リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人の旅打ち日記⑭ カジノ「バート・ヴィシィ」

* ヨーロッパ 2013/ 04/ 10 Written by 独逸の旅打賭け人

コメント( 2)

 2013年3月2日 カジノ「バート・ヴィシィ」

 「Bad Wiessee」という名の温泉町がミュンヘンの南方の湖の湖畔にあり、ここにカジノがあることは30年位前から知っていたが、地図で調べてもよくわからなかったので今まで行ったことはなく、今回の旅打ちで初めて訪れることにした。
 もともと、オーストリアのザルツブルグの南方が湖水地方と呼ばれ、多くの湖が点在しているように、ドイツのミュンヘンの東方や南方には大小の湖が多い。北海を除いて海に面していないドイツは、湖はまさに海の代わり。夏はもちろんのこと、冬もウインタースポーツにと四季を通じて、多くの人たちがリゾート地として訪れている。

 まず、「Bad Wiessee」の読み方がよくわからない。正しくは、「バート・ヴィシィ」と読むのだそうだが、ドイツ語は一般的にローマ字読みで読めばいいので割合簡単なのだが、この地名の読み方は難しい。
 そして肝心のその場所なのだが、トマス・クックの時刻表を見てもこの地名は出ていないし、このカジノを運営する『バイエルン・カジノ会社』のホームページを見ても、近くの自動車道路の案内が出ているだけで、鉄道で行く方法は書いていない。ドイツ鉄道のホームページの案内で、やっとその名を見つけることが出来た。やはり、鉄道はなく近くの駅からバスに乗り換えるようである。「テゲルン・ズィ(湖)」と呼ばれる湖の湖畔にある町で、近くの「ゲムンデ」の鉄道駅から、「バート・ヴィシィ」行きのバスが出ているらしい。

 この町はそれほど大きくはないようだが、カジノが町のどのあたりにあるかもよくわからないまま、ミュンヘン中央駅から鉄道で行くことにした。
 ミュンヘン中央駅は国際列車からSバーンと呼ばれる近郊電車まで、各地に向かう列車が発着するドイツでも有数のマンモス駅。「テゲルン・ズィ」行きの電車は、たくさんあるプラットホームの端の端、34番線に停まっていたが、DBというドイツ鉄道のマークではなく、BOBというマークが付いた新型の洒落たディーゼル車両。それも、行き先が3ヵ所表示されているので、3組のユニット型の車両が連結されて、途中で切り離されてそれぞれの目的地に向かうようである。
 一番後ろのユニットが「テゲルン・ズィ」行きなので、これに乗り込む。途中で他の2組のユニット車両を切り離しながら、およそ1時間で「ゲムンデ」駅に到着。
 途中の検札で、このBOBは私鉄なので持っていたレールパスは使えないから切符を買えと言われたが、ミュンヘン中央駅を発着しているし、途中までは同じ線路を近郊電車のSバーンも走行しているので、納得できずに中年女性の車掌によく聞いてみると、Sバーンが併走している途中駅まではドイツ鉄道、それ以遠がBOBの私鉄扱いになるとのこと。1等のレイルパスを持っているにもかかわらず、しっかり払わされてしまった。
 「ゲムンデ」駅では数台のバスが乗降客を待っていた。どうやら列車の到着に合わせ、パスが連絡しているようである。「バート・ヴィシィ」行きのバス見つけて、「スピール・バンク(カジノ)」と言ってみると、片道か往復かと聞かれたので、どうやらカジノの前にバス停があるようだ。

 やっと辿り着いたカジノは、湖畔に建つ近代的な大きな建物。15時がオープンなのだが、余裕をみて少し早く来たのでまだ40分ほど時間があるが、とりあえず建物に入ることにした。入り口の回転ドアを入ると広い空間にレセプション。
 どうやら、レセプションの奥がマシンゲームのプレイルーム、広い階段で上がる2階がテープルゲームのプレイルームになっているらしい。時間前なので2階には上がれず、1階のロビーで時間をつぶす。この間に何人もの初老の男たちが三々五々集まってきているが、いずれも目が鋭い。どうも、田舎のカジノの和気あいあいとは違う雰囲気であり、油断が出来ない。ドレスコードも一応あって、ジャケットの着用が必要。

 10分前に会場に入れてくれた。広い大部屋には、ビッグテーブルが3台、クイックテーブルが5台、それにカードテーブルが5台配されている。その内のビッグテーブルとクイックテーブルの各1台がクルーピエが付いて準備が完了している。ビッグテーブルにはこの時間にもかかわらず、クルーピエが3人付くというオーソドックスな本格的なスタイル。

 早速、クイックテーブルで台付属のカラーチップを10ユーロと指定して、500ユーロ両替。
 ところが、賭け人が賭け盤にチップを置いても、どちらの台もクルーピエがウィールを廻さない。どうやら、正確な開始時間の15時ちょうどを待っているらしい。ふつうは多少時間前でも、ピットボスが携帯で電話して(カジノのマネージャーか立会いの州の税務官に許可を得ているのだろう)始めてしまうのだが、賭け人の目つきといい、時間の正確性といい、なかなか侮れないカジノかも知れない。

オープン時には30人近い賭け人が集まっていた。

ウィール1投からの出目は、
[9-15-27-17-21-1-16-34-35]
 ケイ線的にはバラバラだが、唯一、K(クライン…盤面の中心の数字26の反対側の12数字のゾーン)からOr(オフラン…26から3時と9時の方向の合計8数字のゾーン)、そしてG(グロース…26を中心にして左右8数字ずつの合計17数字のゾーン)の方向に出目が流れている位が読み取れる。

 ここから、参戦。(カッコ内の数字は配当のチップの枚数)
-35-2-29-27-17-13-7
信じられないことに、1投も取れずに最初の500を失う。1投1投、目を読みながら慎重に賭けているのだが、全てで裏目に出ているのだ。
-35-32-16(35)-27(17)-18-18
 16だけは取れたものの、本線で狙った数字ではなく、これは押さえの数字。それにしても当たらない。外れている時に限って、18などはリピート。当たっている時のリピートはありがたいが、外れている時には傷を深めるだけ。ここでも500を失う。
-5-14-10-25-25-36(17)-12(17)-3-19-29
 とにかく、どんなにあがいてもダメ。このような時にはいくら続けても無駄なので、最後として500を投入する。
-11-21(17)-14-25(17)-31(17)-14(35)-10-5
 ここで、見事に2000を失った。完敗ではあるのだが、何となく釈然としない負け方。手も足も出ずに、ジワジワと毟り取られてしまって、ただ茫然としている感じ。

 2000といえば、10ユーロチップで200枚。それなりに読み込んで賭けて、数字に当たったのは僅か2回。同じ数字に何も考えずに200回賭け続ければ、少なくても5、6回は当たるはず。それを下回っているのだからねもう論外。これでは賭けとは言えない。筆者の長いカジノ人生の中でも間違いなく、最悪の日。こんな田舎まで苦労して辿り着いてのこの体たらく、トホホである。

 戦績は思い出したくもないが、マイナス2000ユーロ。ティップは2枚、20ユーロ。
入場してから1時間半の不名誉な撤退である。

 ちょうど、1時間に1本の「ゲムンデ」行きのバスがあと5分で来る時間。急いでカジノを出たら、ちょうどパスが来た。時刻表の予定時間より2分も早い。時間に合わせて来た乗客はどうなるのだろうか。

 さあ、明日は今回のバイエルン地方の旅打ちの最後のカジノ「バート・キッシンゲン」。今日の地獄の流れが吹っ切れるかどうか、不安がよぎる。


このReportへのコメント(全 2件)

2013/05/18(Sat) 17:10

GAKU

>独逸の旅打賭け人さん:

いつも詳細なドイツ・カジノのレポートをどうもありがとうございます(^_^)!

カジノ人生最悪の日でもマイナス2000ユーロ、しかも1時間半で撤退できるところに独逸の旅打賭け人さんの「強さ」があるのですね。その立ち振る舞いは、勝つことより難しいと思います。たいへん勉強になりました。


2013/05/18(Sat) 18:00

独逸の旅打賭け人

GAKUさん

おほめいただいて、恐縮です。この日の状況では、マイナス1000あたりで退場するべきだったのです。初めての訪問で、苦労して辿り着いただけに、何とかと思ったのが傷を深くしてしまいました。この辺りは明らかに修行不足です。この翌日の「バート・キッシンゲン」での撤退は満足いくものだったと思っています。


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