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豪スター・エンターテイメントがクラウンに合併のオファー

2021/ 05/ 12

オーストラリアのカジノオペレーターであるスター・エンターテイメントグループが、クラウン・リゾーツに対し合併提案書を提出、米ブラックストーングループと競合する展開となった。
5月11日の報告書でスターは、法的拘束力のない提案としてクラウン株1株につき自社株2.68株を提供するとした。これはクラウン株1株を14豪ドル以上と評価していることになるという。また同社はクラウン株主に対し、保有株式の25%を上限として1株あたり12.5豪ドルの現金による支払いという選択肢も提示した。
スターエンターテイメント社は、NSW州のカジノホテル「スター・シドニー」のほか、QLD州で「スター・ゴールドコースト」と「トレジャリー・カジノ&ホテル・ブリスベン」を所有・運営しており、香港企業2社と共同で「クイーンズワーフ・ブリスベン」プロジェクトを展開している。一方、アメリカのブラックストーン社は先週末、クラウン1株あたりの評価を11.85豪ドルから12.35豪ドルへと引き上げたが、スターの提案はこれを上回っており、クラウンの総資産を84億豪ドル以上と評価している。米国の資産運用会社オークツリー・キャピタル・マネジメントLPもまた、ジェームズ・パッカー率いるコンソリデーテッド・プレス・ホールディングが保有するクラウン・リゾーツ株の37%を30億豪ドル(約2,562億円)で買収する提案を行っている。
クラウンは2月に、シドニーの新カジノを運営するライセンス保持者に適さないと判断され、メルボルンとパースにあるカジノのラインセンスについても適格性の調査を受けている。
報告書の中でスター社はこの提案が両社にとり非常に付加価値の高いものであり、年間1億5,000万から2億豪ドルのコスト削減が実現できるとしている。また、合併後は全豪4州に7つのカジノ施設を有し120億豪ドルの資産価値を持つ企業となる可能性を示唆した。
Crown は、各社からの提案について、それぞれの価値と条件を考慮し、検討していると述べている。By Resocasi.com