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ゲンティン・シンガポールに競争力低下の懸念 ─ MBSとの格差が拡大?

2025/ 09/ 15

シンガポールの2大統合型リゾートの一角「リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)」を運営するゲンティン・シンガポールに対し、信用調査会社CreditSightsが構造的な競争力低下を懸念する内容のレポートを発表した。

それによると2025年上半期、ゲンティン・シンガポールは以下のような業績低下に直面している。

・売上:約10%減(前年同期比)

・EBITDA:約26%減

・ゲーミング収益:12%減、非ゲーミング収益:6%減



原因としては、施設改装による一時的な来場者数減少に加え、マリーナベイ・サンズ(MBS)との競争激化が挙げられている。

ライバルであるMBSは、2025年上半期にゲーミング収益が前年比23%増、特にマス市場は34%増、VIPセグメントも17%増と好調を維持しているおり、JPモルガンによると、RWSのEBITDAベースの市場シェアは初めて30%を下回った。

ゲンティン・シンガポールでは、今後の業績回復に向けて積極的な施設拡充を進めており、7月には新商業エリア「WEAVE」と「シンガポール・オーシャナリウム」がオープン、2月にはユニバーサル・スタジオ内に「ミニオン・ランド」も開業している。また10月には高級ホテル「The Laurus(ザ・ローラス)」の開業も予定されるなど、総投資額68億Sドルの大型拡張計画「RWS 2.0」が進行中(完了予定:2030年)。

一方、MBSも総額80億米ドルをかけ、2031年までに新ホテル、アリーナ、MICE施設、エンタメエリアなどを開業する計画を進めており、ゲンティン・シンガポールが再び競争力を取り戻せるのか、それともMBSとの格差がさらに広がるのか、シンガポール市場の動向が注目される。by
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