行ってきます〜ました


インナミとの暗闘~シンガポール 

NO. 1067 2012/02/13 (Mon) 22:27
Written by ジー・オー

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2泊したマレーシア・ゲンティンハイランドから、バスと飛行機を乗り継ぎ、1月23日の夜、シンガポールに到着した。迎えの車で、同じゲンティングループのリゾートワールド・セントーサに着くと、迎えの日本語のできる女性ホストが手早く、ホテル・マイケルの部屋のチェックインをしてくれる。同じグループでも、サービスの迅速さには差があった。

昨年1月のオフ会での初訪問以来、4度目の訪問。早速、VIPルーム「マキシムズ」で、20Kプログラムの手続き。1シンガポールドル(SGD)=60円強まで円高が進んでいた。2万ドルのノンネゴチップをもらい、早速、BJテーブルへ。

シンガポールでは、過去3回、大負け、ちょい勝ち、大負けと、相性は悪い。最初にまとまったマイナスに落ち、マイナス領域の中でウロウロして、メンタル的に苦しくなるというパターンばかりだ。だから、最初に何とかプラスを作りたい。

しかし、どうも調子が上がらず、気分も乗らない。負けが先行し、隣のテーブルに移動。徐々に基本のワンツーが決まりだし、1時間後、何とかベットアップを連勝し、+2225で勝ち逃げる。

マキシムズの入口寄りにあるBJエリアから、長い廊下を歩き、反対側の喫煙エリアへ。椅子やソファーがなく、スロットも満員なので、使い終わったグラスを置くテーブルに無理矢理腰を下ろして、一服付ける。

ゲンティンで今年初戦を何とか勝ったものの、得体の知れない山上カジノでの慣れない戦いであり、あくまで旅行の延長の視察モードだった。このシンガポールで勝って帰れなければ、昨年の厄落としには十分ではない。その意味で、最初のラウンドを勝ち逃げできたことで、ひとまず一息ついた感じだった。

第2Rは、流れが悪く、早めの見切りでテーブルチェンジ。そこでも悪い流れは変わらず、基本モードだけで、2000ドルの負け逃げライン寸前まで追いやられる。再びテーブルを移り、打たれ越しを25ドルに下げたGAKUストのベットパターンに変更。これを失ったら負け逃げの、最後の25ドルでようやく勝ち、しばらくして、ベットアップが入る。これを3連続で仕留め(一つはダブル)、+675に抜けだし勝ち逃げ。

さすがに疲れ果て、夢遊病者のように喫煙エリアへ。その一番奥に、ソファーテーブルがあるのを、訪問4回目にして初めて発見。砂漠でオアシスを求めるように、フラフラと腰を沈める。今日はこのぐらいにしておくか。

寝る前に、メーンフロアを散歩。クールダウンのスリーカードポーカーに行くが、4台ほどのテーブルはすべて満席。今日、明日は、農暦新年(中国正月)で国民の祝日らしいので、客でごった返している。部屋に戻ればいいものを、喫煙エリアのカリビアンに着席。ミニマム25ドルフラットなのに、疲れからか負けてイライラが募り、スリーカードに戻り、朝4時まで。結局、ポーカー系で500ドルを減らし、初日トータルは+2400。6時ごろにようやく寝付き、起きたら日が西の空にあった。むなしさを覚える。

頭がすっきりしないまま、マキシムズへ行き、2日目のプレー開始。調子が上がらず、またもテーブルチェンジを2回。こちらが19以上を作っても、追いつき、追い越され、基本モードだけで負け逃げラインの-2000に到達。

どうも気力がみなぎらないので、カリビアンで40分ほど遊び、珍しくプラスのまま席を立つ。これで流れが変わればいいがとBJにいくが、さっきもいたマハティール元マレーシア首相似の中年との共闘がかんばしくない。

ベットアップに行くと、16対Tのサレンダーが2度。最後は47対Tからヒット(ヨーロピアンノーホールカードルールのため、ダブルには行かない)し、Tを引いたが、ふと、嫌な予感がよぎる。「カジノでは、悪い予感は必ず当たる」の経験則通り、ディーラーはAを引き寄せた。

負け逃げラインには達していないが、「ベットを上げると負ける」流れに嫌気がさし、-1350で負け逃げ。これで、今日のトータルが-3000を越え、昨日からのトータルがマイナスに転落。

30分、ゆっくりソファーで頭をリセットし、臨んだ次のセッションは、最初のベットアップを取り、+1000まで行ったが、昨夜、平場のカリビアンにいた、マッチョ系のオカマっぽいディーラー(「インナミ」という友人に似ているため、インナミと命名)が来て、流れが一変。女々しい声とは裏腹に、容赦なくチップを回収していく。基本でズルズルと削られ、1時間後、原点に落ちたところで席を立つ。

疲労を感じ、ソファーに深々と体をうずめる。マキシムズでは過去3回、いつも水面下での戦いだった。疲れた頭に、そのイメージがリフレインしてくる。それを必死で振り払いながら、40分かけ、気持ちを落ち着かせる。

インナミのいるテーブルに戻らず、別テーブルでプレー開始。ベットアップが入らぬまま、基本で一進一退を続け、最後に入った倍モード(200)で4連勝。次のゲームを負けたところで、+1200で逃げる。

これで再びトータルプラスに顔を出したが、ノンネゴチップが数百ドル残っていたので、カリビアンで消化。150ドル負け、トータル+250で、0時半、マキシムズ内のレストランでチャーシュー飯と空心菜で遅い夕食。

お務め(ノンネゴ消化)も果たしたし、何とか水面にも顔を出した。これで打ち止めとし、ゲンティン、セントーサ連勝で帰国しようかとも考えた。だが、まだ明日の午後まである。今夜、もう1クールやって、プラスなら終了、マイナスなら明日出発まで残業、と決め、BJテーブルへ。

他のプレーヤーを気にせず、一人でやりたい気分だった。ちょうど、誰もいないテーブルがあった。

しかし、そこへ行くと、ディーラーは、インナミだった。

しばし考え、意を決して、席に着く。1時40分、プレー開始。

開始から数ゲーム、負け続ける。最初のベットアップを落とし、あっという間に-1000越え。

「ディーラーも人間。相性はついて回るのか…」。後悔しかけた頃、ベットアップが入る。インナミは積み増されたチップをけげんそうに見て、力を込めてカードを配る。

配られたのは、くず手の68。ディーラーは8。

「だめかな…」。弱気の虫を必死で閉じ込め、ヒット。

インナミが、勝ち誇ったように力を込めて配ったカードは、5。合計数19となり、1目リードする。

しかし、ここで油断をして、何度、インナミにマクられたか分からない。

腹に力を込め、インナミのカードを見守る。

Tだった。

19以上で勝ったため、付けられたチップを回収しただけで、置き張り。

次は1枚目がA。ディーラーはT。「ここはきっちりBJにしとかないと」と、念じたが、2枚目は8。

一目差で負けているが、インナミは8を引いてきた。

爽・快。

置き張り。

次はTT対8。「余計なカード引くなよ」。即決を念じると、インナミはA。上げても追いつけない。置き張り。

次も1枚目はA。ディーラーは7。欲張らず、ベットアップ続行条件の8以上を念じたが、2枚目は7。結果は、そのままインナミがTを引き、4連続の一目差勝利。

ベットアップ条件が切れたため、1時55分、カラーチェンジを頼み、席を立つ。

最後のベットアップ4連勝によりプラ転し、+1150。

ソファーで考える。一目差での勝利がこれだけ続くのは、経験則上、天国モード。どんなくず手でも、勝手に勝ってしまう流れだ。「ベットアップ条件が切れたから止めたけど、置き張りでよかったかな」と強欲に振り返る。

30分後、同じテーブルへ行くと、まだインナミがいた。もう気後れはない。

ベットアップを2連勝し、15分後、28対4のダブルで8を引き、ディーラーバスト。+2350で席を立ち、無表情を装うインナミを横目に、ソファーへ。

短時間で勝ち逃げし、ソファーへ戻る。この繰り返しが、リズムとなってきた。あとはいけるとこまで。3時、インナミのいるテーブルへ。

しかし、テーブルの上に、「3時20分でテーブルクローズ」の表示が置かれていた。他のテーブルも同様だった。

クローズまでに、勝負が決しない可能性もある以上、プレーはできない。

最後の2セッションで+3500上積みし、今のトータルは+3750。過去のマキシムズでの負け分と比べれば、微々たるものだが、欲張りすぎて上滑りした昨年を反省し、これをお持ち帰りすることに決めた。

インナミに「やっぱり止めるよ」と言うと、裏返った声で「オッケー」とだけ言って、目をそらした。心の中で、「君のおかげで勝てたよ、ありがとう」と声をかけ、キャッシャーへ。

全部キャッシュアウトして、ローリングのコミッションを150ドルほどのいただき、部屋へ。シャワーを浴び、久々に熟睡し、起きたら昼前。メルボルンで開催中のテニス全豪オープンの、錦織の準々決勝を観戦。第2セットで、錦織がブレークしたところで、出発の時間となる。

20Kプログラム参加により1泊は無料、2泊目は、宿泊代の150ポイントに満たないため、全額(込み込み330ドル)をクレジット払い。部屋のネット接続はポイントで支払う。

早くポイントをためて宿泊費に充てたいところだが、相方から「次はあのプールに入りにマリナベイ」と強く命じられているため、一度お休みかなあ、セントーサ。

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