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スター・エンターテイメントにもマネロンなど不正の疑惑、オーストラリア

2021/ 10/ 12


昨年クラウン・リゾーツ社がマネーロンダリングや組織犯罪との関連などで批判の的となっている間、ライバルのスター・エンターテイメント社はクリーンな存在をアピールしていた。が、同社もまたシドニー・モーニング・ヘラルド紙、エイジ紙、60ミ二ッツの3媒体の調査によって、シドニー、ブリスベン、ゴールドコーストのカジノでクラウン同様の不適切な運営を行っていたことが明らかとなった。ジャーナリストらの調査によると、スター・エンターテイメントの取締役会は、2018年にマネーロンダリング防止の体制が不十分であるとの警告を受けていたにも関わらず、コカイン輸入者とされる人物や人身売買やマネーロンダリングの容疑者らを警戒することなく、客室や高額な商品を提供しハイローラーとして優遇していた。またニューサウスウェールズ州やビクトリア州の警察長官がクラウン・メルボルンやザ・スター・シドニーへの出入りを禁じた組織犯罪に関係する人物に、自社のゴールドコーストのカジノでのギャンブルを容認していたという。ニューサウスウェールズ州独立酒類賭博局(ILGA)では、スター社のカジノライセンスを見直すべく、昨年のバーギン調査でクラウン社幹部の聴取を行ったアダム・ベル氏の指揮による非公開の調査を先月から開始している。ILGAのクロフォード会長は、ILGAの監視委員会がこうした一連のスター社による不適切な行為に気付いていなかったことを認め、これらの疑惑を調査すると述べているが、公聴会についてはベル氏からの提案がない限り、開催する予定はないとしている。しかしILGAがいかにしてこれらの行為を見過ごしてきたかについては説明が求められるところであり、独立系連邦議員のアンドリュー・ウィルキー氏、NSW州野党党首のクリス・ミンズ氏らは公聴会など公的な調査を行うべきだと主張している。ヘラルド紙も「ILGAはシドニー唯一かつ最大のカジノを運営するスター社に手加減をしているように見える」と批判している。NSW州のドミニク・ペロッテ首相は、州政府は3月に予定されている評価報告の内容を検討した上で適切な行動をとるとし、必要とあらばそれ以前に追加の措置を講じることもあり得ると語った。By Resocasi.com