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シンガポールはアジアのモンテカルロに

2010/ 09/ 28

今年前半にオープンした2つの巨大カジノリゾートによって、シンガポールはビジネスの街としてだけでなく観光の街へと変貌を遂げている。ゲンティンのリゾートワールドは6月までの4半期で3億6,990万ドル(金利・税・償却前)を稼ぎ出しており、このペースが続けば利益率では、ラスベガスやマカオのライバルを抜くことは確か。もう一方のマリナベイサンズも数字はまだ公表されていないが、CEOのアデルソンは年間10億ドル以上の利益を期待していると語っている。人口510万人のシンガポールを訪れる旅行客の数は今年1〜7月で前年比20%以上増の650万人となっており、7月のホテルの客室稼働率は前年同月比10.2 ポイントアップの90%、客室料金の平均は20%アップとなっている。また、カジノ客の早朝の利用でタクシードライバー達の売上が30%アップしているという。シンガポール政府はカジノリゾートの解禁により、2015年までに観光客数を1,700万人へ倍増させることを目標としているが、昨年970万人だった旅行者数は今のペースで伸びれば今年1,200万人近くに達するとみられている。またこの数字には、陸路でやってくるマレーシアからの旅行客数は含まれていない。シンガポール経済に占める観光業のシェアは現在7%だが、政府の予測によれば2015年には12%にまで拡大するとみられる。一方で、プロブレム・ギャンブリングの増加という問題も生じている。地元のTV局の報道によると、NCPG(ナショナルカウンシル・フォー・プロブレム・ギャンブリング)では今年前半だけで、既に昨年1年間と同数のプロブレム・ギャンブリングのケースを扱っているという。