リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人のケチケチ旅打ち日記③-1 カジノ「バート・ライヘンハル」(第1戦)

* ヨーロッパ 2014/ 12/ 18 Written by 独逸の旅打賭け人

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 2014年11月6日 カジノ「バート・ライヘンハル」 

コンスタンツには2泊して、今日はボーデン湖の東端の島、リンダウのカジノを訪れる予定である。
ところが、コンスタンツからリンダウまでは直通の列車がないので、途中の乗換駅ラドルフツェルでカールスルーエから来るリンダウ行きの快速列車を待っていると、ホームの案内表示に何か表示されだした。ここに表示される案内の多くは列車の遅れに関してで、10分とか20分とか遅れて到着するということを知らせるものである。必ず数字が併せて表示されるので、ドイツ語がわからなくても意味は取れる。ところが、今回は数字が出てないのにHeuteとausという単語が出ている。Heuteは今日、ausはoutと同じ意味だろう。と、いうことは、今日はこの列車は運行されないということのようだ。その内に、同じホームの反対側のリンダウ行きの各駅停車の列車の案内にもおなじ表示が出てきた。何かの事故で、リンダウ行きは全て不通になったのかと思って、ホーム端の駅員の詰め所に行ってみると、すでに表示を見た(同時にアナウンスもあったが、ドイツ語だけなので意味不明)旅客が駅員と話をしていたが、その中で出た言葉が、「ストライキ」。ストライキはドイツ語なんだと再認識して、諦めた旅客の後に駅員に聞いてみると、今日(木)から月曜の朝までDB(ドイツ鉄道)は、全ての路線でストライキに入った。今から列車は来ない。特に明日からは全ての列車が止まるという話。さあ、大変だ。リンダウなぞに行っている場合ではない。と、いっても列車が走っていないので、行くことも帰ってくることも出来ないのだが・・・
今日はリンダウを往復して、明日はミュンヘン経由でザルツブルグに近い国境の町、バート・ライヘンハルに行くことになっている。だが、全ての列車が止まるということなら、バート・ライヘンハルはおろか、ミュンヘンまでも行くことが出来ない。
今日ならどうだろうと駅員に掛け合うと、その若い女性の駅員はパソコンの前に座って調べ始めた。3分ほど何回も画面を変えて操作していたが、後ろの筆者の方を振り返って、スイスとオーストリア経由なら間違いなくバート・ライヘンハルまで行けるが、それでいいかと聞いてきた。筆者が鉄道の移動で使っているのはドイツ鉄道のレイルパス。他の国の鉄道には乗れないと説明すると、駅員は再びパソコンの画面に戻ってキーを叩き始めた。当方は、ヤキモキしているのだが、彼女は嬉々として操作しているように見える。やはり、こういうことの好きなドイツ人だなと思っていると、数分後にカタカタとコピー機が動いて、2枚の紙を打ち出したのである。
まず、この駅からコンスタンツに行くローカル列車がしばらくすると来るから、それに乗ってコンスタンツまで戻る。そして、コンスタンツの波止場から連絡船に乗って1時間ほどかけて、フリードリヒス・ハーフェンまで行く。船着場の近くの駅からフリードリヒス・シュタット駅まで鉄道で行って、この駅でウルム行きの列車を待つ。今日最後のウルム行きに乗れるはず。ウルムからはミュンヘン行きのICE特急に接続できる。ミュンヘンからザルツブルグまでは運行がドイツ鉄道ではないのでストはしていないはずだから、問題なく行けるとの話。受け取ったコピー紙には、詳しい乗り継ぎ列車がバート・ライヘンハルまで表示されていた。ただ、どの列車の時刻と列者番号の後には、インフォメーションで確認しろと書かれている。
 コンスタンツのホテルは2泊の予約をしてあるので、この時間にチェックアウトしても今日の分は払わざるを得ない。バート・ライヘンハルの定宿には、明日から3泊の予約をし、すでにカードで宿泊料が引き落とされている。行けなくても返してはもらえない。このまま、コンスタンツにいたら、3泊分の宿泊料は返してはもらえないし、ここで改めて3泊分払わなければならない。でも、バート・ライヘンハルのホテルに電話して、今日の部屋を予約しても絶対にバート・ライヘンハルまで着ける保証はない。いろいろ思い巡らして、とにかく今からなるべく早くバート・ライヘンハルに向かうしかないと結論を出した。

 ホテルをチェツク・アウトする時、ホテルのスタッフにストライキのことを知っているかと聞いてみたが、新聞で知っていると言っていたが、関心は薄い感じ。この辺りに来る観光客はほとんど鉄道を使わず、車なのだろう。船で途中まで行って、列車が不通で戻ってくるといけないので、今日の分のホテル代を払った部屋は夜まで空けておくように頼んだ。

 駅のすぐ横の港から、フリードリヒス・ハーフェン行きの連絡船に乗り込む。思っていたより大型の船だが、乗客は10人いなかった。
フリードリヒス・ハーフェンからフリードリヒス・シュタットまでは、たった2分の旅。ハーフェンは港で、シュタットは市だから、港が鉄道駅から少し離れているのでその連絡線なのだろう。
寂れた駅舎に入ってみると、乗客は疎らで列車を待っているようである。肝心の列車の運行を壁のディスプレイで見てみると、この時間帯の7本の列車が表示されているが、6本は運休の表示、残りの1本だけが運休とは出ていない。ウルム行きの快速、筆者が乗る列車である。ウルムまでは間違いなく行けそうだ。
若干の遅れで入線して来た列車は、2両編成の古い型のディーゼル車。検札に来た車掌にウルムからミュンヘンまでの運行状況を聞いてみると、スマホのような器機で調べて、15分ほど遅れているが、予定のICE特急は問題ない。ただ、それに乗り遅れると、2時間くらい次のICEは来ないとの話。さらに、今乗っている快速は本来はシュツットガルト行きだが、今日はウルムで運行を打ち切ると聞かされ、すぐに移動してよかったと思ったものである。
 

 15分遅れていたICEはミュンヘン中央駅に着いた時には、遅れは5分に縮まっていた。早速、駅中央にある大型の列車案内表示を見てみると、ICE、IC、ECの各特急はほとんどが運休。近距離の快速や普通列車が間引かれているが、僅かに走っている状況である。ザルツブルグに行く列車はDB(ドイツ鉄道)ではないと、田舎駅の駅員に言われたが、ミュンヘンとザルツブルグを結ぶ鉄道は、ドイツの幹線でもあるし、今年の4月には筆者はドイツに来て乗っているので、一体どうなっているのかと思ったが、ザルツブルグ行きの列車は列車番号の前に、Mという文字が入っている。
予定のホームに行ってみると、6両2編成の長い列車(電車)がすでに入線している。それも、今まで見たことがない新型の青一色に塗られた車両。車両の側面には「MERIDIAN」という文字が入っている。どうやら、この路線は新しい会社の運行に変わったようだ。ドイツ鉄道は、8月にスケジュールと料金の改定を行ったようなので、その時に運営が移管されたのかも知れない。まあ、ドイツ鉄道のグループではあるのだろうが。
このメリディアンの快速列車は予定通りに発車して、遅れもなくザルツブルグ手前のバート・ライヘンハルへの乗換駅、フライラッシングに到着。ホームの反対側にはバート・ライヘンハル方面のローカル鉄道(ベルヒテスガルテン・ランド・バーン)の2両編成の車両が待っていて、2分ほどで発車した。以前は、ドイツ鉄道とこのローカル鉄道の連絡が悪く、この駅で相当待たされたものだが、今回のメリディアン(鉄道)の誕生でこのあたりの利便性の改善もなされたようだ。ミュンヘンからここまでの路線でたくさんの同じデザインのメリディアンの車両を見た。ローカル線なので短い編成だったが、ミュンヘン以東のエリアでは全てこの会社に変わったのだろう。頻繁に走っていたので、ストもやっていないようだ。

 駅からホテルまでは歩いては少しあるので、タクシーに乗り込もうとすると、何か足が変なことに気が付いた。足元を見ると、靴の底が剥がれてかかとと一緒にプランプランしているではないか。つま先の所だけが剥がれずにくっ付いている。どうやら、昨日、雨の中を長い間歩く続けたので、水が滲み込んで接着剤が剥がれてしまったらしい。あれだけ負けたのに、まだ、コンスタンツのカジノの祟りが残っていたのか? まだ、片足だけなので剥がれかけている靴底が地面に付いた時に、同時に足を下ろすという難しい歩き方でビッコを引きながらホテルに入った。幸い、部屋は空いているようで、明日からの部屋をそのまま4泊取ることが出来た。

時間も8時近いので、とりあえず夕食をと思ったが歩きにくいので、スーパーで貰うビニール袋で壊れた靴の上から足を包んで、輪ゴムをかけた。固定しているので歩くには余り支障がない。見栄えが悪いが夜だからわからないだろう。もともと、ドイツの夜は何処でも暗いし。
今日は移動で気疲れしたし、もともと明日ここのカジノを攻めることにしていたので、今夜はカジノには行かず、いつものビアレストランでゆっくり食事をと外に出た。
ドイツ国内には1000近いビール醸造所があるといわれているが、ここバート・ライヘンハルにもある。ブルガーブロイというビール醸造所だが田舎の町だけに、町中のどこのレストランやカフェでもここのビールだけを扱っている。
これから行くビアレストランはこのビール醸造所の直営。1階がいくつにも部屋が分かれたビアレストラン、2階以上がホテルになっている。地元のおばさんがこの地方の衣装を着けてウェートレスをしているが、いつも来るたびにここで食べるのでみんなと顔なじみ。1人分くらいの席は空いていると思ったが、あいにく週末の木曜の夜ということもあり、どの部屋のテーブルも満席。仕方がないので、カジノの階下にもレストランがあることを思い出し、行ってみることにした。薄いビニールで包んだだけの靴も時間が経つと歩きにくくなってくる。

 

 カジノのある建物の1階にあるカフェレストラン「ヴォウレファード」。店自体の存在は、カジノを訪れるたびに気付いていたが、未だ入ったことはなかった。いつもは、先ほど満席だったビアレストランに行っていたのだ。
レストランのドアを開けようと思った時、ここで、食べる前に上のカジノにちょっと顔を出してみようかと考えた。なにしろ、今日はストライキで鉄道は不通になるわ、靴の底まで剥がれるわという酷いアクシデントに見舞われた。これほど悪いことが重なった後は、カジノでは勝てるというジンクスを思い出したのである。

 ということで、カジノへの入場は、20時20分。週末にも拘らず、賭け人はそう多くはない。オープンしているのは、入り口に一番近い1番台だけ。さっそく、いつも使用しているダークブルーのカラーチップを10ユーロと指定して、50枚受け取る。
 筆者は今回の旅打ちでは、カジノ側に渡すティップを出来るだけ少なくしようとする賭け方をしている。単数字に当たると、35倍になってティップを渡さなくてはいけなくなるので、2目に賭ける「シュバル」だけに賭けることにする。
「シュバル」なら当たった時は、17倍。これなら、ティップは不要である。
そのため、37数字の盤面を4つのゾーンに分けて捉え、ゾーンを狙って賭けることになる。
①盤面の中心数字26の左右3数字ずつの合計7数字(12-35-3-26-0-32-15)・・・0/3(ゼロ・スピール)
②0/3の左右の外側5数字ずつの合計10数字(22-18-29-7-28,19-4-21-2-25)・・・
一般的な呼び名はないので筆者はこのゾーンを△の印で表わしている。0/3と△の合計17数字のゾーンは一般的にはG(グロース・セリー)と呼ばれ、ひとつのゾーンとして捉えられているが、範囲が広すぎるので筆者は二分して捉えている。
③0/3の対面の12数字(27-13-36-11-30-8-23-10-5-24-16-33)・・・K(クライン・セリー)
④△とKに挟まれた26からは3時と9時の方向にある左右合計8数字(17-34-6、1-20-14-31-9)・・・Or(オフラン)
ゾーンで賭ける場合、0/3だと4枚のチップ。0と3、12と15、32と35の間に各1枚、離れている26には単独で置かれことになる。△の数字は10数字なので、4と7、18と21、19と22、25と28の間に各1枚、離れている2と29には単独で置くと当たった時にティップが必要になるので、2は0と、29は26との間に1枚ずつのティップを置くことで合計6枚の賭け。K(クライン)は12数字であり、隣の数字と全て組み合わせて置けるので、6枚賭けで済む。Or(オフラン)は5枚賭けであるが、1に単独、6と9、14と17、17と20、31と34の間に各1枚置くことになる。17は「シュバル」が2枚当たったことなので、34枚だがティップは不要。Orの1と0/3の26に当たっと時だけ、ティップを渡せば済むのである。

 電光表示盤にの今までの出目は次の通り。カッコ内は出目のゾーンを表示。
[3(0/3)-21(△)-22(△)-20(Or)-1(Or)-13(K)-28(△)-35(0/3)-22(△)-17(Or)-32(0/3)-18(△)-15(0/3)]
Kが「死に目」になっているようだ。Kに戻るのを見定めて、Kで勝負できるかも知れない。
直近は、3投のG。その前は3投のGの後、Orが出ているので、次はOrとみて、Orに5枚。
出た目は、Orの34。第1投から17枚の戻り。
次はGと見るも、0/3か△か? △と0/3が交互に出ているので、次は△と見て6枚。
出た目は、3。残念にも0/3の目。
次は、そろそろGが切れる気がして、Orに5枚。
出た目は、1。Orしかも一番大きな当りで、35枚。ここは、やむなくティップを1枚。
次は、0/3に戻ると見たが、
出た目は、13。「死に目」になっていたKが出た。でも、ここでKが続くことはないだろう。Orへの戻りと見て、Orに5枚。
出た目は、△の7。次こそ、Or。
残念ながら、出た目は、1投前のKの13。ここいらから、Kが強むと読む。Kに6枚。
出た目は、Orの6。チグハグだが、次は、K。
ここでは当たって、Kの5。17枚の戻り。次は、行ったり来たりでOrに5枚。
出た目は、Kの23。やはり、Kに寄りそう。次は、Kに6枚。
ここは当たった。23のリピート。Kである。
次は、3投空けてOrが出ているので、Orに5枚。
出た目は、Orの34。17枚の戻り。
次は、間違いなくK。
予想通りで、Kの5。さあ、もう1投、K。
残念にも、26。0/3の中心数字。
次の33には、Orを賭けて外し、その後の27も0/3で外してしまう。
次は、流れから0/3と読んで、0/3に4枚。
出た目は、35。0/3である。よ~し、もう1投、0/3。
出た目は、何と、35のリピート。34枚戻るが、ティップは渡さない。
次は、△だろうと、6枚賭ける。
出た目は、18。△である。17枚の戻り。次は、しばらく出ていないOr。
出た目は、8。Kである。次こそ、K。
出た目は、31のOr。この2投はチグハグ。
流れが的確に読めなくなったので、ここで撤収。
勝負は、ちょうど20投。40分余りの勝負。本来は、今日はここ、バート・ライヘンハルでは勝負する予定ではなかったので、これで十分。


戦績は、プラスの830ユーロ。渡したティップは1枚10ユーロだけ。
早くに、35倍の1が出たことと、35がリピートで取れたことが勝因だろう。
やはり、ジンクスは当たったようで、昨日の負け分も取り返せた。

 予定していた階下のレストランに入る。静かだと思ったら、客は誰もいない。でも、落ち着いた雰囲気の店である。軽く勝てたこともあり、珍しく牛ヒレの200gのペッパーステーキを頼む。ドイツでは豚肉料理が中心で、牛肉を食べることはほとんどない。まず、メイン料理と同じくらいの大きさの皿に山と盛ったサラダが出る。フレンチなどでは、サラダを別に頼まなければいけないが、ドイツではメインの料理に付いてくるのはうれしい限り。ヴァイスビール(小麦のビール)を頼んだが、出てきたのはミュンヘンのホフブロイハウスのもの。バート・ライヘンハルでは、地元のブルガーブロイ醸造所以外のビールを出すことは珍しい。このレストランももともと地元の会社ではないのだろう。料理の洗練さは都会的でなかなか旨いステーキだが、付け合せのポテトフライが思いの他の出来具合。ポテトフライの発祥地は、オランダとかベルギーだとか言われているが、やはりジャガイモ王国のドイツのポテトは違うと再認識したのであった。


 

 


このReportへのコメント(全 2件)

2014/12/25(Thu) 13:35

yab

ドイツの列車は、あまり案内もなく時刻も日本よりアバウトなので、何度か乗り過ごしたり、行き先を間違えて乗ったことがあります。外国で食べるものに迷った時には大概は、ステーキを注文します。
やる気満々というより、うまく時間ができた時のほうが運があることが多いようです。
そして、一番難しいのが、引き際のタイミングです。


2014/12/26(Fri) 02:52

独逸の旅打賭け人

yab さん

コメントをありがとうございます。
まさにその通りなのです。さあ、やるぞと入れ込んでオープン直後に乗り込んだ時は、博打の神様も天の邪鬼のようで、負けてしまうことが多いようです。むしろ、列車の都合等で遅れて入って、自信ないまま無心に賭けている方が勝率も高く感じます。ルーレットの場合、オープンから3時間くらい経って一山終わった辺りの参戦が一番勝率がいいという経験則がありますが、カラーチップを押さえたいために、筆者は早めに入ってしまうのがいけないとは自覚はしているのですが・・・
ドイツでは牛肉料理はあまり食べられません。牛肉の塊を茹でてスライスし、ホースラディシュ(西洋わさび)のソースに付けて食べる料理以外は、ステーキだけでしょう。オーストリアでは若い牛の肉をスライスして叩いて大きく伸ばして揚げる「シュニッツェル」もドイツでは豚肉を使ったものが主流。豚肉料理ではカラッと焼いた皮が何と言っても旨く、ペキンダックの皮に匹敵する旨さだと思います。


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