GAKUストラテジー

メンタルコントロールのための指針

1.プラスには限界があることを常に意識する

 基本モードおよびベットアップモードともに高勝率をマークし、一気に大きなプラスを作った場合は、更なるプラスを目標にするのではなく、「いつ席を立つか」に意識をシフトすることが大切である。うまく次のベットアップモードで勝利することができれば、更なるプラスを作ることも可能だが、プラスには限界があることを常に意識しなければならない。

 ブラックジャックに限らず、カジノゲームでは毎回勝ち続けることはできない。当たり前のことだが、プラスのときに勝ち逃げすることが重要なのである。とくに短時間で大きなプラスを作ったときには、マイナスの波も早く訪れるものと意識すべきであろう。逆にマイナスには際限がない。バンクロールの破綻を迎えた時点でゲームセットなのである。

 このような話をすると大勝ちができない印象を受けるかもしれないが、決してそうではない。GAKUストラテジーでは、勝ち逃げしてプラスのセッションを重ねていくプレイ・スタイルが効果的なのである。セッションごとの勝ちは小さくても、トータルでは大きな勝ちになっているのが理想の展開だ。

 大きなプラスだったのが一気にマイナスになってしまうと、メンタル・コントロールを大きく乱す原因となる。マイナスの波を意識したら、たとえ1単位でも良いのでプラスのうちに躊躇なく席を立つことが大切だ。1単位でもプラスはプラス。冷静になって考えてみれば、マイナス30単位と比較したら間違いなく良い結果なのである。しかし、実際に席を立って冷静さを取り戻さないと、こんな当たり前のことが全く理解できなくなっていることが多い。

 大きなプラスの直後の大きなマイナスは、メンタル・コントロールを乱す大きな原因となる。そして、そのセッションの成績を必要以上に気にしてしまうと、視界が狭窄してその後のゲームにも悪影響してしまうものだ。

2.プラスの頂点を追い求めない

 ゲーム中に一旦大きなプラスを記録し、そこからじりじりとマイナスしてしまうと、無意識にそのプラスの頂点に戻そうと考えてしまいがちだ。しかし、プラスの頂点を追い求めてプレイするのは非常に危険な行為と言わざるを得ない。過ぎ去った途中経過をいつまでも引きずってはいけない。過去は絶対に戻らないのである。そんなことよりも現在進行中のプレイに集中するべきであり、それも上手くいかないときは、やはり1単位でもプラスのうちに席を立つことが大切だ。森巣博先生の言葉を拝借すると、「そのとき手元にあるチップだけが現実」なのである。これはどんなときでも間違いない。

3.プラスの目標額は設定できない

 プレイ結果はあくまでゲームの流れによるものだ。気持ちの中でプラスの目標値を設定してしまうと、そこに微かな無理が生じてしまうものである。それが結果的にメンタル・コントロールを乱してしまい、プレイに主観が入るリスクが高くなる。GAKUストラテジーでは流れが良ければ目標額を設定しなくても勝手にプラスに傾いていく。一旦プラスの流れに乗ったら「勝ち逃げ」のタイミングを図ることに意識をシフトすることが大切であり、それは決して目標額を設定するものではない。

4.勝ち逃げの目安を持つ

 「プラスの目標額は設定できない」ことは前述の通りだが、GAKUストラテジーのその特徴あるベット・マネージメントでは、勝ち逃げの目安を持つことが可能だ。この目安を超してプラスになった場合は、その後逆にマイナスの波が訪れる可能性が高いと意識した方が良いだろう。

 基本ベット1単位に対して、プラス10単位は勝ち、プラス20単位は十分な勝ち、プラス30単位以上は大勝ち、という目安で考えるのが適切だと考える。何度もくり返すが、とにかくプラスのうちにセッションを区切ることが大切だ。これはその時点の成績のことよりも、その後のメンタル・コントロールに影響するからに他ならない。

5、信じきることが自分を守る

 GAKUストラテジーは、どんなときでもそれを信じ切って貫き通すことをその根源としている。ひとのメンタルは本当に脆いもの。順調だと思っていても、ある瞬間を境に一瞬でメンタルは崩壊してしまう。万が一、メンタル・コントロールが崩壊しそうな逆境に対峙しても、そのベット・マネージメントを貫くことで、主観に頼った「無謀なベット」を避けることができる。

 「無謀なベットをしない」「ガードを甘くしない」私自身、今まで何度となく反省を繰り返して来たことだ。しかしこれらは深く反省したつもりでも、未だになぜか繰り返してしまう。頭では分かっているつもりでも、カジノの魔力(=メンタル・コントロールの崩壊)はそれほど強大なものなのだ。

 カジノは忍耐力が試される場であると同時に、精神修行の場であるとずっと思ってきた。しかし、メンタルを鍛えたり耐えようとするだけでは、そのコントロールは困難であると言わざるを得ない。元来、ひとは感情を持つ生物なのであり、メンタルは弱くて当たり前なのである。それなら耐えるよりも受け流す方が、メンタルに及ぼす影響が少ないのは明らかだ。

 良いときでも悪いときでも、ただひたすらGAKUストラテジーを信じ切って貫き通す。そうやって主観という感情を排除することが、カジノの魔力から自分を守ることにつながると考える。

6.自らの手でメンタル・コントロールを乱さない

  ある程度大きなベットを続けていて、ベットダウンした瞬間にブラックジャックが来て悔しがるプレイヤーをよく見かける。GAKUストラテジーにおいては、そのベット・マネージメントがシステム化されているので、このようなシチュエーションがあっても全く気にする必要はない。そもそも「ブラックジャックを狙って」プレイすることが目的ではないのである。

 たとえ打たれ越しモードのときにブラックジャックが来たとしても、そのゲームに勝ったのだから、そこで悔しがる必要は全くない。これは決して強がりではなく、ゲームに勝ったのだから素直に喜ぶべきなのである。勝って悔しがるという行為は、プラス因子をマイナス因子と捉えてしまうことであり、自らの手でメンタル・コントロールを乱していることに他ならない。

7.マイナスの因子をプラス因子と思い込む

 ブラックジャックをプレイしていると、どうしようもなく負け続けることがある(この場合の「負け続ける」とは、ゲームの勝敗数のこと)。負けのゲーム数が多いと誰でも嫌になり、「つまらない」という感情に支配されてくるものだ。そして何より手持ちのチップも減っていくことになる。

 ブラックジャックは引き分けを除外して考えると、勝敗数は47勝53敗のゲームだと言われている。つまりゲームの勝敗数では、もともと負けの数の方が多くて当たり前なのだ。連敗は多いのに連勝は少ないと感じるのは、そもそもそこに理由がある。

 たとえ10連敗したとしても、それを「ごく当たり前に起こること」として受け入れれば、焦ってメンタルを乱すことなど無くなる。こんな悪い流れのときに、勝負を焦って主観に頼ったベットアップをしてしまうと、それこそ大ヤケドすることになるだろう。

  GAKUストラテジーの場合は、たとえ10連敗したとしても、そのうち最低7敗分はミニマムベットで打たれ越すことになるシステムになっている。たとえシューの開始から15連敗を喫したとしても、それはすべて打たれ越しモードなのだ。大きな連敗であればあるほど、自動的に「ミニマムで打たれ越す」ことが多くなるのだから、こんなときは「悪い流れをしっかりと打たれ越した」ものとして、「チップは最小限のマイナスで済んで幸運だった」と考えることである。

 このように大連敗というマイナス因子をプラス因子とみなして思い込むことは、GAKUストラテジーにおけるメンタル・コントロールの基本である。

8.ひとが「壊れる」過程を理解する

 1回1回のゲーム結果を気にしてプレイに感情が入り続けると、ひとは疲れやがて精神的に自壊してしまう。どんなに精神的にタフなひとであっても、カジノという空間においてその精神力だけでメンタル・コントロールするのは非常に困難なことだ。もし仮にできたとしても、やはりいつか限界を迎えて自壊することになるだろう。

 他のプレイヤーを客観的に見ていると、はっきりとそれが分かるものだ。それまでタイトに打っていたプレイヤーが、突如として「壊れる」瞬間がやってくる。バイインに対しての1回当たりのベットの割合が大きくなり、それまで自制が効いていたベット・マネージメントが崩壊していく。こうなると、標準偏差の範囲内でごく当たり前に起こり得るマイナスの波に、バイインしたチップ量が耐えられなくなる。そしてその後も追加バイインを繰り返していくことになる。このようなシチュエーションは負の連鎖を作り出し、メンタル・コントロールの崩壊を招いていく。そして持参したバンクロールが全部無くなるまでこれを繰り返し、挙げ句の果てにはゲームテーブルとATMを何度も往復することになる。

 これはひとが「壊れる」過程の典型的な例である。プレイ中は第三者の眼で自分を客観的に監視して、この「壊れる」過程にハマり込んでいないかを自問自答することが重要である。

9.GAKUストラテジーがもたらす副産物

 ひとは「耐える」ことに限界がある。無理をして耐えつづけようとすると、前述のように「壊れる」危険性が生まれることになる。GAKUストラテジーが提唱するメンタル・コントロールは、最初から「耐えない」ことをその基本としている。耐えることなくそれを受け流すのだ。

「マイナスの因子をプラス因子と思い込む」手法で、悪い流れのときも「楽しい」と感じるようになれば、ブラックジャックの楽しみが広がっていくはずだ。また、このような感じ方ができるようになると、「壊れる」危険性を大きく低下させることができる。

 私は努力してこういう考え方を習得したのではない。GAKUストラテジーを徹底して、その特徴的なゲーム展開を何度も繰り返して経験しているうちに、ブラックジャックというゲームを自然とこのように捉えるようになったのだ。自分以外のGAKUスト・プレイヤーを見ていても分かるが、GAKUストラテジーでのプレイに経験を積んでいくと誰もがこうなっていく。

 いわばGAKUストラテジーのベット・マネージメント・システムが、「壊れないメンタル・コントロール」という副産物をもたらすと言える。

10.潔く席を立つ敗戦処理の大事な考え方

 運悪く大きなマイナスのセッションだった場合は、どんなに最悪の場合でも、ベットアップモードのベットパターン1セット(1回目--2回目の合計)分のチップがなくなったら、即座に席を立たなければならない。つまり、「基本ベット」を1単位として、12単位+20単位=32単位を割った場合である。
 32単位分を割るとGAKUストラテジーは成り立たない。このようなときに手元に残った端数のチップを使って、GAKUストラテジーから外れた適当なベットをすることは絶対にしてはいけない。これをしてしまうと、GAKUストラテジーのベット・マネージメントから逸脱するのはもちろんだが、自らのメンタル・コントロールを崩壊させることにしかならない。

 バイインを完全に無くすまでプレイせず、残った端数のチップを握りしめて潔くテーブルを立つことが、ロングランで考えたトータル成績に良い影響をもたらしてくれる。

 マイナスのセッションは必ずある。しかし、そのマイナスのセッションをゼロになるまで「負け切らない」ことが最も重要なのである。誰もが分かっているはずのことなのだが、これがなかなか簡単にはできないものだ。後から振り返るとマイナスのセッションを最少失点で切り抜けることが、トータル成績に大きく影響しているのは明らかなのである。

11.メンタル・コントロールが崩壊したときの再構築

 ブラックジャックでは、どうしても悪い流れが続くことがある。こんなときは仕方がないと諦めるしかない。大きなマイナスを背負った直後こそ、しっかりとメンタルをリセットすることが、GAKUストラテジーの神髄とも言えるメンタル・コントロールなのである。

 そのためにはまず一度カジノから離れ、部屋に戻ることだ。そして現在までのマイナス成績を客観的に整理し、「今回は負けの回」だと潔く受容することから始める。これは決して勝負を諦めるということではない。

 その後、現在までのマイナスの要因を思いつくままに箇条書きにしてみる。どんなに辛くてもこれを冷静に書き出せないようであれば、その後の復活はまずあり得ない。そのままカジノに戻れば、恐らくバンクロールを全て失うことになるだろう。

 大切なのはこのとき頭の中をプラス思考に切り替えられるかどうかだ。「今回は負けの回」だときちんと受容すれば、負け分の全てを取り戻す必要はなくなる。人生トータルにおいては、負けの回をいかに最少失点で乗り切るかが大切なのである。

 まず1回ほんの小さなプラスで良いから、プラスのセッションを作ることが大切だ。一度にマイナスを取り戻そうとして欲張らず、ほんの小さなプラスでも潔く席を立つことに全力を傾ける。たとえどんなに小さなプラスでもプラスはプラス。プラスの回はまた次のプラスを呼んでくれるものだ。これは数学的なものではなく、崩壊してしまったプレイヤーのメンタルを再構築することが一番の目的なのである。

 それまでのトータルで大きなマイナスがあると、どうしてもそれを追ってしまうものだ。しかし、勝つための基本はやはり勝ち逃げに尽きる。一度にマイナスを取り戻そうとすると、これはほとんどの場合失敗してしまう。今までの悪い流れの記憶が、勝ちパターンを忘れさせてしまっているのだ。

 でも大丈夫。こんなときはとにかく1回プラスのセッションを作れば良いのだ。そしてそれを繰り返すことで、勝ち方が自然と見えてくる。

 ボクシングにたとえれば、KOを狙わず、Hit & Awayでじっくりポイントを重ねるイメージである。カジノとの勝負は、最終ラウンドまでのトータルで判定勝ちに持ち込むしかない。カジノは絶対にKOできない強大な相手なのである。

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