世界のIR・カジノニュース

2024年ネバダ州のGGR過去最高156億ドルを記録、ラスベガス・ストリップは減収

2025/ 02/ 11

2024年はネバダ州のゲーミング業界が過去最高となる156億ドルの収益を記録した一方で、ラスベガス・ストリップの収益は1%減少し、州全体とストリップの収益傾向が乖離する珍しい年となった。


ネバダ州ゲーミング管理委員会(NGCB)の報告によると、ダウンタウン・ラスベガス、リノ、クラーク郡のカジノが収益増に貢献しストリップの減少分を相殺した。ストリップの収益は88億ドルに落ち込んだが、ラスベガス市外およびノース・ラスベガスを含むクラーク郡のその他の地域では収益が10.6%増の19億ドルに達し、州全体の収益に貢献した。ダウンタウン・ラスベガスは2.4%増の9億3,120万ドルを記録、4年連続で過去最高を更新、リノも好調で3%増の7億5,880万ドルに達した。


一方、ストリップではバカラの収益が7%近く減少し14億ドルとなったことが収益低下に影響した。ただスロットマシンは2.1%増の49億ドルと、この分野の継続的な強さを示した。州全体ではスロットマシンが105億ドル(2.3%増)を生み出したのに対し、テーブルゲームの収益は2.8%減の51億ドルだった。


2024年12月の収益は前年比2%増、過去最高の14億6,000万ドルとなったが、ストリップの収益は8億8,120万ドルに落ち込み、6か月連続減となった。バカラは12月も10%近く減少した。


ラスベガス観光局(LVCVA)の発表によると、ラスベガスへの訪問者数は前年比2.1%増の4,170万人で、ホテルの稼働率、コンベンション(会議・展示会)参加者数、平均宿泊料金などが上昇し、観光業の成長を支えた。ゲーミング収益については、上半期は3%増と順調だったが、後半に伸びが鈍化、前年同期比2%減となった。


アナリストは2025年について慎重な見方を示しており、JMPセキュリティーズのゲーミングアナリスト、ベンダー氏は、2025年第1四半期のストリップのゲーミング収益を3%減と予測している。その主な要因として2024年にラスベガスで開催されたスーパーボウルLVIIIによる大規模な賭けが2025年にはないことを挙げている。また2024年12月にはネバダ州のブックメーカーがフットボールの賭けで200万ドルの損失を出し、10年以上ぶりにフットボール賭博で赤字を記録、スポーツベッティングの不安定さが懸念されることとなった。


ネバダ州ゲーミング管理委員会のシニア経済アナリストであるマイケル・ロートン氏は、強い消費者需要、過去最高の雇用水準、そして人口増加がネバダ州の成功を支えているとしながらも、2024年の記録的なゲーミング収益は前年までとは異なり、ラスベガス・ストリップが主導したものではなかったと語った。By Resocasi.com