レポート一覧に戻る

投稿者:マカオの帝王さん

2024年10月9日

マカティの週末ポーカー日記【P1グランプリ編】(後編)

■ 9月22日(日)

さて、ミニメインのファイナルである。

しかし、どうも開始時間がはっきりしない。

当初のプレイヤーズガイドには、15:30~との記載があるが、日別のスケジュール表だと、19:00~となっている。

『取り敢えず、会場に行ってみて、直接確認だ……』

15時にベルサール六本木に到着する。

関係者に問い合わせたところ、どうやらメインのDAY2優先で、2テーブルで19時開始になった、とのこと。

『何だか、雑に扱われている……、まぁ、メイン優先は尤もだ。しかし時間が中途半端だ……、現在開催中の他のサイドに、19時までに飛ぶことを前提で出るのも変だし、中途半端に残ったら掛け持ち? になってしまう……』

することが無くなったので、再びホテルに戻り、シャワーを浴びて仮眠をとる。

18時、再び会場へ向かう。

受付で本日のエントリー費として3千円を支払い、ファイナル卓に一番乗りで座る。

同じ大阪組の美女ポーカープレイヤー “さよきち” さんは別のテーブルだった。

(注)この “さよきち” さんは、10月25-27日にかけて開催される、【BIG1 CUP】のサイドイベントの目玉である、『第3回美女トーナメント』にも出場決定!

本日のファイナル進出者は全部で13名、その中で当方は暫定2位である。

『FTとなる、上位9人でインマネ確定だ。ショートが二人いるので、先ずはこれが飛ぶ(出来れば自分が吸収するのが望ましい)のを待ち、FTに上位で進出する! これが本日の“ゲームプラン”だ!』

19時、ミニメインのファイナルが始まる。

当方のテーブルは7名の筈なのに、一人不在で6名しかいない。

『午前のファイナルなら、寝坊も考えられるが、午後7時開始なので、寝坊はない……、放棄? それとも急用で遅れる? まぁ、どちらにしてもブラインドが削られるので、有難い。願わくば、このままずっと不在でありますように……』

幸いなことに、不在者の席は当方の左隣なので、ボタンやSBからスチールを試みる際、普通ならやっかいな左隣を考えなくて良いので、当方に取ってはラッキーだった。

開始早々、ショートの二人が飛んだ。(内一人は当方が吸収)

残り11人となる。

不在者のスタックは徐々に削られていく。

するとここで、この席の主が登場する。

メガネの若者だった。

彼は、自らの瘦せ細ったスタックを目の当たりにして、溜息を突きながら2ハンド連続でオールインを告げるが、誰もそれをコールしないことに苛立ちを滲ませながら「あーあ、メインのDAY2と掛け持ちで、やってらんない! クソー、メインに戻るとするか……」と一人呟き、同時間帯に開催されているメインのエリアに消えていった。

『成るほど、これでインマネがかかったファイナルなのに、不在なのが腑に落ちた……、あのメガネの若者は、たぶんポーカープレイヤーとしては優秀なのだろう、メインのDAY2にも、このミニメインのファイナルにも、共に進出したのだから……、けど、スケジュール管理は? だ。もし、どちらか一方を選ぶとしたら、誰がどう考えても、優勝しても70万円のミニメインじゃなく、優勝賞金1,000万円のメインの方だろう。但し、その場合はミニメインの方は、満足にプレイ出来ない訳だから、こうなることは最初から分かっていた筈だ……、昔、AJPCでメインとシニアの両方にダブルエントリーした際も、同じような状況に陥ったことがあったが、あれはまだ参加費が無料だから良かったものの、この状況は、あのメガネの若者にとっては不本意なことだろう……』

残り11人、インマネまで後2人! だが、一人は不在なので実質バブルである。

こうなると誰も飛びたくはない!

テーブルチップリとなった当方に取っては、まるでドジャーズの大谷選手並みに、スティールし放題!? という夢のような状況が訪れた。

こうした中、隣の卓でブラインドの重圧に耐えきれなくなったショートがオールインを宣言し、あえなく飛ぶ。

これで真のバブルラインとなる。

ただ、通常と異なるのは、風前の灯火となった不在のショートが一人いるため、残るプレイヤー達は、ただ座っているだけで、インマネが保証されている訳だった。

誰もオープンしない。

ハンドに関係なく、当方がカットオフ、ボタン、及びSBの時に、3BB打つと、大谷選手並みにスティール成功! 気が付けば、当方のスタックは開始時の倍以上の65万点となっていた。

そして、バブルが弾ける、その時がやってきた。

雀の涙状態の、不在席のチップがブラインドの強制オールインとなり、それを当方が獲得して、FT進出の9名が決定した!

皆さん、ほっとした様子……

ディーラーから、「今から10分間の休憩です。各自のチップカウントを実行した後に、写真撮影です。遅れないようにして下さい」と告げられる。

「それは分かりました。ところでファイナルは配信卓に移動等はしないのですか?」と尋ねると、「えーと、それは聞いていません。場所はここです」とのこと。

『うーん、やっぱり“ミニメイン”は“ミニメイン”だ。FTだと言うのに、賞金総額で遥かに劣るレディース以下の、雑な扱いだ……、まぁ、それは甘んじて受け入れるとしよう……』

10分間の休憩が終了し、写真撮影。

その後、FT進出者のスタックが発表される。

1位:vivi・・・・・ 677,000点

2位:マカティ・・・662,000点

3位:さよきち・・・274,000点

4位:くっすん・・・167,000点

5位:おおた・・・・159,000点

6位:Kelvin・・・・148,000点

7位:aguru・・・・113,000点

8位:pas・・・・・・37,000点

9位:ryo・・・・・・18,000点

----------------------------------

総スタック・・・・2,255,000点

アベレージ・・・・・・約25万点

尚、プライズは以下の通り;

1位:70万円

2位:35万円

3位:20万円

4位:15万円

5位:12万円

6位:9万円

7位:7万円

8位:5万円

9位:3万円

『スティールのお陰でセカンドチップリか……上出来だ。2位~4位までは、大阪組だな。現状、4万点未満のショート二人は自然死するだろうから、実質7位以上は確定したも同然! 暫定1位のvivi氏とさえぶつからなければ、2位以上は堅い! ここは運否天賦の勝負は避け、プライズアップを待つとしよう……』

一人、又一人と脱落し、残り4人となる。

依然としてセカンドチップリであったが、攻めの姿勢を強めたvivi氏がショートを吸収し、着々とチップリの座を固めていく。

残り5人の時点では、プライズのディールに関する話も出たが、ここにきて現状チップリから、“ノーディール”宣言が出る。

『ふむふむ、チップリとしては当然の発言だ。現状、4位以上が確定したが、1位とのスタック差は広がり、逆に3位/4位との差は少なくなってきた。ここらでスティールを決め、2位の座を固めたいところだ……、おや、ボタンで33のポケットだ、現状、当方のスタックは約40万点、それに対し、vivi氏のスタックは100万点を超えている。けど、vivi氏も、当方の40万点は簡単にはコール出来ない筈……、UTGがフォールドした……、良し、スティールだ!』

オールインを宣言する。(さすがに33なので、マイメロディの点灯は無し)

SBがフォールドする。

しかし、ここで想定外の出来事が発生した!

BBのvivi氏から、「オールイン・コール!」の声がかかる!

『AKなら五分!』

その願いも無しく、vivi氏から最強ハンド、“AA”がショウダウンされる。

何も起こらず、そのままAAの勝利で、4位でシートアウト。

席を立ち、受付で4位のプライズの処理(選手契約?)をしていると、同じ大阪組の、美女ポーカープレイヤー(さよきちさん)登場。

「あーん! JJでオールインすると、チップリさんAA! Jがヒットしセットになったのに、Aを当て返され、セット・オーバーセットで負け、、、」

しかし、さよきちさんは今から又、何かのサイドに出る、とのこと。(元気だな……)

書類にサインし、小腹が空いたので、一旦会場のベルサール六本木を出て、通りを歩きながら考える。

『さよきちさんには残念だったが、これでミニメインの優勝は決まったも同然だな……、それにしても、よく考えてみれば、後ろにチップリのアクションが残っている状況での一発オールインは、ちょっと無茶だった……、相手にモンスターハンドが入っていれば、それを降ろすことは出来ないことは自明だ……、自分よりショートが残っていて、プライズ・アップのメリットが有る状況下では、生き残りを優先すべきだった……』

シーズン後半のMLBで、シカゴカブスの鈴木誠也が、折角ヒットを打ったのに、走塁ミスで憤死した際、監督が激怒し、「自分を大谷だと思っているのか!」と発言したことを思い出した。

『今日の前半、2テーブルで左隣が空席の時間帯が長く、“自分がテーブルチップリ” でかつ、インマネバブルという特殊な状況下で、面白いように毎回スティールが決まったことで、感覚がマヒしちゃったかぁ……』

反省しつつ高速道路沿いを歩いていると、目の前に六本木ヒルズが目に入る。

空を見るとお月様が……

『六本木ヒルズのマクドナルドで、月見バーガー(夜2倍)でも食べるとするか……』

店内に入る。

中では、さっきベルサール六本木で同卓していた若者二人が、真剣にポーカー談義をしていた。

当方が軽く会釈すると、「あっ、お疲れ様です。さっきはどーも……、あれからどうなりました?」

「あれからねぇ……、4位で終了です。」と答えると、

「でも、4位でも凄いですよ。僕なんかギリでインマネしてもマイナスです……、ところで、深夜のサイドは出るのですか?」と尋ねられる。

「サイドかぁ……、今更だけど、明日は大阪に帰るだけだし、今回獲得したポイントが使えるみたいだから、最後に1回だけ出てみようかなぁ~」と答える。

深夜の六本木ヒルズから、外の月を眺めながら食べる “月見バーガー” には、プライスレスな感じがした。

小腹も満たされ、気分を一新し、再びベルサール六本木に向かう。

獲得したばかりのポイントを消費し、深夜のサイドトーナメントにエントリーする。

プライズも大したことは無いが、エントリー費もしれているので、皆さん和気あいあいと、ポーカーを楽しんでいる様子。

そこに、これまでスクリーン越しでは何度も拝見した、有名ポーカーYouTuberの、“ギャラクシー氏(仮称)”が現れた!

『これは驚いた! メインならいざ知らず、こんなサイドトーナメントで同卓することになろうとは……』

最初にユーチューブで、この “ギャラクシー氏(仮称)”を見た際は、そのホスト風の外見に最初は戸惑ったものの、その話している内容の多くは正鵠を得ており、それらを取り入れ、当方の自己流のプレイスタイルをやや“ギャラクシー氏(仮称)”の推奨する、GTO寄りに修正を加えた結果、6月に開催された、ゴールドドラゴンの準メインとでも言うべき、総エントリー(620名)のドラゴンクェストでの優勝に結び付いたとも言えるので、言わば “恩師” でだった。

又、この “ギャラクシー氏(仮称)” には、同類の “匂い” を感じてもいた。

その昔、自分がマカオのカジノで勝っているという噂を聞きつけた人たちから、「それは結構! ところで俺も勝ちたいので、その“必勝法”とやらを教えてくれ」とせがまれ、マカオのBJに特化したB/Sの表や、バカラは基本バンカーに賭ける、といったことを伝授するも、「お前の言う通りにプレイしたのに負けたじゃないか! 責任を取ってくれ!」と恨まれたことが何度かあったが、SNSを拝見すると、この“ギャラクシー氏(仮称)”も、同じような経験をしたことが有ったらしい。

『お互い世の中、バカが多くて大変だけど、今宵は愉しみたいものだ……』

勝負手が入ると、手元の小さなマイメロディに内蔵されているLEDを光らせながら、誰かのオープンに3ベットした若者に対し、「オールイン!」を宣言する。

「えぇ! 何ですかその光っているのは?」と尋ねられたので、

「えーと、それはこの小さなマイメロディが、『ワタシは強いよ、本当に勝負する?』と光のメッセージを送っている訳です」と答える。

「そんなことする人がいますか! けど何か怖いので降ります」とQQをショウしながら、若者はフォールド。

こちらがKKをオープンすると、納得したご様子……

マイメロディの点灯を解除する。

ドリンクチケットを余らせても仕方がないので、全て缶ビール(この種のイベントには珍しく、プレミアムモルツ!)と交換していたので、アルコールを解禁する。

卓上は、各自思い思いに “マイハンド” での “オールイン合戦” となる。

『どうせこのトーナメント自体のプライズはしれている。元々オッズ割れは承知の上での参戦なので、飛んだらホテルに帰って寝るだけだ! しかし、こういうポーカーも愉しいものだ……、おっ、AAが入った! マイメロディ様の降臨だ!』

脳内に、ミスチルの2008年の北京オリンピックのテーマソング、“GIFT”が流れる。

『これが、“一番ひかってるもの” だ。 この小さな“マイメロディ”が、いつまでもひかり続けんだよ……』

頭のスィッチを入れ、光るマイメロディと共に「オールイン!」を宣言すると、「これは降りられないなぁ……、何か知らないがオールイン・コール!」と見知らぬ誰かに受けられる。

相手は “KK” だった。

こちらの “AA” を見て、相手は悶絶していたが、リバーでKが落ち、これにて初参加の“P1グランプリ”は幕を閉じた。

翌日、帰りの新幹線の中で今週末の9月27日から、大阪難波の御堂筋会館で開催される「ドラゴンフェスタ・プライム」向けの “ゲームプラン”を考える。

『これは、ゴールドドラゴンの廉価版だ。メインでも、優勝のプライズは100万円……、それに対し、初日に開催されるハイーローラーは、参加費:12万円と少しお高いが、MAX50人で総プライズ450万円、そして優勝者のプライズはメインより高い150万円か……、しかもこれには、6月に獲得した、ドラゴンクェストのプライズがそのまま使用出来る、とのこと。それなら、手持ちのキャッシュが減らないので、リンに“お伺い”を立てる必要もない。今回の東京遠征でのプラスは約12万弱、マカオのバカラで、バンカーにベットして絞るのとほぼ同じ金額だな……、前に “歌留多” の “宴”のハイローラー大会で2位になったことはあるが、ここは一つ、ハイローラー大会で、初優勝を狙ってみるか?』

【P1グランプリ編】完 ・・・・・・→【ドラゴンフェスタ・プライム編】に続く


 

コメントを投稿する

comment (4件)


  1. 投稿者:くるくるさん

    投稿日:2024年10月11日

    こんにちは〜(^O^)/

    マイメロちゃんの光るメッセージ、怖い(笑)

    マカ帝さんがマックを食べるとは思いませんでした。

    次の【ドラゴンフェスタ・プライム編】も楽しみです(^O^)/

     

  2. 投稿者:マリタイムさん

    投稿日:2024年10月12日

    マカオの帝王さん、こんにちは。

    今回は残念でした。
    下位の大会でも優勝となると難しい。
    どこで勝負に出るかは、博打の永遠のテーマですね。

    さよきちさん、初めて知りました。
    ポーカーが強い+美人+若い=売れないアイドル・タレントより断然上ですね。❤

     

  3. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年10月17日

    くるくるさん、こんにちは!

    JOPT東京2024から、大阪に戻りました。
    今回参加した、準メインのチャンピオンシップでは、総エントリー2500人中100位でDAY1を通過し、優勝賞金7万$を目ざしたのですが、途中で“事件”が起こりました。

    ♡A、♡Qで参加すると、Qヒットのナッツフラッシュドロー!
    ここで“光るマイメロディ”登場!

    すると、卓上のあるプレイヤーから、「さっきから、その小さな人形? が時々光るの、気になるんだなぁ……、ディーラーさん、これってルール的にどうなんですかぁ?」とのクレーム発生。

    ディーラーがスタッフAに相談。
    スタッフAがその上司に相談。
    その上司がTDに相談。

    結論;マイメロディが常に光らない、若しくは常に光っている、のならOK、そうでなく、時々光ったり、光らなかったりするのはNG。

    「そんなぁ、P1でも、ゴルドラでもOKだった……」と言っても覆らず、JOPT東京2024は “光るマイメロディ”の使用を封じられてから失速し、飛びました。( ;∀;)

     

  4. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年10月17日

    マリタイムさん、こんにちは。

    さよきちさんとは、国内の大規模大会に出向くと、その約半分で会います。
    下手すると、大会期間中は、リンよりも長い時間、同じエリアの空気を共有しています。
    このP1でも、翌週のドラゴンフェスタでも、その翌週に開催されたAJPCでも、同卓でした。

    又、前に何度か戦った、名古屋のスーパー小学生! も会場で見かけました。

    年齢も性別も超え、同じ条件でプレイ出来るのが、ポーカーの魅力の一つなのかも知れません。

     


コメントを投稿する