冬の大阪を背に、仁川へ向かいました。
当日の大阪は最高気温5度、最低気温0度。
寒いは寒いものの、まだ余裕のある冬です。
一方、仁川は最高気温マイナス4度、最低気温マイナス12度。
出発前から、数字だけが不穏な存在感を放っていました。
その数字を眺めているうち、ある出来事を思い出しました。
出発前、ユニクロでヒートテックのタイツを買おうとしていたこと。
――そう、「買おうと思っていただけ」で終わっていたのです。
関西空港で慌てて探すと、ドラッグストアの一角に残っていたのは、女性用の暖かタイツLLサイズのみ。
一瞬、手に取っては棚に戻し、また手に取る。
「いや、さすがにこれは……」という理性と、
「でも、このまま韓国の冬に突っ込むのは無謀だろ」という現実が、頭の中で小競り合いを始めます。
周囲の視線を気にするふりをしながら、実際は自分の覚悟の問題。
数秒の逡巡の末、背に腹は代えられないと、ついに購入を決意しました。
履いてみると、腹回りの食い込みが想像以上にえぐく、防寒と引き換えに、何か大切な自由を差し出した気がしました。
仁川国際空港に到着後、まずは新たに導入されたSeSを登録。
SeS(Smart Entry Service)は、事前にパスポート情報を入出国管理局に登録しておくことで、
有人の入国審査に並ぶことなく、自動化されたゲートから入国できる仕組みです。
あの、先が見えず心が折れそうになるイミグレ待ちから解放される、とてもありがたいシステム。
現在は、仁川国際空港の第1・第2ターミナルで登録が可能。
普段利用する入国審査カウンターにて、パスポート・指紋・顔認証を登録するだけで、
所要時間はわずか3分ほどでした。
登録が完了すると、SeSのシールがパスポートの裏面に貼付され、パスポートの有効期限まで継続して利用可能となります。
その後、自動入国ゲートで同じ3点をチェックしますが、こちらも1分かからず通過。
あまりにもスムーズで、逆に預け荷物の受け取りに20分待つという展開に。
こうして空港の外に出た瞬間、韓国の冬が本気を出してきました。
喉が裂けるような、空気そのものが刺さってくる鋭い寒さ。
息を吸うたびに肺がひりっとして、「あ、これは大阪の冬とは別物だな」と、身体が先に理解します。
ここ最近は、ソウル、釜山、チェジュを行き来することが多く、仁川に降り立つのは久しぶり。
そんな中で改めて訪れたパラダイスシティは、
韓国のカジノの中でも、やはり圧倒的な存在感を放っていました。
「やっぱり、ここはいいな」と素直に思わせてくれます。
担当者の方との昼食では近況を語り合い、「そろそろオフ会もやりたいですね」
そんな話も自然と出てきました。
人と直接会う時間の大切さを、あらためて感じます。
ホテルにチェックインした夜、
あのタイツを脱いだ瞬間の解放感については、ここでは多くを語りません。
ただ、腹回りの着圧から解き放たれた身体と心が、
驚くほど清々しかったことだけ、最後に書き添えておきます。