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ブラックジャックにおけるホールカードの違いについて

ホールカード(Hole Card)とはディーラーに配られる2枚目のカードのことです。カジノのルールによっては、プレイヤーのアクションに入る前に、「Hole Card」としてディーラーに予め2枚目のカードが配られるか配られないかの違いがあります。配られるルールは「Hole Card有り」と表現できますし、配られない場合を「Hole Card無し」と表現できます。


 ラスベガスのカジノでは、プレイヤーのアクションに入る前に、ディーラーには予め2枚のカードが配られます。最初の1枚がアップカード(あるいはフェイスカード)と呼ばれて、数字が分かるように表向きにされます。そして2枚目のカードは、ホールカードとして伏せたままで配られます。これが「Hole Card有り」のルールです。


 その代表的な例として、まずはラスベガス・ストリップ地区標準ルールのBS(=BASIC STRATEGY/ベーシック・ストラテジー)チャートをご参照下さい。


■ストリップ標準ルールのBSチャート


 このPDFファイルをご参照下さい。ラスベガス・ストリップ地区のカジノで標準ルールと思われる3つのルールについてまとめたBSチャートです。



上から順に、

・6 Decks, H17, DA2, DAS, Late surrender

・6 Decks, S17, DA2, DAS, Late surrender

・2 Decks, S17, DA2, DAS, No surrender


 この中の真ん中のものが従来から「ストリップ標準ルール」といわれて来たものですが、最近は一番上のルールが「新ストリップ標準ルール」となってきていると思います。レートの低いテーブルではこれが多い傾向のようですね。BJのBSの話をするときは、この「ストリップ標準ルール」を基準にして考えると話がしやすいことが多いですので、よろしければご参考になさってください。くり返しますが、PDFファイルの真ん中のルールです。



 一方、「Hole Card無し」のルールはヨーロッパやオーストラリアなどが多いようです。その中でもヨーロッパの場合は「European NH」と呼ばれるルールになっています。オーストラリアの場合は、「Australian NH」と呼ばれていたり、ルールによってはOBO(=Original Bets Only)やOBBO(=Original Bets & Busted Bets Only)などと呼ばれていたりします。


・Hole Card有り

・Hole Card無し

 1)European NH

 2)Australian NH、OBO、OBBO



 「Hole Card有り」であれば、ディーラーのアップカードがAもしくはTのときには、プレイヤーのアクションに入る前に「ディーラーがブラックジャックかどうか」の確認が行なわれます。このときディーラーがブラックジャックだったら、プレイヤーのアクションは行なわれず、その場で勝負が決まります。


 でも「ホールカード無し」の場合は、プレイヤーのアクションが全て終わってからディーラーの2枚目が配られますから、プレイヤーがスプリットやダブルダウンなどのオプションでオリジナルのベット(最初に掛けたベット)の何倍かになってしまうケースもあります。そんなときにディーラーのブラックジャックが後から判明したら、そのオプションで増えてしまったベットまで「没収されるか、されないか」の違いが大きな問題となります。


 このような場合に「全てのベットが没収される」のが「European NH」で、これはプレイヤーにとってかなり不利になります。これに対し、オリジナルのベット(最初に掛けたベット)だけが没収されるルールが「Australian NH」と呼ばれていたりOBO(=Original Bets Only)と呼ばれていたりします。なお、一部のカジノでは、OBBO(=Original Bets & Busted Bets Only)というルールもあるようですが、僕の知る限りのオーストラリアのルールは前者のOBOです。言うまでもなくOBBOの方がOBOよりもプレイヤーに若干不利です。比較すると以下のような感じでしょうか。


プレイヤー不利の大きさ比較:European NH>OBBO>OBO=Hole Card有り


■Australian NH(OBO)について



これはAustralian NHのBSチャートです。


■European NHのBSについて


その名の通りヨーロッパのカジノで多いルールです。このBSチャートを見てくださるとお分かりになると思いますが、ディーラーアップカードTに対しての88のペアは「スプリット」ではなく「ヒット」だったりと、「ストリップ標準ルールのBS」とは大分違っていることがお分かりになると思います。

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