リゾカジ カジノレポート

独逸カジノ賭け人の旅打ち日記30 カジノ「ヴィースバーデン」

* ヨーロッパ 2014/ 05/ 16 Written by 独逸の旅打賭け人

コメント( 2)

 2014年4月14日 カジノ「ヴィースバーデン」

 いよいよ、今日はドイツカジノ旅打ち30ヵ所の最終回。攻めるのは、これも極めて歴史的なカジノ、カジノ「ヴィースバーデン」である。このカジノはドストエフスキーの『賭博者』の舞台となった所として余りにも有名。
筆者にとっても、このカジノはアーヘンに次いで、2番目に訪れたカジノなのであって最も印象の深いカジノのひとつ。90年頃までは、フランクフルトに所用で出かけた折には、フランクフルト市内には泊まらずに、ここヴィースバーデンを定宿にしていたことから、割と頻繁に訪れたものであった。
95年頃までは、戦績も良く相性のいいカジノだったのだが、その後、老獪なクルーピエにあしらわれる事が多くなって、隣町のマインツのカジノに行くようになった。移転前のマインツのカジノはライン川沿いのヒルトンホテルの隣のライン・ゴールドホールにあって、窓からは夜になると上り下りの川舟が夜景を楽しませてくれたものであった。賭け人も少なく、カジノのスタッフも親切だったので、ここに通い続け、ヴィースバーデンのカジノにはほとんど顔を出さなくなってしまったのである。

 ヴィースバーデンはライン川の右岸にあたり、ラインワインの主たる産地であり、近くにはワインの町としてよく知られるリューデスハイムが控えている。ヴィースバーデンを定宿にしていた頃は、旧市街には、そこここにいいワイン酒場があったが、ここ20年ほどでそのほとんどが廃業してしまったようである。旧市庁舎(驚くほど小さい建物)の地下のワインセラーだけは老夫婦によって今も営業されている。
ビールに関しては、ただ一つのヴリューパブがあった。「ヴィースバーデナー・ラーツブロイ」というその名の通り、自家製ビールを飲ませる新市庁舎地下のビアレストランである。ヘルとドゥンクルの2種のビールだったが、作りたての味はなかなかのもので、筆者もよく通ったものであった。過去形にしたのは、ここも廃業してしまい、地下のビアレストランはその内装のまま、バイエルンの修道院醸造所「アンデッシャス・ビール」のレストランになってしまった。

アンデッシャスも元々は、バイエルン地方の中心都市ミュンヘンを中心にビアレストランを展開していたが、最近は積極的にバイエルン地方以外にも店舗を展開している。何種類ものビールを提供しているが、どのビールもバイエルンらしい納得できる味わい。筆者はここでも、ヴァイスビールを頼むのを常としている。
今日の昼食は、このビアレストランで食べた。春先のヨーロッパの味覚といえば、何と言ってもスパーゲル(ホワイト・アスパラガス)。春の陽を浴びて、太くすくすく育ったその味を楽しむのは、ドイツ人の春の季節行事。今日は、そのスパーゲルをふんだんに使ったスパーゲルスープ。メインはバイエルン料理として名高い、ローストした豚肉の厚切り。ちょっと付いている皮のカリカリさが何とも味わい深い。一緒についてくるコールスローサラダも旨い。ビールは勿論、アンデッシャスのヴァイスビール。
 
 

 食後、カジノのオープンまでに時間があるので、世界でも珍しいといわれるエコ・ケーブルカーに乗って、町北部の高台に上がってみることにした。「ネロベルグのケーブルカー」と呼ばれるこのケーブルカーは電気も石油も使っていない。索条でつながれた2台のケーブルカーが上下するのだが、使うのは「水」。
まず、上の駅に着いたケーブルカーのタンクに水が注入される。その水の重さを利用して、そのケーブルカーは自然に線路を下る。一方、下の駅に着いたもう1台のケーブルカーからは、この水が全て抜かれる。軽くなったケーブルカーは、つながっている上のケーブルカーの重さで引っ張りあげられるという簡単な仕組み。下の駅で吐き出した水は、上の駅に戻されてリサイクルされているとの事。ただ、下のケーブルカーだけに大勢の人が乗りすぎると、上の水の重さだけでは引っ張りきれず、何人かの人に降りてもらうこともあるそうだ。今回の乗客は、平日のこともあり筆者1人だけだったので、問題なく上り下りが出来た。エコの国ドイツらしい仕組みには感心した。


 ケーブルカー乗り場から急いで戻って、カジノに入場したのが、15時10分。オープンしているのは、1台だけで3番台のビッグテーブル。昨日のカジノ「バート・ホムブルグ」でもビッグテーブルで手痛い目にあったので、ビッグテーブルは避けたいところだが、クイックテーブルは開ける様子がないので、致し方なくこの1番台に着く。15時以前から稼動させていたのか、すでに14投が電光表示盤に表示されている。

[16-20-6-34-33-17-36-25-18-13-26-28-10-22]
20からは3投Orが続き、Kの33が出た後、またOrの17に戻っている。33もOrの1の隣の数字なので、オープン直後はOrのツラといっていい展開。その後、Gが出始め、それも△に寄っている。Kはバラバラに出ている状態。

[一般的に、ヨーロピアンルーレットの盤面は3つのゾーンに分けて捉えられている。盤面の中心数字は0ではなく、左隣の26であるが、この26と左右8数字ずつの合計17数字のゾーンをG(グロース)、Gの反対側の12数字のゾーンをK(クライン)、GとKに挟まれた左右合計8数字のゾーンをOr(オフラン)と名付けられている。筆者は、Gを26を中心にして左右3数字ずつの合計7数字のゾーンを0/3(ゼロ・スピール)、その外側のOrとの間の左右合計10数字を△の記号で表わして別途に捉え、盤面全体を4つのゾーンとして捉えている]

台付属のカラーチップを10ユーロと指定して、50枚受け取る。その間にウィールが廻った。

出た目は、
-36
直近では、Gそれも△が強張っているので、Gの大目、それも△に戻るだろうと読んで、25、28、29を2枚ずつ、それに0/3を4枚で押さえる。

出た目は、
-27
外れて、Kが続いた。次こそGに戻るだろう。1列の小目と2、3、12と0/3のゾーンに4枚。

出た目は、
-13 
Gには戻らず、Kが続いた。

ここで、大変な失策をしたことに気付く。遅れて入場したことが祟って、14投目の22まで、1回ずつの出目を自分の目で見ていなかった。そのため、入場後第1投の36を単にGからの流れであって、必然的にGに戻ると読んでしまった。もし、1投ずつ見ていれば、この36はGからKに流れるきっかけの出目と見たはずである。そうなれば、次は27/30、33/36に各2枚、24、27、30、36に各1枚、さらに36ツボツボの間の数字、11と13にも押さえをし、Kのゾーンに6枚置いたはず。
そうすれば、27の出目で86枚、同じ賭け方を続けて、次の13で52枚。と、なったはず。エコ・ケーブルカーなどに乗って、面白がっていたことが裏目に出てしまった。

次の目は、
-13-33
と、Kが続いた。もし、最初から対応していれば、リピートの13では104枚、次の33でも51枚取れたはず。

実際は、誤った見方のもとに賭け続けたので、ここで最初の500を失う。

-9-21
と、2投外したが、次はKに戻るはず。カッコ内の数字は当たった時の配当のチップの枚数。

-33(52)-23(52)
続く2投は読みどおり。

-7(17)-22(17)-1(17)
読みの誤りのショツクが残って、K以外は大きく賭けられないので、当たっても増えない。

-28-32-10-10
4投落として、再度の500の投入。

-22-3(34)-26-24(17)-12-20
どうにも、酷い状態が続く。この時、隣のビッグテーブルが稼動始めたのだが、動くに動けず。

-18(35)-30-33
この2投のKを落とすなぞ・・・

-31(34)-21
ここでも、500の投入。

-5-34(35)-19-29-34(17)-26-4-20(52)-32(52)
やっと、Or-0/3の流れで取れた。

-20
このOrの20を外すとは、我ながら情けない。

-4(70)-14(122)
やっと、当りらしい当りが。しかし、遅すぎた。

-18(17)-35-18-22-8-34
流れに乗れたかと思ったのもつかの間。5投外してしまった。ここでも、500の投入。

-32-16(35)-23(70)-15-18-2(17)-15-14(35)-25-21-34(17)
慎重に賭けているのだが、酷い状態。

-30(35)-10(52)-12-17
この17は取れなければおかしいのだが・・・

-32-26-26(35)-19(17)-25-25(70)-13-31
ここで、最後の500。トータルで3000を注ぎ込んだことになる。

-12(17)-12(69)-28(35)-24-23(17)

12のリピートは運良く取れたものの、どうやっても流れに乗れず、一向にチップが増えない。
どうも、いつものようにゾーンと列、目の併用したやり方では、今日は出目が読みきれないようである。最終戦でこのまま敗退するのは、何としても避けたい。ただ、このままズルズルと資金を投入し続けるのは、愚の骨頂で、最後の最後で最悪の事態になりかねない。

そこで、アウトサイドだけで勝負してみようと思い至った。もともと、筆者は初期の頃はアウトサイドだけに賭けていて、数字を追うことはしていなかった。それでも、アウトサイドを段取りの手法を活用して攻めることで、結構な戦績を上げていたことを思い出したのだ。なお、この手法は今回の旅打ちでは全く使用していない。
もともと、ヨーロピアンルーレットでは、数字を追うよりもアウトサイドだけで勝負する方が圧倒的に有利なのである。2倍に賭ける赤・黒、奇数・偶数、前半・後半では、0が出た場合に総取りにはならず、賭けたチップは牢屋に入って一段下がり、次に当該の目が出れば、牢屋に入っていたチップは生き返る。外れた場合のみ、そこで初めて取られるのである。すなわち、ほぼ半分(もう一度0が出ることもある)が、ハウス側に取られることになる。最近は、0が出た場合は、賭けたチップの半分だけを賭け人に返して、それで終わりにしてしまうカジノも増えた。
列と目に賭けた場合は、0が出れば総取りになるが、0のほかに00もあるアメリカンルーレットとでは、このハウスエッジは雲泥の差なのである。
1列・2列・3列、小目・中目・大目では、当たれば3倍になる。もう一度当たれば9倍、さらにもう一度で27倍、がんばってもう一度なら、何と81倍。1万円最初に賭けて、4回当たり続ければ、81万円になるのである。置き張りにしなくても、4回あたり続ければ可能なのである。筆者も、さすがに81倍までは辛抱できなかったが、27倍は結構ある。
下手に数字を追うよりも安定しているのだが、いかんせん、単純だけに面白くない。それに意外と心臓に悪い。ゾーンや数字を追わないと、ヨーロピアンルーレットの醍醐味が味わえないことが解かったので、今はまったくやらなくなってしまった。

最後に、アウトサイドの段取りで真剣に勝負したのはいつだっただろうと、思い起こしてみると、20年位前のマインツのカジノだった事を思い出した。当時はまだ、ドイツマルクの時代でマインツのカジノも移転前で、頻繁に通っていた。ある日、相当に負けて、しぶしぶ帰ろうと思ってポケットを探ってみると、10マルクと5マルクのチップが1枚ずつ残っていた。いつも、20マルクチップを使用していたので、この15マルクは単位未満株ならぬ単位未満チップ。負けが込んで日本円からドイツマルクに、ここのカジノのキャッシャーで両替した時に、端数として受け取ったものだった。単位未満チップでは賭けようもないのだが、いまさらキャッシャーで僅か15マルク現金にするのもカッコが悪い。使ってしまおうと思って、ずっと負け続けていたクイックテーブルの後ろで稼動していたビッグテーブルに向かった。

電光表示盤で過去の出目を見たら、次は中目、後半という読みが固く出来たので、後半に10マルクチップ、19~24の6数字に5マルクチップを置いてみた。捨てるつもりで賭けているので、当たれなどと思う事無く、まったくの無心で賭けた。ところが、出た目は23。両方のチップに配当が付いて、合計で50マルクが戻ってきた。
そして、出目表に合わせて10投ほどアウトサイドに無心で賭け続けるうちに、嘘のようだが、何とトータルで1800マルクを越えてしまったのである。元金のゆうに100倍以上だから、これは大きい。欲も何もなく無心で賭け続けたのが良かったのだろう。
その1800マルクを現金化して、ビールでも飲みに行けばよかったのだが、ここで押さえていた欲が一挙に吹き出て、大負けしたクイックテーブルに戻って、再挑戦をしてしまった。良くしたもので、無論、30分ほどで全てを失ってしまった。その時から、今日まで真剣にアウトサイドに賭けることはしていなかったのである。


初投からの出目表を仔細に検討して、今日は小目が「死に目」に近くなっていることに気付いた。小目は1枚目の出目表では4回、2枚目では6回、3枚目では5回、4枚目では、ここまでの12投の内、2回。1枚の出目表には25投記録できるので、平均すれば8回出て当たり前。それが直近の4枚目で、「死に目」と見れる数しか出ていないので、この小目を見切って勝負してみようと考えた。

手持ちのチップが30枚余りあるので、次は大目に注目して、大目に20枚、中目に10枚置いてみる。24-23と続いたので、中目の方が出そうだが、その前の大目2回、中目1回、大目2回という流れから、中目は2回で終わって、大目に戻ると読んだ。

出た目は、
-34
大目である。大目の配当は40枚付いて、掛け金と合わせ、60枚となった。
次は、中目に40枚、大目に20枚置く。
全部を本線で狙う中目に賭けずに、2:1の比率で置くところが、この戦法の肝である。

出た目は、
-22
中目である。配当は80枚で、掛け金とも120枚となった。
[この時、もし、大目が出れば、行って来いで60枚が戻るはず。要するに、この1戦はなかったことになるので、これは一つの保険を掛ける意味合いになっている。換言すれば、この手法は、「死に目」と「狙った本線」のどちらに来るかの勝負なのである。当然、50%ずつの当たり比率にはなりえないので、掛け人にとっては極めて有利な手法といえる。
一般的には、賭けるチップを1:1で「死に目」以外の2つに賭けることがよく行われているが、これでは、4回続けて当たっても当初の賭けた金額の5倍強にしかならない。途中で「死に目」が出てしまう可能性を考えれば、賢い賭け方とはいえないのである]

次は、34の大目の前が2投中目なので、もう1投中目と読んで、中目に80枚、大目に40枚置く。

出た目は、
-23
狙ったとおり、中目。配当は160枚。掛け金とも240枚になる。(実際には配当は10ユーロチップではなく、1000ユーロや500ユーロの札チップで付けられている)
出目表から、次は大目と読む。ここで2400の内、半分の1200を引き上げて、大目に80枚、中目に40枚置く。

出た目は、
-33
やはり、大目が出た。配当は先ほどと同様。掛け金とも240枚が戻る。
この後は、出るとすれば中目だが、そろそろ流れが変わりそうなので、240枚の内、30枚だけを中目に置く。

出た目は、
-16
かろうじて、狙ったとおり。掛け金とも90枚が戻る。
負け分は取り返せたし、この辺で間違いなく流れが変わるだろう。
ここで、終了とした。

賭けずに見ていると、出た目は、
-11
思ったとおり、流れが変わった。しばらくは小目が続くかもしれないが、すでに最終戦は終わった。


 戦績は、3000の投入部分を差し引いて、プラスの1280ユーロ。ティップは26枚、260ユーロ。最後のアウトサイドの段取りでは、1枚もティップを渡していないことが少ない枚数で済ませたことにつながった。アウトサイドの有利な点は、いくら勝っても基本的にティップを渡さずに済むことである。

 今日までの3日間の戦績を総括すると、トータルではプラスの1500ユーロ。これから3日間の旅打ち費用600ユーロを差し引いて、900ユーロが浮いたことになる。渡したティップの合計は、1250ユーロであるから、浮いた分よりティップの方が多くなってしまったことになる。
30ヵ所のカジノでは、20勝10敗。まあ、こんなものであろう。
 
 カジノから出ると、まだ18時過ぎということもあって太陽がまぶしい。
定宿のあるマインツに戻って、いつものビアレストランで1人で祝杯を挙げることにしよう。それにしても、アウトサイドの段取りがうまくいって助かった。オープン時に入場していれば、27-13が取れて、違った展開になっていたのだろうが、一目の読みがその後を大きく変えてしまうことが、ルーレットの怖さでもあり、面白さであることを再認識して、完敗ならぬ乾杯としよう。
" プローズィット! "
 


このReportへのコメント(全 2件)

2014/05/20(Tue) 17:55

YBM

独逸の賭け人さん

ドイツのカジノ紀行、カジノがある街々の様子も見て取れて最後まで楽しませていただきました。数字の調子が良くないときは違う視点でアウトサイドは有効ですね。本当にいろいろと参考になりました。ありがとうございます。


2014/05/21(Wed) 01:19

独逸の旅打賭け人

YBM さん

アウトサイドは往年のドイツカジノ全盛期には専門に大きく賭けるハイローラーが結構いました。当時は電卓がなかったので、手回しの計算機を持ちこんで、何人かで組んで賭けていたものです。2倍しか狙っていないようでしたが、リミット一杯の1万マルクを賭けて、3回賭けて確実に2回取るというやり方で稼いでいました。最近はそのような賭け人の姿は見かけなくなりました。
ツラを狙って置き張りにして、4回位までは我慢が出来るのですが、5回、6回となると、心臓に悪いのです。賭けとして見るなら、ヨーロッパルーレットの究極の醍醐味はアウトサイドなのかもしれません。何といっても、ティップが必要がない所は大きいのです。


コメントの投稿

投稿するにはログインが必要です。
会員登録がお済でない方は≫コチラ

PASS: