GAKUストラテジー

ハウス・アドヴァンテージの理解

 現実をそのまま受け入れることは何事でも容易ではない。自分の思い通りにいかないことなど人生には山ほどあるだろう。ひとは自分の思い通りにいかない現実と対峙したとき、苦悩し、挫折し、ときに涙する。しかし、たとえそれがどんなに辛く悲しい現実でも、すべてを捨てて逃げ出したくなるほどの現実であったとしても、その後の人生を歩んでいかなければならない。そこから前を見てしっかり歩んでいけるかどうかは、ネガティヴなファクターを自らの手でポジティヴなエナジーへと昇華させられるかどうかにかかっている。そう、自らの意思でメンタル・コントロールできるかどうかだ。

 カジノという空間は一見華やかに見えるが、実際にはネガティヴ思考に陥ったひとで溢れている。言い換えれば、負けているひとが大多数だということだ。なぜなら、カジノはハウス・アドヴァンテージを持っているからだ。簡単に言えば、カジノが勝つようにできているということ。そうでなければ、カジノは事業として成り立たない。

 カジノ・ゲームにはプレイヤーにとって不利なルールが巧妙に組まれている。数学ができる賢いひとは、カジノゲームに一切手を出さないことが一番利口なのだとすぐに理解できるだろう。ところがそういうひとが逆に、カジノの魔力に取り憑かれることが多い。不思議なものだが、カジノとは理屈抜きにそれだけひとを惹き込むものなのだ。

 カジノの持つハウス・アドヴァンテージを、カジノ・ゲームのルールの中に組み込まれた、いわゆる「ハウス・エッジ(控除率)」だけと勘違いしているプレイヤーは、生涯トータルでハウス・エッジの理論値を遥かに超すマイナスを背負い込んでしまうことだろう。手厳しい話かもしれないが、これは紛れも無い事実だ。そこでまず大切なことは、ハウス・エッジ以外にカジノが持つ本当のハウス・アドヴァンテージを正しく理解することだ。

 カジノは表には見えないところでハウス・アドヴァンテージを持っている。しかもそれは、ハウス・エッジよりも遥かに大きなアドヴァンテージと言って良いだろう。細かいものまで含めれば様々なものが挙げられるが、ハウス・エッジ以外のハウス・アドヴァンテージで大きなものは以下のふたつと考えて良い。これらはどちらもプレイヤー自身の問題である。言い換えれば、プレイヤー自身の自覚とスキル次第で克服できる可能性がある。ただし、相当に困難なものであることは間違いない。

 ひとつは「マネー・プレッシャー」。

 カジノでベットするチップの価値は、絶対値ではなく常に相対的に考えなければならない。当然のことであるが、バンクロールが$1,000のプレイヤーにとっての$100チップと、$10,000のプレイヤーにとっての$100チップとは、その価値がまったく異なる。これは誰しも当たり前のように分かっているつもりでも、実はその本質を正しく理解するのは非常に難しい。またそれだけではなく、同じプレイヤーであってもそのときのプレイ成績や日常生活、メンタルの状態などで流動的に大きく変化することを理解しておきたい。

 たとえば、GAKUストラテジーにおいてそれを考えてみよう。通常の設定値でうまく勝ったからといって、それを2倍の設定値にしていれば勝ちも2倍になったかというとそう単純なものではない。理論上はそうでも、2倍の設定値はプレイ感覚をまるで別物にし、メンタル・コントロールを想像以上に困難にしてしまう。これも本質はマネー・プレッシャーによるものに他ならない。


■GAKUストラテジー通常設定値

* バイイン:$10,000
* 打たれ越しモード:$25
* 基本モード:$50-$100-$150
* ベットアップモード:$600-$1,000

■GAKUストラテジー2倍設定値

* バイイン:$20,000
* 打たれ越しモード:$50
* 基本モード:$100-$200-$300
* ベットアップモード:$1,200-$2,000

 

 そして、もうひとつは「バンクロールの破綻」。

 つまり、持参した資金がすっかりパンクしてしまうまでプレイし続けることだ。パンクとは負け切ることを意味する。「バンクロールの破綻」はロングランで考えると、ハウス・エッジの理論値を上回るほど負けることにつながる。

 カジノの収益がハウス・エッジの理論値を大きく上回っているという現実を考えれば、人生トータルにおいて理論値通りの負けで済んでいるプレイヤーは少数と言って良いだろう。カジノでは理論値通りに負けることすら難しいことで、多くのプレイヤーはそれを上回るほど負けているのが現実なのだ。

 たとえば、プレイヤ-A氏が毎日$1,000のバンクロールを持ってカジノに通ったとしよう。何十年もの間、毎日一日たりとも負け切らずに家に帰ることができたとき、プレイヤ-A氏の人生トータルはハウス・エッジの理論値に近い数字に収束する可能性が高くなる。つまり、理論値通りに負けるということだ。

 ところが、バンクロールの破綻を迎えるまでプレイした日が多くなれば多くなるほど、プレイヤーA氏は人生トータルでハウス・エッジの理論値を超えて負ける可能性が高くなっていく(その理由は後述する)。だとしたらこれを回避すれば良いのだが、決して容易いことではない。現実を想像してみてほしい。実際に$1,000のバンクロールをカジノに持っていって、$985の負けで潔く帰れるだろうか。プレイ開始直後に大きなマイナスを背負い、その後取り戻して$15プラスになったところで帰るプレイヤーはいるだろうが、前者はまずいない。大半のプレイヤーは、残りの$15を負け切ってバンクロールを破綻させるまでプレイすることになる。プレイヤーの心理とは全く奇妙なもので、$985負けているのだから$15を持って帰っても意味がないと考えることはあっても、$15が$1,000になる可能性はとても低いから止めて帰ろうと考えるプレイヤーはほとんどいない。

 ハウス・エッジが存在するカジノ・ゲームにおいて、ロングランで勝率を50%にするのは困難なことだ。しかし非現実的な話ではあるが、勝率を0%にしようと思えば誰にでもできる。毎回バンクロールを破綻させるまでプレイすれば良いだけのこと。これでいとも簡単にハウス・エッジを超えて負けることができる。

 バンクロールの破綻がどれだけプレイヤーに不利なのかを知っていて、それを永年にわたって回避し続けているプレイヤーは非常に稀だろう。しかしこれが出来ない限り、人生トータルでハウス・エッジの理論値を超えて負けることにつながる。人生トータルを向上させるには、残りの$15を握りしめて潔く帰る勇気が不可欠なのだ。

 プレイヤーが身の丈の範囲内で工面できるバンクロールは有限であり、対するカジノのそれは無限に等しい。この差が決定的なハウス・アドヴァンテージと言って良いだろう。このようにカジノの持つ本当のハウス・アドヴァンテージは、ハウス・エッジだけではない。まずこれを正しく理解し、その上でそれを乗り越えるための正しいメンタル・コントロールを身につけることが重要である。

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