付録:ホールカードの違い
ホールカード(Hole Card)とは、ブラックジャックにおいてディーラーに配られる2枚目のカードのことをいう。カジノのルールによってはプレイヤーのアクションに入る前に、ホールカードとしてディーラーに予め2枚目のカードが配られるか、配られないかの違いがある。配られるルールは「ホールカード有り」と表現され、配られないルールは「ホールカード無し(No Hole Card)」と表現される。
たとえばラスベガスのカジノでは、ディーラーには予め2枚のカードが配られる。最初の1枚がアップカード(あるいはフェイスカード)と呼ばれ、数字が分かるように表向きにされる。そして2枚目のカードはホールカードとして伏せたままにされる。これが「ホールカード有り」のルールだ。
一方、「ホールカード無し」のルールは、ヨーロッパやオーストラリアなどが多い。その中でもヨーロッパの場合は「ヨーロピアン・ノーホール(European NH)」と呼ばれている。オーストラリアの場合は、「オーストラリアン・ノーホール(Australian NH)」と呼ばれていることもあるが、そのルールによって、OBO(=Original Bets Only)とOBBO(=Original Bets & Busted Bets Only)の2つに区別されている。
・ ホールカード有り
ラスベガス、韓国、マカオなど
・ ホールカード無し
1) ヨーロピアン・ノーホール(European NH)
主にヨーロッパ各地
2) オーストラリアン・ノーホール(Australian NH)、OBO、OBBO
オーストラリア、ニュージーランド、テニアン・ダンアステイなど
(※厳密にはテニアン・ダイナスティは少し特殊なルールとなっている。)
「ホールカード有り」であれば、ディーラーのアップカードがAもしくはTのときには、プレイヤーのアクションに入る前に「ディーラーがブラックジャックかどうか」の確認が行なわれる。このときディーラーがブラックジャックだった場合は、以後そのゲームのプレイヤーのアクションは行なわれず、その場で勝負が決まることになる。
これに対し「ホールカード無し」の場合は、全てのプレイヤーのアクションが終わってからディーラーの2枚目のカードが配られることになるので、プレイヤーがスプリットやダブルダウンなどのオプションでオリジナル・ベット(最初に掛けたベット)の何倍かになってしまうケースがある。
このようなケースにおいてディーラーのブラックジャックが後から判明した場合に、プレイヤーのオプションで増えてしまったベットまで没収されるか、没収されないかが大きな違いになってくる。
「全てのベットが没収される」のが「ヨーロピアン・ノーホール」で、これはプレイヤーにとって最も不利なルールである。また、ある条件のもとに最初に掛けたオリジナルのベットだけが没収されるルールが「オーストラリアン・ノーホール」のOBO(=Original Bets Only)とOBBO(=Original Bets & Busted Bets Only)である。オーストラリアン・ノーホールにおいては、OBBOの方がOBOよりもプレイヤーに不利となっている。
ホールカードの違いを比較すると、以下のように表すことができる。
プレイヤー不利の大きさ比較:
European NH>OBBO>OBO=Hole Card有り
どんなルールであれ、GAKUストラテジーにおいてはそのルールの正しいBSに従ってプレイするだけであり、それ以外にプレイ・スタイルを変更する必要はないことを書き添えておく。