リゾカジ カジノレポート

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*シンガポール

『チキンライスの国で』 ~2011年第4戦・初めてのシンガポール~

Written by madamada

投稿日:2011/09/15

コメント(8 件)

*

Casiono Report

 『いつからこんなチキンな男になっちまったんだ…』
 日本に降り立った瞬間に、これ程やるせない気持ちになった事が、かつてあっただろうか?

 カジノ・デビューを果たし約4年。己の備忘録の意味もあり、リゾカジにレポートを投稿するようになって9カ月。
 仕事先で久しぶりに会った人から、「最近は勝っているんですか?」などと当たり前のように声を掛けられるようになり、
これからカジノのある国へ行く人からは、「××のカジノはどうなんですか?」と尋ねられるようになり、自分は、いっぱしの〝カジノ通〟になったような気でいた…
 しかしそれは全てまやかしだった。大いなる誤解だった。
 それを思い知らされた2011年9月、初めてのシンガポール遠征であった……。

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〈1日目・到着〉
 
 飛行機の扉に連結した通路こそ〝むっ〟としていたものの、チャンギ空港内はキンキンに冷えていた。

 到着と出発ゲートが同フロアであるため、到着したにも関わらず、免税店のあるフロアを歩くという、あまり見慣れぬ光景を過ぎてイミグレへ。
 煙草の税申告など、さぞ厳しいチェックが入るのかと覚悟していたが全くチェックされず、或る意味、拍子抜けをしながら入国を果たした。
(もっとも煙草1本から持ち込み税があると聞き、全て成田で吸いつくしたから申告の必要も無かったのだが)

 初めてのシンガポール訪問―――当然シンガポール・ドル(SGD)は一銭も持っていない。まずは両替に向かった。
 ネット情報でチャンギ空港は、市内よりレートが悪いと聞いていた。まだ夕方5時前。時間的に、市内の両替商も開いているはずだ。

「全額、ここでやっておく必要は無いか…」

 そう思って、ここでの両替は5万円に留めた…が、今思えば、これが〝チキンな男〟の始まりだったのかもしれない。

 2011年9月1日時点、チャンギ空港での両替レートは、
 
 日本円⇒SGD 0.01540(1SGD=約64.93円)   SGD⇒日本円 0.01580(1SGD=約63.29円)であった。


|因みに、のちのち記述するが、事前にまとめておくとシンガポール各所での両替レートは以下の通り。

|  ●ホテル(ノボテル)        日本円⇒SGD  0.01530(1SGD=約65.35円)
|  ●チャイナタウン(CKデパート)     〃   0.01555(1SGD=約64.30円)※9月2日時点
|  ●マリナ・ベイ・サンズ(MBS)     〃   0.01498(1SGD=約67.75円)
|  ●リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)〃   0.01398(1SGD=約71.53円)※9月2日時点


  ご覧のように、市内の方が良いのは確かだが、空港レートがべらぼうに悪い訳ではなかった。



〈ホテル~夕食〉

 今回のシンガポール遠征にあたっては、リゾカジの「教えて」でお勧めホテルをお尋ねし、kintaroさんから「RWSのリゾカジプログラムを利用しては?」とご助言を戴いた。しかし結局、2万SGD(約130万円)をホールドする勇気が出ず、加えて、街散策も愉しみたいと考え、クラークキーのノボテルを予約した。
 この“130万円の勇気”が出なかったのも、〝チキンな男〟の第一歩であった……kintaroさん、申し訳ありません。

 ノボテルはリバーサイドの好立地で、眼下に「究極の炒飯」と外壁に謳った陳福記が見える。
 この店は同じく「教えて」で、中宝さんが教えてくれた店で、B級グルメファンとしては絶対に〝立ち寄らねばならぬ〟と考えていた店である。

 部屋も大変、良かった。40平米以上あっただろうか…かなり広めのツイン・ルーム。おそらくアップグレードしてくれたのだと思う。また、夜になるとリバーサイドでは〝電飾ラジコン飛行機〟が、集団で舞うイベントが行われ、かなり綺麗だ。
 因みにリバーサイド側では無い部屋からは、マリーナ・ベイ・サンズが広がっている筈である。リバーでもマリーナでも、眺望は〝良〟と言っていいだろう。


 一息いれ、ホテルを出たのは6時過ぎ。連れが「リバーサイドを散策したい」というので、川沿いを歩きながらMBSを目指す事にする。また、何より両替屋に行かなくてはならない。
 ホテルを出ると、すぐ「究極の炒飯」陳福記の前を通る―――が、B級グルメのメイン・イベントとも言うべきこの店を、初日に食すのは如何なものかと考える。

(今日の所は止めておこう)

 私は素通りしようとした…と、その下の店(陳福記は2階)が、やたらと賑わい、長い行列が出来ている。店名は「JUMBO」―――ガイドブックで見た記憶がある。チリ・クラブの人気店だ。

 私たちは行列が出来ている店に、無性に「立ち寄りたい衝動」に駆られる習性がある。訳が判らないまま並んで失敗した事もあるが、予想外の収穫を得た事もある。だから止められない。
 
 早速「JUMBO」の受付に向かう…だが受付店員から、並んでいるのは予約客だ、今受付して入れるのは9時過ぎだと云われる。う~ん、それでは両替屋に間に合わない。両替屋に行ってから戻って来るのも手間だ。今日の所は断念。

 さらにリバーサイドを進むと、大通りと立体交差になっていた。川沿いの〝上〟をゆく大通りを興味本位で覗いてみる―――と、前方に人で溢れかえる店が見えた。
 看板を見る。松發肉骨茶―――おお、ここもガイドブックで見た記憶がある。シンガポールの国民食と云われる「肉骨茶=バクテ」の人気店だ。

 「バクテ」も、一度は食べなければならないと思っていた料理である。何気なく様子を伺う…と、店員が「入れるよ」とでも云うように、店内テーブル席へ誘った。
 「じゃあ、ここで食べてく?」 ―――連れとアイコンタクトで合点し、着席した。

*

*バクテと青菜にんにくチップ添え  金額は確か各7~8㌦ (運ばれてきた時に現金支払いなので明細がなく不明)ご飯は別料金

 「バクテ」は、豚肉のスペアリブを、ニンニクやスパイスとともに煮込んだ料理だ。日本で云えば豚角煮が近いのかもしれないが、「茶」の文字が示すようにスープ料理でもある。 スープの色は角煮のように濃くは無い。かなり透明感がある。

 まずはスープだけを飲んでみる…う~ん、見た目通り、薄味だ。

 隣の席のシンガポーリアンが、このスープを御飯に掛けて食している。真似してみる。
 …茶漬けや味噌汁飯に慣れている日本人には、あまり刺激的ではないかもしれない。やはりスープがシンプルすぎるのだ。ニュアンスとしては薄い茶漬けだ。

 続いて、肉をそのまま頬張ってみる。確かに柔らかい。しかし決してニンニクやスパイスで煮込んだ「風味豊かな」感じは無い。
 …云ってしまえば「豚肉の味」だ。

 隣のシンガポーリアンは、テーブル備え付けのタレを付けて食べている。オイスターソースのようなトロミのある黒いソースだ。
 真似してみる。うん…味がした。でもやっぱりディナーとしては、ちょっとパンチ不足かと思う。

 勿論、この一食だけで「バクテ」を語る事などおこがましい。
 だがシンガポールで食べたい料理はたくさんある。とりあえず「バクテ」は食べた…その事実だけで良いだろう、と感じた。




〈両替~そしてMBSへ〉

 
 夕食を終え、再びリバーサイドを歩き、ラッフルズ・プレイスを目指した。
 ネットで「ラッフルズ・プレイスのアーケードというビルの2階の両替屋が、一番、高レート」と出ていたからだ。

 MRT入口近辺でローカルと思われるアラブ系の女性に、「アーケードはどこ?」と聞いたら、すぐ斜め前のビルを指してくれた。確かに壁面に「ARCADE」と表示されている。
 ビルの雰囲気は、云ってしまえばアメ横のような感じだ。小店舗が雑多にギッシリ並んでいる。とは云え、本当にアメ横のようかと云えば実は定かではない。
 なぜなら他のビルはまだ営業しているのに、このビルだけが、やけに静かだったからだ。午後8時の段階でほとんどの店のシャッターが下りている。
 でもエスカレーターは動いていた。2階に上がる。両替商らしき看板を掲げた店が幾つかある…が、シャッターが下りている。

 しかしフロアの丁度真ん中辺りに、1軒だけ開いてる両替商があった。
 ホッと胸を撫で下ろし、「Hi」と歩み寄る。するとインド人ぽい老人は即、「Close」と連れない答えを返してきた。
 えっ?閉店?―――そんな…ちゃんと開けてるじゃん。でも…終わりらしい。

 困った顔で佇んでいると、老人は「ゴーラ(※たぶんこう云った)、チャイナタウン」と教えてくれた。※この時、老人の言葉で聞き取れたのはチャイナタウンだけであったが、のちのちシンガポール訛=所謂シングリッシュには、語尾に「ラー」を付ける習慣があることを知る。

 
 「チャイナタウンかぁ」 連れと顔を見合わせた。
 チャイナタウンはクラークキーのお隣の駅だ。つまりホテルの方向に戻る、という事になる。それは余りにも無意味に感じた。
 (実際は、チャイナタウンはそれほど遠いものではなく、おそらくタクシーでものの数分、ワンメーター圏なのだが、到着したばかりで土地勘の無い私に、それは判らなかった)

 結局、そのままアーケードを出た。両替レートが幾らなのかも確認し忘れた。
 大通りを越えて、海の方へと向かう。すると、あのSMAPのCMでお馴染みの巨大な3連ビルが目に飛び込んできた。

 「おおぉぉぉ、マリーナ・ベイ・サンズだぁぁぁぁぁぁ」

 レーザー光線が飛び交う様は、まさに洋上に浮かぶパラダイスのように見えた。(あとで知ったが、ちょうど噴水ショーをやっている時間だった)
 目を輝かせた私たちが、両替の事など忘れ、真っ直ぐMBSへと向かったのは云うまでも無い。




〈MBS初見参!〉

 ラッフルズ・プレイスからMBSは、徒歩では意外と遠かった。しかし初めての異国シンガポールでは、見るモノ全て目新しく、且つ、期待に胸を膨らませた二人には、そう遠く感じられなかった。
 印象的だったのは、MBSに至る道に、やたらとランニングするローカルが多かった事だ。まるで皇居ランのようだ。あとで気付いたが、クラークキー周辺のリバーサイドにも、ランナーは数多く見受けられた。
 
 MBSのモールに入る。
 
 ムシムシとした外気でシャツを濡らしていた汗が一気に冷えた。想定通りだ。用意してきた夏用ジャケットを羽織る。
 
 モールのブランドショップをしばし、ウィンドウ・ショッピング。

 「勝利した暁にはどれを買って帰ろうか」―――これまで一度も実現した事の無い妄想を今回も口にしながら「賭場」という判り易い表示に向かって進む。
 
 ゆっくりゆっくり歩んだせいか、午後9時近くに、ようやく到着。早速、入り口でメンバーカードを作る。写真付き。マカオでも韓国でも写真付きは無い。なんとなく嬉しい(単純)
 そして遂に、ゲーム・フロアに侵入―――思わず声を失った。




 ―――で、でかい。

 そりゃあ、私が主戦場とする韓国セブンラック・ヒルトンとは、比べ物にならない事ぐらい判っていた。
 でも、こりゃあ、まさに桁が違う。同じカジノという言葉では括れない。



 入場したのはカジノの2階フロアに当たるのだろうか。吹き抜け状の外周路から見下ろすと、まるで東京ドームのグラウンド全域に、ゲーム卓が置かれている様な印象だ。
 その雰囲気に完全に気押され、連れと共にしばし外周路をウォーク(無論、どんなゲームゾーンがあるのかを確認しながら)…そして丁度一周した所で、ワンフロア下へと降りた。
 
 最下階のゲームフロアは熱気に満ちていた。平日だというのに、どのテーブルも一杯である。
 ブラックジャックのエリアを見つけた。卓の後ろに立って、〝見〟をする。おお、本当だ、ノーホールカードだ。(マカオに行った事はあるが、その時はまだBJプレーヤーでは無かったので、私は韓国ルールでしかBJをした事が無い)
 初体験のノーホール・ルール―――早速、試したい。しかし手持ち資金は700SGD程しかない。両替所を探す――――――あった!
 
 レートは・・・・・0.01498? なんだぁ、チャンギより全然悪いではないか!

 憤慨したが後の祭り。空港でふっ切らなかった自分が悪い。ここまで来たら両替するしかない。私は初日・二日目分として持参してきたバックの中の30万円に手を掛けた。
 その時だった!
 連れが両替所へ向かおうとした私の腕を掴んで、のたまった。

 「ねえ、なんか気分が悪いんだけど…」 「はぁ?」 「なんかさぁ、ここ空気、悪くない?」 「ええ?そんな事無いよ」 「でもさぁ」

 連れは、完全に立ち止まってしまった。―――う~ん、どうしよう…。掴まれたその腕を振り切って両替し、BJ卓に座る事は簡単だ。しかし…
 実は旅の前段で、連れの〝機嫌〟を損ねそうな前兆があった。それは飛行機である。

 今回、利用したのはANA。現在ANAのシンガポール便は、2010年秋より導入された新型767-300ERという機体を使用している。
 767は、ボーイングが21世紀基準と豪語する〈787ドリームライナー〉に移行するまでの、云わば「退役間近」の機種である。……が、ご存じの方も多いかと思うが、787の開発は大幅に遅れた。キャンセルが相次ぐほど納期がずれている。今年になってようやく、初フライトした始末だ。
 その遅れを補てんするため「代替」としてANAに納品されたのが、新型767-300ER―――つまりは時代遅れの新型機である。

 本来、生産される筈の無かったこの新型機は、一応、21世紀に適合した内装が施された事になっていて、エコノミーの座席も〝快適性アップ〟を謳っている。
 ANAの触れ込みで云えば、【後ろの席の人を気にせずリクライニングできる新型シート】である。

 しかし誰にも迷惑をかけずにリクライニングが出来るような、都合の良いシステムがある訳が無かった…。
 〝後ろの席を気にせず〟というのは、自分のシートが前にスライドして倒れる=つまり自分の足元空間が減少しシートバックが倒れる=自分を犠牲にするだけの機構だったのである。
 
 最近、成田ー韓国便でビジネスクラスをとって、快適移動を味あわせていた彼女に対し、私は今回、ビジネスクラスではなくエコノミーにした理由を、「新型767-300ERを試したいから」という事にしていた。逆を云えば「新型767-300ERならエコノミーでも大丈夫だよ」と。
 それが完全に裏目に出た。フィーリングで云えば、この座席は間違いなく狭く感じる。加えて、韓国移動の3倍も乗っていた事に依って、連れは空港に降り立つまで、それはそれはご立腹だったのである。
 
 シンガポール初日で、〝さらに機嫌を悪く〟されるのは、絶対に望ましい事では無い。さらにこの時、私の中に、もう一つの考えが沸いていた。

 (どうせ、ここのレートは悪いんだ。今日はホテルに戻って、明日、町中で両替して挑めばいいじゃないか。MBSは逃げないんだから)

 確かにMBSは逃げたりしない。しかし今思い返せば、そんな考えもまた〝チキンな男〟の始まりだったのだろう。
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〈2日目・チャイナタウン〉

 朝10時、ホテル発。今日の目的地はセントーサである。その前にチャイナタウンを目指す。理由はもちろん両替と、朝食である。
 クラークキーからチャイナタウンへ、MRTで一駅の距離。だが、ぶらぶらと歩く事にした。徒歩でも10分ほどで到着。
 早速、朝食の場所を探す。

 しかし意外と、チャイナタウンの朝は遅いらしい。飲食店街(スミス・ストリート辺り)の美味しそうな店には、開いている気配がない。
 すると…「チャイナタウン・フード・センター」という日本語で魅惑的な看板が。 その方向からは、野菜を抱えたローカルなおばちゃんたちがぞろぞろと歩いてくるではないか。
 地図で確認する―――どうやら「チャイナタウン・コンプレックス」というビルのようである。よし、覗いてみよう。

 1階は雑貨店の集合体、地下はフード・マーケット。成程、ローカルおばちゃんたちは、この市場で買物をしていたらしい。だが、ここで朝食は食べられそうにない。
 エスカレーターを上がってみる―――と、2階は広大なフード・コートであった。店舗は優に100以上ある。否、200に近いかもしれない。
 とりあえず、その無数にある店舗を視察する。
 チキンライス、ダックライス、ラクサ、更によく判らないローカルフード…選び放題である。さて、何にしよう…
 
 隅々まで視察する―――と、長い行列が出来ている店があるではないか。
 まだ客がまばらな10時半のフード・コートで、行列が出来ているのは、その店だけだ。

 並ばずにはいられなかった。そして並んでから、列の先頭へ、何の店であるかを確認に行った。

 看板には「秀記江魚仔醸豆腐」とある。全くなんだか判らないが、人々は「白いハンペンのようなボールと豆腐のようなものが入った汁」と、「黄色い麺orビーフン」を買っている。そして赤いチリソースをたっぷりと小皿に入れて運んで行く。
 麺料理である事は間違いない。いいだろう、試してみよう。

 ―――20分ほど並んで、めでたく以下の品をゲットした。

*

*黄色い麺とビーフン、各3㌦

*

*行列ができる店の看板。メニューはこれしかない。

 麺を汁につけて食す「つけ麺」の一種であろう。
 早速、汁に口をつける―――――――――うん、まぁ旨い。さっぱりした味だ。
 白いハンペンのようなボールを食す。うん、これは魚のすり身だ。そのまま食べればサッパリ系、赤いチリソースにつけると――――――おお、これは旨~い!このチリソースは絶品だ!
 麺をつけて食べる、これも美味、美味!  ビーフンよりも、黄色い麺の方が旨い!

 あとでガイドブックを見てみた。ローカル食の中に「フィッシュ・ボール・ヌードル」なるものがある事を知る。おそらく、その類である。…が、このあとホーカーと空港で、二度ほど、似たような「フィッシュ・ボール・ヌードル」を食べてみたが、
この店のヌードルとチリソースに叶う味は無かった。やはり行列が出来るのには理由があったのである。(そう思えた時が、幸せ)
 
 因みにこの店では、半数位の人が、テイクアウトしていた。おそらく昼食用なのであろう。
 ディナーには物足りないが、朝食やチャイナタウン散策で小腹が減った際には、立ち寄って良い店ではないだろうか。


 チャイナタウン・フードセンターから駅前の大通りへ出ると、「CK」というデパート?のようなショッピングビルがある。 この1階入口の横にも行列が…。両替商であった。

 前述した通り、レートは0.01555。30万円が4665ドルになる。(もし昨夜MBSで両替していたら4494ドルなので171ドル(約1万1115円)の差が。ちなみに空港で全額変えていた場合、4620ドルなので45ドル(約2925円)の差であった)
 
 もしかしたらアーケードは、もっと高レートかとも考えたが、もう一度行くのも面倒なので、ここで妥協。(というか空港でも、さして問題は無かったのだ)…またまた行列に並ぶ。
 両替屋の列の進みは遅い―――5人程だったが、15分以上待った。




〈RWSへ~USSを満喫…したかな?〉
 
 チャイナタウンから初MRTでハーバーフロントへ~そしてセントーサ・エクスプレスで、RWSへ入る。
 私は地下鉄に乗るのも大好きだ。
 地下鉄には、その国の色がよく出ている。―――(因みに韓国では、外で雨が降ると傘を売る行商人や、帰宅時間には子供用玩具を売る行商人がいる。驚いた事に、結構多くの人がこれを買う)
 シンガポールは、〝人種の坩堝〟―――中国系は勿論、アラブ系、インド系、白人、韓国人…皆、一様にUSSにワクワクしていた。中でもヒジャーブ姿のアラブ系ご婦人方が、USSを前に車内から写真を撮りまくっている姿は印象的だった。

 昼間のRWSは、当然、USSが目的だ。カジ郎さんのUSSガイドをしっかり頭に叩きこんできた。

 あと、madamadaなりのセコイお得情報だと、現在USSは「ネット予約でマスターカード払いをすると20%オフ」になるキャンペーンをやっている。これで通常平日66ドルの入場料が52.8ドルになる。
 期日を指定しなければならないので雨の日とかに当たると不運だが(Eメールで送られるチケットに期日が入っている)11月中旬までやっているとの事。

 ゲート前の「ユニバーサル地球儀」の前で記念撮影し入場。
 久しぶりの遊園地―――何歳になっても結構、ワクワクするものだ。
 子供のようにスキップ気分(あくまでも気分)――――――だが園内に入って茫然とした。園内はまさに人で溢れ返っていた。
 
 いや、本当に凄い人出だ。ワクワク転じて、クラクラしてきた。

 メインストリートを時計周りに回る。

 シュレック4D―――待ち時間70分!!!  …カジ郎さんオススメ度は「?」…素直にパス!

 ジュラシック・パーク・ラピッド・アドベンチャー  …カジ郎さんオススメ度◎  しかし本日休業!

 リベンジ・オブ・ザ・マミー―――待ち時間60分 …カジ郎さんオススメ度◎ 「並ぶか?」と考えた瞬間、受付のにーちゃんが「あいむ、そりらー」 トラブルでストップしたらしい。

 ならば動いているのが見えているバトルスター・ギャラクティカだ!  カジ郎さんオススメ度◎

 しかしこれも青の「CYLON」がストップ!おかげで赤の「HUMAN」が70分待ち!!おい!いい加減にしろUSS! そう心の中で怒鳴りながらも、本日はや3回目の行列参加。幾ら行列好きでもいい加減飽きた。
 でも、私が乗り終わって戻って来た時には、105分待ちに増えていた。まぁ、まだいい方だったのか…

 と、荷物を預ける無料ロッカーに落とし穴が。通常、行列にあわせて無料時間が設定されているのだが、どうやら行列が伸びた為、70分以上を費やし「有料」になってしまった。超過分は2ドル。
 
 「おいおい、財布もロッカーの中だよ!どうやって出すんだよ」 ※ポケットの財布もロッカーに入れろと云われたのであって、私の注意不足ではない。断じて。

 ―――係員に苦情を言いに行こうと思った矢先、ポケットに10ドル紙幣を1枚発見。
 ホッとして10ドル紙幣で清算。ロッカーは開いた。…が、8ドルのお釣りが返って来ない。釣り銭清算のボタンも無い。

 よくよく見たら「NO CHANGE」の文字が。ふざけんなUSS! 完璧な詐欺じゃねえか!
 無料ロッカーは、1時間半未満で650円の高額ロッカーになった。
 当然、係員に苦情は云ったが、「仕方ないねえ、ラー」(多分英語でこんな風に云ってた)と、首をすくめられて終わってしまった。

 その後、待ち時間15分の、カジ郎さんオススメ度◎ の「ライト!カメラ!アクション!」へ。
 いやあ、これはたいしたもんでした、本当。素晴らしい。あのセットを作るのは、相当お金も掛かってるだろう。映画好きは是非!

 さらに5時半から始まるカジ郎さんオススメ度◎ ウォーターワールドを目指そうと思った時、ストップしていたバトルスター・ギャラクティカ青の「CYLON」に駆けこむ若者たちが!
 
 そう―――これは動いたか、動く前兆に違いない!

 連れと顔を見合わせる。
 ―――ウォーターワールドとどっちとる?
 ―――当たり前の、コースターでしょう!

 いい年のおじさん・おばさんが、おもむろにロッカーへダッシュ!荷物を放りこみ、「CYLON」に並ぶ!なんと一気に乗り場目前の階段下まで行けた!
 それでもトラブルを調整しながらの運行だった為30分弱ほど待ったが、無事、念願の”ぶら下がり型コースター”に乗車。

 いやああ、これは滅茶苦茶面白い! グレート! もう大興奮!

 降りた瞬間に、「もう一度乗りたい!」…と再びゲートに向かったが、行列は既に70分待ち! う~~~ん…さすがに、それはやめとこう。と云う事で、アトラクションは終了。
 お店でショッピングに徹した。



| 教訓:混んでると思ったら、natuatusaeさんのご指摘にあるように、
| 必ずユニバーサル・エクスプレスを買いましょう!30ドルで一気に列の先頭へ。
| 持っていないと、エクスプレスで一気に前に行く人がいると、胸元で小さく親指を下に向け
| 「ぶうう」とブーイングする嫌な大人になります。
| 折角教えて貰っていたのに・・・買わなかった後の祭り。natuatusaeさん、すみません。




〈夕食&いよいよカジノ〉

 USSを出ると小腹が減っていた。時間は6時前。まぁ、腹ごしらえをしておいてもいいだろう。
 どこで食べようかと思っていた矢先、カジノへと降りるエスカレーターの先に「鼎泰豊(ディンタイフォン)」発見!ご存じの方も多いと思うが、台湾の小籠包の名店である。
 
 私も連れも、小籠包には目が無い。鼎泰豊も、新宿店はもちろん、台湾本店にも行った。いや、台湾へは大袈裟に云えば、小籠包を食べに行った。
 感想としては、小ぶりで食べ易い、世界で5番目位に美味しい小籠包だと思う(お前はどれだけ小籠包専門家だと突っ込まないで欲しい。あくまでも主観である)
   ※韓国にもあるのも知っているが、食べたいB級グルメが多数あって明洞店には行けていない。…つまりはその程度の小籠包好きである。

 美味しい小籠包の店選びに、私は一つ、持論がある。それは行列が出来ている時間帯に行け、というものだ。
 
 「お前は行列マゾか、何故わざわざ行列の時間帯に行かにゃあいかんのか!?」

 多くの人はそう思うかもしれない―――だが決して行列マゾではない。私は小籠包の美味しさのポイントは、当たり前だが①スープの美味しさ ②皮の絶妙さ であると考えている。
 ここで問題。②は、敢えてなぜ、〝皮の美味しさ〟としないないのか? それこそ行列のある時間帯に行く理由だ。

 点心の皮は〝生き物〟である。これは餃子やシュウマイでも同じなのだが、小籠包では、スープが入って尚〝破れない〟という、より一層の繊細さが皮には求められる。
 作り置きや冷凍保存などをすると、すぐに皮は〝死んでしまう〟――――――即ち、一番状態の良い皮を食べる為には、回転率の良い店=行列があるような店で食べるのが一番と云う事になる。
 私はこれまで、美味しいと評判の店で、残念な小籠包を幾度か食べた事がある。それはまさに、皮のせいだ。

 この時の鼎泰豊は、まさに手頃な行列状態。受付嬢に聞くと「45分後」と云われ、予約の番号札(注文伝票)を貰った。
 この番号があれば、列に並ぶ必要は無いらしい。※重ねて記すが、私は決して行列マゾではない。


 これ幸い。一旦鼎泰豊を離れ、初セントーサ・カジノへ。受付でメンバーズカードを作る。これもMBS同様写真付き。
 そして足を踏み入れる。

 おお、ここも広いなぁ―――


 しかしMBSを見たせいか、昨日ほどのカルチャーショックは無い。しかもカジノにしては(?)、やたらと空気が澄んでいるような感じがする。
 昨夜は気分が悪いとのたまった連れも、いたく好印象である。

 その理由は、のちのち考えてみると、おそらく喫煙・禁煙フロアの〝分け方〟にあるのではないかと思う。
 RWSもMBSも分煙形態をとっているのだが、MBSは巨大吹き抜けであるため、どうしても館内中に微妙な煙草臭が回っているのではないか?
 連れは煙草を吸わない。加えて極めて煙草臭に敏感である。RWSのように、明確に禁煙・喫煙が別れている方が、居心地が良いのは当然だ。
 
 RWSの禁煙フロアを偵察する。ゲームの配置もMBSより判り易い、ような気がする(もっともMBSではそれほど見ていないのだが)
 そうこうしているうちに、あっという間に40分経った。鼎泰豊に戻らねば。


 店に戻るとすぐ席へ案内。その素早さは中々優秀。
 こちらもその素早さに敬意を払うかのように、メニューも見ず、すぐに注文する。「小籠包とカニ小籠包、10ピースをひとつづつ。それにホットジャスミンティー」
 
 オーダーは二つ同時に10分ちょいで出て来た。

*

*左)蟹小籠包13.80㌦ 右)普通の小籠包9㌦

 普通の小籠包の方から食す。―――うん、旨い。いや、かなり旨い。
 二つ目を食す。これはぁぁ―――もしかしたら台湾本店より旨いかも!

 実は台湾本店の小籠包は、香辛料が少しきつくて(多分、八角だと思う)私は新宿店の方が好みだと常々思っていた。(ゆえに私の中で台湾一の小籠包は鼎泰豊ではない)
 その新宿店よりも、旨いような気がする。

 さらに蟹小籠包の方を食す―――       


 う、う、う、うまーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!

 あれれ?鼎泰豊の蟹小籠包は、こんなに蟹の味、濃厚だったけ?
 10年以上前にニューヨークのチャイナタウンで食べた、世界一美味しい(と信じ切っている)蟹小籠包にも負けていないのではないか!?
 これは、旨い!ウマすぎる!
 この店がフランス料理店であったならば、フロア係の姐ちゃんに「シェフを呼んでくれるかい?」と云っていたかもしれない!それ位の絶品である!

 いやあ、蟹の濃厚さもスープの旨味も素晴らしいが、やはりポイントは皮である。小ぶりなひと口サイズの鼎泰豊。皮は薄いがモチモチと弾力があり、元からその精度は高い。
 しかしそれにもまして、この皮の精度は素晴らしい。
 
 ガラス張りのオープンキッチンに、この皮を作り続けている若き駆けだし点心士(推定)の姿が見える。

 おそらく先輩たちから「おら、おめえ、さぼんな!しっかり皮作れ!皮がたんねえと話しになんねえんだよ!」(過度な推定)などと云われているのではないか…

 彼は私たちが着席してからずっと(まぁ、そんなに時間は経っていないが) 顔を上げることなく、皮を打ち続けている。ひたすら皮と格闘している。

 フロアのお姐ちゃんに「皮を作り続けている、あの若い子を呼んでくれるかい?」と云いたくなったが、迷惑なだけなのでやめておこう。
 その変わり蟹小籠包を、もう10ピース注文した。




〈二日目 セッション①〉

 小籠包で大満足―――そしてようやく勝負である。
 いつもながら私のレポートは、ここに辿りつくまでが長い…長すぎる。どうかご容赦戴きたい。

 今回の遠征にあたって、一応メンタルコントロールを重視し、自分の中でルールを作って来た。

 ①バイイン5000ドル 
 ②基本ベット 50ドル(打たれ越し25㌦) 
 ③ベットアップ基本の8倍まで(400㌦) 
 ④基本単位で30負けたら、セッション終了(一旦引く)
 ⑤基本単位で30勝ったら、勝ち逃げを意識する(これは取りきめではないが、一応、頭の中にこの言葉を思い起す)

 ミニマム25ドルの安テーブルに早速イン。5000ドルをテーブルの上に出すと、ディーラーは100ドルチップ(黒)を指差し「これでいいか?」と聞いてきた。
 「NO!グリーン!(25ドル)」 私はきっぱりと云った。

 因みに連れはスロッターである。本当にスロット専門で、それしかやらない。延々と一人で打ち続けている。今日も、既にお気に入りの台探しに向かっている。

 誰に気兼ねすることもない、一人の闘いが始まった。
 初めてのノーホール・ルール…様子見もあり、まずは空いていた1stベースに座る。

 打たれ越しの25ドルから始める。・・・あっさり負ける。
 次も負ける、負ける、負ける、負ける、負ける…都合8連敗はしただろうか?
 オープニングとしては最悪である。しかし一度、いきなりBJが入る。それを機に、基本単位を50ドルに上げる。

 負ける、勝つ、負ける、負ける、勝つ、負ける、勝つ、負ける、負ける―――
 う~ん、勝率が悪い。しかも連勝が全くできない。…というのも、ディーラーが強い。5や6のアップカードからでも全くバーストしない。
 他のプレーヤーも、半ば諦め顔である。

 私は逆に、その強さを〝きっかけ〟にすることにした。
 つまり、1単位をミニマムの25ドルに抑え、ディーラーが2連勝したら(逆に云うと自分が2連敗したら)4単位にベットアップ。それでも負けたら8単位に、それでも負けたら16単位にする、云わば〝ナンピン方式〟である。(一応、ナンピンはここまで。幸い(?)16単位賭けまでの連敗は無かった)
 ナンピンは危険度は高いが、勝つ負けるが混在する場では有効である。またやっているとベットアップした所で、ダブルやスプリット手も入った。このチャンス時の勝率は2勝1敗ペース…まぁまぁといった所か。それなりにチップを増やす。

 それでも如何せん、勝率が悪すぎた。おそらく都合25%程度だろう。
 時間が経つごとにチップは徐々にむしり取られていく―――2時間が過ぎた所で、ー1000ドル。計画していた30単位は1500ドルであるが、途中から基本ベットを25ドルに変更している。そう考えると、ほぼ30単位と考えていいだろう。

 (一旦、引き時か…)

 残った1000ドルチップ(青)3枚と、100ドル (黒)10枚、そして数回のBJで得た端数の10ドル(茶色)5枚を持って、私は席を立った。

 スロットマシーン群に連れを探す。いかにも彼女が〝やっていそうな台〟のゾーンがあった――――――居た。

 「どう?」 声を掛けると冴えない顔で振り向いた。「さっきまでは勝ってたんだけど…今飲み込まれてる」「マイナス?」「うーん、そろそろ負け出したかなぁ。判んない、途中でバウチャー出しながらやってるから」
 クレジットが無くなったところで、茶をすることにした。
 
 RWSのメンバーカードで、初めて注文した。連れアイスティー、私、バラ茶。バラ茶は怖いもの見たさだったのだが、予想以上にモノ凄い味がした。
 彼女はバッグからスロット・バウチャーを出した。600ドルちょい1枚と800ドルちょいが1枚=ざっと1450ドル。 彼女が換金したのは10万円分=1555ドルだ。

 「100ドルの負けか。いいじゃないか。こっちは1000ドルやられたよ」と云うと、「はじめ、調子良かったから。まだ全部(両替分を)入れてないんだよね」と財布を開いた。中にシンガポールドルが500ドルほどある。

 ・・・・なんだよ、勝ってんじゃん。自分の負けを云ったのが恥ずかしくなった。
  

〈二日目 セッション②〉

 喉を潤し、彼女は再びスロット台へ直行した。
 しかし私は、どうもBJに直行する気分になれなかった。そこで気分直しにルーレットを選択。ルーレットはBJ以上に盛況で、なかなか空き席を見つけられなかったが、暫く回っていると座れた。
 ミニマム10ドル。韓国よりちょっと(かなり?)高めだ。
 
 ルーレットは、前回韓国でやった「モンテカルロ式」をもう一度試そうかとも思ったが、1000ドル・ダウンからのスタートでは、原点復帰もままならないだろう。
 ここはひとつ、「10点作戦」でいく。
 
 私の10点張りの基本は、ハーフに賭ける。狙い目の数字があるのなら(大概、あるが)その周囲をハーフで埋めて行く形にする。状況に応じてサイドラインにも行く。
 10点=100ドルで、数字的には大体15~20点を抑える形となる。つまり確率は約50%だ。
 シンガポールのルーレットは、シングル0方式。これは有難い。

 一投目―――ミニマムで10点張り。出目23  ハーフで当った。+80
 二投目―――    〃   同じく出目23  ハーフダブルで当った。+160 TOTAL +240
 三投目―――    〃      出目15  ハーフで当った +80     TOTAL +320

 なんといきなり③連続ゲット―――しかもその内容が良い!
 おわかりだろうか…ヨーロピアンタイプで、この出目は 「シングルゼロを縦軸とした場合の、所謂、縦目の出目」である。ゼロを中心として、完全に縦目が出ている。
 そろそろ横目にもいきそうなものだが、私のようにハーフで置いていると、実は90度の横目もフォローしている形になる。文句のいいようのない最高の形なのだ。

 四投目―――ベットアップ。20ドルでの10点張り 出目24 サイドとハーフで当った。+400 TOTAL +720      
 ルーレットにおいて、この的中率は異常である。一気に負けを取り戻した。

 その後、さすがに連勝はなくなったが、無難にチップをキープ。2時間後、セッションTOTAL+880で終了。BJの負け分を引いて、-120。まぁ、ほぼ原点に戻ったと言っていだろう。



〈二日目 セッション③〉

 再びBJに戻る。 ところが―――――――――BJの調子は全く戻って来ない。
 セッション①よりは勝率は上がり(①の勝率は、まさに4戦1勝。25%であった)、3戦1勝位のペースにはなった。でも、ベットアップが出来ないため、ジリ貧である。
 
 ルーレットで良くなった気分が、またまた沈んでいく。同時にチップも沈んでいく。
 1時間ほどでー600。
 うううううううう…続けるべきか、否か。そんな思考中に、連れが茶をしようとやって来る。一旦仕切り直しで席を立った。
 ここまでのトータル ー720


〈二日目 セッション④〉

 今度はバラ茶ではなく、ABCドリンクなるミックスジュースを選択。A、B、Cの意味はちゃんと書いてあったが、忘れてしまった。味は、かなり生臭い野菜ジュースである。
 野菜ジュースが嫌いな人は試さない方が賢明だろう、多分。

 テーブル席で、再び連れはここまでのバウチャーを計算。現金との合計2200ドル。1500で始めているのだから700のプラスだ。私の負けを差し引いて、プラマイゼロとも言えるが…
 ギャンブルは完全独立会計である。

 彼女は当然、スロットに戻った。一方の私は―――BJに素直に戻れない。
 先程の夢再びと、ルーレットへ。各台の出目を見る―――探したのはもちろん出目のハッキリした台だ。
 あった。先程と似たような縦目だ。

 一投目―――ミニマムで10点張り。出目16 外す。    しかし縦目と云えば縦目。次からは抑えられる。   -100
 二投目―――    〃      出目26 ハーフで的中。まさにゼロの隣目。これは行ける。 +80 セッションTOTAL -20
 三投目―――    〃      出目24 ハーフで的中。今度はゼロの対岸5の隣だ。    +80 セッションTOTAL +60
 
 これで確信を得た。ベットアップ。
 四投目―――20ドルで10点張り 出目16 ハーフで的中。一気に+160 セッションTOTAL +220

 前半で余裕が出ると、ルーレットは本当に楽だ。途中、遊びを入れる余裕も出た(結果はかんばしくなかったが)
 1時間半後―――今日の出目、23と24のハーフで的中、セッションTOTAL +700へ。ほぼ原点に戻った。

 あと1回、やるかやらないか………悩む、悩む、悩む。
 悩んでいる最中に「NO MORE BET」のコール。出目は33。32と33のハーフは、必ず賭けていたポイントである。決断の遅れから取り損なう。

 (踏ん切りをつけなかった自分が悪い。ここは一旦、引こう―――)

 席を立ち連れのもとに行くと、彼女はまだ打っていた。私の姿を見ると「じゃあラストね」と云いながら100ドル紙幣をスロットマシンへ。
 ものの数分でクレジットは無くなった。



|午前2時、終了。
|本日の結果    【BJ】 ー1600
|      【ルーレット】 +1580  でも端数を計算していなかった為か、なぜか+50ある。 +1630
|    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
|       TOTAL    +30



 RWSのポイントが、私30、連れ100あった。
 タクシーバウチャーに交換できる事を知り、彼女の100を全て変える。(10ドルバウチャー×9枚=99ポイント使用)
 青いタクシー(コンフォート)と、黄色いタクシー(シティキャブ)で使用可能。街中でもこの2社なら使えるそうだ。以降、タクシーは実質的に乗り放題となる。



〈思いがけない……リゾ〉

 ホテルに戻ると、連れがベッドの上に紙幣を並べていた。深夜3時を越す時間にである。

 「何してるの?」 尋ねると嬉しそうに 「リゾしてるにきまってるじゃん」と返して来た。

 そう云えば・・・シンガポールに立つ前、マカオの帝王さんの「帝王式リゾ」の話をしたっけ。こういう快感を愉しむツワモノがいるんだよと…。
 
 マカオでは無いので、当然、紙幣を銀行ごとに割り振る事はないのだが、100ドル、50ドル、10ドルと綺麗にベッドの上に並べ、ほくそ笑んでいる。
 その表情は、普段見せてくれないほど満足そうだ。帝王式リゾというのは、余程、気分がいいものらしい――――――が、私がその快感を共有できるはずはなかった。

 総額2500ドル以上あった。私よりも土産やジュースなどに現金を使っているはずなので、+1000以上という事だ。


 (自分もルーレットだけなら――――――大勝なのに) 

 ついつい、たらればを思い浮かべてしまうのは、負け犬の証である。


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〈3日目・日中あれこれ〉

 朝11時過ぎホテル発。今日の昼間は市内観光&お土産購入に充てる事に決まっていた。
 加えて、目の前の「JUMBO」に寄って夕食の予約。カジノに行く時間を考え、18時リバーサイドの席を指定すると、なんと既に満席だと云う。
 リバーサイドは早くて19時半。その席も21時には出てくれという。大層な人気振りだ。まぁ、でも19時半でいいか。
 
 
 まず向かったのはラッフルズ・プレイス。MRTの乗り換えも経験しておきたくて、クラークキーから乗車。一駅目のドービーゴートで乗り換え、二駅目のラッフルズプレイスで降りる。
 乗り換えはとても判り易く便利である。

 目指すはラオパサ・フェスティバル・マーケット。かつての魚市場を改装したコロニアル調ドームが特徴の、老舗ホーカーだ。MRT出口から日本語の案内板もあった。
 間もなく昼時とあって、ローカルもぼちぼち集まってきている。
 
 私の狙いはチキンライス。やはりこれを食べない訳にはいかない。連れは昨日に続きフィッシュ・ボール・ヌードルを選択。

 

*

*チキンライス3㌦50

*

*ラオパサでのフィッシュボールヌードル 3㌦50 

待望のチキンライス…チキンから食す。
 う~ん、かなり薄味なんですね。タレは3種類。黒いトロミのあるソースとチリソース、そしてショウガみたいなソース。私はチリソースが一番好みだ。

 続いてライス…
 おお、旨い。これはイケる!予てから東南アジアの長米は、炒飯などにあうと思っていたが、炊き込みにもあうんだな。
 ソースとのマッチングもいい。是非有名店のチキンライスを喰いにいきたいと思った。今回の滞在中に、まだ機会はあるだろうか…。



 ラオパサを出てマーライオン公園へ。
 マーライオン越しに見えるMBSが、やけに遠くに見える。連れは今日もMBSに行く気は無いだろう。タクシーバウチャーが充分にあるのだから。

 その後、連れが一番愉しみにしていたラッフルズ・ホテルを目指す。途中、クリケットをやっているグラウンドがあった。
 地図で確認すると「シンガポール・クリケット・クラブ」とある。成程、イギリス統治下時代の香りを感じる。

 そしてかなり歩いてラッフルズ・ホテル到着。今もこの形態で営業を続けているのは、凄い事だ。
 宿泊客でないとロビーには入れないので、雰囲気だけ愉しむ。ホテルショップで土産お買い物の後、連れの目当てであるLONG BARへ。
 私は酒を飲まないが、彼女は大好きだ。このBARは言うまでも無く、かのシンガポール・スリングが生まれた場所である。酒好きにとっては聖地みたいなものなのだろう。

 客の多くは白人。ほとんどがシンガポール・スリングを注文している所を見ると、彼らも観光客なのであろう。
 夕日色のカクテルを飲みながら、テーブル備え付けの落花生をむさぼっている。テーブルに着くと、足元にはこの落花生の殻が落ちている。いや、落ちているなんてもんじゃない。散乱している。
 ボーイに聞くと「町で捨てられないから、ここではゴミを足元に捨てるんだよ」との事。成程、ガーデンシティもいろいろあるんだな…

 オーダーは決まっているが、一応、メニューを見る。最も目立つ位置に<シンガポール・スリングのオリジナル>という品目がある。
 オリジナルの他にもスプリング・スリングやサマー・スリングといったメニューもあるが、ここにきて、オリジナル以外を注文する理由が無い…と、ふと値段の目がいく。
 
 1杯26ドル。 「うわ、高っ」 思わず声にすると、彼女が呆れたように口を開いた。「あのねえ、BJ1回の基本ベットは幾らなのよ?」

 そりゃ確かにそうだ。確かにそうなんだが―――「だってシンガポール・スリングはお金を増やしてくれないし」という言葉が出掛かったが、寸での所で引っ込め注文した。


*

*本場のシンガポールスリング

う~む。駄目だ・・・私にこの論評は出来ない。
 繰り返しになるが私は普段酒を飲まない。ビールもやらない。カクテルというのは、ジュースとどこが違うのだろう?甘ったるくて水を頼まずにいられない。

 30分ほど無駄話をしてチェック。
 レシートを見て驚いた。〔シンガポール・スリング×2〕=52ドルなのに、トータルは75.35ドルになっている。

 明細に目を通す。
 えっ?さっきの水(瓶のミネラル・ウォーターだったが)、12ドルもするの? 
 それに10%のサービス料と7%の税金が入って、このトータルになっていた。
 なんと昨夜の鼎泰豊より高い、今回のシンガポール旅で、ここまでの最高支払い額である。
 逆を云えば、ホーカーとかフードコートで食べているので、ほとんど飯代がかかっていない事に気付いた。


 ラッフルズ・ホテルの後は、世界最大の噴水へ。…右手を翳しながら3周まわって願い事をする。
 私の願い事は勿論――――――BJで勝たせて下さいだ。
 
 そろそろ小腹が減って来たなぁ、と思っていたら、連れが「頭が痛い」と云い出した。
 近くに薬局があったので、頭痛薬を買い、一旦、タクシーでホテルへ戻り休養する。

 夕方5時過ぎ。ホテルの地下にある「明治屋」へ、<配り用のお土産>を買いに行く。本当はカルフールやオーチャードに行こうと思っていたのだが、ここでも充分、事は足りた。
 商品表示や案内表示が日本語なので、英語が苦手という方にははオススメだ。

 午後7時15分、予約していた「JUMBO」に向かう。
 本当に満席である。受付にも人が並んでいるが、もう受付出来ないと案内係が行っている。

 多少、時間が早かったが、予約している旨を告げると、スムーズにリバーサイドに案内された。
 注文は当然、チリ・クラブ。1キロ44ドルからと書いてあるが、1杯は1キロ以上あるとフロア嬢が云う。

 二人で蟹1キロ以上は結構な量だ。サイドオーダーを控えめにしておこう。エビマヨみたいなのとアスパラニンニク炒めに留める。

*

*チリクラブ1杯は、結局59ドルでした


 チリ・クラブ。まずはソースだけを食す。

 おぉぉぉぉぉ!   うまーーーーーーい! チリの中に蟹ミソが溶けて極めて濃厚な味わいだ。
 このソースをご飯に掛けて食べたら、さぞ美味しいことだろう。
 実際、客の中には御飯を注文しているテーブルもあった。そうしたテーブルは、4~6人で蟹一杯だ。

 だが、私たちは二人である。蟹1キロ以上を「ほじって」食って、さらにご飯も…となったら、きっと腹がハチ切れてしまう。

 うん?―――ならば蟹1キロを「ほじらなければ」いいんじゃないか? 適度に喰えばいいんじゃないか? ――――――御もっともな御意見だが、残念ながら、私たちにその選択肢は無い。

 蟹は会話もせず、一心不乱に、ほじって、ほじって、ほじって、ほじって喰う。
 手が如何に蟹臭くなろうが、構わない。 蟹はほじって喰うのが、私の決まり事だ。 ※もっともチリ・クラブの場合、手は汚れるが、蟹臭くはならなかった。


 ちなみに、このチリ・クラブの元祖の店は、私が宿泊したノボテル・ホテルの6階にある中華屋だそうだ。(しかしその中華店に行列は出来ていない)
 次の機会には元祖の店も試したいが、JUMBOも捨て難い。そう思うほど、印象的で美味しい味だった。



〈3日目・夜 セッション①〉

 余りに満腹過ぎて、一旦、ホテルに帰り一休み。夜10時にホテルを出た。
 クラークキー周辺の道は大渋滞で、結構、時間が掛かった。あ、戦場は今夜も当然、RWSである。

 昨夜同様5000ドルでバイイン。サードベース。
 そして昨夜同様、負ける、負ける、負ける―――
 
 ディーラーの引きは何でこんなに強いんだ?
 BS通りにやっているのに、ことごとく負けていると、ある疑念が沸いてくる。そう、それはリゾカジ・マカオオフ会の記述にもあった疑念だ。(私は参加していないが)

 もしやあのシューマシンは、BS通りにやっていると、ディーラーはバーストしないようなカード配列になるよう、シャッフルされているのではないか?

 ならば、と…BSを崩し、親アップカード絵札、自分12でステイ――――――なんと親は6⇒5で21に。他のプレーヤーが呆れ顔になる。言いたいことは判る。
 そりゃそうだ…が、全て結果論である。

 さらに疑念が膨らむ。
 ―――もしやこちらの表情などから心理状態を読んでカードを送りだす、最先端メカニズムが搭載されているのではないのか?
 さっきはきっと、配られた段階の表情で、ステイを読まれたのだ。

 よし、今度は顔吹きタオルで表情を隠してやってやる―――――――――次のBS崩しはあっさり親に絵札が入って負けた。

 考え得る様々な抵抗を試みたが、2時間のちには、またまた約ー1000。焦燥感に苛まれながら、すごすごと席を立ち休憩に入った。

 連れのスロットも、今夜は一進一退の攻防を繰り返しているようだ。




〈3日目・夜 セッション②〉

 今夜はルーレットに逃げず、休憩後もBJに入った。しかし――――――調子は上がらない。

 辛うじてダブルアップやスプリットで勝負の体裁は保っているが、完全に下がり目状態である。
 2時間経過―――――― -800。 トータルー1800。結局ルーレットへ移動する。


 

〈3日目・夜 セッション③〉
 
 ルーレットは、出目を確認する作業から入る。 韓国では、そう易々と「いい出目」の台が見当たらないし、入れる台もないのだが、シンガポールは簡単に見つかる。
 基本単位を20にして挑む。
 
 なんと今夜も、3回に1回は的中する。しかもうち1回はハーフがダブルで当る。
 こんな事あるのだろうか…でも注意深く周囲を見ると、ルーレットで大勝ちしているオヤジが数人いる。彼らは出目の集中する所に完全に狙いをつけ、
 1回のゲットで、多い時は3000とか4000とか持って行く。カラーチップで始めた人が、数回あとには100ドルチップで勝負している光景も目にした。

 そこまでの勇気は私には無かったが、それでも2時間かからずに、チップはカラーチップに加え、ブルーが4枚になっていた。
 つまりルーレットで1000以上の勝ちである。

 (とりあえず、この辺にしておこう・・・)

 私は時計を見て立ち上がった。すっかり道順を覚えたスロット台へと向かう。…と、様子が変だ。
 「負けてんの?」
 振り向いた顔に生気がない。
 「飲み込まれたぁぁぁぁ」 「どんだけ?昨日の勝ち分?」  「勝ち分も何も・・・全部だよぉぉぉぉ」

 なんと換金分を全部、やられていた。文字通り、スッテンテンだそうだ。
 「勝ち分を削ったところで一度引け」と忠告しておいたのだが―――怖い。これぞ博打の怖さだ。 金額の多寡ではない。結局、有り金全部を投じてしまうのだ。

 幸いタクシーバウチャーだけは豊富にあるので、帰るのには困らないが。
 


|午前3時過ぎ、終了。
|本日の結果    【BJ】 ー1800
|      【ルーレット】 +1100  
|    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
|       TOTAL  -700


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〈4日目…実は最終日〉

 最終日。荷造りを済ませホテルの1階クロークにスーツケース他を預かって貰う。飛行機は深夜便なので、19時過ぎには戻ってこなければならない。
 
 11時半ホテル発。目指すは待望の「究極の炒飯」=ホテルの目の前にある陳福記。いよいよB級グルメのメイン・イベントである。

 JUMBOの横のエスカレーターを2階に上がる――――――シンガポールの朝は本当に遅い。まだ開店していないようである。
 中を覗く…女性店員がいる。「入ってもいいか?」と聞くと、にこやかにリバーサイドを臨むテーブルに案内してくれた。

 目当ての究極の炒飯は、S・M・Lと3サイズあるという。
 「Sはどれくらいの大きさ?」と尋ねると、「茶碗一杯分」だと云う。
 
 「じゃあMを二つ」と注文する・・・と、女性店員は驚いたような表情で手を振った。なんだ? 今一つ英語が通じない女性で、どうやら「それは多い」と云いたいらしい。
 「じゃあ、M一つ」と訂正し、その他にピータン豆腐、生クリーム添えスペアリブなる不思議な皿をオーダー。

*

*ピータン豆腐 3.5ドル 結構濃い味。ただピータンが少ない(だから味が濃いのか?)

*

*生クリーム添え スペアリブ 18ドル

*

*そしてこれが「究極の炒飯M」30ドル

 なるほど―――Mサイズは二人分として充分な大きさだ。(中国式のご飯茶わんで、1人2杯以上はあった)
 
 ひと口頬張る――――――うん、美味しい。炒飯としてのレベルは高い。パラパラと程良く解ける米粒、蟹や海老といった具も豪勢だ。味付けも濃すぎず、薄すぎず。
 どうしようもないほどお腹が減っているとしたら、Mサイズを一人で食べたいくらいだ。
 
 ただ、「真に究極か?」と問われると難しい。確かに具材は厳選されているようだ。質感は高い。調理も丁寧だと思う。それにしても「究極」と云うには・・・・・・・

 まぁ、宣伝文句だと思えば良いのではないだろうか。私が魅かれたように「究極の炒飯」というのは、確かにインパクトがあるキャッチだ。
 単に「美味しい炒飯を食べに来た」―――そう思って戴ければ、別になんら問題はない。

 また値段についてだが、ホーカーなどで3ドル程度で食べられる事を考えれば、シンガポール的には超高価だ。

 Sサイズ18ドル=1200円弱  Mサイズ30ドル=1950円=一人/970円   (Lサイズは聞かなかったので判らない)

 ただホーカーは破格なのであって、それを基準にしてはならないと思う。チキンライスだってそうだ。私は行く事が無かったが、ガイドブックには25ドルを超す高級チキンライスが載っている。
 しかもシンガポール的には超高価でも、日本の炒飯と比較すれば特段、高過ぎではない。

 話のネタにはなりそうだし、味も決して悪くは無い。過度な期待をしなければ、一度立ち寄る分には充分、愉しめる店だと考える。




〈最終日 セッション①…の前にタクシーの疑問〉

 クラークキーからコンフォートタクシーを捕まえセントーサへ。(二人の間でMBSは、もはや無かった事になっていた)・・・そこで疑問が沸いた事がひとつ。

 この日のタクシー代は、昼間という事もあり、メーター表示は6ドル。
 前日、セントーサへ向かったタクシーではメーター11ドルのところ「15ドル」などと請求されていて、それは入島税とかが入っていてプラス料金があるのかと思っていたのだが…※深夜にセントーサから帰る時も、必ずメーター以上の請求があり、それはきっと深夜加算なのだろう、と合点していた。
 
 この日のタクシー運転手の請求は「6ドル」。メーター通りである。
 えっ?入島税、いらないの? じゃあ、昨日まで払ってた加算分って何?
 もっとも、タクシーバウチャーで払うので「10ドル」で「釣り要らないよ」、なので別に損をした訳ではないのだが・・・どなたか知っている方がいたら教えて戴きたい。


 RWS到着は13時半。連れがもう一度最後に「鼎泰豊」に行きたいというので、まず鼎泰豊に寄って予約(本当は予約は出来ないと云われたが、粘って受付番号を貰う。その受付番号を持って来てくれれば、優先的に入れる、との約束を取り付けた)。目安は17時半にした。

 つまりあと4時間―――最後の勝負である。
 今日はー700からのスタート……つまり新たに両替しなければ、バイイン4300しかない。基本ベット50と考えれば、100倍にも満たない、ある意味、自滅行為的バイインだ。

 
 (両替するべきか・・・)

 考えた。考えた。考えた―――が、セントーサのレートは悪すぎる。踏ん切りがつかない。
 ならば…と、今日はルーレットから入る事にした。そう、昨日までの調子なら、「まず増やして」からBJに挑めばいいじゃないか!

 幾台か物色、・・・それほど明確な「狙い台」は無かったので、昨日の最後と同じ台に入った。
 スッテンテンになった連れは、私の背後に座った。今日は完全に観戦モードである。シンガポールの台は、結構、イスが余っている事が多い。不思議だ。

 一投目―――ミニマムで10点張り。出目1   外れる。
 二投目―――ミニマムで10点張り。出目18  外れる。
 三投目―――ミニマムで10点張り。出目20  外れる。

 縦目狙いであったため3連続で外し、いきなり-300。トータルでやっぱりー1000になる。
 当らないのがつまらなかったのか、「ちょっとスロットの方、見てくる」と、連れが席を立った。
 
 私は縦目狙いオンリーを諦め、狙いを散らす事に。ほぼハーフ賭けで20点をフォローする形に変更したが、配置を変えたら縦目が来る悪循環。
 結局一度も当らぬまま8連敗に。つまりTOTALでは-1500だ。

 この時点でスタートからほぼ1時間。
 ※シンガポールは当る人が多いせいか、さらに言うとディーラーが各台一人だからか、一投に時間が掛かる。大袈裟に言うと1投に10分近く要してる回もあるため、投数がとにかく少ない

 (今日は駄目か・・・) 弱気がもたげてきた時、連れが戻って来た。
 
 「ちょっと打って来る」 「お金、どうしたの?」 「クレジットカードでショッピング出来た。500ドル分、買っちゃった~。請求が511ドルになるんだって」
 
 ああ、そう云えば2.3%のチップ・ショッピングがあると聞いていた。キャッシャーの所に看板があり、簡単に出来るそうだ。なるほど、その手があったか。
 ちなみに彼女のカード請求は33200円だったそうだ。これを500ドルで割ると、1SGD=66.43円。 レート表示だと0.01505。空港や市内よりは悪いが、MBSやRWSよりは良い計算になる。

 「もう一勝負、やってくるね―――やっぱ、このままじゃあ、帰れんわ」
 そう言い残すと、彼女は再び、スロットという戦場へ向かった。


 その後ろ姿を見送りながら、私も腹を決めた。初志貫徹、縦目狙い再び。

 すると九投目―――ようやく出目33が、ハーフのダブルで当った!
 さらに十投目―――今度はなんと32で、ハーフのダブル! これは来たぁぁぁぁあっ!来た筈だ!

 次は出目6で✕も、 
 出目24◎ ⇒ 出目34◎ ⇒出目32◎ ⇒出目7✕ ⇒出目32◎ ⇒出目12✕ ⇒出目32◎ ⇒出目5◎ ⇒出目13◎ ⇒出目17✕ ⇒出目33◎・・・
 
 という具合である。このあとも、結構、流れは良かったのだが、最高潮は、32が2回に1回出現したこの辺りである。
 これで増えない訳が無い!
 ルーレットの卓について2時間半―――増えたルーレットチップを、通常チップに交換していったことで、手元にはブルーチップが4枚(4000)とブラックチップが5枚(500)。
 ルーレットチップ束が6本ちょい・・・という事は、600ある計算になる。完全に原点に戻った!

 鼎泰豊の予約まで1時間半。BJに移行するなら、もうラストチャンスだ。
 私はチップチェンジを行い、席を立った。そして――――――因縁のBJソーンへ。

 ミニマム25ドルチップのテーブルは2卓。ところが―――空きが無い。
 仕方なしにミニマム50ドルの卓を伺う。50ドル卓はすぐに入れる。しかし―――踏ん切りがつかない。
 〝打たれ越し25ドル〟無しに、5000で本当に50ドルにバイインしていいのか?でも、やる時間を考えれば、通常ではパンクは考えられない…

 そんな風に考えているうちに――――――時間は過ぎていった。
 
 卓の後方から〝見〟をしていた限り…ディーラーはやはり強かった。アップ5や6からでも見事にローカードを引き当て、ことごとくバーストしない。
 プレイヤーはどの卓も、両手を広げ、首を振る仕草・・・それが、より一層、私の決断を鈍らせた。

 残り1時間半は―――あっという間に1時間に。そして―――30分に。
 実質的にもう、タイムアップである。

 喉が渇いた。ジュースを飲みにいき、そのまま連れのスロットの方に向かう。
 500ドルなど、スロットではものの十数分で飲み込まれる金額であるが―――クレジットは結構、増えている。
 
 「もう時間?」 「うん、あと20分ちょい」 「そう、じゃあ、もうちょっと」

 彼女は最後まで闘った。
 最後のクレジットは、結局、飲み込まれてしまったが、満足そうに笑って、鞄から数枚のバウチャーを出した。
 途中途中で打ちだしていたのだそうだ。現金化すると、1345ドルあった。
 つまり虎の子の500ドルを、800ドル以上、増やしたのである。(もちろんトータルでは負けているのだが)



 私の頭の中に、武骨な声が響いた………ような気がした。マカオの帝王さんの声だ(お会いした事はないので、想像である)。

>帝王の辞書に“勝ち逃げ”も“負け逃げ”も無い!
>最後の瞬間までプレイ続行するのみ
                (2009年3月「星海の帝王戦記(天外魔境マカオ)」より)


 もちろん私は、マカオの帝王さんやGAKUさんら、つわもの達の足元にも及ばないローローラーである。
 僅かなお小遣いを握りしめ、ほんのちょっと現実離れした世界を愉しめればいい、単にB級/C級グルメが好きなだけの小市民だ。

 しかし―――――――――気持ちだけはギャンブラーでありたかったのではないのか?
 ベットは小額であっても、そこに全身全霊を投じ、熱く高ぶりたかったのではないのか?

 
 だが、私は最後にどうしても・・・BJに入れなかった。負ければもう、ルーレットで取り返す時間が無い……その恐怖で逃げたのだ。
 まだ勝負はついていないのに、〝負け〟を前提にした思考しか出来ずに凍りつき、動けなかったのだ。

 最後に食べた蟹小籠包(蟹小籠包しか頼まなかった)は、やはり抜群に美味しかった。だが、空虚な心まで満たしてくれる筈はなかった。




|シンガポール遠征  決算(SGD)
| 最終所持金                  5368 
| 元々の換金(35万円分) 770+4665= 5435 
|    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|        TOTAL          -67

|  SGD⇒日本円換金レート(チャンギ空港)  0.01586  ⇒33万円+135㌦



 為替差額も含め、計算上、現地滞在費は約1万5千円。※当然カード支払額は除く。ホーカーやフードコート、コンビニ等以外の店は、基本的にカード払いである。

 厳密に云えば、負けてはいないのだろう。
 手元には、チャンギで再両替した33万円と、実はパンク用に持参した、あと30万円の現金=合計60万円以上がある。

 だが―――今回の遠征は完全なる負けである。それもリゾカジを覚えて以来、最大の屈辱を伴った、惨敗である。
 本当に私は「まだまだ、madamada」なのだ。

 シンガポールには、たくさんの忘れものをした。
 ラクサを食べなかった…。 高級チキンライスも、カヤートーストも、
 アイスカッチャンも、あんなに愉しみにしていた筈のペーパーチキンも、
 kintaroさんと約束したRWSの人民食堂的フードコートでの食事も忘れた。
 
 そして何より、勝負師の心を忘れた。

 忘れ物は、取りに戻らなければならないだろう。
 1年間有効のタクシーバウチャーは、まだ6枚もある(セコっ!)


                                            
<了>

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このレポートへのコメント(全8 件)

2011/09/16(Fri) 14:40中宝

いやー、面白かったです。一気に読みました。
宿題の「究極炒飯」のレポートもありがとうございました。
ほかの食べ物も参考になります。どんなガイドブックより、
役に立ちそうです。

書き出しの部分を読んだら、ありゃ、ダメだったのかな、と思いましたが、
これって実質、大勝利じゃないですか。タクシーバウチャーとかもあるし。
物価の高いと言われるシンガポールでカジノ以外にもこれだけ楽しまれて、
この滞在費の少なさは、さすがです。

危険を察知した時は「張らない」という選択、誰にでもできるもんじゃあありません。
見習いたいと思いました。おつかれさまでした。

2011/09/16(Fri) 19:05ジョニッパ

こんにちは。

レポートお疲れさまでした。
最高に面白かったです。

これだけ楽しめて彼女さんとの思い出の1ページが増えたなら大勝利ですよ!!

本能が危険を抑えたのは正しかったと思います。
野生の勘がなければできないこと。
素晴らしいと思います。

2011/09/16(Fri) 20:43サイゴンサイゴン

madamada さん

初めましてBJプレーヤーのサイゴンサイゴンと申します。
ホントに面白いリポートでした。
特に、全編にお連れ様の存在感が何とも言えないスパイスになっていて楽しいです。
RWSのポイントがタクシークーポンに変えられるって、どこにも出てない、
とても貴重な情報です。
シンガポールはホテル代が高く、あのBJルールは苦手なのですが、madamadaさんのリポートを読んでいたら、行きたくなってきました。

2011/09/17(Sat) 01:00junSPR

はじめまして シンガポール在住のjunSPRと申します

とても面白いレポートでした

タクシーの件ですが、昼間にメーター通りの$6で行かれたということは、ERPの料金が加算されていなかったのだと思います

ERPというのは商業地域から出入りする場合は時間帯によって料金が加算されます
madamada さんが宿泊されたノボテルホテルもたしかERP域内のはすですので、
おそらくERPがかからない時間帯だったのでしょう

シンガポールのタクシーの付加料金はかなり複雑です
RWS(MBSも)からタクシーに乗る場合は$3の特別料金がかかりますし、ピークアワーの時間帯や深夜料金など追加料金がかかります
ドライバーに「レシートをくれ」といえば、料金、ERP、その他、の明細が書かれて出てきますよ

タクシーでカジノの地下で降りる場合は入場料はかからないはずですが・・


私は普段自分で運転していますので、「あーあ、あと5分早ければERP払わなくて済んだのにー」などと舌打ちしてます


また以前にアーケードの両替商について書き込みさせていただきましたが、
ここは夕方6時でほとんどの両替商が閉まってしまいます

私はRWSはめったに行かなく、もっぱらMBSですので、次回は是非MBSでプレーしてみてくださいね

2011/09/18(Sun) 01:52madamada

皆様、コメントありがとうございます。
こんなに早くコメントが来るとは思わず・・・返事が遅れました。申し訳ありません。


中宝さん

 いつも早速のコメント、ありがとうございます。
 本当に参考になったでしょうか?・・・例によって〝主観たっぷり〟なので、私の言うことなど聞き流し、楽しんできてください。
 中宝さんは10月ですよね・・・いいなあ。私も行きたいです。タクシーバウチャーあるし(苦笑)

 ちなみに
>物価の高いと言われるシンガポールで
 ・・・ですが、正直、あまり「高い」という実感はなかったです。やはり円高の威力でしょうか。

>この滞在費の少なさは、さすがです
 ・・・すみません。現地滞在費という書き方、間違ってました。あくまでも「換金して使った金」でした。
 カード請求は、それなりに来てますので―――それでも一つ一つは、円高のお陰で安く感じています。シンガポール・スリングも、全然許容範囲でした(笑)
 では10月、楽しんで来て下さい。カジノも食べ歩きも、ご健闘をお祈りしています。




ジョニッパさん

 「野生の勘」とは、身に余るお褒めの言葉です。本当にチキンだっただけで・・・あ、野生のチキンということにしておきますか(笑)

 実質的に負けた連れは初シンガポールを心から満喫したようです。
 加えて、「あそこで止めておけば良かった」とか、後悔を一切、口にしないのが、私の敗北感を増大させています。
 あああああ! 悔しい~~~!
 次こそ、「本能で危険を察知した」と胸を張れる男になってきます! 乞うご期待!?



 
サイゴンサイゴンさん

 初めまして。テニアンBJトーナメント準優勝のサイゴンサイゴンさんからコメント戴けるとは・・・光栄です。
 
 RWSのポイント交換の件を追加させて戴くと――――――なんと『月餅 -moon cake-』にも換えられます!(多分、今だけ。チャイナタウンで〝月餅祭り?〟があったようです)
 確か22ポイントです。貰おうかとも思ったのですが・・・1個試食して、甘すぎだったので止めましたが・・・1F・人民食堂的フードコートの横の店で交換していました。
 
 因みにタクシー券の交換は、1階喫煙フロアに行く手前にある「メンバーズ・カウンター」の横のサービスBOXで出してくれます。・・・が、このサービスBOXは、深夜ほとんど人がいないので、横のメンバーズ・カウンターに声を掛けると手続きしてくれます。
 11ポイント⇒10ドルバウチャーです。乗車・支払いの際、お釣りが出ませんが、「釣りはいいよ」というと、タクシー運転手は大層、喜んでくれます。青いタクシー(コンフォート)は、街中でも簡単に捕まったので、とても便利でした。

>あのBJルールは苦手なのですが、
 ・・・私も、ノーホールの怖さを思い知らされました。親の2枚目が自分の後になると、あんなに疑心暗鬼になるのですね。BJはメンタルゲームだという事を、改めて痛感しました。
 でも、また行きたいです。サイゴンサイゴンさんも、是非!




junSPRさん

 ありがとうございます! そう云われれば、いつも+3ドルくらいでした。なるほど、そういう仕組みだったんですね。納得スッキリしました。

>また以前にアーケードの両替商について書き込みさせていただきましたが、
 ・・・「ネットで」などと記述してしまいまして、申し訳ありません。「リゾカジで見て」だったんですね。出発前にいろいろなサイトでシンガポール情報を読み漁っていたものですから・・・大変、失礼いたしました!
 次回は「アーケード」、必ず利用させて戴きます。場所も判ったことですし。

 それにしても、シンガポール在住なんて、羨ましい限りです。あんなに安くて美味しくて、人が優しい町、なかなか無いですよね。
 次回こそ、私はMBSにも行きたい――――――のですが、連れは完全にRWSしか眼中にないようで・・・・・・でも強引にでも連れて行きます!MBSの屋上プールにも行きたいですし!(あ、MBSに泊まっちゃえばいいのか・・・)
 ただMBSって、やはり泊まるとなると結構、不便ですよね?周りに何にも無いし。初日に行った時、帰りにタクシーを使おうと思ったら、タクシー乗り場の行列も凄かったし・・・。(あ、行列は好きなんですが、タクシーとかに並ぶのは好きじゃないんです・・・我侭ですね)
 う~ん、どうしよう・・・って、もう次回を考えてるっ!それくらい、シンガポールが好きになりました(笑)
 次に行く時も、何か伺うやもしれません。その折には、よろしくお願いします!


madamada

2011/09/20(Tue) 21:19マカオの帝王

madamadaさん 始めまして!

元祖、マカオの帝王です。

単に勝った、負けた、だけでなく、勝負の機微がこと細やかに表現されており、大変面白かったです。

帝王式“リゾ”も愉しまれたようで、何よりです。

それではまた!

2011/09/22(Thu) 21:15madamada

 マカオの帝王さん

 はじめまして!コメントありがとうございます。
 お断りもなく引用しましたのに恐縮でございます。
 もっとも私はちっとも“帝王式リゾ”を愉しんだ訳ではないのですが…
 (いつか、いつか愉しめる日を迎えたい)
 
 そして私の夢は、いつか“帝王式BJ”で戦う資金力を身につけることです!
 その折りは、またご報告させて戴きます。
 いつかマカオでお会いできる事を楽しみにして。

 madamada
 

2011/10/11(Tue) 20:20maracanajp

maracanajpです
先ほどコメントありがとうございました!!

ここにBJの痛いこと。。書いてありましたね!

また、リゾの部分でも大変役に立ちそうです
色々と食べてまいります!

カードでチップショッピングできるんですね!
これは、とても役に立ちそう。。

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