リゾカジ カジノレポート

ポーカートーナメント(優勝)

* サイパン・テニアン 2006/ 03/ 10 Written by BJ

コメント( 3)

BJです。はじめて、テニアンダイナスティポーカートーナーメントに参加しました。まず、結果から・・「優勝」です。(^0^)/

これは一重にリゾカジポーカーオフ幹事のMITさん、ビックさんの初心者講習会、そして諸先輩皆様のご指導のおかげです。もちろん、テニアンでのリゾカジさんをはじめとしてリゾカジ仲間皆様のお力で優勝できました。心より、リゾカジ仲間の皆様、VIPサービスの皆様、応援して頂いた皆様にお礼申し上げます。さて、レポートです。
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 テニアンに到着して、10Kプログラムに参加するつもりでデポしようとした。いつも通りワクワクしながらTCをキャッシャーへもって行った。しかし、「米ドルのTCでのデポはOKだが、豪ドルTCでのデポはNG」と言われた。事前に豪ドルのデポができるかは確認していたが、実は豪ドルTCはNGであった。つまり、豪ドルの場合キャッシュのみデポを受け付けるとの事だった。ショックだ。リゾカジ10Kプログラムにある航空券代の600ドルが戻ってこない。もう-600ドルの負けを食らった気分だ。そもそも豪ドルTCのデポができるか確認しなかった自分が間抜けなのだが・・ちきしょうぅぅ。GAKUさんがテニアンのリゾカジオフ会へ参加すると聞いてから、BJが無性にやりたくなっていた。だから、時間のかかるポーカートーナメントに参加しないで10Kに参加する方針でいたのだ。でも、10Kをしたくても資金不足でできなくなった。そこでトーナメントに力を入れることに、いや、入れざる得なくなったのだ。これが後に優勝という最高の結果を生むことになるが、この時は悔しさで心はいっぱいであった。世の中のどこに運があるか、本当にわからないものだ。。


 ポーカートーナメントの始まる時間になったが、実はまだホテルの自分の部屋にいた。しかも、トイレの中だ。そこで、色々深く考えていた。ポーカーは確率論である。いや、ギャンブルは確率で勝負するべきである。だから、できる限り期待値のよい種目で勝負するべきである。俺は日本でパチンコも競馬もやらない。期待値が低すぎるからだ。しかしだ。ことポーカーに限ってはゲーム性が高く、熟練者がやっぱり強い。マージャンと似たようなものだ。俺はポーカーの知識をほとんど持ち合わせない。リアルマネーでまともに勝負したのは過去に2回あるだけ。1回目は、ベガスで開かれたオフ会用ポーカーで仲間内のものだった。もう一回は、オンラインカジノだ。つまり、本当の意味でのリアルな勝負は初めてである。こんな俺が100戦練磨の熟練者と勝負して勝てる訳がない。カモがネギ背負っていくだけだ。どうしよう・・・。う~ん、う~ん、うぅポトン!。出た・・失礼。そうだ、俺は初心者だ。だから楽しもう。ただし、ただでは転ばない。勝負は刺し違えるつもりでいく。そうだ、自爆テロ的に攻めよう。どんな優秀なプレイヤーがいても自爆テロは何よりも恐ろしいはずだ。でも「自爆テロ」という合言葉は、俺の宗教感的に嫌だ。そこで、自分の中では「伸るか反るか」にしよう。自分の部屋を出て会場に向かった。(トーナメントに遅刻するほど、リゾカジ10Kプログラムに入れなかった俺は落胆していた)

 テーブルについたのは、スタートの20時をすでに10分以上が過ぎていた。ちょうど1ゲームが終わったところだろうか。どうやら遅刻したのは俺だけのようだ。着席すると同時に25/50のビックブラインドが回ってきた。最初に配られたカードは、異なるマークで8とJだった。5人くらいがコールした。レイズは無かった。多少知識のある人は俺のJ8oの場合、「降りるのが正解だ」と言うだろう。俺もそう思った。最初の持ち点は3000点だ。場には、5人×50点=250点だ。これをスティールするにはリスクがあり過ぎる。でも、俺はフロップ前に最初のハンドで「オールイン」と言うつもりだった。さっきトイレの中で決めいていた。俺は言うぞ。オプションで自分の順番がきた。良し、深呼吸をして、「ォ~~っこぉ、コール・・」と言っていた。ビビった。情け無い。フロップの3枚が出された。もう何のカードが出たのか記憶に無いのだが、自分のJ8oとは何もヒットしなかったのは確かだ。フロップが出されて最初の発声を求められた。先ほどの時間差なのか、なぜか俺は「オールイン」と言ってしまった。馬鹿だ。大馬鹿だ。なぜプリフロップに言わなかったのだ。着席3分で、参加費の350ドルを捨てることになりそうだ。クソ!!もう飛びか。部屋でクソなんかしなければ良かったのか。ポーカーに参加しなければよかったのか。なんて考えていた。でも、相手に動揺した心を読まれないように平静を装ってみた。そこで鼻歌を歌った。確か「メーリーさんの羊」だ。俺はテンパって歌を探すと、子供の頃の童謡を思い出すらしい。そんな事を他所に、みんなはいきなりのオールインに、少し面食らっていたようだ。二人くらいは真剣にコールするか悩んだが、結局全員が降りた。やった、約250点得した・・・うれしい。

 そう、この時分かった事がある。チャンスが一度しかないトーナメントでは、皆自分が可愛いのだ。飛ぶ可能性もあるそんな勝負は基本的にしたくないのだ。例えば、ライブだと60%勝てる勝負だとわかれば、誰もがオールインにコールするだろう。しかし、トーナメントではそうならないのだ。なぜなら、40%で負けるからだ。仮に60%で勝てる勝負でも、3回続けてオールインをしたら、3回目を勝ち残れている可能性約20%なのだ。多分、先にオールインされると、なかなかこのオールインに対してコールができない。サバイバルトーナメントでは、これは非常に重要なポイントだ。少なくても、俺はそう確信した。

 この仮説を確かめるべく、次の次の手でプリフロップオールインをしてみた。みんな降りた。やっぱり、そうそうオールインコールなんてしたく無いのだ。何度か繰り返していると、すぐ手持ち4000点くらいにすぐなった。えへへ。やった。この自爆テロ・・いやいや「伸る反る」作戦で行けば、素人の俺でも勝てそうだ。だって、俺のオールインを受ける為には、相手はチップ量的に必然オールインとなる。ぐへへ♪、と思いきや、やっぱ玄人は騙せないようだ。フロップ後にやった俺のオールイン対して、コールで狙ってきた男がいた。フロップは、A,7,4だ。そして彼はA4oでツーペア確定でのコールだった。俺はAKoだった。俺はAがHITしている1ペアだけだった。「やべ~」と思ったが、運良くリバーで7が落ちて、お互い2ペアとなり、なんと俺Kキッカーで勝てた。フロップで俺より良い手だったのに、チップが無くなった彼はとても悔しそうに席をたった。それを見ていたみんなは、チップが増えた俺のオールイン攻撃に、さらに萎縮しているように見えた。つまり、コールしづらくなったようだ。ぐひひ♪、すでにさっきの勝負に勝って8000点くらいの手持ちがあった。だから、俺のオールインにコールで受けられて仮に負けても、最低でも3000点くらいは残る。まだ俺は戦える。しかし、コールした人はそれなりの確率で飛ぶ。だからさらに慎重になる。俺がベットする時は皆へオールインを要求するようなビックベットで迫った。皆逃げる。そして、俺が儲かる。金持ちプレーが身についてきた。これを沢山利用しまくった。たまに1000点を切る人たちがコールしてきた。半々くらいで勝ち負けだったが、負けてもその額は痛いほどではない。数回の金持ちプレーですぐ戻せる。だから、適度にオールインをし続けた。

 プレイヤーが保守的になるこの感覚はリアルマネーの勝負であるからであり、かつサバイバルトーナメント特有のものだろう。プレーマネーではすぐコールされて負ける事もあるだろうし、リアルのライブだと完璧にカモにされる。つまり本来なら俺が大負けするはずである。これは火を見るより明らかだ。しかし、今回は違う。マネープレッシャーをかけ続けると皆降りる。そして、みんなは俺に嫌悪感を持ちはじめたようだ。感情をむき出しにして睨む人もいた。

 少し話しはそれるが、元来俺は人に嫌われることが多く、自分の魅力の無さが悲しかった。しかしだ。そんな自分の性格が、ここでは大きな武器となった。イヤがられることにかけては、まるで天才だ。でも、全然嬉しくない才能だ。嬉しくなくてもポーカートーナメントには役にたった。このトーナメントは俺のためにあるとさえ思えた。今回もこの天賦の才を惜しみなく披露して、散々みんなに嫌われるプレーをした。もれもなく、みんなに嫌われた。そしたら、当日の前半戦で既にファイナルに行ける気がしていた。

 また、才能とまではいかないが、人の癖を見抜くこと、仕草から感情を読み取たりすること、さらには自分の感情を偽装することが基本的に得意だ。少なくても自分ではそう思っている。何故なら幼少の頃よりこれを鍛えられたからだ。俺は5人兄弟でしかも真ん中だ。上に二人、下に二人いる。その中で相手の感情を先読みして、これに対応すべく自分の感情を偽装し、他の兄弟よりも如何に有利に事を進めて物や権利を手に入れかをよく考えていた。可愛くないガキだった。それに我が家は非常に貧乏だった。普段から飯も玩具も奪い合いだ。生きるためだ。だからこそ、自分の主張を意地でも通したかった。貧乏と一言で書いたが、多分リゾカジの皆様が想像できない貧乏さだ。ちなみにテレビが我が家に置かれたのは小学校3年生の時だ。しかも白黒だ。カラーは確か小学校5、6年生くらいだったろう。あの時は「これがカラーテレビか!、あ、アカレンジャーは赤色か!」と感動をしたのを覚えている。そんな生活環境の中で身につけた・・というか、そういう技術をつけざるをえなかったのだ。話がそれた。こころして話を戻す・・・森○先生風・・すいません(笑)。

 初日の一番の思い出はデカイ白人との勝負だ。やつはtagamanさんを運で飛ばしたのだ。俺のオールイン作戦を途中から真似してきたやつだ。「ブラフのビックベット作戦」を用いる。そのブラフを見事見抜いたtagamanさんであったが、リバーで相手のカードが落ちて、運だけで散った。tagamanさんは席を立つとき、「誰かあいつをやっつけてくれ」と言った。俺は心に誓った。俺がやる。初日も後半にさしかかり、tagamanさんを飛ばした事もあり、やつが14000点くらいでチップリーダーに躍り出た。そしてマネープレッシャーをかけまくっていた。まるで俺だ。自分を棚に上げて言うが、やつは友達がいないはずだ、本当に嫌なやつだ。すぐビックベットをする。だがやつの手はブラフである事が多い。それはみえみえだった。彼がブラフの時はそわそわしている。特にチップを片手で回す回数が増えるようだ。多分みんなは、自分では無い誰かが、やつを落としてくれと思っていたはずだ。ちなみに、俺もそう思っていた。

 俺の持ち点は約10000点くらいだった。勝負時がきた。俺のハンドは確かAJsのダイヤだった。フロップがでた。A,10,3だ。Aはハートで、10と3がダイヤだ。後一枚ダイヤが落ちればフラッシュだ。最悪でもAのハイペアだ。やつがベットした。俺はやつに脅しをかけるため3倍レイズをした。他はみんな降りた。そして、やつは「コール」だった。ターンは確かスペードのKだ。もし次にQが落ちれば俺はストレートが完成だ。よし、さらに勝てる可能性が高くなったと俺は思った。やつは、ベットした。俺はやつを降ろさせる為に、3倍レイズした。すると彼は少し考え「オールイン」といいやがった。どうも相手はストレートだと主張しているようだ。でもそれはまず無いと俺は確信していた。多分、A5oとかだろう。ゆっくり考えた。順当によめばあの表情からは一見3カードで、実はツーペア程度に見える。俺が完成する予定のフラッシュかストレートで勝てるはずだ。自分のハンドはストレートかフラッシュになる確率は低いが、なぜか馬鹿な確信が俺にはあった。でも考えた。確立論的にみると、残りカードは46枚、この中でフラッシュになるのは9枚、ストレートになるのは4枚、そして、ダイヤのQはダブりだから合わせて12枚だ。12/46で約25%だ。大きな問題として、俺の方の点が少ないのだ。コールするとショートでのオールインになってしまう。だから負けたら終わりだ。ストレートでもフラッシュでもいい。それが落ちたらAを持つ俺が強いはずだ。相手を見た。笑顔を送ってみた。笑わない。やつは視線をそらした。俺はやつが俺のオールインという発生を嫌がっているとみた。俺に降りてほしいと思っているようだ。多分「ブラフ」、「3カード」、「ツーペア」の三択だ。しかし、彼がブラフを使う時にする癖である片手チップ回しをあまりしない。とすると、2ペアか3カードなどそこそこの手ができていることになる。やっぱ降りよう・・・。と思った。しかし、ふと頭をよぎった。やつは俺がここで降りると読んでのオールインと言った気がした。もし、これでやつがブラフで俺が降りたとすると、俺はやつに一生勝てない気がした。とにかく、やつの予測どおり動くのはもっとも嫌な事だ。よし、ここが今回の大一番勝負として、クソして決めた「伸る反る」でいく。

 俺は「オールイン」と言った。彼は自信なさそうにカードをオープンした。「あ・・・」、スペードのAとクラブの10を持っていた。つまり、場にはAh,10d,3d,Ksなので、Aと10でツーペア確定だ。俺のハンドである両方ともダイヤであるAJをオープンした。相手はほっとして鼻で笑ったように見えた。そう、俺はあと1枚で、ダイヤでフラッシュ or Qでストレート or JでAJのツーペア、KでAKのツーペアのJキッカー、これを作って逆転するしか無いのだ。このままでは負ける。勝てる確率は17/44だから40%弱ってところか。やつはポケットペアでの3カードを恐れていたようだ。最後の1枚が落ちるときにやつは「ノークイーン、ノークイーン・・・」と呪文のよう唱え始めた。最後の1枚は、5が落ちた。やつは右手でガッツポーズをした。俺は「よっし!」と言った。落ちたのは、赤だ。ダイヤだ。つまり、俺のハンドはフラッシュだ。相手はAと10のツーペア。俺の勝ちだ。やつは、まだフラッシュである事に気づいていない。チップが俺のところにきた。そこで気づいたようだ。やつは馬鹿だ・・失礼。でも、このオールインをした俺はもっと馬鹿だ。馬鹿さ度合いでも俺の勝ちだ。その後、まだやつは4000点くらい残っているはずだが、落胆振りはすごいものがあった。えへへ。

 その後は俺のハンドの良し悪しに関わらず3~4回に1回は、フロップが落ちる前に3千くらいをレイズする。比較的ポジションが良い時と削りたい人がいる時に狙った。ブラインドが100/200くらいだと、手持ち皆5000~10000点前後のみんなは先にコールしていても99%降りる。オールインになるのが目に見えるからだ。この人たちは黙ってケンカをしなければ明日の決勝にいける訳だ。だから、ちょっとやそっとハンドでは完全に飛び込んでこられなくなったのだ・・ぐへへへへ。今、飛び込んでくるのは、1~3000点くらいの人たち。やつを落として2万を超えた俺は数千ドルをとられても痛くない。だから、ちびっ子は無視。1万を超えている人をターゲットにビックベットで削った。できる限り削った。すると皆ベットすらしなくなる。自分にAKやKKなど良いハンドがくると、数百点のみのレイズやコールをする。するとフロップを見るチャンスと思ってか数人がコールしてくる。そして、その次にビックベットをする。ここで大方降りるが、中途半端にハイペアができた人等が勝負を挑んでくる。そして、沢山吐き出させて勝つ。そうすると、さらにハッタリビックベットがきまる。最高だ。デカイ白人との勝負以降は、伸るか反るかの勝負は無かった。中堅どころをできる限り削って初日が終わった。20人が翌日の大会に残るのだが、俺は29600点ででチップリーダーとなった。これはおそらく全体のチップ量が約150000点なので、約20%を確保したことになる。

 二日目のはじめは1~2万点以上の人に狙いを定めた。仮に俺が1万オーバーの人にオールインコールされて負けても、俺は半分程度残るが、相手は必然的にオールインとなり負ければ飛ぶ訳だ。黙っていればもうすぐ賞金を貰えるのにだ。だから初日の状態よりさらに飛びたくない気持ちは強いはずだ。だから、自分の手が悪くても、彼らがブラインドの時は、圧倒的なチップの差を見せつけて、できる限り削りにいった。すぐ3000点とか5000点をベットした。フロップが落ちて、何も当たっていなくても一切引かなかった。コールはしない。相手が少々レイズしようものなら、さらにレイズした。俺が降りたのは、相手が先にオールインした場合と5000点前後の相手だけ。結果、俺のレイズに皆降りた。というか必然的に降りしかなかったのだ。作戦成功だ。3000点以下の人が時々オールインを仕掛けてくる。稀には俺も受けたが、自分が飛ばない相手であるためか、多くは1万点以上の人が受けていた。そして、俺の代わりに飛ばしてくれる。その後、俺に搾取される。どっかの社会構造と一緒だ。うへへ♪

 人の対決を見ていると、その癖が見えてくる。これが結構重要だ。例えばショーダウンされてハッタリをした人がいた場合、その人の仕草を思い返す。そして、その仕草を癖と仮説をたてる。それを何度も観察する。また、手堅い人か、強気な人かなども同様に仕草と性格を理解する。すると不思議・・・インザマネーが近づくころには、俺の思い込みかもしないが、癖や性格がさらに明らかになって見えてくる。そんな中、自分に良いハンドがくると、コールとかで相手を誘ってみた。そして、相手を焦らして、苛立たせて、嫌われて、そして削った。多くの人が自分の演技に騙された。正直、二日目は自分の中で「伸るか反るか」の大勝負はほとんど無かった。もちろん、圧倒的なチップ量差で自分が不利な時は相手を降ろさせた事も大きかったが、ショーダウンまでいく勝負は悪くて五分五分で、大方自分有利でするように心がけたからもある。

 一番怖かったのは、これだけのチップをもって、入賞できないことだ。だから、少なくてもリゾカジメンバーが沢山入賞してほしいと思っていた。できる限り、仲間以外を飛ばした。といっても、自分のハンドに手が入れば、リゾカジメンバー同士の戦いもあった。これが正直、とても辛かった。勝つ為といっても、友人同士の戦いだ。ことギャンブルに関しては負けん気の強い性格である上、誰であっても俺は絶対に負けたくない。それがたとえ友人であってもだ。あらゆる技を駆使し、全身全霊をかけて勝ちにいってしまう。だから、非常に疲れた。プレーマネーでさえ、笑って負けられないのに、リアルマネーだとなおさらだ。

 最後の6人になると、膠着状態が続いた。後一人飛べばインザマネーだからだ。実はこの辺から、疲れてあまり記憶が無い。いいシーンが続くはずなのだが・・・・。

 あけみんさんが3位確定で飛んだ。俺と韓国人のおじさんとの1:1勝負となった。彼(おじさん)は強かった。俺のチップ約120000点、おじさんのチップは30000点。1/4くらいだ。しかし、うまく俺を降ろさせた。やられた。やっぱ差しの勝負は、熟練者の勝ちか。俺が少しレイズすると、相手はオールインをしてくる。俺が降りる。すると、おじさんは「AJ」とハンドをわざと見せたりする。俺は降りてよかったと思う反面、弱気になっていく。すると、不思議、降り癖がつく。本当に良いハンドが自分に入っても、すぐバレ、彼に降りられてしまう。じわじわとチップを削られた。小一時間もしたら、チップ量的には、6:4くらいまで迫ってきた。この熟年者にチップの量で逆転されたら、素人の俺に勝つ術は残っていない。ブラインドも、2000/4000となってきたので、これだけでも削られる。長期戦になればなるほど相手に有利だ。自分も疲れてきた。2位でも約4500ドルの賞金だ。賞金的には2位でも十分だ。が、GAKUさんの言葉を思い出した。「リゾカジとしてBJさんが優勝しないと駄目だよ。」つまり、リゾポカなどでみんなから教わり育てていただき、それを優勝で報いるべきだということだ。そして、これは賞金の大きさではなくて、リゾカジから優勝者を出すことが俺の使命なのだと思い直した。

切れていた集中力を取り戻した。そして、考えた。確率計算も、チップの上げ下げでも、相手のハンドの読みも、全て相手が上だ。相手と互角に勝負できるのは三十数年鍛えた相手感情の洞察力と自己感情の偽装演技だけだ。もちろん、この相手の癖を懸命に探そうとした。多少なり仮説は立てられたが、罠かもしれないと感じて確信にいたらないのだ。逆に俺の性格を読まれた。そして俺のハンドまで読まれていた。そこで、読まれていることを逆手にとって表情や会話で相手との駆け引きをしてみた。最悪でも俺はジャンケン勝負に持ち込みたかった。フロップが落ちる前にオールイン対決にしたかった。優勝が見えて打ちまわし方もせこくなっていたが、やっと初心に返った。「伸るか反るか」だ。つまり、当初の「オールイン」作戦に出た。プリフロップに「オールイン」といった。相手はびっくりしていた。今まではお互いフロップをみてからのどちらかがオールインをしていたからだ。自分のハンドはクラブ67sだった。悩んだあげく相手は降りた。俺はハンドを見えるように捨てると、相手は苦笑いした。数ハンド後、フロップが出てから、俺はオールインをした。ハンドはQJで確か、Jが当たっていた。でも場にはKが出ていたと思う。相手は前回よりさらに悩んだ。結局降りた。相手視線を感じつつ一瞬「にやっ」と笑って、ハンドを見せずに捨てた。俺は彼に話しかけた。「俺のハンドはQJだったよ。あなたは何だったの?降りて正解だったの?」。そしたら苦笑いをしていて、明確な返答はくれなかった。そして、数分した時にまた、俺の三回目の「オールイン」をした。プリフロップだった。自分のハンドは、ダイヤAとハート2だ。オールイン後、初めて相手と目を合わさなかった。焦点があっていない視界の中で、相手が俺を見ているのだけは分かった。少しビビっているように両手をテーブルから、ひざに下ろして伏目がちにした。なぜかカメカメハ大王の歌を口ずさんでいた。数分後(俺には10分くらいに感じた)、彼は「オールイン」と言った。偽装演技にひっかかったようだ。お互いハンドオープンにした。彼のカードは、JTsだった。俺は心で勝ったと思った。あたり勝負でもあるものの、何も当たらなければ俺の勝ちだ。アナウンサーがカジノ内に放送する「お互いオールインだ。最後の勝負か・・等」観客が集まってきた。フロップはどちらもヒットなし。リバーの1枚目でAが落ちた。あ、あたった。2枚目も落とされた。お互い何もあたらず。俺が勝った。え?、俺が勝ったの?、え?、え、え~本当?・・、優勝賞金の7080ドルを得た。

 しばらくして、ふと気づいたが、この賞金で生涯のカジノ成績がプラスになった。昨年のGAKUストで負けをかなり戻していたので、今回の賞金を追加すると、15万円ほど生涯で浮いていることになる。とてもこれが嬉しくなった。実はこの事実の方が優勝より嬉しかった。約10年カジノをつづけて、プラスなれるとは思ってもみなかった。今後、マイナスにならないようにしよう。優勝後すぐに嫁へ電話した。第一声は、「え、優勝なの?怖いよ」そして、「そんなところで大事な運を使うな・・」とのこと。さらに、「しばらくは、まず健康と、事故に気をつけなさい」とも言っていた。有頂天になっていた俺は素面にもどり、この金は平場に使わず持ち帰ろうと心に決めた。なぜか嫁に惚れ直した♪

追伸

 自分のハンドやプレーは曖昧な記憶のまま書いているので間違っていてもお流しください。実は自分のハンドも、相手のハンドも正確には覚えていないのです(汗)。だけど、画像記憶として、自分の頭に鮮明に覚えているものがあります。それは俺に飛ばされた人たちの表情です。悔しい気持ちを一杯に抱えて、去っていく。ファイナルテーブルになると引きつった笑顔で握手してくれ、たまにgood-luckとか言われました。この時、強い感情が伝わって、飛ばしたほぼ全員の表情を覚えてしまいました。そして、心が痛かった。

最後に自分が実践した今回の戦略を参考までに書いてみる。
・ポジションが良い時の自ハンドは相手に読まれないように順番が来るまで見ない。
・メンバーで強そうと思う人を感じとる。
・直感的に自分と相性が良いか悪いかを感じ取る。
・強そうで相性の良いと思う人をターゲットにして、全力で削る。
・勝負時は、飛び覚悟でビックベットorオールインを相手より先にする
・絶対的なチップ量によるプレッシャーをかける。
・基本降りない人間だと相手に思わせる。
・原則コールはしない。するならレイズ。
・レイズする時は、自分が最強と思い込む。
・自信がある時だけに相手を騙すためコールやチェックをする。
・嫌がられるようなプレーをし、戦いたくない相手というイメージを相手に伝える。

以上です。

ポーカー経験がほとんど無い私が優勝できたのだから、リゾポカで鍛えれば、そう、あなたも優勝できるはずです♪


このReportへのコメント(全 3件)

2006/03/13(Mon) 00:00

ザキ

おめでとうございます
祝勝会は?


2006/03/16(Thu) 00:00

無量大数

優勝おめでとうございます、やまかんです。
ご兄弟を沢山作ってくださったご両親に感謝ですね。
私も3人兄弟の末で、いてもいなくてもよゐ子でした。BJさんに同じ匂いを感じ親近感がわきます、しかし自慢出来る程私の方が嫌な奴ですけど(笑。

幼い頃から上の姉、兄の行動をしっかり観察して親から叱られた事がありません。
家では「はい、お母様、お父様」外では「者ども、うるさい!」と暴君でとても嫌な子供でした(笑。
おかげさまで成長後には、思いっきり社会で苛められました。
その上、私と生涯一緒にいたいと願う両親のおむつ介護で腰痛症になりました(泣。

兄弟は大切です、今でも姉と兄に大感謝しています。
今後は更に皆に嫌われるいじめっこポーカーに精進しましょ、WSOPもご一緒に行きたいです!


2006/03/17(Fri) 00:00

shine

ザキさん、やまかんさん、こんにちは。

レスありがとうございます。本当に皆様のご指導があって勝利できたと思っています。ただ、読み返すと、駄文ですね・・恥ずかしい。特に誤字脱字がところどころにありすぎて、恥ずかしい限りです。

ps
祝勝会はありません・・公私とも、忙しすぎです。


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