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シンガポールのカジノ、貸付金回収に苦戦

2013/ 05/ 06

昨年のシンガポールのゲーミング市場は、わずか2つのカジノでゲーミング売上高59億ドルと、ラスベガスストリップ全体の売上高62億ドルに迫る勢いだが、VIP市場の半分を占める中国国籍ハイローラーからの貸付金回収が深刻な問題となっている。シンガポールのカジノはラスベガスやマカオよりも高いプロフィット・マージンを得てはいるが、マカオでは200以上のジャンケットオペレーターが債権回収を請負っているのに対し、シンガポールでは3つのジャンケットオペレーターしか認可されておらず、その活動も厳しく規制されていることが主な原因といえる。中国人ハイローラーが債務を返済せずに帰国してしまった場合、カジノ側がシンガポールで訴訟を起こし仮にそれが認められたとしても、中国との協定がないので中国では効力を持たない。中国ではそもそもギャンブルが「違法」であるため、中国側がこうした問題の解決に協力する望みは低い。またシンガポールではギャンブルの債務に関する問題は民事とみなされるため、返済しなくても逮捕されることはない。例えばGenting Singapopreの2012年末の売掛金は前年比3割増のS$9億5,950万だが、売掛債権に対する減損額も18%増のS$1億4,300万に増えている。