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オークツリーVSブラックストーン、豪クラウン・リゾーツを巡る戦い

2021/ 04/ 19

アメリカのオークツリー・キャピタルグループが、オーストラリアのクラウン・リゾーツに対し、創業者ジェームズ・パッカー氏が保有する37%の株式買収のための資金約23億ドルの支援を提案。クラウン側はこの提案を検討するとの発表を行った。3月には米ブラックストーン・グループがクラウン・リゾーツに対し、約62億ドルでの買収を提案しており、この提案でその先行きがわからなくなってきた。
クラウン・リゾーツの創業者であるパッカー氏は、同社へのマネーロンダリングを含む一連の疑惑について規制当局から厳しく責任を問われており、株式を売却する意向を示している。クラウン・リゾーツはこうした疑惑を理由に、シドニーに完成した新カジノリゾートでのカジノライセンス取得を認められておらず、既存のメルボルン、パースのカジノ施設についてもライセンスの適格性を問う調査が行われる事態となっている。

クラウンの多くの投資家は、ブラックストーンの買収額がクラウンを過小評価しているとして買収案を支持していない模様。ブラックストーンの買収提案に対する決定には75%の株主承認が必要なため、現状ではパッカー氏の権限が決定を左右する状況にあるが、オークツリーの提案を受け入れれば、投資家の希望を下回る価格での買収に合意することなくパッカー氏との関係が解消可能となる。
4月19日のクラウンの株価は12.06豪ドルで、ブラックストーンの1株あたり11.85豪ドルの買収提案を上回っている。By Resocasi.com