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NYのカジノライセンスの行方は?

2025/ 01/ 06

NYのカジノライセンスについて今確かなことは、2025年中に少なくとも1つ~3つのラインセンスの獲得先が決まるということだ。州のゲーミング委員会によると、全てのプロジェクトに関する提案は6月27日の締切までに提出されなければならず、提出されたプロジェクト案は、まずキャシー・ホーチュル州知事が任命したメンバーで構成されるコミュニティ諮問委員会、州議会議員、特定の地方公務員(NY市を拠点とする提案の場合、エリック・アダムス市長やその地域の市議会議員など)へと回される。

プロジェクト案が各コミュニティ諮問委員会を通過するためには、9月30日までに3分の2以上の賛成を得る必要がある。通過したプロジェクト案は、NY大学法学部のエドワード・ワインフェルド教授率いるゲーミング施設立地委員会へと提出され、同委員会が12月1日までに最大3つの申請者を州ゲーミング委員会に推薦する。
このプロセスにおいてワイルドカードとみられているのが「税金」に関するもので、州ゲーミング委員会幹部のウィリアムズ氏はこれを入札プロセスの競争を高める素晴らしいものだと評価している。
NY州で2022年に導入されたモバイル・スポーツ賭博の51%の税率は約25億ドルの税金を生み出したという。こうしたカジノからの収入は、州内の公立学校のほか大量輸送機関やギャンブル依存症の治療にも使われる。



以下は現在検討されているプロジェクト:
①デベロッパーのラリー・シルバースタインが手がけるアベニール(The Avenir)は、2棟の高層ビルからなり、1,000室のホテルと40万平方フィートのゲーム、エンターテインメント、レストランを含む。このプロジェクトでは、完成時に5,500人の労働組合雇用が約束されている。


②カジノオペレーターのウィンと関連会社は、ハドソンヤードの西半分をウィン・ニューヨークシティとして開発することを提案している。このプロジェクトには、リゾートとカジノ、5.6エーカーのオープンスペース、1,500戸の住宅が含まれ、カジノ提案の中では最多となる、少なくとも35,000人の労働組合による建設雇用が予定されているという。


③シーザーズ・エンターテインメントとSLグリーン・リアルティ(NY市最大のオフィス不動産保有)は、ジェイ・Zのロック・ネイションと組み、ブロードウェイ1515番地(シーザーズ・パレス・タイムズスクエア)にプロジェクトを提案。「より良いタイムズスクエアのための連合(Coalition for a Better Times Square)」によると、このプロジェクトはブロードウェイの年間チケット売上げ1億ドル以上、地元レストランでの1,000万食の需要を生み出すという。


④ハドソンズ・ベイ・カンパニーの提案は、サックス・フィフス・アベニューの最上階数フロアをカジノに改装するものだと報じられている。


⑤NYタイムズ紙によると、ソロヴィエフ・グループは、国連向かいの空き地にカジノと1,325戸の住宅を建設し、民主主義をテーマとした博物館とイースト川沿いの4.7エーカーの緑地も作りたいと考えている。


⑥クイーンズでは、メッツのオーナーであるスティーブ・コーエンが、シティ・フィールド近くのメトロポリタン・パークを開発する計画を進めている。このプロジェクトは、地元のコミュニティ委員会からは支持を得ているが、ジェシカ・ラモス州上院議員からは反対の声が上がっている。このプロジェクトには、公共公園のほか、クイーンズのレストランを受け入れるフードホールが含まれ、23,000人もの労働組合による雇用が生まれる予定だ。


⑦リゾート・ワールド・ニューヨークシティは、アケダクト競馬場にある既存のカジノ施設だが、リゾート・ワールドが今年初めに発表した提案では拡張される予定。この提案には、1,600室の新しいホテルに客室、7,000席のエンターテイメント施設、世界最大級(同社の発表による)のカジノフロアが含まれている。


⑧バリーズ・コーポレーションが提案するブロンクスを拠点とするプロジェクトは、ザ・シティ紙によると、ゲーミングホール、スパ、ホテル、2,000席のアリーナを備えた310万平方フィートの複合施設が含まれるという。


⓽Thor EquitiesとChickasaw Nationは、コニーアイランドのボードウォーク近くの5エーカーの土地にカジノとホテルの複合施設「The Coney」を提案している。


⓾ナッソーでは、カジノオペレーターのラスベガス・サンズ社が、ニューヨーク・アイランダースのかつての本拠地をカジノにすることを目指している。このプロジェクト「サンズ・ニューヨーク」には、ホテル、レストラン、豪華スパも含まれる。


⑪ヨンカーズでは、カジノオペレーターMGMが既存のMGMエンパイアを再開発し、5,000席のコンサートスペースと「最も目の肥えた」客向けのカジノを追加しようとしている。現在、この施設は電子ゲーミング機器と競馬を提供する「Racino」として運営されている。 By Resocasi.com