行ってきます〜ました


旅打ち夫婦紀行 アフリカその2 ガンビア後篇「ディーラーもサル、客もサル。再び場末リゾカジ」 

NO. 422 2010/07/10 (Sat) 22:37
Written by TAHARN

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ガンビア二日目。気温38度、灼熱の太陽が照りつける中、これから訪れる「ギニアビサウ」及び「ギニア」のビザ取得に出掛けました。西アフリカはビザが必要な国ばかり。国境や空港での取得は難しく、取れたとしても悪徳役人に多額の賄賂を要求されます。事前に大使館で取得しておくのが基本です。大使館に赴いて申請、金を払って受け取る。それだけのことが、途上国ではしんどい作業です。ガイドブックの地図は間違っていることが多く、現地人はガイドブック以上にあてになりません。炎天下をさまよい歩き、熱中症になりかけました。ようやくたどり着くと、申請書は旧宗主国の言葉であるポルトガル語やフランス語で書かれてあり、ちんぷんかんぷん。なんとか書き上げたら、最短日数で発給してくれるよう、やる気のない役人と交渉です。申請を終えて大使館を出ると、もうぐったり。西アフリカは、この繰り返しでした。

強烈な太陽が沈み、やっと外を歩ける気温になったころ、KOLOLI CASINOに出動。21時開店のはずですが、20時半過ぎにのぞくと既にOPENしていました。例によってディーラーはテレビにくぎ付け。もうこのくらいでは驚きません。勝負の行方よりも「今夜はどんなでたらめぶりを見せてくれるか」の方が興味津々。昨日と同じピットマネジャーが、サンドイッチをパクつきながら「WELCOME BACK!」。期待を裏切らない出迎えです。
BJのテーブルを開けてもらうと、上手(かみて)に地元の中国人が3人座りました。アフリカの辺境でも中国人はしっかり入り込んで商売しています。彼らのたくましさには毎度感服。上客なのでしょう、くだんのピットマネジャーも愛想よくしています。
シャッフル中、ディーラーの携帯電話が鳴りました。勤務中はマナーモードだろ、とあきれる我々を尻目に、さっさとテーブルを離れておしゃべりスタート。ディーラーの私用が優先、客は放置プレーです。交代したディーラーも、BJに慣れていないのかディールが不器用。計算も遅く、思わず「このサル!」とつっこみたくなります。
同席の中国人もディーラーに輪をかけたサルぶり。全く基本戦略を知りません。オヤジ二人は、ディーラーのUPCARDが何であろうと必ずSPLITします。ディーラーのピクチャーに5・5でSPLITも平気。トンデモプレーは見て見ぬふり、を心掛けている私も、思わず「おいおい!」と声が出てしまいます。5・5SPLIT後6→DDでピクチャー また6→DDピクチャーで両方とも21にしたのにはのけぞりました(結局ディーラーがBJで全取られでしたが・・・)。無謀なSPLITでやられても全く学習機能のない二人。サルプレーを繰り返し、負け続けます。上客というわけです。
もう一人のサル、いえ中国人のオバちゃんは妻の上手でプレー。毎回ベットの額に悩み、賭ける前にディールが始まってしまうことがしばしば。ディーラーは「NO MORE BET」と言わないので、後から張ってもおとがめなし。あるとき、また張り遅れたオバちゃん、カードがサードベースの私まで配られたところでベット。「さすがにこれはダメだよ」と思っていたら「OK,OK」。ディーラーが平気な顔をして、カードを1枚ずつ上手にずらすではありませんか。妻のピクチャーがオバちゃんに、私のエースが妻に、ディーラーに行くはずの5が私に(ディーラーはピクチャー)。「そりゃーないだろ!」と猛烈抗議しましたが、なんといっても中国人はお得意さま。彼らの機嫌を損ねたくないのでしょう、適当にあしらわれ、そのままプレー続行です。いくら無法カジノでも、後出しアリなんて…。腹に据えかね、ディーラーをにらみつけていると、険悪な雰囲気を察したピットマネジャーが「PRESENT FOR GUESTS」と小さな箱を配り出しました。むっとしながら開けてみると、ちゃちなサルのぬいぐるみ。ディーラーもサル、客もサル、土産もサル…。見事なオチに言葉も出ません。ペースは完全に狂わされ、1時間余りであえなく撤退しました。

サルカジノにこりごりし、もう一軒のKOLOLI ROYAL CASINOへ。中国人経営のカジノで、スロットマシンコーナーの奥にテーブルゲームのフロアがあります。BJ2台、ポーカー2台、ルーレット1台と小さなフロア。キャッシャーでチップを購入。米ドル、ユーロ、英ポンドをガンビアダラシに交換できます(再両替手数料なし)。
客は皆地元在住とおぼしき中国人で、なぜかフロアの隅で麻雀を打っています。声高な中国語と、ジャラジャラと洗牌する音が交錯し、KOLOLI CASINO以上の場末感。麻雀もテーブルゲームといえばテーブルゲームですが…カジノに置いてあるのは初めて見ました。
Tシャツにジーンズ、こ汚い服装の中国人が話しかけてきました。客かと思ったら、「BJやりたいのか?」。なんと彼がピットマネジャー、早速テーブルを開けてもらいゲーム開始です。6デッキハンドシャッフルNH。SS17、DOA、DAS、サレンダー有り。MIN200ダラシ(約800円)MAX1000ダラシと、ここもゲーセン感覚で打てます。
ディーラーは地元の黒人で、手際はまあまあ、KOLOLI CASINOほどサルではありませんでした。妻と二人だけで調子よくチップを増やし、中国人客が入ってきたところで勝ち逃げ(トンデモプレーヤーに決まってますから)。浮いた分でサルカジノの損失を埋め合わせたら、手元に残ったのはサルのぬいぐるみ一つ(一人一匹ずつ、と押しつけてきたのをなんとか断った)。長旅ゆえ荷物は増やしたくないのですが、なんとなく愛嬌もあって捨てるに捨てられず、結局日本まで連れ帰ったのでした。

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