ゲーム展開の特徴と考察
打たれ越しモード
打たれ越しモードはミニマムのフラットベットを続けるモードであり、完全に防御に徹するモードである。ブラックジャックに限らず、全てのカジノゲームは毎回勝ち続けることができない。しかし多くのプレイヤーは毎回勝とうとしてしまいがちだ。客観的に負けることを受容していないと、やがてメンタル・コントロールを失ってしまうことになる。
勝つときに如何に多くのチップをベットするかが大切だ。しかしその考えが先行してしまうと、どうしてもガードが甘くなってしまう。その結果、平均的にベットが上がってしまうと、攻めたつもりが逆にカウンターパンチを喰らうことになるものだ。
逆に、負けるべきときに如何に少ないチップをベットするかも大切である。ブラックジャックはそのゲーム性からバカラのように「見(ケン)」ができない。見するときは、席を立つときなのである。
ミニマムベットでの負けは歓迎すべきことだ。GAKUストラテジーでは、シューの開始からたとえ15連敗したとしても、そのすべてをミニマムベットでやり過ごすことができる。このようなシチュエーションは打たれ越しモードが最大限の役割を果たしている状態と言える。大連敗していても、むしろ歓迎すべきシチュエーションと考えることができるのだ。
ゲームは負け続けているのにそれを最少失点でやり過ごした事実は、メンタル・コントロールにおいて大きなプラス因子となる。大連敗という大きなマイナス因子をプラス因子としてポジティヴに捉えることができるという点で、打たれ越しモードはメンタル・コントロールに大きな役割を担っている。
また、ベットアップモードを外した後や基本モードでの3連敗を喫した後の打たれ越しモードは、メンタル・コントロールがぐらついた瞬間を冷静に戻す効果がある。
基本モード
1、基本モードは単調になりがちなプレイにメリハリを与え、集中力を維持することをその目的としている。
基本モードは3回1セットのゲームをルーティンとしてくり返していくものなので、その結果1ゲームごとの勝敗には自然とこだわらなくなる。「3回のうちに1回勝てば良い」という考え方になり、メンタルの余裕が生まれるからである。
また、連敗するとベットも上がるため、ときどきその適度な緊張感がメリハリを持たせてくれることになる。ひとの思考は麻痺しやすい。このメリハリは集中力を維持するために必要だと考える。
2、基本モードだけでは大勝ちはできない。また、それを狙うものではない。
1勝1敗もしくは1勝2敗ペースでのゲーム展開が続いたとすると、フラットベットに近いプレイ・スタイルではほとんどの場合、結果がプラスにならないだろう。しかしGAKUストラテジーにおける基本モードのプレイは、3連敗しないペースのときに少しずつチップが増えていくことになる。このようなペースは BJで比較的頻繁に起こりえるゲーム展開であり、基本モードのベットアップを3回までとしているのはここに理由がある。
ただし基本モードで順調にチップが増えていくと、そこに危険な「過信」が生まれることがある。これはGAKUストラテジーによるプレイ経験が浅いプレイヤーほど陥りやすい。ずっとこのままチップが増え続けるような錯覚が生まれてくるのである。
本来マーチンゲール法のようなダブルアップ戦術の類いは諸刃の刃であり、連敗を喫するとそれまでの勝ち分を一気に吐き出してしまうものだ。たまたま調子が良い状態が続いたとしても、やがて必ず3連敗以上の連敗を迎えるときがやってくる。
前述したように、基本モードでは「プレイにリズムとメリハリをつける」ことが目的である。たとえ基本モードで3連敗して手持ちのチップが減ったとしても、悔しく思う必要などまったくない。
3、基本モードにおける負けパターンの考察
1)単純に3連敗した場合は、ベットパターン3回分のチップが1度に失われる。
2)ベットパターン3回目のときに、ダブルダウンやスプリットでベットが倍以上になって負けるパターン。これは基本モードの中で一番大きなマイナスを喫する結果となる。
4、基本モードにおける勝ちパターンの考察
1)単純に基本モードで3連敗しないペースが続く場合は、じわじわとチップが増えていくことになる。1勝1敗や1勝2敗ペースが理想的な基本モードの勝ちパターンと言える。
2)基本モードの2回目や3回目のときにブラックジャック(配当3 to 2)が入ったり、ダブルダウンやスプリットが成功するパターン。これは一度に大きくチップが増えることになる。ただし、これは狙うものではない。基本モードの3回目でベットが大きくなったときには、それは決してチャンスではなく大きなリスクであると意識することが大切である。