森巣博という作家にはじめて出合った作品がこれ。ちょうど仕事をお休み(正確にいうと失業)して、同時に子育てに悩んでいた時に、たしか朝日新聞の書評欄で偶然見つけた。父親が専業主夫の博奕打ち、母親が世界的に有名な大学教授、そして不登校の息子は15歳にして豪州一の大学に飛び級で入学する天才、という内容。こりゃ、俺が読まずして誰が読むんじゃ、と本屋に駆け込んだ記憶がある。しかし、この作家はただの博奕打ちではなかった。この作品は博奕の話はほとんどないかわりに、東西の気鋭の学者・思想家を実名で切りまくる。それでも、思わず膝をたたいて、狂喜乱舞するほど楽しめた。この作品が好きなのはこれだけの理由ではない。親なら思わずほろっとくる部分がある。“Last but not least,......(最後になるが、決して些細ではない)”ねたばれを避けるため詳細には触れないが、こんな台詞を聞ける親になりたい、切にそう思う。てなわけで、世のお父さん、必読ですぞ。(書評:リゾカジ)