの基本戦略を知らない(と思われる)。もうムチャクチャ。他のプレイヤーの判断が自分の勝負の期待値に影響しない、という理屈は解っているのだが、でもタコなヒットなどをされた結果、絵札を引いてバーストするはずのディーラーが21とかになるので、精神衛生上良くない。猿は、中国人が同じテーブルにつくと、なるべく他のテーブルに逃げるようにしています。

 勝負の方は微妙な上り調子が続き、手元のCHIPは、トータル$2,500位になっている。ちょうど誰かが交換したパープルがディーラーの手元にあるのに気づいた。

猿「ウッキィー、パープル頂戴」とブラック10枚をディーラーの方へ押し出す。
デ「よかったわね。今日はずいぶん勝ったようね」
猿「とんでもねぇ、モーニングコーヒーで$300払ってるんでおじゃります。キー」

とはいえ、太郎を奪還して結構ご満悦の猿。サイパンからのカジノツアーの方々も結構いて、テーブルはどこも賑わっている。当然中国人プレイヤーも多数いるので、ここからは流しモード(同額を張り続ける。当然ミニマム$10)に。

 25:00 昼寝をしてるので、全然眠くない。流しモードでは、1時間やって$20位しかヘコまない。でもリアルプレーはとっても楽しいし、ほとんどのディーラーは顔なじみになってるので、会話も弾んで一層楽しいのでした。

 そろそろサイパンからのツアー組もいなくなり、本日最後の本気モード。$20~$160の範囲でベットレートをコントロール。1時間ほどで$100位持って行かれました。最後に、懲りずにビデオポーカーをちょっとやって(負けましたってば)、今日は終了。トータルで浮いてるので、気分良くベッドの中へ。
(本日のビール:約15杯)

2002年11月6日(水) 9:00 ん~、よく寝たっ。ということで、7時間も寝てしまいました。夜のうちに雨が降ったみたいで、地面が濡れている。なんかイイ気持ち…って、イカンイカン、寝るのは帰ってからでもできるのだ。シャワーを浴びて、今日もモーニングコーヒーを飲みにカジノへ。

 11:00 今朝のモーニングコーヒー代は$400!! また、太郎($1,000CHIP)が里子に出ました。

 12:00 $2,000近辺での攻防戦が続く。ちょっと小休止。寝る前に飲むためのビールをホテル内の売店で調達。部屋の冷蔵庫に入れておこうと売店を出たところで、日本人のおねいさん二人に呼びとめられる。

おねいさん「あのぉ、すみません。このホテルにお泊りですか?」
猿「ウキー? そうだけど、何か?」
お「お部屋に入れてもらえませんか?」
猿「(おぉ、昼間っから大胆な…)どうしたの?」
お「私達、サイパンからの1日ツアーで来たんですけどぉ、お昼ご飯に食べようと、カップヌードルを持ってきたんです」
猿「ふんふん、それで?」
お「でもここのホテルはお湯をくれないんです。お部屋でお湯を沸かしてくれませんか?」

なんじゃぁ、(ちょっと)期待して損した、ウキー。 だいたい、宿泊客でもないのに「お湯を下さい」って、どこのホテルでも無理に決ってるじゃん。で、猿がおねいさん達を部屋に連れて行ったとして、湯沸し10分、待つこと3分、食べるの10分、合計30分くらいかかるわけで、そんな暇あったらBJするわ!

猿「(紳士猿風)コホン、お嬢さんたち、そんな見ず知らずの人に『部屋に入れてください』なんて、どんなに危ないことか解ってるの? お昼は、このホテルのレストランで済まして、カップヌードルは、サイパンに帰ってから食べたまえ。(意訳:タチョンガビーチで素潜りで鯖でも捕まえて、丸かじりしていたまい、ウッキィー!)」
お「そうですね。解りました。」
 というわけで、部屋にビールを置いてから、戦闘再開です。

 12:30 おぉ、例の日本人二人組がいる。今日帰国だと言ってたので、14:50のFA便までの最後の勝負と見た。同じBJテーブルに着く。ディーラーは日本語を解するフィリピン人のV嬢。なんか、最終日の勝負の二人は、賭け方が荒っぽいなぁ。$10~$300の範囲でベッティングコントロールしてるよ。

 しばらくプレイしているとピットボスのPがテーブルにやってきました。なんかV嬢が怒られてる。おぃおぃ、突然シャッフルしだしたよ。どうなってるの?

P「お客様すみません。当カジノのBJでは、1枚目のカットカードが出た時点でシャッフルをする決りになってまして。」
日本人A「何を言ってるんだ。今までそんなことなかったぞ!」
P「済みません。これはビジネスルールですので」
A「じゃあ、今までのディーラーは全員間違えてたって事か?」
P「そのとおりでございます。」
猿「ウッキィー???」

 どうなっているんだ?そんなの初めて聞いた。二人組の一方が猛烈に抗議するが、Pは「It's a business rule.」と繰返すのみ。まぁ、猿はカウンティング(用語解説参照)などはできないので問題ないが、なんか気分ワル~。隣の二人もどう見てもカードカウンタには見えないしね。しょうがないので、ゲーム続行。

カジノ猿による、カジノ用語解説 「カウンティング」 既に見えたカードを記憶しておき、残りのカードの中の絵札の割合が変化した際に、戦術を変える事。非常に高度な技法であり、厳密に実行すると、期待値が1を超える。カウンティングを行うプレイヤーは「カードカウンタ」と呼ばれる。ベガスなどでは、カジノ側にばれると出入り禁止となる場合が多いとか。

 14:00 アーリーシャッフルに変った後も、猿の手元は$2,000弱のままで、一進一退。ここでビッグウェーブがやってきました。

 順調に勝ち続けて次の賭金が$160になりました。すました顔をしてハイタワー(レッド32枚)を押出す猿。配られた手札は8が2枚。ディーラーのアップカードは10。当然スプリットですね。手持ちのチップから$160出して、脇に積みます。最初の8に対して配られたカードがなんと8! ここもスプリットでしょうが、いやー迷いましたねー。でもブラック2枚をディーラーに放って、「ウキー!スプリット!!」。(自動的に両替して、お釣りの$40をくれます)

 これで$160が3ハンドプレーとなりました。1枚目の8に再度配られたカードは7、合計15です。ストラテジーに従えば(親が10なので)ここはヒットですが、3ハンド全てのバーストは避けたいという欲が働きました。ステイで次のハンドに移ります。配られたカードは6!! やはりストラテジーには従うべきでした。が、何を思ったか猿はここでも14でステイ。(この勝負の1時間後にこの部分を書いてます。あまりよく憶えてないのですが、絵札をディーラーに回したくないとか考えた様な気がします)

 最後のハンドに配られたカードは8。もうスプリットする勇気はありませんでした。16のままステイです。ディーラーが8を引き込んで、3ハンド全滅です。ひと勝負で$480持って行かれました。思い出したくもないのですが、今後の大猿への進化の戒めとして、ロビーのソファに座り、泣きながら記録してた様に思います。この時点で手持ちが一気に$1,500へと落ち込みました。

 14:30 日本人の二人組が帰ってしまい、テーブルには猿が一人(というか一匹)のみ。ディーラーはフィリピン人のCindellera(シンデレラ)という女性。気を取り直して、通常のプレイを続けようと努力するが、さっきの大勝負での後悔(ベーシックストラテジに背いたこと)が、頭から離れません。その後はずるずる行かれて、手元に$1,300が残った時点で、午後6時頃部屋に戻りました。

 18:00 今日一日で、$1,000以上負けた事になります。こういう時は気分転換。ビールを飲みながら泡風呂につかり、ぼーっとします。それから、今日着ていた服は、ゲンの悪いものとしてしまい込みます。全て別の服に着替えて、今後の方針を考えました。

 今日が最後の夜ですので、カジノに行かないという事は考えられません。だってカジノのためにテニアンに来てるんだもん。ということは、

?@ 勝負に出て(ベットレートを上げて)今日の負け分を取戻す(大やけどの危険性もあり)
A 通常のプレイスタイルを維持する(一晩で$1,000浮くのは難しい)

という、2通りのオプションが考えられます。
「なるべく長い時間、プレイをしたい」というのが、この時点での猿の一番の望みですので、迷わず戦略?Aです。そうと決まれば、朝までBJですから、今のうちに荷造りを済ませておくことに。(気分転換の意味もあります)

 20:00 体を動かしてたら、気分も晴れてきました。よっしゃー、初心に戻って戦闘開始。 平日なので、夜もあまり賑わっていません。BJ$10のテーブルに座ると、ディーラーはさっきのV嬢。フロアパースン(FloorPerson:ディーラーのお目付役)はLoma。このLomaは小柄な30歳位の女性。彼女は夜番らしく、到着日以来、毎晩猿とは会っていて、仲良しなのでした。別に美人ではないが、とってもフレンドリーで、カジノ内を歩いている猿を見かけると、必ず手を振って笑いかけてくれる。こういうところが、このカジノの良いところ。
 ぽちぽちと打っていると、$200位の浮きとなり、やはり停滞。今日は、サイパンからのツアー組も少ないようで、日本人(らしき人)は、猿と昨日のクールな男性のみ。彼は猿の正面のBJテーブルで例のスタイルで淡々とプレイしている。と、後ろから肩をたたかれました。振り返ると、昼間のおねいさん達。増殖してるよ、って5人組での1日ツアーらしい。ツアー代に含まれているこのホテルでの夕食を済ませ、「体験カジノ」って事。

お「昼間はありがとうございました。おじさま、勝ってます?」

な、なぬ~?「おじさま」だとぉ? 自慢じゃないが、ガキどもに「おっちゃん」とか「おじさん」とか呼ばれた事はあっても、この年齢層の女性から「おじさま」呼ばわりされたのは生まれて初めて。

猿「ウッキィー!!「おじさま」言うな!(怒)」
お「え~、でも「おじさま」でしょ?(笑)」

あーよかった。こんなヤツにお湯をめぐんでやらなくて。プンプン。でも、表向きは紳士猿。カジノ体験ならルーレットが良いよ、と丁寧に向こうのルーレットテーブルを示し、Lomaに「体験組なのでよろしく」と押しつける。(早くあっちに行けっちゅーの、ウッキィー!)

 21:00 猿のテーブルに日本人の若い男性が。彼もサイパンからのツアー組。仲間を置いて、一人でやってきたとの事。ベーシックストラテジは知らないようだが、なかなかスジはよろしい。ツイているのであろう、バイインの$50が、すぐに倍以上になる。学生で卒業旅行。就職先はなんと警察官だそうな。まぁ、日本の治安の為に頑張って下さい。と、二人でテーブルに着いているところへ、さっきまで正面のテーブルにいたクールな彼が移動してきた。中国人の集団が来たので逃げてきたらしい。

クールな彼「お邪魔してもいいですか?」
猿「どぞどぞ、なんなら私、見(ケン)に回りましょか?」
ク「いえいえ、こちらが後から来たのですから、どうぞ続けて下さい」

ウキー、物腰も柔らかくまさに「ナイスガイ」ってところ。でも、賭け方はやっぱりすっ飛んでます。プレおまわりさんは、ブラック($100)のタワーとその賭け方に圧倒されている。猿は、ミニマム$10をキープして邪魔しないように努めました。

 23:00 さらっと$2,000くらい溶かして、でも平気な顔をして「じゃぁ、バカラに行ってきます」と彼はいなくなりました。猿はトントン。学生の彼はちょっと前に全てスッて帰っていきました。でも楽しかったようで「また来ます」と言ってました。

 ディーラはまたもやV嬢。猿の手に8が二枚来るたびにクスクス笑ってる。昼間の話を聞いたLomaが「今夜は勝てるわよ」って応援してくれる。あんたホントにいい人やね。

 でも、今の猿は「長時間プレイ」モードでまったりカジノ状態。途中で夜食などを食べて、延々とビールを飲みながらBJを続けます。

 27:00 あ~、楽しかった。今日は15時間位BJばっかりやってるよ。結局手元には$1,500が残りました。もう眠いし、今日の所はここまでですな。
(本日のビール:約20杯)

2002年11月7日(木)

 9:00 アドレナリンは健在のようで、睡眠4時間でパッチリお目覚め。今日は最終日なので、モーニングコーヒー&BJ($100負け)のあと、カジノホストのオフィスに行ってコンプの交渉をすることに。

 10:00 マユミさんはいなくてジョセフィーヌという大柄な白人女性。ソファーに座って待ってると「$250までカジノが持つので、ホテルのフロントに話を通しておきます」との事。ん~、宿泊料が税込みで三泊$330でしょ、飲み食いは全てルームチャージにしたからこれも$200位でしょ、結局$300位は払うのかぁ。と思ったが、まぁそんなもんでしょうとも思った。

ジ「サイパンまでは飛行機?」
猿「イエース」
ジ「じゃあ、14:50発だから、14:30にホテルのロビーに来て下さい」

 11:00 部屋に戻って最終の荷造り。スーツケースを転がしてチェックアウトの為にフロントへ。フロント係が出してきた精算書には、電話代の$20.28のみが印刷されている。

猿「これで全部?」
フ「Yes,sir.」

よく見ると、宿泊代が$60/泊になっている。カジノVIPレートですな。あとは税金やらルームチャージやらはジョセフィーヌが交渉してくれたんでしょう。有り難いことです。これで、猿の野望

その1「宿と飯はコンプでOK」がウヤムヤのうちに達成されました。

昼飯を食って、最後の別れにカジノへ。(猿ですからね、しょうがない)しばらくプレイしてると、ディーラーが変わってV嬢に。

V「昨日の日本人二人は友達?」
猿「いや、ここで会っただけの他人」
V「それは良かったわ。彼らはカードカウンタよ」
猿「うっひゃ~、本当? それでアーリーシャッフルをしたんだ」
V「そういう事。あなたが彼らの友達じゃなくって良かったわ」

とそこに昨日のピットボスPがやってきた。

P「ミスター、昨日は申しわけありませんでした」
猿「今、Vから聞いたよ。彼らカードカウンタだって」
P「その通りです。私は彼らからこのカジノを守る義務があります。加えて、あなた達一般プレイヤを守る義務もあります。」

いっや~、このPを「態度デカくてヤな白人」と思っていた猿はバカでした。というか人は見かけによらないものですな。だってあの二人組はハゲで明るいのとガタイの大きい気弱そうなのとの二人組で、とてもカードカウンタには見えなかったのです。ゲーム中もよくおしゃべりしてたしね。いい勉強になりました。

 14:20 最後の一勝負は$100ベット。あっさり負けました。チップを持ってキャッシャーへ。チップが$1,500あるので、初日にノーサインでパスポートと一緒に預けてあったT/Cを$1,500分取り返しました。結局$500の負けです。

 14:30 ロビーにジョセフィーヌが立っている。帰りはバスではなくてワンボックス。猿程度のVIPではリムジンは出してくれないらしい。まぁ、いいけどね。

 テニアン空港まで送ってもらって、待合室に座っていると、ジョセフィーヌが戻ってきて、12月にあるブラックジャックトーナメントに招待する、と言う。参加費$1,000払えば、往復の航空運賃とホテル3泊と3回の食事をコンプするとの事。(これを前出しコンプと呼んでます) まぁ、都合がつけば、と言うことで、保留にしておきました。(休暇がね…)

 無事サイパンに着いて、NWカウンタでチェックイン。ラッキー!ビジネスクラスにアップグレードされてる。オーバーブッキングがあったとの事。空港内のDFSでお土産を買って、ビジネスクラス様は優先搭乗。ウキ~、気持ちイイ~。

 え~、恥ずかしながら国際線のビジネスクラスっちゅうのは初体験です。いや~、資本主義の世界を痛感しました。いつものエコノミーの席からカーテンの隙間を通して見えていたビジネスクラスってのは、こんなイイ待遇だったのですね。

 座るなりシャンパンは出るは、機内食はコースで出るは(これがまた美味い)、ワインリストはあるはで、3時間で成田に着くのが惜しいくらい。いい体験させてもらいました。

最後に

え~、長文かつ自己満足臭プンプンの旅行記におつきあい頂き、ありがとうございます。終わりの方は、カジノ話のみになってしまい恐縮です(ってそれしかやってなかったもん)前回の旅行記でも書きましたが、テニアンは近くて安くてカジノがぬるくて、とっても良い所。海もサイパンの100倍綺麗だと言われてるくらいで、ダイビングがお好きな方にもおススメですね。「行ってみようかな」と思ったそこのアナタ!ぜひカジノ猿2号になってみませんか?

~ おしまい ~


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