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投稿者:マカオの帝王さん

2024年6月4日

帝王の帰還(その③)【GWグランドリスボアパレス公式オフ会】

■ 2024年4月28日(日)

朝になり目が覚める。

いつもなら、軽く一打ち……だったが、本日は11:50にグランド・リスボア・パレスのロビーに集合し、このホテル内の “The Grand Buffet(自助山)”でのリゾカジ公式オフ会である。

『朝からバカラのローリングを始めて、中途半端になり、水面下でオフ会に参加しても、テンションが下がるだけだ。今なら雀の涙だが、バカラもポーカーも共に+5千$と浮いている……、なので本日の勝負はオフ会終了後!』

取り敢えず、“本日のゲームプラン” が決まる。

ロビーに集合後、会場のBuffetに一同移動する。

海鮮? と言えるか微妙だったが、寿司もどきや貝、海老等に醤油とワサビを付けて食べると、何となく日本風。

同席のメンバーとバカラ談義に盛り上がる。

『そういえば、最近はポーカーの話をすることは有っても、誰かとバカラの話をすることは、ほとんど無かった……、もしかすると、令和になって初めてかもしれない……』

リゾカジのスタッフが集合写真を何枚か撮り、これにて公式オフ会は終了となる。

5万HK$のローリングは終わっているが、ここからはローリングする毎に、「1.1%」のキャッシュバックが有る、とのことなので、取り敢えず持参した、新札じゃない千$札30枚をローリング用のチップと交換する。

座るのは昨日と同じく、3台あるコミッション台の中で、誰もプレイしていない、一番右端の台。

イチローじゃないけど、紙の罫線記録用紙、おしぼり、爪楊枝立て、ペットボトル、をルーティンとして卓上に出す。

ベット額は様子見で2千$。

いつものように、オールバンカーの一人旅だったが、特段、連勝も連敗も無く、ややバンカーが優勢で推移し、結局バンカーの26勝、プレイヤーの21勝、引き分けが5回で、本線の勝負で+8千$、これに加え1.1%のキャッシュバック? とやらが数百$貯まった状態で終了となる。

『ここまではOK! 控室でコーヒーと軽食でも頼み、少し休憩するとしよう……』

店仕舞いし、控室で小休憩を取る。

『令和初! のマカオでのバカラだが、ここまでは楽勝だ……、円安で1HK$が20円なのも、勝っているうちは問題無い。ここまでで約40万円の勝ち! この調子なら、リンのチェックもOKで、又夏にマカオ遠征だ!』

休憩終了、再び3万$をローリング用のチップと交換し、同じ台に座る。

ルーティン再開。

P:8、B:7・・・負け

P:9、B:6・・・負け

P:4、B:0・・・負け

P:9、B:0・・・負け

口切りから4連敗で、今日の勝ち分が溶けた。

P:6、B:6・・・引き分け

P:4、B:0・・・負け

P:9、B:2・・・負け

引き分けを挟み6連敗で、昨日のバカラの雀の涙の勝ち分(5千$)も溶けた。

『何だこれは! 連敗、しかも殆どが “絵にならない” 負け方で、絞っても面白味がゼロだ! これはもしかすると……』

脳内が、どす黒い “妄想モード” に突入する。

※ 以下、時計の針を10分前に引き戻す……







ディーラーが黒服に報告する。

「ボス! 昨日と同じく、全勝負バンカーにベットする、例の日本人が同じ卓に座り、今日もここまで勝ち越しています。どうしましょう?」

黒服が口を開く。

「どうと言われても、今回のプログラムは、たったの5万$で、この上葡京2泊+送迎&食事会という、こちらとしては赤字の内容なので、僅かでも勝ち越されては困る……、仕方がない、バンカー野郎を殺すのに刃物はいらない、プレイヤー面のシューターをぶつければそれまで! こんなこともあろうかと、プレイヤーが全勝負の70%勝つよう、予めセットしてある、“P70” のシューターと交換だ!」

「いきなり “P70” ですか! それだと余りに露骨すぎませんか? プレイヤーの勝率が60%前後となる、“P60” 位で良いのでは?」

「甘い! お前はまだ若いから知らないのだろうが、この35年間、あの日本仔に、我々リスボアグループがどれだけ痛い目に合わされたことか! その黒歴史に、今日ここで終止符を打つのだ! ここで会ったが100年目、このグランドリスボアパレスを、奴の墓場にしてやる!」

「私にはディーラーとしての経験しか有りませんが、タイやペアに張って一攫千金を狙う客は真っ先に消えます。次に消えるのはコミッションを惜しんで、6半の台でバンカーに張る客と、プレイヤー中心に張る客です。確かに、コミッション台で、全てバンカーに張れば、控除率は一番低くなります。けど、あの日本人が手品師でも無い限り、配られた牌が変わるはず無いのだから、長期的に勝ち越すなど、不可能なのでは?」

「確かにその通りだ。しかし、これはピットボスをしていた私の父親から聞いた話だが、奴が全盛期の頃、1990年代だ、普通はバンカーの勝率は約50.7%なので、これだと控除率がものを言い、ハウスが勝つのだが、奴が自分自身で絞った場合は引き分けを除き、100回中、52~54回は勝利していたそうだ! つまり奴は100回の内、2~3回だが牌を捻じ曲げ、負けを引き分け、若しくは勝ちに持って行ったことになる。そんな馬鹿な! そう思うのは当然だ。当時子供だった私もそう思った。けど、コロナで消えたと思っていた奴は生きていた! それも昔と同じように……、ポーカールームからも、昨夜奴が現れ、僅かだが勝利した、との報告が有った。奴は危険だ、今のうちに息の根を止めておかねばならない!」

「我明白了(分かりました)」とディーラーが答え、周囲に悟られないように、素早くシューターを交換しながら、頭に浮かんだ疑問点を口にする。

「しかし、この部屋にはバカラは6台有るのですよ? 奴が他の5台のどれかに座ったら、それまでじゃないですか?」

「その心配は不要だ! 私は奴のことを良く知っている。奴は6半の台ではプレイしない。又、他の日本人仲間と一緒にプレイすることも殆ど無い。今3台有るコミッション台の内、左端と中央では、“リゾカジ” とかいう日本人のお目出たい集団が和気藹々とプレイ中だ。そして、右端の台は誰も座っていない。博奕打ちという輩は、余程のことが無い限り、勝っている内は同じ台でプレイしたがるものだ……、ほら! 奴が休憩室を出て こっちに向かってくる……、私の言った通りだろう、さぁ! “P70” の恐怖を奴にとことん味合わせてやれ!」

そう言い残し、黒服は奥のモニター室に消えた。

※ “妄想モード” 終了

その後も、プレイヤーの優勢は続いた。

はっと気が付くと、バンカーの15勝、プレイヤーの34勝! 引き分けが6回で、オフ会終了後、休憩前の+8千$(昨日からのバカラのトータル:+1.3万$)から、3万$のマイナス(バカラのトータル:-1.7万$)となっていた。

3千$をバンカーにベットする。

ハウス・プレイヤーは2+2=4点

対するバンカーは♧A、♧A!

プレイヤーの3枚目は絵札。

これによりハウスは4点で確定。

『ポーカーなら最強のAA、しかもスーツ? だ! これが2ポケに負けるのか……』

絞りにかかるが、何やら妙なモジャモジャが見える……

『これは♠Aだな……、AAがセットになって、2ポケに負ける……、どうやらプレイするゲームを間違えていたようだ。このバカらしいバカラはここまで! 部屋に戻り、風呂でも浴びて、ビールを飲み、昼寝してポーカーで仕切り直しだ!』

この “バンカー地獄” を辛うじて生き延びた5千$チップ1枚を握りしめ、店仕舞いとする。

部屋に戻り、風呂に入り、ビールを飲み、ベッドで眠る。

3時間後、目が覚める。

金庫から、新札3万$を取り出す。

昨日と同じ、ポーカー(50$-100$)のキャッシュ卓に座る。バイインは昨日と同じ1万5千$。

(これで、残りの新札は20枚となる)

ハンドはと言うと、A8、K9、T9、とやたら “ナチュラル9” が多い……

『やっぱり、やるゲームがずれている……、けど、ボードと絡めば何とかなる!』

一進一退だったが、何とか原点をキープしつつ、耐える展開が続く。

そこに、昨日の “オールイン女” 登場!

エルメスのバッグから、1万$を1枚だけ取り出し、プレイ開始。

『この女には、まだ1万$預けていたのだったな……取り敢えずそれを返して貰う!』

UTGからフォールドで回る中、ボタンの若者が400$のオープン。

SBの当方のハンドは♦2、♡2

あるポーカーの本によると「ローポケットは取り敢えずコールしましょう。セットが刺されば良し! 刺さらず、相手に打たれたら大人しく諦めましょう。このように、プレイする上で、迷いが生じにくいのがローポケの利点です。逆にややこしいのが、ミドルポケット(77、88)や、Aと中途半端なキッカー(A8、A9のオフスーツ)などです。セットか2ペアにでもなれば、現状ベストハンドと言えるでしょうが、単なるワンペア、若しくはAヒットだけだと、相手に打たれた際、現状勝っているのか、負けているのか、判断が困難です。そんな状況のままリバーまで行き、相手からオールインが飛んで来たらどうします? 困りますよねぇ……、なので、マージナルなハンドでは、余り深入りしてはいけません」とある。

それを思い出し、ここは400$出してコールする。

対戦相手が二人いるからか、 “オールイン女” は一瞬迷った後に、オールインではなく、コールを宣言。

フロップが開く。

A、K、2!

セットが突き刺さる!

SBの当方がチェックすると、待ってましたとばかりに “オールイン女” がオールインを宣言する!

若者は悶絶しながら、渋々フォールドする。

(後で尋ねたところ、A,9だったそう……)

勿論、当方もオールイン!

ターン、リバーはラグで関係なさそう。

“オールイン女”は、「どうだ!」とばかりにA,Kをオープンするが、当方の2のセットには敵わない。

目を大きく開き、溜息をつきながら、エルメスのバッグから再度1万$を1枚取り出す “オールイン女”。

“柳の下の泥鰌” を求めて、その後もプレイを続けるが、“そうは問屋が卸してくれず” ポケットは入るもセットは刺さらず、一度だけ刺さった際も、フラッシュ&ストレートのドロー・ボードだった為、結局 “オールイン女”から頂いた分(1万$)のみの浮きで2日目のポーカーは終了となる。

『まぁ良い、“オールイン女”に預けていたチップは取り返した。ここまで、バカラでは2万$のマイナスに沈んだが、ポーカーでその75%を挽回した。原点まであと5千$! 今日はこれで手仕舞いだ……』

メンバーズカードがランクアップしたからか、おまけの御食事券は150パタカ → 300パタカと倍増していた。

ホテル内のレストランで、炒飯と点心、それとビールを頼む。(約300パタカ)

『あの “バンカー地獄” でのバカラの負けが痛かった……、けど、ここまでの収支がマイナス(5千$)でも、その日の最後の勝負が勝利で終わり、明日以降の種銭も十分有るとなると、不思議だが、何だかワクワクするなぁ♪』

“まだまだまだやれるよ……”

脳内に、Kiroroのメロディがこだまする。

そこまでは良かったが、炭水化物の塊(=炒飯)を、トールグラスに入った青島ビールで一気に胃袋に流し込むと、血糖値が急上昇し、猛烈な眠気が襲ってきた。

ウェイトレスを呼び、御食事券(300パタカ)と、チップとしてコインを少々追加し、“マイタン”を済ませると、一目散に部屋に帰り、ベッドの上にある7つの枕の内、6個をソファに放り投げ、服を着たままベッド倒れこむようにして眠りについた。

(その④)に続く

https://www.resocasi.com/res/report/detail?id=2241



 

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comment (8件)


  1. 投稿者:マリタイムさん

    投稿日:2024年6月5日

    マカオの帝王さん、こんにちは。

    パレスのVIPルームは、ショーカードはしてないんでしょうか。
    次回、パレスでバカラをやるときは、
    バンカーで負けだしたら途中からプレイヤーに乗り換えるという対策が考えられます。
    そういえば、大学受験の参考書に「傾向と対策」という本がありましたね。♠

     

  2. 投稿者:週末予言者さん

    投稿日:2024年6月5日

    マカオの帝王 さま

    こんばんは

    「妄想モード」とか「やるゲームがずれている」とか懐かしいフレーズですね。
    その④も楽しみです。

     

  3. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年6月6日

    マリタイムさん、こんにちは。

    バンカーに賭け、連敗する・・・・・・・・・それは我慢出来ます。
    けれど、
    プレイヤーに乗り換えて勝つ・・・・・・・・勝っても余り嬉しくない。
    プレイヤーに乗り換え、バンカーが勝つ・・・そんなことは、有ってはならない!

    なので、当方の取る作戦としては、玉砕、若しくは撤退、のいずれか、となります。

    旧日本軍と同じです。

    「日本精神」とでも言うのでしょうか……

     

  4. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年6月6日

    週末預言者さん、こんにちは!

    昨日は、ミナミのポーカーハウスを2軒梯子していたので、遅くなりました。
    1軒目では、A,Kでオールインすると、Q,Jにコールされ、フロップでAがヒットしたので、大船に乗った気持ちでいたのですが、ターン・・・J、リバーJ! で今週末の大型トーナメントの代表権を逃してしまいました……

    ただ、不幸中の幸いとしては、別店舗の7月開催予定の大型大会の予選にギリギリ間に合ったので、急遽移動し、レジクロ寸前にショートスタックながらエントリーしたところ、5回のオールインに全て勝利し、優勝者のみに与えられる、“100万円チャレンジ権”を見事獲得出来ました。

    GWのマカオレポートが完了すれば、この辺の出来事も、「マカティの週末ポーカー日記」ならぬ、「マカティの平日ポーカー日記?」として、アップするかも……

     

  5. 投稿者:週末予言者さん

    投稿日:2024年6月6日

    マカオの帝王 さま

    こんばんは

    優勝おめでとうございます。優勝プライズで大きな大会にエントリーできるのですね。ご健闘をお祈りします。
    それに勝てばきっと海外の大会にチャレンジできるのではないかと思いますので、楽しみです。

     

  6. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年6月6日

    週末預言者さん、こんばんは!

    100万円チャレンジの大型版として、1,000万チャレンジ! も現在同時並行で開催中です。
    こちらの参加権は、これからですが、これもゲットし、7月後半には、どちらか(勿論1,000万が良いのだけど……)
    せめて100万でも獲得し、12月にプラハで開催される、ヨーロッパ大会に参加したいものです。

    週末預言者さんの “予言” が当たりますように……

     

  7. 投稿者:マカマカさん

    投稿日:2024年6月11日

     マカオの帝王さん、はじめまして。
    コミッションテーブルでオールバンカー勝負ですか!?フラットベットでやってるんですか?
    凄いの一言です。BET額もおおきいし、怖くてまねできません

     

  8. 投稿者:マカオの帝王さん

    投稿日:2024年6月11日

    マカマカさん、はじめまして。

    バカラをプレイするときは、ほぼコミッション卓で、張るのは99% バンカー、ベット額はテーブルミニマムの2倍から5倍位で、自分自身がバンカー側で絞れる金額? になります。勝ってる時はVIPルームでこれを続け、負けてる時は場所を変え、平場のミニマムが安い卓で、同じことを繰り返します。

    澳門の良い点は、平場の安い卓も、24時間どこかで賑わっており、選択できることです。

    ただ、バカラは愉しくて怖いゲームなので、今感じている怖さを忘れないで下さい。

     


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