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ラスベガス・サンズにオーストラリア進出が適している理由
2021/ 03/ 08
ロイターのブレイキングビューに、ラスベガス・サンズはラスベガスの資産を売却して得る資金(63億ドル=約6,800億円)でオーストラリアのクラウンを買収すると良いのでは?との記事が掲載された。
その理由としてまず挙げられているのが金額的な背景。バーンスタインによると、サンズは2019年のEBITDAの13倍の評価額でラスベガスの資産を売却している。一方、クラウンの事業は、経常外項目を除くと、現在のところ同年のEBITDAの約8倍と評価されている。クラウンはメルボルンとパースに不動産とリゾートを所有しているが、1年に及ぶ調査によりガバナンスとコンプライアンスの不備が明らかになり、株式の価値は影響を受けており、シドニーを含む各地でオペレーターのライセンスを失う可能性もある。またオーストラリアの厳しい新型コロナ対策も成長の妨げとなっている。
さらに、サンズはカジノ関連の規制環境が最も厳しいとされるアメリカのネバダ州やシンガポールで事業を運営しており、同社の評判は警戒を強めるオーストラリアの関係者にも受け入れられると思われる。注目すべきは同社のビジネスモデルが、ハイローラーやジャンケットに依存していないという点である。故アデルソン氏がイベントや会議などの非ゲーミング事業に重点を置いてきたおかげで、サンズは低リスクな顧客層に対応することができる。
ただCrownの買収は、サンズにとって現在参入を検討しているとみられるオンラインゲーミング事業や他の選択肢を犠牲にすることを意味する。オンラインゲーミングでは、同社はMGMリゾーツやウィン・リゾーツなどの同業他社に遅れをとっている。米国の規制緩和により、同業界はブームになる可能性を秘めているものの、その利益率は不透明であり評価額は高い。例えばデジタルスポーツゲームグループのDraftKingsは、2020年の純損失が8億4,400万ドルに拡大するとみられるが、株式は累計で40%以上急騰している。
クラウンの買収は、これまで購入よりも実際に建物を建てることを優先してきたサンズのやり方を変えることになるが、今年の初めに創業者が死去し、新たな時代に乗り出そうとしている同社にとっては、オーストラリア進出は好機かもしれない、とロイター・ブレイキングビューのライターは記事を結んでいる。 By Resocasi.com
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